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日本銀行法改正(案)についての報告
| 金融調査会 |
| 金融と物価に関するワーキングチーム |
| 事務局長 山本幸三 |
金融と物価に関するワーキングチームは、昨年春以来、いわゆる 「物価安定目標政策」を日銀が採用すべきかどうかを中心に検討を行ってきたところであるが、このたび以下のように、日銀法を改正することが妥当との結論を得たので、報告する。
1. 現下の日本経済の状況は極めて厳しく、とくにデフレ状況の解消が急務である。インフレの解消が日銀の最大の責務であるのと同様、デフレの解消もまた、日銀の大きな責務である。その為の最も有効な政策は、日銀が「物価安定目標(期限を含む。)」を掲げ、その達成に向けて全力を傾けることである。今日の日本経済は大きなデフレ・ギャップの下にあり、インフレの懸念は全くなく、この政策による副作用はほとんどない。さらに、これにより、日銀の政策の透明性が向上し、説明責任が明確になる。
本政策の採用に当たっては、「日銀の独立性」に留意する必要があるので、日銀法第15条の日銀政策委員会の決議事項の一つとして加えることにより、その点の懸念を払拭することとした。なお、「物価水準の目標」の決定又は変更に当たっては、政府の意見を聴取してもらうこととした。
2. 昨年八月のゼロ金利解除の際のような政府と日銀の対立は、国家・国民にとって不幸なことである。そこで、日銀の金融政策と政府の経済政策の整合性を一層図る必要があることを強調するとともに、政府から政策決定延期の要請があれば、一回に限り、これを延期せねばならないこととした。その間に、政府と日銀の間の十分な意思疎通を図ることにより、昨年八月のような失態を再び招かないようにすることとした。
3. 政策委員会の審議委員は現在9名で、その内3名を日銀(総裁と副総裁2名)が占めている。これまでの実績を見ても、この体制では、事実上、日銀の意向が政策委員会の審議の結果を左右してしまう。より中立的、専門的な審議を確保する為にも、日銀のオーバープレゼンスを改め、総裁1名が日銀を代表することとし、審議委員の数を7名にすることが適当と考えられた。
4. 以上が今回の改正案の内容であるが、WTの議論では、この外、「総裁の解任権を規定すべき」とか「第2条の理念規定で、経済成長や雇用の確保ということを明示すべき」等の意見も出た。
この内、解任規定については、これを導入しようとすると、管理・命令権を財務大臣が持てるようにするなど、旧日銀法の体系に逆戻りさせなければならないこととなり、適当ではないと判断された。今回の改正は、あくまで、日銀の独立性を侵さない限度においてのものであるよう細心の注意を払ったところである。
次に理念規定であるが、やはり、「物価の安定」を目指すことが日銀の最大の責務であると考えられ、とくに、日銀の方から要請があれば別であるが、現規定を改正するのは時期尚早ではないかということとなった。
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