カテゴリー別アーカイブ: 地方創生探訪 ~山本幸三が歩く~


山本幸三地方創生探訪記録@和歌山 (2017.7.11-12)

 

去る7月11、12日は、和歌山県の高野町、白浜町、広川町、有田市、和歌山市を訪問してまい

りました。一部抜粋し、本HPでご報告致します。

今回のトップ画は、高野町の金剛峰寺での様子です。こちらの「高野・熊野」地域は、地域活性化

総合特区の指定を受け、通訳案内士にかかる規制の特例措置等を活用し、「高野・熊野特区通訳案

内士」を要請して外国人観光客の受け入れ態勢を充実させています。

一昨年の高野山開創1200年誘客キャンペーンや昨年の大河ドラマ「真田丸」・戦国わかやま誘

客キャンペーンにより、国内外に魅力発信を行うとともに、昨年度から関西国際空港と高野山を結

ぶリムジンバスを運行し、近年観光客が大幅に増加しているとのこと。

また、そうした中で、今度は、観光客の滞在時間を延ばし、地域経済への好循環をもたらすため

に、高野町が整備する「高野町ビジターセンター」において、高野山ならではの新たな観光サービ

スの開発や、一元的な情報発信・プロモーションを展開する「高野町DMO」を設立しています。

ー 白浜町 ー

・ITビジネスオフィス

白浜町は、地域若年者の雇用創出や町内活性化を目的として、民間企業の保養所を買取・改修し、

平成16年にIT関連企業等が入居できる「白浜町ITビジネスオフィス」を開設しています。現在、

10社が入居しており、満室とのことで、二か所目のオフィスの整備に取組んでいるようです。

また、この場で、実際にこちらに入居している、サテライトオフィスを構えている (株)セールスフ

ォース・ドットコムより、取組を伺いました。こちらは、総務省が実施した「ふるさとテレワーク

推進のための地域実証事業」に参画しており、平成27年10月より白浜サテライトオフィスを開

設しています。地域と密接に繫がりながら生産性の高い働き方を実現しており、サテライトオフィ

ス開設後商談数も20%アップしたほか、社会貢献活動も計1200時間以上行われているとのこ

とで、会社としてではなく、個人として地域にとけ込みアイデンティティを確立でき、モチベーシ

ョンも上がるとお聞きしました。吉野・白浜オフィス長によれば、都市部に比べ通勤時間も減った

ことで家族と過ごす時間も増え、活力が生まれ、生産性も向上していると伺いました。また、地域

の子供たちにプログラミング教育を普及させる活動も行っており、これまで400名以上の成果を

上げているとのことです。

この実証事業の終了後も、同社のパートナー企業4社とともに「Salesforce Village」での業務を

継続しています。

 

ー 田辺市 ー

・中田食品株式会社

(中田社長(奥)に、施設内を案内して頂きます。視線の先は加工場です。)

今回訪問いたしました、みなべ・田辺地域は日本一の梅の産地で、全国総出荷量の6割以上(平成2

7年産)を占めており、その中でも、「南高梅」は有名で、平成18年に地域団体商標制度の第一弾

として認定されています。

「中田食品株式会社」は紀州梅干のトップメーカーとして、梅干・梅酒をはじめ梅関連製品の全国

販売を展開しており、2009年元気なモノ作り中小企業300社「日本のイノベーションを支え

るモノ作り中小企業」部門に選定されています。

「みなべ・田辺の梅システム」が平成27年12月に世界農業遺産に認定されたことを契機とし、

梅産業全般のグローバル展開を図るとともに、地域の魅力・価値を再発見、再構築し、その魅力・

価値を充分に理解して発信できる人材を育成していくことを通じて、梅(UME)産業のイノベーショ

ンの実現を目指しています。

「みなべ・田辺の梅システム」とは・・・養分に乏しく礫質で崩れやすい斜面を利用して薪炭林を

残しつつ梅林を配置し、400年にわたり高品質な梅を持続的に生産してきた農業システムです。

里山の斜面を利用し、その周辺に薪炭林を残すことで、水源涵養や崩落防止等の機能を持たせ、薪

炭林に住む二ホンミツバチを利用した梅の受粉、薪炭林のウバメガシを活用した製炭など、地域の

資源を有効に活用して、梅を中心とした農業を営んできています。

 

ー 有田市 ー

・株式会社早和果樹園

(秋竹社長より、取組についてお話を伺います。)

有田みかんは、和歌山県のブランドみかんとして広く知られていますが、現在和歌山県は13年連

続で全国1位のみかんの生産量を誇るようで、有田市は県内の60%以上を占める最大のみかんの

産地です。

株式会社早和果樹園は、みかんの生産・選別出荷はもちろんのこと、農産加工品の製造・販売を行

っている、みかんの生産者が立ち上げた農業生産法人です。その法人の強みを活かし、他にはない

美味しいみかん商品を開発し、国内外へ販売を展開しています。

(こちらでは、いち早くドローンを導入しています。和歌山県HPより引用)

こちらでは、地方創生交付金を活用し、生産の効率化や高付加価値化、ブランド力強化等の取組を

支援し、海外へ(中国、オランダなど十数か国以上)の販路拡大を強化しています。生産の効率化と

いう意味では、富士通と県の果樹園試験場とタックを組んだ「ICT農業システム」を導入しており、

「勘と経験の農業」から、データ活用のきめ細かいスマート農業へと変革しています。これは、富

士通のシステムをプラットフォームに、ITセンサーによって糖度や酸度、水分の状況など果樹園か

らあがってくる栽培のデータを収集し、園地や品種ごとに栽培や生育を見える化しています。こう

した情報は、iPhoneなどのデバイスで各自逐一共有できるそうです。一方でこうした情報を県の果

樹試験場と共有することで、栽培の最前線の情報に触れながらアドバイスをもらうことなどが可能

になります。このようなデータを収集・蓄積、分析してモデルづくりをおこなっているのです。そ

してこちらでは、いち早くドローンも導入し、広く急な斜面が続くみかん畑でありますが、歩かず

とも安全に畑の端から端まで生育状況や病気などチェックできるようになったといいます。

(こちらも、メディアでよく取り上げられている新商品「みかんケチャップ」。「メーカーは新商品が出せなくなったら終わり」との気持ちの下、続々と新商品が開発されているそうです。)

また、地域活性化という意味で、近隣のみかん農家からの受け入れも積極的にされているほか、本

来安値である加工用みかんを付加価値の高い商品を開発することにより、高価で買取をすることで

所得の向上とともにみかん需要の拡大にも貢献しています。

加えて、地元志向の新卒大学生等の受け皿(従業員の3分の1が20代とのこと)やシルバー人材の

雇用など、積極的に地域人材採用・育成を行い、仕事場の創造と所得の向上に繋げ、みかん産地で

の雇用を創出しています。

こうした素晴らしい取組みはモデル企業として全国的に評価されており、2014年には、「6次

産業化優良事例表彰(農林水産大臣賞)」を受賞したほか、2015年に「ディスカバー農山漁村の

宝」に選定されています。今後も更なる経営規模拡大による地域雇用への貢献を期待したいと思い

ます。

 

 

ー 和歌山市 ー

・水辺座

今回訪問した和歌山市全体の人口は、産業構造の転換等により、昭和60年をピークに約9%減少

し、空き家の増加が問題となる中で、市内の空き家の実態把握や空き家等の活用を促進するための

取組を進めています。この和歌山市では、リノベーションまちづくりを進めていくために、平成2

5年度から短期集中合宿「リノベーションスクール」を開催し、遊休不動産の再生とまちづくりの

担い手の育成を図っています。受講生が実在する遊休不動産を再生させるための事業計画を不動産

オーナーに提案し、事業化を目指しています。空き家、空き地の活用に向けて、官民の遊休不動産

を活用したまちづくりを推進しており、市街地再開発とリノベーションを組み合わせて、エリアの

課題解決・価値向上を目指しています。

今回お邪魔した「水辺座」(上写真)もその一つであり、スクールの受講生3人が(株)宿坊クリエイテ

ィブを立ち上げ、南海和歌山市駅近くの空き店舗を建物の裏側を流れる市堀川や対岸の酒蔵「世界

一統」をいかし、川をのぞむ日本酒バーとしてリノベーションしオープンさせたものです。この他

にも、低コストで民泊用に供して、外国人のインバウンドの方々に、泊まってもらえるよう取組を

やられています。

 

 

・総務省統計局移転、データ利活用推進センター

 

今回の視察では、総務省統計局の一部移転先の「南海和歌山市駅ビル」も視察いたしました。こち

らは、東京一極集中の是正を目的とした政府関係機関の地方移転の一環として、総務省統計局

立行政法人「統計センター」の一部機能を和歌山市内への同ビルへ移転するものになります。現在

は、南海電鉄和歌山市駅に隣接した同ビルへの入居に向けて、準備が進められており、平成30年

度より、統計局と統計センターの職員十数人が常駐し、「統計データ利活用センター」として業務

を開始します。今年度中は、和歌山県などと連携し、ここを拠点にデータサイエンス普及や人材育

成を柱にしたプロジェクトを実施するほか、公務員を対象にしたデータ分析などの研修、企業や自

治体がどのようなデータを求めているかといった調査などを進めます。

和歌山県も、この移転に合わせて、「データ利活用推進プラン」を策定し、統計局が設置するセン

ターに隣接して、同ビル内に「和歌山県データ利活用推進センター」設置し、データを利活用した

県内企業の支援や行政課題の研究等に取組んでいく予定であり、効果的な連携が期待されます。

今後、政府は統計改革を行っていくわけですが、EBPM(証拠に基づく政策決定)を定着させるために

も、この統計センターの取組は政府関係機関の移転の中でも大変重要であると考えております。

 

以上。


山本幸三地方創生探訪記録@群馬、埼玉  (2017.7.6)

 

去る7月6日は、群馬県の川場村、高崎市、埼玉県は行田を訪問してまいりました。一部抜粋

し、本HPでご報告致します。

 

ー 川場村 ー

・田園プラザ かわば

(レストランや産直販売所、パン・ビール工房や温泉もあり1日中遊べるスポットです。HPより。)

 

株式会社田園プラザ川場は、観光庁長官表彰をはじめ、数々の賞を受賞する全国でも大人気の道の

駅です。「農業プラス観光」で自立を目指す川場村の産業・情報・交流の拠点となっています。

こちらには、人口3500人の村ながら年間約180万人の来場者があり、うち約7割をリピータ

ーが占める⼈気施設で「関東好きな道の駅 5年連続第1位(平成16年度~20年度)」、「全国

モデル道の駅(平成26年度・国土交通省)」にも選出されています。

 

(永井代表取締役(左)に館内を案内して頂きます。右側はご地元の尾身先生と外山・川場村長です)

利根沼田地区のイメージアップをモットーに、地元食材を積極的に使用した6次産業化産品(地ビー

ル、ヨーグルト等)の開発、製造や販売を行っており、商工会青年部のうまいもの市や川場村のグリ

ーンフェスティバルの会場となるなど、関係機関と連携し、地域の宣伝と活性化に取組んでいま

す。人気の理由は、都会にはない豊かな自然とともに、開発した新商品を積極的に取り⼊れるな

ど、飽きさせないようにしている、とのこと。そして、この「道の駅」は、地元の農産物の販売の

場として産直販売所を設けているほか、農地の遊休化防⽌や生きがい対策にもなっているとその効

果を強調しておられました。

また、川場村は、東京の世田谷区と「縁組協定」を結んでおり、都市交流事業を実施していま

す。その事業のひとつとして、世田谷区から数多くの小学校が否か体験として遠足(実習)で多く訪

れるといいます。これは、子供だけではなくその親の世代も体験しているくらい長い取組みのよう

です。そして、夏や秋の繁忙期には、約120名が就業するほか、U・I・Jターンを積極的に受

け入れています。

 

 

ー 高崎市 ー

・Cafe あすなろ

(今回、富岡・高崎市長とともに学生たちと昼食をとりながら懇談をさせていただきました。)

Cafeあすなろは、かつて「市民の文化の拠点」として親しまれた名曲喫茶「あすなろ」を平成

25年に高崎経済大学の学生が復活させ、「学生の実社会体験の場」、「地域交流活動の場」、

「文化活動支援の場」、「情報発信の場」の拠点とするべく、コミュニティカフェとして運営して

います。

施設は、公立大学法人高崎経済大学が設置し、店舗の管理・運営を学生らで構成するNPO法人が

行っており、NPO法人には100名を超える学生が参加をしているそうです。また、お店は、空

き店舗を活用しており、まちの活性化にも役立っています。カフェの運営を通じて、対人関係も磨

かれていくでしょう。

あすなろCafeは、大学と⾏政が連携した先進的な事例として全国から注⽬されており、今後

「お金を稼ぐ」という意識も重要です。地元の特産品である、梅やブルーベリーなどを使った商品

を学生の自由な発想で開発し、使用してもらいたいと思います。

 

ー 行田市 ー

・きねや足袋株式会社

(今回は、特別に作業工程をみさせていただきました。足袋はまさに人と機械との傑作です。)

行田は江戸時代、忍藩の城下町として発展していたところ、今から300年程前頃、江戸より足袋

製法が伝えられて、その技術が広められ、その時の忍藩主・阿部豊後守忠喬により足袋製造が武士

やその家族の仕事として奨励されましたといいます。そして、明治に入ると海外からの輸入品や文

明開化により多くの機械が手に入り、技術も進み、銀行からの資金援助により行田足袋産業が盛ん

になっていったそうです。行田市は昭和13年頃には全国生産の80%を占めていたようですが、

その後、日本人の服装の変遷により足袋の需要は少なくなったものの、現在も行田の足袋は全国の

トップシェアをほこっているそうです。

そんな行田市に所在するきねや足袋株式会社は、創業当初から、「ミシン、道具、人」に優しい行

田足袋づくりを心掛けており、耐久性、シルエット、縫い上がりを追求し、足を包み込むような

「ふっくら」として特徴があります。先々代から受け継がれてきた伝統の技を受け継ぎ、着物の脇

役としてだけではなく、他の分野においても足袋が役立てるよう、2013年には、既存足袋製品

に加え、ランニング足袋「きねや無敵」を発売しているようです。地域の伝統産業に対するイノベ

ーションの好事例ではないでしょうか。

※同社は、池井戸潤氏の小説「陸王」のモデルになったといわれているようです。

 

・足袋蔵

(同NPOが運営する観光案内所、「まちづくりミュージアム」の様子です↑↓。HPより引用)

 

また、その行田市を足袋蔵でまち起こしをしている取組を視察いたしました。行田市は、平成29

年度に県内初の日本遺産「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として認定されていま

す。そもそも足袋蔵とは、完成した足袋を出荷までしまっておく倉庫であり、大正末期に棟上した

土蔵造りの店舗併用住宅といわれています。こちらを、NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークな

どが、行田と足袋の歴史を学ぶことのできる博物館の他、アーティストシェア工房や藍染めが体験

できる施設などに再生し、運営しています。「足袋蔵のまち行田」として日本遺産にも認定されて

いる歴史的資源を活用しつつ、まちなかに賑わいをもたらす素晴らしい取組みでありました。

(70棟ある足袋蔵は土蔵だけではなく、レンガや石、コンクリート、木造など大きさデザインは様々です。)

 

 

以上。

 


山本幸三地方創生探訪記録@岩手、青森  (2017.6.28-29)

 

昨月、6月28日、29日は、岩手県の滝沢市、矢巾市、青森県は八戸市を訪問してまいりまし

た。一部抜粋し、本HPでご報告致します。

 

今回のトップ画は、内閣府の八戸市のサテライトオフィスへ視察した際の写真になります。

こちらのサテライトオフィスは、八戸駅に隣接しており、東京からのアクセスも良好かつ、宿泊所

も八戸駅前にあるため職住が近接しています。当然に、東京に比べ気候も過ごしやすく、豊かな自

然に溢れています。今回、派遣された職員の方とお話ししましたが、東京との連絡もウェブ会議や

メール、電話でしっかりとできているようですし、霞が関では会うことのできない、市町村の方々

と交付金事業の取組状況などについて直接意見交換行うことで、地方創生に関する新たな政策の芽

が出てくることを期待しています。

(これとともに、通勤ラッシュの無い、自然豊かな通勤・職場環境と退勤後の時間の有意義な活用な

どに、メリットを感じているようでした。)

今後、今回の八戸での試行の結果を踏まえて検証し、サテライトオフィス設置の効果を踏まえた実

現可能性及び、その展開方策のありかたを整理し、全省庁的に規模・期間の拡大を含めて、来年度

以降の具体的な取組について検討してまいります。

 

ー 滝沢市 ー

・ビックルーフ滝沢

(施設内の大ホールを見学いたしました。500席の大きなホールです。)

ビックルーフ滝沢は、平成29年度4月にオープンした、図書館、コミュニティセンターや産直・

レストラン等の3つのゾーンからなる交流拠点複合施設です。住民交流や市の魅力発信を目的とし

て建設されています。

また、今回このビックルーフ滝沢内の「たきざわキッチン」にて、若手農業生産者組織「たきざわ

グリーンワークス」の皆様より取組のお話を伺いました(↑)。レストランのほか、農産物の産直販売

施設が本年の4月にグランドオープンしています。

こちらは、新規就農者にとって課題となりがちな、農地や販路の確保、技術習得などに向けて、有

用な情報共有の場として定着支援を行っているほか、会員が生産した農産物を使用した加工品開発

に取り組むなど幅広い活動を行っています。また、昨年の第55回全国青年農業者会議の優秀農業

青年クラブの部では、「たきざわグリーンワークス」は、なんと最高賞の農林水産大臣賞を受賞さ

れています。

(産地直送の農産物が並べられています。HPより引用。)

就農三年目を迎える、スイカ農家の三上さんのお話によれば、若手を経済的に支援する国の「農業

次世代人材投資資金」により、早めに事業を拡大できるほか、一部事業を委託して自身が営業活動

に動くこともき、就農しやすい環境があるといいます。土地やノウハウを共有し、「人の貸し借

り」など人手面で支えあいながら、生産拡大につなげています。今後は、産直施設などを活用しな

がら同世代の定着や就農を後押ししていきたいと仰っていました。是非、効率化を進めながら法人

化し、週休二日や安定的に稼げる農業を実現し、若者が選び、働きやすい環境をつくっていただき

たいと思います。

(柳村・滝沢市町とグリーンワークスの皆様と。)

 

 

ー 矢巾市 ー

・いわて林業アカデミー

(アカデミー研修生の皆さんにお集まりいただき、少しだけお話をさせていただきました。)

いわて林業アカデミーは、林業に関する試験研究や技術研修等を実施する岩手県林業技術センター

が運営しており、林業経営の中核となる人材を養成するため、地方創生推進交付金を活用して平成

29年度から開講されています。高卒から概ね30才までの若者が、1年間給付金制度によって給

料をもらいながら、林業に従事するにあたって必要となる資格の取得、林業機械の操作の練習等を

行い、知識、技術を体系的に習得しています。現在研修生は15名おり、多くは東北地方出身の

方々でした。農業・林業の分野で若い人が取り組もうと意欲をもたれているのは、とても心強いで

すし、今後、岩手県には若者が地域に定着するような支援にもぜひ取り組んでいただきたいと思い

ます。

 

 

ー 盛岡市 ー

・南部鉄器 岩鋳

(ご地元の高橋ひなこ代議士と岩清水代表取締役社長に施設内をご案内いただきます)

南部鉄器 岩鋳は、明治35年創業の南部鉄器工房です。創業当時は、盛岡市内で200軒ほどの

工房があったそうですが、現在はこちらをいれて14軒になってしまっているようです。

そうした中で、岩鋳では、伝統の手造りを維持しながらも1960年代から機械化を進め、合理

化・自動化できる部分は機械を使うことによって、年間約100万点にのぼる鉄器を生産していま

す。南部鉄器では最大規模の生産量を誇ります。

 

 

観光客が製造工程を見学できるようにすることで、観光コースに組み込まれ、多くの観光客を集め

ています(↑)。このほか、3年かけて南部鉄器への着色法を開発し、カラフルな鉄器を生産していま

す(↓)。やはり、最初は伝統をないがしろにするものなどと反対意見が多かったそうですが、2代前

の社長が60年以上前から、鉄瓶だけでは南部鉄器が危ないと新製品開発を進めたように、将来を

見据えた「改革の信念」が文化としてこちらには残っているそうです。当時は、「仕事がなくなっ

たら伝統も何もないし、職人も守れない。鉄器を広く知って貰う事が必要だ」といって、機械化を

進め、すき焼き鍋や企業向けの記念品として灰皿などを開発していったといいます。

そうした文化の中で生まれた、カラフルな鉄器は、現副社長の岩清水氏が、20年前のヨーロッパ

出張の際に、パリの紅茶専門店から、「カラフルな急須を作って欲しい」との依頼があり、3年か

けて着色法を開発し生まれたそうです。(安全性を担保するために、食品用顔料を使用とのこと)

当初は、置物としての購入が多かったようですが、海外のパーティー文化にも馴染み生活の中で使

用されているようです。それらは、ヨーロッパで一躍人気となり、現在はアメリカ、アジアなどに

も輸出しており、海外では国内よりも価格が2.5倍は高くなるようで、年間の売上は10億円に

もなるそうです。(国内:海外の内訳は1:1と、驚くべき比率です。また、手造りのものは、なん

と4ヶ月待ちの状態だそうです。)

このように変革を恐れず、 思い切って海外にでていったからこそ現在の岩鋳さんの姿があると言い

ます。ただ、どんなに売れようとも、既存の作り方は変えず、海外でつくることもしないなど、伝

統文化の質を守って行く事は一貫して変えることはせず、その中で、伝統を守りながらも革新を続

けているからこそ、職人の新しい成り手も多く、若い人も入社してくると伺いました。これから

も、「自助の精神」のもと、伝統を受け継ぎながら、海外市場を攻めていくなど積極的に改革に挑

戦していっていただきたいと思います。

 

 

ー 八戸市 ー

・みろく横丁

みろく横丁(上写真、HPより引用)は、平成14年の東北新幹線八戸延伸開業に合わせて、おもて

なしの目玉としてオープンした、全26店舗からなる屋台村です。地元食材を用いた料理等を提供

し、八戸の郷土料理のPRを図るとともに、出店期間を「3年間」に限定とすることで、若手起業

家の育成を目指しています。(今も出店待機組がいるとのこと)この3年間に顧客を獲得し、ノウハ

ウを習得し、お客の嗜好をつかみ、資金を貯めて、こちらを「卒業」後は、市内の空き店舗に移っ

て独立し、商売を大きくしてもらうというのがこの屋台の目標となっています。これには、空き店

舗対策にもなり、ひいては中心商店街の活性化にもつながるメリットも見えます。また、各屋台は

すべてリサイクル資材を活用するなど、環境配慮にも重点的に取り組まれています。こちらは、有

限会社北のグルメ都市が運営しており、代表取締役社長である中居氏が横丁のトータルプロデュー

サーとなっています。

(視察終了後、晩御飯はみろく横丁でいただきましたが、平日にも関わらず多くの観光客がこちらに訪れておりました。)

 

以上。


山本幸三地方創生探訪記録@佐賀  (2017.6.18-19)

 

昨月、6月18日、19日は、佐賀県有田町、武雄市、鹿島市、佐賀市を訪問してまいりまし

た。一部抜粋し、本HPでご報告致します。

 

今回のトップ画は、有田町にて人間国宝、井上萬二氏の工房、ギャラリーにお邪魔をした際の様子

です。井上萬二氏は重要無形文化財「白磁」の保持者であり、有田焼の伝統の中で「白」のもつシ

ンプルさゆえの美しさに魅せられ挑戦を続け、白磁製作技法を極め、後進の指導にも注力されてい

ます。今回は、山口・有田町長から昨年の有田焼400年の取組を伺いました。この他にも、こう

した焼き物や街並みを案内して頂ける、観光協会や商工会議所の男性職員有志からなる「うつわ男

子」の方々にもご説明をいただきました。陶磁器などの「やきもの文化」こそ、佐賀県の代表的な

地域資源のひとつであり、特色をいかした地方創生のため「稼ぐ」取組を見させていただきまし

た。

 

 

ー 有田町 ー

・シェアハウス&シェアアトリエ「コネル」

(地域まちおこし協力隊の佐々木様、有田町長山口様より取組の説明をいただきます)

シェアハウス&シェアアトリエ「コネル」は、有田町地域おこし協力隊の佐々木元康氏が、有田焼

作家を志す若い世代を応援するため、空きスペースとなっていた陶磁器商店の倉庫を地域住民と一

緒にセルフリノベーションし、シェアハウス&シェアアトリエとして今年の6月4日にオープンし

たものです。有田町、特に内山地区は人口減少と高齢化とともに、空き家数の増加にも悩まされて

いる中で、佐々木様より、この「コネル」がもつ、3つの、ミッションについて伺いました。まず

は、「有田に移住してくる若者(主にクリエイター)の移住・定住促進」です。佐賀大学(有田キャン

パス)との連携を強化するなど、移住体験ツアーや移住相談会などにより、有田には「コネル」のよ

うなヨソ者を迎え入れる場があることを伝えていきます。また、2つめは、「空き家・空き店舗の

リノベーションによる活用促進」です。「コネル」は一つの空き家活用モデルであり、空き家とそ

の活用希望者(カフェ・レストラン・ゲストハウスなど)とのマッチングを加速させることで、暮ら

して楽しい賑やかな内山地区をつくります。最後に、3つめは「有田・内山地区の活性化」です。

若者と地区の人たちとのコミュニケーションの場として活用し、エリア全体で、移住してきた若者

を応援できる関係性づくりをしています。

 

現在は、シェアハウス整備の4室中、3室が入居中になっており、1階には作品の展示・販売スペ

ースが用意されています(写真)。以上、地域の資源である陶磁器「有田焼」と、地域に根付いた古

民家を活用した、移住政策でまちおこしの取組でありました。

 

ー 鹿島市 ー

・肥前浜宿

肥前浜宿は江戸時代から酒造業で栄え、白壁土蔵の酒蔵やかやぶき屋根の家並みが残る地域です。

鹿島市内の6つの酒蔵によって、平成23年度より全国に先駆けて「鹿島酒蔵ツーリズム※」が開

催され、平成29年度には約8万人の集客を誇るイベントに成長しております。

例えば、今回訪問しました呉竹酒造(上写真・鹿島市観光協会HPより)は、昭和初期の建築で、国の

登録有形文化財(建造物)に登録されています。30年ほど前に、まちの衰退に危機感をもった地元

の人々が立ち上がり、酒蔵コンサートなど肥前浜宿のまちおこし活動がはじまっています。

(NPO水とまちなみの会中村局長よりお話を伺います。蔵内はコンサートが行えるほど広いです。)

また、同じく訪問した旧筒井家(下写真)は、明治時代に建築されたといわれる木造で茅葺の町家で

すが、地方創生拠点整備交付金事業として、移住促進コミュニティとしてリノベーションされてい

ます。

こちらは、肥前浜宿への移住希望者が増える中で、定住促進施策の一環として、肥前浜宿内の伝統

的町家をお試し移住の施設として整備を行うものです。一定期間移住体験を行うことで、コミュニ

ティに対する不安等を解消し、安定した定住につなげます。

※酒蔵ツーリズム…鹿島市の登録商標であり、酒蔵をめぐりながら、その土地ならではの食や文

化、歴史を楽しむ旅のスタイルです。

 

 

 ー 佐賀市 ー

・わいわい!!コンテナ2

(本当に、普通の空き地に「どこにでもある」コンテナを活用しています。)

わいわい!!コンテナ2は、故郷の市街地の空き地化に危機感を覚えた佐賀市出身の建築家、西村

浩氏が率いる(株)ワークビジョンズが提案する、街なかの空き地を逆に人々が集まることのできる

空間にするという試みです。5年ほど前から、中心市街地の空き地に住民の手で芝生を張り、低コ

ストの中古コンテナを活用したコミュニティスペースや図書館等を設置し、広場周辺に新規店舗が

10店舗出店しています。また、中には、チャレンジショップなる出店やギャラリーとして活用で

きる場所もあり、スタートアップの場所としても適しているようです。

こちらを拠点に、周辺の空き店舗等が様々な店舗、シェアハウス等に生まれ変わる連鎖が引き起

り、空き店舗と企業家のマッチングもはじまり、まちの回遊性の向上や民間事業者による周辺の空

き店舗の再活用等、様々な波及効果にもつながっています。こちらは、中心市街地にとって厄介と

もいえる遊休不動産である空き地を有効に活用した、地域価値向上の好事例であり、内閣府がとり

まとめた「地域のチャレンジ100」にも選定をされています。

今後は、佐賀市特有の風景であるクリーク(水路)という水辺空間との調和を図り、魅力を高めてい

く取組を行うようです。

 

・柳町エリア

 

柳町エリアは、佐賀市のまちなか、長崎街道沿いの明治・大正期の建築が立ち並ぶ趣のある地域と

なっています。佐賀市の古民家再生プロジェクト(地方創生加速化交付金を利用した佐賀県の交付金

事業を活用し、歴史的建造物活用のブランディング化・メディア事業を実施)により旧森永家、旧久

富家を若者の起業支援のためのスペースとして改修し、テナントを募集しています。(現在は、計9

つのテナントが入ります)旧森永家、旧久富家は、平成28年に歴史的観光資源の有効活用を図り、

文化の向上及び観光の振興に資することを目的とする佐賀市歴史民俗館と位置づけられています。

旧森永家(下写真上 佐賀県HPより)は、明治期にたばこ製造・販売業を営んでいた町屋建築で、北

蔵に和紅茶専門店、居宅に「鍋島緞通※」の工房(織ものがたり)、南蔵に工芸品が入っています。

※鍋島藩の御用品で、江戸時代初期発祥の緞通(中国・インド・ペルシアから渡来した、敷物用織物

の一種)

 

(旧森永家の中の様子です。)

旧久富家(下写真、佐賀県HPより)は大正期の履物問屋で、1階にカフェと写真館、2階に和装販

売、くみひも屋、ステンドグラス工房等が入っています。

 

 

・マイクロソフトイノベーションセンター佐賀

(館内で、司会に架空の3D映像を映し出すゴーグル型端末「ホロレンズ」を体験しました)

マイクロソフトイノベーションセンター佐賀(MIC)は、IT関連の人材育成を目的に平成28年10月

1日に開所された西日本初のイノベーションセンターです。産学官5者、(日本マイクロソフト

(株)、(株)パナソニック、佐賀県、佐賀大学、佐賀市)が連携協定を締結し、MICの運営を行っていま

す。なぜいま佐賀なのかといえば、九州佐賀国際空港へのアクセスの良さにはじまり、税制など立

地企業に対する優遇策や補助金等支援の手厚さも手伝ったほか、佐賀県がICT教育の先進的取組(全

県立高校生へのタブレット導入など)を行っていることや、幕末佐賀藩の先進的なものづくり、葉隠

武士に代表される勤勉さがマイクロソフトの求める人材像と一緒であること、などから誘致を含

め、プロジェクトが決定したといいます。

こちらでは、日本マイクロソフトから最新の機器やソフトウェアの提供を受けて、専門の講座(女

性、学生、社会人向けなど多種開催し、ICTスキルやリテラシー等を高める場を作ります。昨年10

月より半年間で約1100人が講座を利用)を開くほか、佐賀大学は新科目を設けて学生を指導

し、地場産業及び誘致企業への人材供給をはかり、地元からの人材流出に歯止めをかけています。

また、地域課題解決ワークショップとして、私共内閣府の方で提供している、RESASを活用したソ

リューション開発などをテーマにプログラムも行われているようです。

MICでは、セミナールーム、シェアオフィス(下写真)、コワーキングスペースからなり、これらが三

位一体となってIT人材の育成拠点となることを目指し、隣接するインキュベートルームと連携し、

新規事業への取組についての相互連携が図りやすい環境を整備しています。そのコワーキングスペ

ースでは、個人スペースの他に対話を創出しやすいオープンスペースがあり、Skypeなどができる

Phoneブースなども設置されておりました。すでにインキュベートルームへ移り、本格的に起業に

取組む事例も2件ほど出てきているようです。また、「佐賀で働ける」シェアオフィスとして、

企業用の個室タイプのテレワーク環境の整ったオフィススペースを提供しており、現在4室中2室

に企業が入居しています。

(「炭化」の入江社長より、MICを活用した取組とともに、鮮度保持剤をご紹介いただきました)

※(株)炭化は、地域資源を活用して海外への販路拡大に取組む企業で、過去にインキュベートルー

ムを活用していました。世界における「食品ロス」の問題に着目し、九州地区の放置竹林の炭化使

用や、佐賀県嬉野3番茶の活用、県の窯業技術センターの技術指導などといった地域資源を活用し

た鮮度保持剤とともに、佐賀県特許である酸化チタンを使用した光触媒を上記の保持剤と掛け合わ

せた鮮度保持システムを開発しています。青果物などの鮮度保持に抜群の効果を示し、収穫後か

ら、貯蔵や輸送、加工現場や店舗まで様々な場面で活躍しており、まさに佐賀発の地域資源を活用

し、海外へ進出し競争できる素晴らしい取組であり、技術があれば東京でなくてもやれる産業

で、地方創生の大きなエンジンになりうると感じました。

 

 

また、MICが入るフロアは、佐賀市の産業支援・創業支援の拠点の拠点と位置付けており、上記の

MICのほか、インキュベーション施設、経営相談・創業相談窓口の機能も有しています。これによ

り、MICの受講者が、コワーキングスペースで交流し、産業支援相談室が助言・支援を行う中で、

インキュベートルームにてスタートアップが誕生し、シェアオフィスで進出、もしくは誘致した企

業と連携し、新規事業につなげていくという取組が期待できます。

以上、県と市が企業とともにICT分野の人材育成に取組み、大学との連携を含めて成果が出ているこ

とは高く評価できるのではないでしょうか。このMICの取組によって、地方創生の理念である「し

ごと」と「ひと」の好循環が生まれ、産業の振興とともに雇用を創出しIT人材を中心にU・I・Jター

ン等移住を促し、地域振興につなげていただきたいと思います。

 

以上。

 


山本幸三地方創生探訪記録@福岡、山口 (2017.6.25)

 

先月、25日は、山口県の下関市、山口市、防府市、宇部市、福岡県はわが地元、北九州市を訪問

してまいりました。一部抜粋し、本HPでご報告致します。

 

今回のトップ画は、防府市にある防府天満宮での様子です。

言わずと知れた、菅原道真公を学問の神様として祀った天満宮で、道真公が亡くなった翌年である

延喜2年(904年)に創建され、「日本最初に創建された天神様」を名乗っています。

 

ー 北九州市 ー

・関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)

関門海峡ミュージアムは、関門海峡の過去・現在を五感で感じることをコンセプトとしたミュージアムです。

海峡にまつわる歴史を再現した「海峡アトリウム」「海峡歴史回廊」をはじめ、大正時代の街並み

を再現した「海峡レトロ通り」などを設置しています。この建設費は、約100億円で、福岡県と

北九州市が折半しており、平成15年4月26日に運営を開始しています。(管理運営は、北九州市

が行っています。)

更なる魅力向上や周辺地域の観光振興に寄与することを目的に、地方創生推進交付金の活用による

施設リニューアルを計画しています。

 

 

また、今回北九州市では、旧大連航路上屋にて、門司港レトロ倶楽部との意見交換を行いました(下

写真)。門司港レトロ倶楽部は、地元・民間・行政が連携し平成7年に設立された組織で、門司港の

歴史的建造物を活用し観光まちづくりを推進しています。

関門海峡地域における地方創生、いかに「稼いでいくか」について、私が全国で見てまいり

ました事例をお話しするとともに、今後の関門連携など、実際に地域づくりの現場で活躍されてい

る方々との活発な意見交換を行うことができ、有意義な時間となりました。

旧大連航路上屋(上写真)は、1929年に国会議事堂等を手掛けた官庁建築課大熊善邦氏の設計に

より、『門司税関1号上屋』として西海岸に建設され、北九州・門司港の国際ターミナルとして使わ

れていました。

約5年の歳月をかけて完成時の姿を取り戻し、人と人とをつなぐ交流施設として、また門司港を訪

れた方たちの憩いの場として生まれ変わっており、各種多目的スペースを活用してのイベントや、

文化・芸術の発表の場としてなど、門司港の新しい魅力を伝えています。

 

 

 

ー 下関市 ー

・長州出島

今回訪れた「長州出島」は、下関市の西側の沖に浮かぶ、いわゆる人工島です

こちらでは、国際コンテナ貨物の増大や船舶の大型化に対応するため、関門海峡沿いの港湾整備

は、後背地の不足や船舶航行上の制約等により限界があることから、1995年度から関門海峡

内に比べて制約が少なく、将来への発展可能性が高い新港地区で沖合人口島「長州出島」整備に着

手されています。

そして、平成26年には「クルーズやまぐち協議会」を設置し、県・市町・関係団体が一丸となり

誘致活動を推進した結果、県内クルーズ船寄港が激増したといいます(H25:12回→H29:6

5回)

この長州出島の稼働に伴い、既存の岬乃町コンテナターミナルよりも「時間短縮」、「コスト縮

減」、「休業スペースの確保」が可能となり、今まで以上の検査体制を確保することで、下関港の

持つ能力を高め、「東アジアのゲートウェイ」としての役割を果たしています。

長州出島は、北部九州地域の中枢国際港湾の一翼を担う国際港湾として、また、近年では、インバ

ウンド受入拠点、時代のニーズに対応した東アジアとの高速RORO船やコンテナ船によるシャトル

航路の基地としての活躍が期待されます。(中心となる出島はH30年には22万トン級が係留可能

となる予定だそうです。)

 

(前田晋太郎・下関市長にご説明をしていただきました。)

 

 

 

ー 山口市 ー

・山口大学

(山口大学の岡学長に、取組のご説明をいただきます。)

山口大学では、国際総合科学部や若者の地元定着促進の取組について伺いました。

国際総合科学部は、グローバル化に対応したコミュニケーション能力及び課題解決能力等を育成

し、地域社会・経済を牽引する人材を社会に供給することを目的として平成27年度より設置され

ています。

1年間海外留学必須化や地域・企業との協働によるプロジェクトの企画・実行を行う課題解決型学

習の導入少人数教育の徹底など特色ある取組を行っており、中でも山口市との共催で山口市地方

創生推進カンファレンスの開催し、行政や企業、大学等各種団体が集まり、各種課題を解決するた

めの新たな連携体制を構築しています。

また、若者の地元定着促進に向けて、産学官一体となったYFL(やまぐち未来創生人材)育成プロ

グラム(1年目:地域で生き抜くための実践的なスキルの取得。2年目:県内各地域での参加大

学・高専学生による合同合宿型フィールドワーク。3年目:課題解決型の実践的なインターンシッ

プ)にも取り組んでいます。

これは、上記のような地元企業との連携による課題解決型インターンシップであったり、地域で活

躍する実績ある企業経営者による授業をとり行うなど、地域の雇用創出や学卒者の地元定着の向上

に向けて取り組まれています。

地域に入り込み、課題に向き合って解決を行っていくという素晴らしい経験がこちらではできるよ

うです。地域を背負う人材として彼らの将来を期待します。

(今回は、学生達とも懇談をする機会をいただきました。)

 

 

・やまぐち創業応援スペースmirai365

「やまぐち創業応援スペースmirai365」は、山口県の「まちなか創業チャレンジ応援事業」とし

て、 公益財団法人やまぐち産業振興財団より委託を受け女性創業応援やまぐち株式会社が運営して

いるビジネス・インキュベーション施設、つまりは創業応援スペースです。

創業者や創業志望の方が、集い、繋がることができるしくみや、将来は自分のお店を持ちたいと思

っている方へのノウハウの提供など、創業やビジネスの拡大を目指す方々を応援するというもの

で、コワーキングスペース、シェアオフィス(UIJターンを中心に17事業者が利用)など「実践の

場」を活用し、インキュベーションマネージャーや関係機関が連携して創業の立ち上げや創業希望

者の夢の実現を支援しています。また、チャレンジモールなる、(ショップ)雑貨販売・ネイル・

リフレクソロジーなど、商店街という立地を活かして創業したい方に、低コストでお店を持つ事が

出来るスペースも提供しています。

これまで、一本8万8千円の超高級日本酒「夢雀」などの事業化が実現しているようです。

 

(365の正面口で、左から村岡・山口県知事、杉山・女性創業応援やまぐち(株)社長、松浦・(株)ARCHIS社長です。少々わかりづらいですが、入ってすぐ商店街状に両サイドにお店が並ぶ、チャレンジスペースがあります)

 

ー 宇部市 ー

・(株)ヤナギヤ

(柳屋社長と懇談させていただきました)

株式会社ヤナギヤは、水産練り製品製造設備の設計・製造・販売等を行う2016年に創業100

年を迎えたニッチトップ企業です。特に、カニカマ製造装置に限定をすれば世界シェアトップの7

0%に達するといいます。熟練の技術をいかし、カニの触感、見た目、色合いを再現しています。

そのノウハウ・技術を活かし、クライアントから様々な相談を受けて、新規事業分野の医療や介護

分野をはじめ、豆腐、海苔、菓子、パン、ペットフード等の異業種向け設備の開発も積極的に展開

する‘雑食性企業‘です。これは、リスクヘッジの意味も込めて、何かに特化した肉食も草食も長続き

せず、雑食企業が一番持続的であるとの考えの中で生まれたもののようです。

経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選(2014年)」、「雇用創出企業1400社(2

009年)」などを受賞しているほか、安倍総理の施設方針演説でも、「世界一を目指す気概のある

企業」として言及をされており、地方の中小企業でありながら、その提案力と技術力で世界で勝負

する地元発の先駆的企業です。

(EUでも、カニカマ人気は根強いといいます。↑)

 

ー 宇部市 ー

・JAXA西日本衛星防災利用研究センター

(陸域観測技術衛星2号 「だいち2号」の模型です。)

JAXA西日本衛星防災利用研究センターは、政府関係機関の移転事業として、JAXA、山口大学、山

口県の3者が、連携して衛星データの防災分野等における利用を促進するため、平成29年2月に

開所されています。

同年4月より、JAXAの職員4名が常駐(JAXAの身分を有する山口大学の研究者)しており、これに

加え、設備運用事業者2名が常駐しています。

こちらには、陸域観測技術衛星「だいち2号」の衛星データ処理設備・解析端末、超高速インター

ネット衛星「きずな」通信アンテナ等の設備を有しています。

こうした衛星データの利活用によって、災害対応力の強化や防災・農業・漁業分野等における衛星

リモートセンシング技術を応用した製品の実用化等により新産業を創出しています。また、留学生

の受入等国際共同研究などによる人材育成、国際連携を強化しています。

 

(以上)

 

 


山本幸三地方創生探訪記録@山形、秋田 (2017.6.10-11)

 

今月、6月10日、11日は、山形県の新庄市、鶴岡市、山形市、秋田県の湯沢市、横手市、秋田

市を訪問してまいりました。

一部抜粋し、本HPで報告致します。

 

今回のトップ画は、出羽三山神社の羽黒山五重塔です。出羽神社は、古来から修験道を中心とした

山岳信仰の場として、現在も多くの修験者、参拝者を集めています。こちらは、国宝に指定されて

おり、高さ29.9mで三間五層素木造り、屋根は杮葺き(屋根葺手法の一つで、木材の薄板を用い

て施工する工法)です。創建は、平将門と伝えられ、羽黒山は、会津や平泉と共に東北仏教文化の中

心であっただけに、数々の文化財に富んでいるようです。

 

ー 湯沢市 ー

・道の駅おがち「小町の郷」

(じゃらんHP 道の駅 おがち 小町の郷より引用)

湯沢市小野地区に古くから伝わる「小野小町」の伝承をテーマとして、小町の「市女笠」(いちめが

さ)をモチーフとしたデザインの道の駅(写真上)は、湯沢市雄勝地域のシンボル的な存在となってい

るようです。

敷地内には小町の郷公園や農産物直売所、観光交流センターが併設されており、「小町」をキーワ

ードとして湯沢市の魅力を全国に発信しています。小町の郷公園では、6月の「小町まつり」をは

じめとした様々な行事等が行われ、市女笠に身を包んだ7人の小町娘が登場すると、多くの見物人

からどよめきと溜息がおこるといいます。下の写真が市女笠姿の秋田小町です。今回は、ご地元の

御法川代議士と鈴木・湯沢市長に駆けつけていただきました。

 

また、農産物直売所では、毎朝、地元の農家から届けられている採れたての野菜や果物がいくつも

並べられており、生産者の顔が見れるように工夫されていて、安心して買い物ができます。

 

 

ー 秋田市 ー

・国際教養大学

(上図書館は、24時間365日開館という素晴らしい環境がありました)

国際教養大学は、独自の教学概念「国際教養」を掲げ、「豊かな教養」「グローバルな知識」そし

て「卓越した外国語の運用能力」を身に付けた、世界を舞台に活躍できる真の国際人を養成してい

ます。広範な分野にわたる授業をすべて、「英語で学び、英語で考える」ことはもとより、徹底し

た少人数教育、1年間の海外留学義務付け、多文化が共生するキャンパス環境、「三言語主義(母国

語、英語、第二外国語)」により、明日の日本を担うグローバルリーダーに必要な知識・同義・発信

力そして異文化理解の精神を踏まえた外国語のコミュニケーション能力を養っています。主な特徴

として、学生の5人に1人が留学生で、2015年度就職内定率は約100%などがあげられるよ

うです。

 

(勉強が捗りそうなガラス張りの学習ルームです。鈴木理事長よりお話を伺います。)

卒業後の進路ですが、一年間の「義務」留学を経る中で、海外志向が強いのかといえば、最近は意

外にも国内のメーカーへいかれる方がいくらか多いようです。留学をしてみて、日本のものづくり

への危機感と一方でそのプレゼンスを現地で犇々と感じ、戻ってくる学生が多いとの事です(トレン

ドはあると思いますが)。また、多様な人材を集めるべく、AO入試なども多種に充実しているほ

か、秋田県の公立大学法人ということで、県内出身の学生へは、通常よりも低めの学費で門戸を開

いているようです。地方大学の振興にあたっては、総科主義ではなく、こうしたユニークな取組を

行っている大学をモデルとし、より魅力になるよう特色を前面に打ち出していただきたいと思いま

す。

 

・あきた文化産業施設 - (株)せん

(JR秋田駅から徒歩10分であり、秋田の観光名所の一つ千秋公園に併設しています)

あきた文化産業施設は、かつて繁華街・川又のお座敷を賑わせた伝統文化を、新しい秋田の観光資

源「あきた舞妓」として復活させた秋田市の(株)せんが昭和初期建築の旧料亭「割烹松下」をリノ

ベーションしオープンしたものです。

(長い廊下には、川反芸者が栄えた昭和30年頃の写真が数多く飾られていました。)

施設の改修には、総務省の地域経済循環創造事業交付金及びクラウドファンディングを活用してい

ます。料亭大広間の佇まいを生かした、舞妓の舞踏鑑賞ができる「劇場」や秋田の酒蔵の酒を取り

そろえた「酒房」、地元産品のメニューを提供する「茶寮」を備えています。

(「酒房」では、スタンディングの日本酒バーがあり、秋田県内全37の酒蔵の日本酒が揃います。)

 

(こちらが、併設するお食事処「茶寮」です。水野社長にお話を伺います。)

地域の魅力ある資源を活用することによって、稼ぐ力を向上させようとするこうした取り組みは、

地方創生のかたちそのものです。

 

ー 鶴岡市 ー

・慶應義塾大学先端生命科学研究所 / スパイバー株式会社

(冨田研究所所長に、施設内を案内して頂きました。)

2001年4月、鶴岡市に慶應義塾大学先端生命科学研究所(センター棟とバイオラボ棟)が開設さ

れています。ITを駆使した統合システムバイオロジーという新しい分野の技術を世界に先駆けて確

立し、生体内の代謝物等を短時間で網羅的に分析するメタボローム解析技術などを用いて数々の研

究成果を上げています。医療・環境・食品など様々な分野での応用研究が進められており、これま

でにHMT社、Spiber社などの慶應発バイオベンチャーが5社誕生しています。このようなITを駆使

した「統合システムバイオロジー」という新しい生命科学のパイオニアとして、世界中から注目さ

れています。

また、地元高校生を対象にした「研究助手・特別研究生」制度などのユニークな研究教育プログラ

ムや市民1万人の健康状態を長時間追跡して市民の健康づくりに活かす「鶴岡みらい健康調査」な

どの取組も行われています。

 

また、今回併設する、そのSpiber株式会社にもお伺いさせていただきました。

こちらは、当時慶應義塾大学の大学院生としてクモの糸を研究していた関山氏らが、強度や伸縮

性、軽量性に優れたクモ糸を「次世代の繊維」として人工的に合成し、事業化するために2007

年9月に設立されました。

 

 

今回はその関山取締役に取組の説明をいただきましたが(写真)、スパイバー社では、クモ糸を繊維

素材として実用化するため、性能と生産性を両立する分子デザインの解析を行なうデータベースシ

ステム及びバイオインフォマティクス環境、最先端のバイオテクノロジーの研究環境、そして紡糸

検討設備のほぼ全てを独自に開発し、すべての工程を社内で完結できる研究体制を整えています。

このプロジェクトは、修士論文のテーマを決めていた際、飲み会の席で「クモの糸」の強靭さに着

目し、その後クモの糸を採取するためクモを一匹捕まえに行ったことから、すべてははじまったと

仰っていました。

13年5月には世界初の人工合成クモ糸繊維QMONOS(クモノス)の量産化に成功され、14年に

は内閣府の革新的推進プログラムに「超高機能構造タンパク質による素材産業革命」が採択されて

います。また、15年には、ゴールドウィン社と共同でムーンパーカのプロトタイプを発表し、昨

秋のパリモーターショーではレクサスのコンセプトシートにQMONOSが使用されるなど、製品化に

向けた取組が進んでいます。15年10月には、ベンチャーキャピタル等から96億円の巨額な資

金を調達し、現在は、このように産官学と連携しながら、夢の繊維といわれたクモ糸の実用化、世

界初の工業化を目材しているそうです。

(関山取締役と施設の前で)

意外にも、クモの糸は、鋼鉄の340倍という異次元のタフネスを有するそうで、「クモの糸」の

成分であるタンパク質は、20種類のアミノ酸の組み合わせにより多種多様な素材を生み出すこと

が可能な、まさに素材の「プラットフォーム」といわれているそうです。機能性と環境性に優れ、

テーラーメイドで多品種少量生産でも低コスト化が可能という、とてつもないポテンシャルをもつ

新世代の基幹素材として期待されており、アパレル分野だけでなく、輸送機器分野、医療分野へも

応用可能といいます。遠くない将来、金属やガラス、ナイロンやポリエステルのように、人類がタ

ンパク質を使いこなす時代が到来するかもしれません。

 

今回お話を伺う中で、スタートアップの段階で先端生命科学研究所に山形県や鶴岡市から資金援助

があった、というお話が印象的でありました。特に、鶴岡市は決して財政が豊かな都市ではないも

のの、県と市が折半して、先端生命科学研究所に億単位の資金投入を続けてくれたというのです。

リスクを取って支えてくれた、山形県と鶴岡市の期待に報いるために、その実用化とともに、鶴岡

を世界的な技術革新都市として名を馳せることが夢だと仰っていました。また、関山さんが慶應大

学に進学されるときに、この山形の地に先端生命科学研究所が開設され、そのタイミングも転機と

なったといいます。大学誘致に向けた自治体による支援とともに、昨今の都市圏に集中する傾向の

ある日本のアカデミズムにおいて、「ビーチまで15分、スキー場まで30分」という鶴岡市の豊

かな自然に着目し、自然豊かな郊外でこそ豊かな発想を育む、という欧米型キャンパスを目指し

て、慶應大学がキャンパス開設にチャレンジした成果もあります。既存の私立大学ではあります

が、地方でキャンパスを開設し強力な産官学連携を背景に、特色ある地方大学の在り方を確立し、

地方創生に資する取組をされている素晴らしい事例であると感じます。今後の施策を検討するに

あたって是非参考としてまいります。

次回は、山口県にお邪魔致します。

(以上)