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平成29年4月13日参議院内閣委員会

○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

昨日、石井準一君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美さんが選任されました。
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(略)

 

○委員長(難波奨二君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

 

○山本太郎君 おはようございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を

代表し、質問いたします。十五分しかございません。皆様、できれば短い答弁いただけると助かります。

よろしくお願いします。

クールジャパン担当大臣にお聞きいたします。

外国の方々に日本の魅力を知っていただくのに一番効果的なのは、日本を実際に訪れた外国の方々

が、いい国だった、おまえも行ってみろよという口コミ、これが一番大きいんじゃないかなと思うんですけれ

ども、大臣もそう思われませんか。

 

○国務大臣(鶴保庸介君) 同感でございます。

日本を訪れた外国人による口コミを広げるためにも、我が省としても、消費行動などに大きな影響力を持

つブロガーの皆さんやジャーナリストなど、いわゆるインフルエンサーと呼ばれるような方々に、SNSや

ブログ、メディア等を通じて情報発信をしていただくことを旨として大きな広がりを持たせようと努力をして

おるところであります。

このため、ファムトリップやモデルツアーあるいはモニターツアーなどを通じて、外国の方に日本に訪れて

いただいて日本での体験をしていただくということを今内閣府として取り組んでおるところであります。

 

○山本太郎君 鶴保大臣、お忙しい中来ていただきまして、ありがとうございます。この後もあるようなの

で、ここで結構でございます。ありがとうございます。

 

○委員長(難波奨二君) 鶴保大臣、御退席いただいて結構でございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

実際日本を訪れ暮らした人々にとって日本はどんな印象でしょうか。移民政策と誤解されないよう配慮し

つつ、更なる外国人人材の活用の仕組みを検討すると安倍総理御発言のとおり、東京五輪向けの建

設、造船分野での緊急措置、神奈川、大阪、東京、特区での外国人家事労働者導入、在留資格「介護」

の新設、製造業での外国従業員受入れ事業など、着々と進んでいると。さらに、今年三月、農業人材の

就労解禁のため、国家戦略特区法改正案も提出、今年秋には技能実習の介護分野への拡大も予定。こ

ういった方々が母国に帰った際に大いに日本を宣伝してくれる存在になれば、これぞやはり、何といいま

すか、廃りのないといいますか、本物のクールジャパン戦略ではないかという観点で、外国人技能実習生

に国家戦略特区を絡めて質問していきたいと思います。

お聞きします。外国人技能実習生に日本に来てもらう狙いは何でしょうか。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図

り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することによる国際貢献を目的とするものでございま

す。

 

○山本太郎君 技術、技能の移転、つまりは国際貢献だと。日本では、介護分野での労働不足、深刻で

す。この秋、介護分野に実習生が入ってきます。開発途上国では家族介護がほとんどと聞きます。

介護職が職業として定着していない、じゃ、日本で学んだ技術、帰国後にどう生かされるんですかといっ

たら、大いに疑問なんですよね。送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握、厳格にされています

か。技術、技能の移転でなく、日本の介護分野の人手不足、補っているんじゃないですか。客観的に確認

する手続を採用すべき。すなわち、送り出し国にある日本大使館、領事館、ジェトロ、JICAなど在外機関

を通じて送り出し国の社会経済状況等を把握した上で、技能実習ニーズの有無について判断すべきだ

と。これは、国が実際にやっていないことを今お伝えしております。

副大臣、是非、送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握を客観的に確認する手続を採用すべきと

各省庁などに御提言いただきたいんです。よろしくお願いします。副大臣、あっ、ちょっと待ってください、

ここはお答えは結構です。よろしくお願いしますというお願いです。よろしくお願いします。

日本の外国人実習制度については、世界からはクレームの嵐です。国連からは、女性差別撤廃委員会、

人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、

自由権規約委員会からは二度指摘いただき、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状

況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意すると。アメリカ国務省人身売買報告書

では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者

をこれまで一人も認知していないと、二〇〇七年から二〇一六年まで毎年指摘されました。

世界は見ています。そして、世界に完全にばれてしまっているようです。これではさすがにまずいと、外国

人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が成立。運用は今年十一月から。

現在、現場ではどんな問題があるでしょうか。資料の一、冊子になります。外国人技能実習生権利ネット

ワーク発行、「実習生ネット通信」から紹介。ショッキングな写真があります。お気を付けください。

六ページです。二〇一五年冬、中国から来た黄さん、二十四歳。監理団体は岐阜県大垣の商工会、受入

れ企業は大垣市の段ボールの製造、こん包資材の加工業者。黄さんはそこで段ボールを製造していまし

たが、翌年七月、B段繰ロール、機械ですね、七ページの左、のロールに右手を挟まれた。けがは、親指

を除く四本の指のうち、小指は曲がらず、ほかの三本は骨まで砕けるほど。直ちに病院へ搬送、入院。

資料を見れないインターネットの方々にお伝えすると、親指と小指以外は一つになっています。そして、テ

ニスボールのようになっています。

入院治療から二か月、医師の診断書、治療終了までに今後十二か月を要し、皮膚移植手術を二回、指

の分離手術を三回程度予定していると。当時、黄さんのビザの期限、二〇一六年十二月十七日まで。更

新が必要です。日本での治療を強く望んでいた黄さんは、監理団体の商工会及び受入れ企業にビザの

申請を何度もお願い。しかし、商工会は、けがをしたので技能実習一号から在留資格を延長する技能実

習二号へ移行する試験が受けられない、そのため、制度上在留資格がなくなることを理由にビザの申請

を拒否。同時に、資料七ページに書いてあります在留資格変更に係る確認書に署名を求められたといい

ます。要は、監理団体にも受入れ企業にも責任はないという書類です。

黄さん、名古屋入管、大垣労基署を訪ね、監理団体はビザ申請をせず、確認書に署名するよう言われた

が、確認書に同意できない、自分でビザ申請ができないかを相談しました。入管や労基署は、制度上自

分で申請できない、監理団体と話し合うしかないと言われ、行き詰まった黄さん、岐阜一般労働組合第二

外国人支部へ相談。このことが明るみになりました。

業務中けがを負った実習生への対応で特に多いのが、労災休養中の実習生に在留資格延長のための

移行試験が受けられないという理由で帰国を強要すること。このように、実習生が長期の療養を必要とす

る場合などで技能検定試験を受験できず、在留資格の延長ができない場合、一時的に在留資格を特定

活動などに変更することによって治療を受けたり、その後、回復状況により再び技能実習への在留資格

変更を行い、復帰する道が考えられると思います。

お聞きします。例えば、特定活動などに在留資格を変更した状況でも、技能実習生の労働契約は労災休

業時でも解雇はされないということでよろしいでしょうか。つまり、在留資格変更で自動的に労働契約が

終了することはないということでいいですか。また、このような状況で使用者が技能実習生に合意による

退職を迫ることは、法的にどういった問題となりますか。

 

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。

まず、労働災害による休業中の解雇についてでございますけれども、労働基準法におきましては、第十

九条で、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後

三十日間は解雇してはならないことが規定されておりまして、技能実習生は労働基準法上の労働者であ

りますので、この規定が適用されるということでございます。

それから、在留資格の変更と労働契約の終了についてでございますが、技能実習生についても通常の

労働者と同じ労働関係法令が適用されますので、労働契約の終了事由についても同様でございます。具

体的には、その労働契約の終了事由には、一般的に使用者から解約をする解雇、それから労働者から

の解約である辞職、労使の合意による合意解約などがあると解されておりますが、先ほど申し上げまし

たとおり、労働災害による休業中の解雇は禁止をされておりますけれども、仮にそれ以外の場合におい

て在留資格が変更されたことによって解雇をされたというような場合には、労働契約法の規定に基づい

て当該解雇の有効性が司法において判断をされるということになります。

それから、もう一点、合意による退職を迫ることについてお尋ねがございました。これも司法において判

断されるものでございますけれども、最高裁判例でも示されているように、殊更に多数回、長期にわたる

など、自由な意思決定が妨げられている状況での退職勧奨行為は違法な権利侵害となり得るということ

でございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

確かに労働の法律では守られています。でも、言葉がうまく話せない実習生には、日本人と同じルールで

しか守ってもらえないというのはかなりハードル高いと思いませんか。司法の判断と言いました。裁判、こ

れできますかねって。実習生制度としてしっかりとサポートすることを考えるべきだと思うんですけれども、

新しい法律の内容を聞いてもいまいち実効性に欠ける、技能実習生の救済についてはっきりとまだまだ

決まっていないことが多いというのが正直なところじゃないかなと思います。

実習生を受け入れる企業などには、それぞれ受入れの人数枠があるとお聞きしました。そもそも人数枠

を設けた理由、簡単に教えてください。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度の趣旨が、先ほど申し上げましたとおり、技能等の開発

途上国等への移転を目的とするものであることに鑑みまして、受入れ企業の基準として受入れ企業の常

勤職員数に応じた技能実習生の受入れ人数枠を設けておりますのは、受入れ企業における十分な指導

体制を確保するためのものでございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

例えばでお聞きします。今、常勤職員の数が五十人の企業は、現在、実習生の受入れ可能人数は九人

です。今年十一月から始まる法律の運用で、受入れ人数は最大で何人まで増やせますか。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 新制度におきましては、通常の受入れ機関の場合は技能実習二号ま

での技能実習生が最大十五人、それから、中でも優良な受入れ機関の場合、これはまさに十分な指導

体制が確保できているものということでございますけれども、技能実習三号までの技能実習生を最大六

十人までそれぞれ受けることが可能になります。

 

○山本太郎君 最大九人だった受入れ枠が最大で六十人、九人が六十人、これすごい拡大ですね。資

料の三、この大幅な受入れ拡大、技能、技術を移転するための実習制度の意義を変えるものじゃないで

すか、空洞化させるんじゃないですか。技術、技能を移転するためにこれ人数ちゃんと制限しなきゃいけ

ないねという話だったのに、九人が六十人というような、例えば五十人の常勤職員がいるところであれ

ば、これぐらいの幅を持って拡大させるって、これ異常じゃないですかねって。

実習生の権利侵害に関わる数々の問題については、はっきりとした解決方法もなく、答えもないまま、

ちゃんとやりますという雰囲気物がほとんど。世界中から人身売買国家認定された反省、反映された制

度にもなっていない。どう実習生を守るか、具体的に決まっているものの方が少ない。一方で、労働者の

数を増やすことだけは、安い賃金で調達するための人数枠拡大だけは、何よりもむちゃくちゃ具体的じゃ

ないですか。受入れ体制もできていないのに、受入れ枠拡大なんて筋が通りますかね。

日本に来た実習生の日本での記憶が、過去に国連などで報告された実習制度そのものであったなら、つ

まりは、長時間労働、超低賃金、暴力、性的虐待、パワハラ、モラハラのオンパレードといった思い出だっ

たとしたら、日本なんて大嫌いだという人々を日本国自ら大量生産しているのと同じことですよ。周辺国

の若者たちから奴隷労働の事実が口コミで広がれば、日本がアジアのリーダーになる日など永遠に来る

こともありません。アメリカからも人身売買国家として認定されるきっかけの実習生制度は、進みながら改

良することなど許されないと考えます。

しっかりと体制ができるまで受入れは中止するべきじゃないですか。副大臣、いかがでしょうか。

 

○副大臣(盛山正仁君) 山本先生の御指摘、我々もそういうような御指摘があるのは承知はしておりま

すけれども、誤解に基づく御指摘も多いのではないかなと、そんなふうに思っております。これまでの法案

審議でもそういうようなやり取りが行われたところであります。

さて、お問合せの件でございますけれども、御指摘のとおり、技能実習法は今年の十一月一日から施行

されるという予定でございます。同法に基づき、法務省として監理団体の許可を厳格に行っていく、それ

とともに、外国人技能実習機構においても、技能実習計画の認定や実習実施者などに対する実地検査

などの管理監督業務を的確に行い、併せて、技能実習生からの相談、申告への対応や援助などの技能

実習生保護業務をきめ細かく行っていくこととしております。

そして、何といいましても、政府間の取決め、相手国との間の取決めによりまして、送り出し国や送り出し

機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めることとしております。こうしたことを通じて

制度の一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。

 

○山本太郎君 国家戦略特区関係も御担当されている山本大臣にお聞きします。

外国人労働者がいないと日本の社会、回っていかないんですかね、もう。いかがお考えですか。

 

○国務大臣(山本幸三君) これは先生先ほど御指摘されましたけれども、日本再興戦略二〇一六

で、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問

題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ政府全体で外国人材の受入れについては検討して

いく必要があると、そういうふうに再興戦略で書かれているわけであります。

一方で、私どもは、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する

専門的、技術的分野の外国人の受入れは重要と認識しているところであります。このため、国家戦

略特区担当大臣としては、日本経済活性化の観点から外国人家事支援人材の受入れ事業を推進

するとともに、現在提出中の改正国家戦略特区法案に盛り込んだ強い農業を実現するための農業

外国人材の受入れや、クールジャパン、インバウンド分野の外国人材の受入れを進めてまいりた

いと思っております。

詳しいことは法案の審議のときにしっかりとやりたいと思いますが、一方で、技能実習制度の問題

については、先生御指摘のようなことは認識しております。劣悪な労働環境や低賃金等により、技

能実習生の失踪も起こっておりまして、そういう問題が生じないような万全の対策を講ずる必要が

あると思っております。

このために、今回の制度設計においては、国と自治体が合同で協議会を設置して、国、自治体が

自ら受入れ企業を直接管理することで、労働時間、賃金等の労働条件等を適切に管理する仕組み

を導入する予定でありますし、また、仮に問題が生じた場合は外国人材を適切に保護できるよう、

苦情相談を直接受け付ける窓口を協議会に設置する予定でありまして、これらの取組により万全を

期してまいりたいと考えております。

 

○山本太郎君 もう終わりなのでまとめます。

受入れ体制ははっきり言ってまだできていないと思います。修正点たくさんあるのに、それもせずに受入

れ枠の拡大、これは余りにもあり得ない。ここをしっかりと体制を整えるまでは、この実習生そして国家戦

略特区で外国人を受け入れるということも一度見合わせるということが必要だと強く申し上げて、質問を

終わります。

ありがとうございました。

 

 

(略)

 

○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。

本日、田村智子さんが委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
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(略)

○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願いいたします。

一連の文科省によります天下りの問題です。

明らかな国家公務員法違反事件、もう違法なことを組織ぐるみで、しかも長い期間にわたって行っていた

ということで、これはもうもちろん許されるべきものではありません。最終調査報告書というのも出されまし

たので、今後しっかりと再発防止策というのを講じていかなきゃいけないわけですけれども、じゃ、本当に

これは文科省だけの問題なのかと、話なのかということで、他省庁も含めた全ての省庁での調査を今進

めているというふうに聞いています。その実施の状況、見通し、どうなっているでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) 安倍内閣総理大臣から指示を受けまして、文部科学省の事案と同様の

事案がないかどうか、全省庁について、現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームに

おきまして全力を挙げて調査を行っている最中であります。調査チームの体制につきましても、当

初の三十人強から、やはりそれじゃ足りないということで、二月末に四十人強に増強したところであ

ります。

調査の状況といたしましては、現行の規制が導入された平成二十年十二月三十一日以降に再就

職情報が公表されました対象国家公務員OBのうち、営利企業などに再就職した約六千四百人に

対する再就職に至る経緯などについての書面調査、それから本省幹部や地方機関を含む現役の

人事担当者に対する早期退職者への対応やOBへの情報提供の実情などについてのヒアリング

調査、それから各府省官房人事担当課に対する職員等への再就職規制の周知のための取組につ

いての書面調査等を鋭意実施しているところでございます。

これらの調査につきましては現在も継続中であることから、更に具体的なことについてはお答えを

差し控えたいと思います。ただし、引き続き徹底的な調査を行い、その結果が出次第、速やかに明

らかにしてまいりたいと考えております。

 

○清水貴之君 この天下りの問題に関しましては、もう十年ほど前にも大きな社会的な問題となりました。

私はまだ議員になって四年目ですから、その当時の国会の状況は分かりませんけれども、皆さん、先輩

議員の皆さんが様々議論をして法改正をしたりということで、何とか国民の皆さんにしっかり理解してもら

えるような制度づくりというのを進めてきたと思うんですが、やはりまた起きてしまっているわけですね。と

なりますと、やはりどこかに問題がある、その認識の甘さなのか制度なのか、問題があるわけですね。

我々維新としましては、大阪でこの天下り規制というのを厳しくやっています。大阪府職員基本条例という

のを作りまして、かなり厳しくやっています。これを基にこの国政の場においても天下り規制法案というの

を今作っておりまして、国民の皆さんが納得できる制度をと思っておりますので、この辺りは是非皆さん共

に、また改めてになりますが、議論をしながら進めていけたらというふうに思います。

そのルールの面、制度上の面というのももちろん天下りの起きている原因にあると思うんですけれども、

じゃ、もう一個戻りまして、そもそもなぜかというところで、私は、国家公務員の皆さんの早期退職の慣行

というのがこれあると思います。官僚の皆さん、これ一般的に言われていることですね、次官レースが

あって、それに乗れなかった場合は定年の年齢に達していなくても早期に職場を離れなければいけない

ような、ある意味の慣行、慣例があるというふうに言われています。

これは、今、日本全体でいいますと、なるべく、もう今高齢化社会が進んでいて、元気な高齢の方が増え

ているわけですから、少しでも長く働いていただこうという流れの中で、その流れに乗れていないといいま

すか逆行しているといいますか、そういった仕組みが生まれていて、辞めなければいけないからどこかに

就職をしなければいけないと。

そうすると、なかなかやはり、ずうっと国家公務員で一つの職場でいらっしゃった皆さんが、じゃ一般企業

とかどこかにというときに、なかなかこれは難しいのは現実だと思うんですね。そうするとOBを頼るとか

どこか知り合いのつてを頼るということになると思うんですが、やっぱりこういう定年まで働けないような状

況が一つの大きな原因ではないかと思います。この辺も、働き方という面からも、山本大臣、考えていか

なければいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) 御指摘のとおりだと認識しております。

定年まで勤務できる環境の整備は大変重要であると考えておりまして、中高年期の職員が長年

培った知識や経験を有効に生かしていけるよう、専門スタッフ職など知識や経験を生かせるポスト

の活用により、職員の多様な分野への積極的な活用を図っていきたいと考えております。引き続

き、このような取組をしっかりと推進してまいりたいと思います。

年功序列人事に関しましては、これまでの国家公務員法の改正におきまして、人事評価に基づく能

力・実績主義による人事管理を導入したところでもあります。また、幹部職員の候補となり得る管理

職員としてその職責を担うにふさわしい能力及び経験を有する職員を総合的かつ計画的に育成す

るための幹部候補育成課程も導入したところであります。こうした制度をしっかりと運用することに

より、能力・実績主義を踏まえた、採用年次等にとらわれない人事を推進し、できるだけ定年まで勤

務できる、そういう環境をつくっていきたいと思っております。

 

○清水貴之君 能力・実績主義も、じゃどういった評価がされているかといいますと、ほとんどが本当にも

うSとかAとか上位の評価のみが付いている状況なわけですね。実際に制度は少しずつ変えようというこ

とで導入はし始めているのかもしれませんが、じゃ本当に適正に運用されているかというと、ここは私も

疑問だと思っておりまして、この辺も大臣には是非見ていっていただきたいと思います。

もう一つ、再就職、これ、もちろん全てが悪いわけではありません。官僚の皆さんの優秀な能力をほかの

一般の民間企業などでどんどんどんどん生かしていただく、これ自体は悪いことではないというふうにも

ちろん思います。ただ、やはりそこに利害関係が生まれたり国民の税金が無駄に使われるような仕組み

になっている、ここには大きな問題があってメスを入れていかなければいけませんけれども、どんどんど

んどん民間と交流をして入っていっていただいてその能力を生かしてもらうような、これも進めていくべき

ではないかというふうに、大臣、思いますが、これについてはいかがでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) おっしゃるとおりであります。

国家公務員の再就職について問題がありますのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を

背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。このために、平成十九年の国家公務

員法改正によりまして、再就職規制について、行き先を制限する外形基準から行為規制に転換し、

それまで禁止されていなかった各府省による再就職あっせんの禁止等厳格な規制を導入したとこ

ろであります。

一方で、法令に違反することなく再就職することは問題なく、公務部門で培ってきた能力や経験を

活用して社会に貢献することは大変大きな意味があると考えております。

いずれにしても、現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームにおいて徹底的な調査を

行っているところであり、その結果を踏まえて、御指摘のような点も含めどのような対策を取れば実

効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

 

○清水貴之君 その官民の交流目的でつくられた組織としまして官民人材交流センターというのがありま

す。ただ、これ本当に残念ながらほとんど使われていませんね。

一旦つくられて、機能がストップしていた時期もありますが、平成二十五年にあっせん業務、これ再開をさ

れました。その後、二十七年度末までの数字を見ますと、この交流センターを使って再就職した人、二十

八人です。同じ時期に全体で見ますと三千人以上の方が再就職をしているわけですね。ということは、も

う本当に僅かの人しかこの官民人材交流センターというものを使って再就職をしていないわけです。もう

この組織が使われていないわけですね。何でこんなに使われていないんですか。

 

○政府参考人(岡本義朗君) お答えいたします。

官民人材交流センターにおきましては、平成二十五年十月以降、早期退職募集による退職者のうち、希

望する者に対しまして民間の再就職支援会社を活用した再就職支援を実施しております。

先ほど先生がおっしゃいました平成二十五年度から二十八年度までの各年度における再就職支援の利

用者数は、それぞれ、平成二十五年度が二十一名、二十六年度三十五名、二十七年度四十四名、二十

八年度五十三名になっているところでございます。

これまでのところ、平成二十五年十月以降におきまして、官民人材交流センターにおける再就職支援の

利用者数は若干ではございますが毎年増加してきておりますが、その仕組みが職員にはまだ十分に浸

透していないと考えております。官民人材交流センターが実施する再就職支援制度の周知につきまして

は、これまでにも各府省の人事担当者などへの説明を実施してまいりましたところでございますけれど

も、本制度の利用のメリット等について一層の周知を図りまして、利用者数が増えるようにしてまいりたい

と存じております。

 

○清水貴之君 今、その利用者が少ない理由として周知の話が出ましたけれども、僕は周知よりももう制

度に問題があるんじゃないかなと思っておりまして、これ使えるのが早期退職制度に応募した人のみとい

うふうになっています。制度を使わずに自主的に早期退職をしたりとか定年退職する方もいっぱいいらっ

しゃいます。そういう方は利用できないという仕組みになっているわけですね。これはなぜこういう制度に

なっているんですか。

 

○政府参考人(三輪和夫君) お答えを申し上げます。

平成十九年の国家公務員法の改正によりまして、各府省による再就職あっせんは禁止をされまして、内

閣府に設置をする官民人材交流センターに一元化をされました。発足当初、官民人材交流センターにお

いては、退職を勧奨された者及び組織の改廃等による分限免職者等を対象として再就職支援、いわゆ

る直接あっせんでございますけれども、これを行っておりました。しかし、平成二十一年九月に当時の鳩

山総理から、官民人材交流センターによるあっせんも組織の改廃等により離職せざるを得ない場合を除

き今後は一切行わないと、こういう旨の発言がなされ、現在に至っているところでございます。その後、平

成二十五年の早期退職募集制度の導入に伴いまして、この制度を利用した応募認定退職者等のうち、

利用を希望する者に民間の再就職支援会社を活用した再就職支援を実施をしているということでござい

ます。

いずれにいたしましても、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、現在内閣人事局において全省庁

の調査を行っている最中でございます。その結果も踏まえまして、どういった対策を取れば実効が上がる

のか、御指摘の点も含めてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 

○清水貴之君 このセンターの、どんな活動をしているかというこの報告書を見ますと、就職をあっせんす

るというのも一つの業務なのかもしれませんけれども、でも官民の交流ということにかなり重きを置いてい

るなと、民間企業とか団体を呼んで説明会などを開いているというのが、これも一つの大きな目的、仕事

になっているなというふうには読み取れます。

でも、これ、開いているだけではなかなかやはり再就職につながっていかないわけですね。お互い話して

いるだけでは、そこはもう一歩進まないとやはりなかなか使い勝手が悪い。今おっしゃったとおり、過去の

この歴史的な流れがあって今の仕組みになっているというのは非常によく分かりますけれども、こういう

組織がありながら使われていないところにやはり天下りが今回起きてしまった大きな、もう組織あるのに、

要は使い勝手が悪いわけですね。ここを使うぐらいだったら、もう知り合いのOBに頼むとか、それこそ文

科省の場合は中でそういった話をしたら通してくれたりしてもいたわけですが、そこを使った方がいいです

し、条件も良かったり絶対するわけですね、ということも一つ大きな原因になっていると思いますので、

せっかくある組織です、我々出している法案では、ちょっとこの官民人材交流センターというのはもう不必

要ではないかというふうに思っていますけれども、でも、今ある組織ですから、これはもう積極的に活用で

きるように、大臣、これも是非前向きに考えていただきたいなというふうに思います。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。

 

(略)

 

○委員長(難波奨二君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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○委員長(難波奨二君) 次に、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関

係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

政府から趣旨説明を聴取いたします。山本内閣府特命担当大臣。

 

○国務大臣(山本幸三君) 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関

係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げま

す。地方分権改革は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるもの

であり、地方創生における極めて重要なテーマです。

本法案は、昨年十二月に閣議決定した平成二十八年の地方からの提案等に関する対応方針を踏

まえ、都道府県から指定都市等への事務・権限の移譲、義務付け・枠付けの見直し等を行うもので

あります。

次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

第一に、住民に身近な行政主体である指定都市等が地域における行政の自主的かつ総合的な実

施の役割を担えるようにするため、都道府県から指定都市等への事務・権限の移譲を行うことと

し、関係法律の改正を行うこととしております。

第二に、地方が自らの発想でそれぞれの地域に合った行政を行うことができるようにするため、地

方公共団体に対する義務付け・枠付けの見直し等を行うこととし、関係法律の改正を行うこととして

おります。

このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係

法律について必要な規定の整備を行うこととしております。

以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 

○委員長(難波奨二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。


平成29年4月12日 衆議院地方創生に関する特別委員会

○木村委員長 これより会議を開きます。

地方創生の総合的対策に関する件について調査を進めます。

この際、お諮りいたします。

本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官

補末宗徹郎君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長松尾泰樹君、内閣府地方創生推進事務

局長佐々木基君、内閣府地方創生推進事務局次長川上尚貴君、内閣府地方創生推進事務局審議官奈

良俊哉君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長巻口英司君、総務省統計局統計調査部長千野雅

人君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子さん、文部科学省大臣官房審議官白間竜一郎君、文部科学

省生涯学習政策局生涯学習総括官佐藤安紀君、厚生労働省大臣官房審議官椎葉茂樹君、農林水産省

大臣官房参事官橋本次郎君、林野庁森林整備部長織田央君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存

じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――

○木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。

 

○勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。

本日は、一般質問でございますので、特にまち・ひと・しごとのしごとの部分ですね、地方の声を中心に

御質問させていただきたいというふうに思っております。

まち・ひと・しごと創生法が平成二十六年に定められまして、昨年三月までに地方版総合戦略が全国の

市町村から出されて一年が経過しておりますから、早いところではそろそろ成果や新たな課題が見え始

めているのかなというふうに思っております。

地方創生という言葉は随分浸透してきているとは思うんですけれども、こうした各地の成果や課題を共

有していくこと、いわゆる横展開をしていくことがこれから大事なことなのかなというふうに思います。

私の地元の静岡県の伊豆半島でも、御多分に漏れず、人口減少、少子高齢化が大分進んでいるんで

すけれども、毎年地元の成人式にお伺いするんです。沼津は二十万人の町なんですけれども、ことしは

千八百八十人の皆さんが成人を迎えました。多くの方が地元を離れて大学や専門学校に行っている、ま

た就職をしている方もいるんですけれども、実に八五%の皆さんがその日に地元に帰ってきて成人式を

迎えたそうで、大変これは驚きました。

毎年、こういった成人を迎えた皆さんとお話をするんですけれども、皆さん一同に、地元に帰ってきて就

職したいんだけれども正社員として働く場所がないですとか、自分のやりたい仕事が地元にないから帰っ

てきたくても帰れない、こういった声がよく聞かれます。

ちなみに、昨年、沼津で生まれた赤ちゃんの数は約千三百人でございました。ですから、この赤ちゃん

が二十年後に成人式を迎えるとなると、単純に考えて三〇%の成人の人口が減るということなんです

ね。ただでさえも人口減少の中で、さらに東京や大都市圏に就職して地元に帰ってこないとなると、さらな

る地方の人口減少が進むわけでございます。

これはどこの地方都市でも同じ現象が起きているわけでございます。こうした、進学によって地元を離れ

た若者が、もう一度愛するふるさとに帰ってこられるインセンティブをつくっていくということが大切である

わけでございます。

最初の質問になりますけれども、企業版ふるさと納税によって、福井県や徳島県などは、ふるさとに

帰ってくれば奨学金の返済の支援を行うという事業を始めました。地方の優良企業が地方出身の学生や

若者を採用するということは大変すばらしいことだというふうに思っております。我が町の沼津市でも奨学

金返済支援制度創設に動いているわけなんですけれども。

そこで、もう四月になりましたので、こうした奨学金返済支援制度を利用してふるさとに帰って就職した

若者がいらっしゃるのかどうか、実績はどうだったのかということですね。また、こうした若者がふるさとに

帰ってくるインセンティブをそのほかにもつくっていくことが必要であると考えますけれども、大臣の御所

見をお聞かせください。

○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。

 東京一極集中の是正を図って地方創生を推進していくためには、若者がふるさとに帰って就職

し、地元に定着することが大変重要であります。そのために、都市部の大学等から地元企業への

就職を促進する奨学金返済支援制度を構築したところでございます。

 具体的には、大学等進学時に、日本学生支援機構が優先枠、地方創生枠を設けて無利子奨学

金を貸与するとともに、地方企業等への就職時に奨学金の返還を支援する基金を地方公共団体と

地元産業界が協力して造成する取り組みに対して、総務省が特別交付税による支援を行うこととし

ております。

 奨学金返還支援制度の進捗状況についてでありますが、二十七年四月にまず二県、鳥取県と徳

島県で制度が開始され、その後、二十八年四月に秋田県、新潟県、福井県、山口県、鹿児島県の

五県、それらを含め現在十八県において奨学金返還支援制度が設けられております。

 二十九年三月時点の利用実績として、最初の二県、鳥取県、徳島県の七十六人の方が本制度を

活用されており、今後順次増加していくものと承知しているところであります。ほかの県は、実績が

一年たってからというようなことでありますので、これから増加していくものと承知しております。

 このほか、若者がふるさとに帰るインセンティブ施策として、産官学を挙げて地元企業でのイン

ターンシップの実施等を支援する、地方創生インターンシップ事業の推進等、多岐にわたる施策を

推進してきたところであります。

 引き続き、奨学金返還支援制度の全国展開を進める等、若者がふるさとに帰るためのインセン

ティブにつながる施策を強力に進めてまいりたいと思っております。

 

○勝俣委員 ありがとうございます。

実績が上がってきているということで、大変安心をしております。

次に、私の地元もそうなんですけれども、こうした大都市圏の近郊にある地方都市に言えることなんです

が、大きな会社の工場や事業所があるんですけれども、大学を卒業して、大都市近郊の地方都市に勤務

になったとして、しばらくたつと結婚をされます。このときに若い夫婦が考えることというのは、子供が成長

したときに、やはり地方都市には教育の選択肢がないという心配があります。それを考えたときに、家族

は教育の選択肢のある大都市圏に住むことを選択して、そして自分が地方に通っていく、また単身赴任

をする。結局、地方から人がいなくなってしまうわけですね。

有識者会議の提言においても、「保育所、幼稚園から高校までの長い子育て期間を楽しめる地域である

ことが、子育て世帯が住居を選択する大切な要素となる。」という提言があります。

そこで、地方がやらなければならないことというのは、やはり地方を生かした、地域を生かした教育をやっ

ていかなければならないというふうに思います。人材育成です。親が安心してこのふるさとで子供を育て

ることができると思える教育が必要だというふうに思います。

先ほどの奨学金返済支援制度というのは、地元で育った若者が帰ってくるためのインセンティブでござい

ましたけれども、逆に、子供を地方で育てるインセンティブというのもつくっていかなければならないという

ふうに思います。岡山県奈義町など、企業版ふるさと納税によって特色ある教育を提供したり、またICT

を駆使した教育など、さまざまな特色のある教育を提供していくことで、若者の流出を食いとめていく必要

があるというふうに考えております。

子供を地方で育てるというインセンティブをつくっている地方都市が余り見受けられないように感じます

が、具体的な事例があれば御紹介いただきたいのと、政府としての取り組みをお伺いいたします。

 

○佐藤政府参考人 お答えします。

全ての子供が、地方でも都市部でも、希望する質の高い特色ある教育を受けられることは重要でありま

す。このため、文部科学省としては、地域全体で子供たちの成長を支え地域を創生する地域学校協働活

動を小中学校区の単位で取り組みを進めておりますが、地域住民が積極的に学校にかかわることで、逆

に子供たちからは、地元の商業や産業、伝統的な祭りなどに関心を寄せていくという事例が全国各地で

見られます。

また、ICTを活用して遠隔地間で双方向による合同学習の指導方法を開発する実証研究を進めており、

交通が不便であったり小規模な学校におきましても、ICTを活用して教育の質の向上に取り組んでいる事

例がございます。

高等教育の段階では、地方大学が自治体や地域の企業と協働し、それぞれの強みを生かして雇用創出

を図る、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、COCプラスを進めております。

例えば、静岡大学の事例では、日本有数の製造業の集積や多彩で高品質な農林水産物という静岡県の

優位性や、地域資源の豊かさを利活用する発想と行動力を持った人材育成のため、インターンシップの

拡充や企業と学生のマッチング強化に努め、県内就職率を五年間で四五%から五五%に引き上げると

いう目標を立てて取り組みを進めていると伺っております。

今後とも、こうした地域の魅力ある教育資源を生かした活動を推進することにより、地方における教育環

境の充実を図ってまいります。

 

○勝俣委員 今、ICTのお話が出ましたので、光ファイバー等の超高速ブロードバンドについて質問をさ

せていただきたいなというふうに思います。

地方創生においてICTの活用は必要不可欠であります。総務省においても、国、地方、企業、個人それ

ぞれが、全ての地域においてICTの恩恵を受けられるように、情報通信基盤、事業環境を整備し、世界

最先端の社会全体のICT化を進めるというふうにされております。

そこで、人口減少が進む地方に行けば行くほど、テレワークの推進などによる就労、子育てができる環境

の整備、支援、防災の観点からも、ICTの活用が有効になってくると認識をしています。ICTの活用によ

り、大都市圏とのさまざまな差、例えば先ほどの教育であったり通勤時間であったり、そういったものを縮

めていくというふうに思っております。また、多くの地方都市で抱える農業や林業の生産性向上にICTの

活用が重要なファクターとなっている事例も出てきております。

しかしながら、逆に言うと、こうした人口減少が進む地方ほど光ファイバー等の超高速ブロードバンドが

届いていないというのも現実でございます。私の地元の伊豆半島においても例外ではなく、光ファイバー

等の超高速ブロードバンドが十分に整備されておりません。

整備には多くの費用がかかるわけですけれども、整備する場合、国庫補助が事業費の三分の一、市町

村の負担が三分の二となっております。整備するときに、例えば面積は大変広い自治体でも人口は少な

い、こういう地方都市が大変多いわけで、面積が広い分、逆に言うと、整備する費用も大変多くかかるわ

けです。それでは、地方都市は財政も大変脆弱ですので、諦めてしまうということになります。

このような地方の地形といった事情を配慮し、情報インフラの整備を行っていかなければ、ICTの活用に

よる地方創生も思うように進んでいかないのではないかなというふうに考えておりますが、御所見をお伺

いします。

 

○巻口政府参考人 委員御指摘のとおり、光ファイバーなどの固定系の超高速ブロードバンドにつきまし

ては、過疎地域などの条件不利地域を中心に、依然として整備が進んでいない地域がございます。

このため、総務省といたしましては、地方公共団体が条件不利地域において固定系超高速ブロードバン

ドを整備する場合、事業費の一部を補助することでその整備を推進してきているところでございます。

この補助率は原則三分の一でございますが、地域の実情に応じ整備を加速するため、平成二十五年度

から離島市町村への補助率を三分の二に、また平成二十八年度からは財政基盤が脆弱な市町村への

補助率を二分の一にかさ上げするなど、支援の拡充を図ってきているところでございます。

総務省としましても、光ファイバーなどの情報通信基盤の整備は地方創生のために不可欠と認識してお

ります。委員の御指摘も踏まえ、引き続き、地元自治体の御要望も聞きながら、地域の実情に応じた整備

の推進に努めてまいりたいと思います。

 

○勝俣委員 次に、農林水産業の活性化抜きにして地方創生は語れないというふうに思っているんです

けれども、特に林業についての取り組みをさせていただきたいなというふうに思います。

我が国の国土は約七割が森林で覆われているわけでございます。私の地元静岡県も、伊豆半島は、総

面積が約十三万三千ヘクタールのうち森林面積は九万七千ヘクタール、約七五%が森林なわけでござ

います。

昭和三十九年、一九六四年ですけれども、木材の輸入全面解禁が行われました。くしくもその年は東京

オリンピックの年でございますけれども、それまでは、住宅や家具など、ほぼ一〇〇%国産材が、もちろ

ん木材が使用されておりました。昭和四十四年には、国内産の木材と輸入木材が完全に逆転をします。

ようやく現在では国内産の木材が三〇%まで回復をしましたけれども、依然として、北米、北欧などから

の輸入木材がいまだに大半を占めているのが現状でございます。

輸入木材がふえ、国産木材の利用が少なくなると、これはもちろん林業が衰退していくわけですね。その

結果、間伐等の管理ができなくなり、森林が崩壊し、森が荒廃するわけです。そして、有害鳥獣がふえ、

人里におりてくる。ゲリラ豪雨等により土砂崩れが起きやすくなる。さらに、昨今では、花粉症等の、昔で

はなかったアレルギー性の病気が出てきました。

今こそ、こうした森林の再生を行っていかなければならないんですけれども、そのためには国産木材を利

用することが重要でございます。逆に考えると、ふるさとには豊富な森林資源があるというふうに考えて

おります。

そこで、御質問でございますけれども、国産材の需要をどのように高めていくかということでございます。

大量消費地である都市部等における建築物の木造化、木質化を推進するため、国産材、CLTや耐火部

材等の開発普及を着実に推進するとともに、公共建築物の木造化推進を一層強化する必要がございま

す。また、森林資源のフル活用に向けて、製材品や集成材それから合板、また木質バイオマス発電等の

バランスのとれた需要の創出と、需要に応じた国産材の安定供給体制の確立が課題であると考えます

が、政府の具体的な取り組みをお伺いいたします。

 

○織田政府参考人 お答えいたします。

戦後造成されました人工林が本格的な利用期を迎えた中で、林業の成長産業化に向けまして、豊富な

森林資源を循環利用することが重要な課題であると認識しているところでございます。

このため、昨年五月に見直しを行いました森林・林業基本計画におきましては、国産材の利用量を平成

二十六年の二千四百万立方メートルから、平成三十七年には四千万立方メートルまで引き上げることを

目標として設定したところでございます。

農林水産省といたしましては、この目標の達成に向けまして、CLT等新たな木質部材の開発普及ですと

か、公共建築物や民間の非住宅建築物の木造化、木質化、また土木分野等における木材利用や木質

バイオマスエネルギーの利用、さらには付加価値の高い木材製品の輸出などの幅広い取り組みを進め

ることによりまして、バランスのとれた木材需要を創出しますとともに、需要者のニーズに対応した国産材

の安定的、効率的な供給体制の構築に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございま

す。

 

○勝俣委員 いずれにしましても、森林の再生を各地域で計画的に行い、林業の活性化によって地方に

雇用を生み出す地方創生につなげていくことが重要であるというふうに思っております。

私の地元、伊豆半島の中央に位置する伊豆市では、林野庁の林業成長産業化地域創出モデル事業に

応募し、林業の成長産業化を目指しております。まさに、地方創生のもと、地方が主体となって林業再生

に取り組む動きが出てきました。

そこで、最後の質問でございますけれども、今回、森林法の一部が改正され、都道府県による地域森林

計画における森林施業の共同化や合理化に関する事項の変更等に係る国への協議を届け出に改める

ことになりました。今回の森林法改正は大変部分的なものにとどまっておりますけれども、今後、届け出

の対象となるものの拡大や、協議、同意の廃止を行い、より地域の自主性を尊重し、手続を迅速かつ簡

素化していく見込みをお伺いいたします。

 

○織田政府参考人 お答えいたします。

地域森林計画の計画事項のうち、今般、協議から届け出に移行する、森林施業の合理化等に関する事

項につきましては、施業の合理化を推進するための森林経営計画制度という制度が創設されました平成

二十三年の森林法改正で計画事項となったものでございますけれども、森林経営計画制度の創設から

五年が経過しまして、森林施業の合理化の考え方が全ての地域森林計画に記載され、協議において国

が意見を出すことがなくなったということ、また、持続的な森林経営を確保する森林経営計画そのものの

作成も進み、当該制度が定着してきていることといったような状況を踏まえまして、協議を行わなくても計

画達成に支障が生じる可能性が低いと判断をいたしまして、見直すこととしたものでございます。

今回の改正につきましては、地方からの提案の全てに応えるものではないものの、地域森林計画に係る

国への協議事項の一部を見直すことによりまして、最近の状況に対応した必要な手続の簡素化が図ら

れるものと考えているところでございます。

なお、他の協議事項につきましては、全国森林計画の目標達成ですとか、あるいは全国的な公平性の確

保を図る観点から、引き続き協議事項とする必要があるというふうに考えているところでございますけれ

ども、今後、また地方からの意見もよく伺ってまいりたいというふうに考えてございます。

 

○勝俣委員 いずれにしましても、スピード感を持った対応をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと

思います。ありがとうございました。

 

○木村委員長 次に、吉田宣弘君。

 

○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。

前回に引き続き質問の機会を賜りましたこと、委員長、また理事各位、委員各位の皆様に心から感謝を

申し上げます。

限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。

地方創生は、地域における急激な少子高齢化と人口減少、それによる地域経済の縮小といった構造的

な課題に真っ正面から立ち向かうための取り組みであるというふうに私は承知をしております。当然、一

過性の対症療法を使って一朝一夕で効果が出るということは難しく、複数年度にわたって腰を落ちつけ

て、しっかりとした対策を講じていかなければならないというふうに思っております。

このため、地方創生の取り組みは、平成二十六年、二十七年度において、国と地方がそれぞれ総合的な

戦略を策定し、その上で、平成二十八年度からは、その戦略に基づいて本格的な事業展開に取り組むと

いう段階となっております。

こうした中、地域が地方創生に向けた取り組みをさらに深めていく上で重要な役割を果たす地方創生関

係交付金について、地方創生の発展段階に応じて、それぞれの状況に即した形で措置をされてきている

というふうに承知をしております。

そこで、まず、地方創生関係交付金のこれまでの措置状況について、改めて、簡潔に御説明いただけれ

ばと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

平成二十六年度補正予算に一千七百億円が計上されました地方創生先行型交付金は、まち・ひと・しご

と創生総合戦略を先行的に実施するものとして、地方版総合戦略の早期かつ有効な策定と、これに関す

る優良施策の実施を支援することを趣旨とした、いわば地方創生をスタートアップする支援でございまし

た。平成二十七年度補正予算には、一千億円が計上されました地方創生加速化交付金でございます。

これは、地方創生の動きを切れ目なく全国的に加速化させ新型交付金につなげていくとの観点に立っ

て、地方版総合戦略に基づく先駆的な取り組みを支援する、こういうものでございました。

平成二十八年度当初予算には、補助率二分の一として一千億円が計上されました地方創生推進交付

金でございます。これは、地方創生に資する先導的な事業を支援することとし、安定的、継続的な制度運

用を確保する観点から、地域再生法に基づく交付金とし、かつ複数年度の事業構築が可能な仕組みとし

てございます。

このように、地方創生の発展段階に応じて姿を変えてきてはございますが、地方公共団体が自主的、主

体的に実施する仕組みを支援すること、事前にKPI、重要業績評価指標を設定し、その達成度合いにつ

いて効果検証を行うことでPDCAサイクルを回す仕組み、こういったものを備えていることは共通してござ

います。

以上でございます。

 

○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。

今御説明をいただいた地方創生関係の交付金については、いずれも地方公共団体が事前に成果目標

型のKPIを設定し、それに基づく効果検証を通じてPDCAサイクルを回していくことが仕組みとして備わっ

ている点、非常に画期的なものであると私は高く評価をしております。

このため、このKPIに基づく効果検証の結果については、地方公共団体だけではなく、国でも大いに活用

すべきでありますが、ちょうど昨日、国におかれまして、平成二十六年度補正予算に計上をされた、先ほ

ど御説明がありました地方創生先行型交付金等を活用して実施された事業の効果検証結果について取

りまとめを行われたとお聞きいたしました。

そこで、山本大臣、昨日発表された地方創生先行型交付金の効果検証結果について御紹介をしていた

だければと思います。

た、あわせまして、今後、国において、このような地方創生関係交付金の効果検証について、どのように

進めていくおつもりなのか、お考えをお聞かせいただければと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。

平成二十六年度の補正予算に計上されました地方創生先行型交付金において、地方公共団体が

みずから設定したKPI、重要業績評価指標でございますが、の目標値を一つでも達成したという事

業は全体で三分の二程度となっております。

このうち、申請内容について外部有識者の評価を行った上で支援対象を決定した上乗せ交付タイ

プAにつきましては、KPIの達成率が七七%、八割近い水準となるなど、それ以外のタイプよりも高

くなっておりまして、特徴的な結果が出ているものと認識しております。

本交付金につきましては、地方公共団体において、個々の事業の検証結果を踏まえて、事業を終

了する、または地方創生加速化交付金や地方創生推進交付金を活用して継続するなどの対応を

講じているところであります。

国においては、効果の大きかった事業やKPIが達成できなかった事業等について要因分析をしっ

かりと行い、今後の地方創生推進交付金等の運用の参考とすることとしております。

なお、今年度は、地方創生加速化交付金及び地方創生推進交付金を活用した事業について効果

検証を行う予定であります。

特に、地方創生加速化交付金の効果検証につきましては、平成二十八年度第二次補正予算に計

上されました効果検証事業に関する予算を活用して、今後の地方創生の取り組みの参考となるよ

う詳細な分析を行ってまいりたいと思っております。

 

○吉田(宣)委員 大臣、本当に丁寧な御説明、本当にありがとうございます。

先ほど私がお話をさせていただきましたとおり、地方創生関係交付金において、成果目標型のKPIとそ

れに基づく効果検証は、まさに一丁目一番地であるというふうに私は思っております。ただ、地方創生

は、構造的な課題に真正面から対峙をする、極めて骨太な政策に取り組むことこそ重要なはずでござい

ますので、たとえ本質的に有効な事業であったとしても、一年という短期間で十分に効果があらわれない

ことも往々にして起きてしまうのではないかというように思っております。

このため、仮にKPIが達成できなかった場合、その結果を交付金の採択の判断に単純に当てはめてしま

うというようなことがあれば、地方は安心して地方創生という極めて骨が太い取り組みに果敢に挑戦する

ことができず、これまでどおりの、言ってみれば対症療法的な、一過性の政策に終始をしてしまうのでは

ないか、そのような危惧を、私は思っております。

そういった意味におきまして、その成果目標であるKPIの達成に向けて懸命に取り組むことは、これは大

切な前提であるというふうに私は承知をしておりますけれども、今後、KPIの達成が期待できない事業に

ついて、交付金の執行上、どのように取り扱われるのか。各自治体も関心が高い分野であろうかというふ

うに私は承知をしておりますが、簡潔な御説明を賜れればと思います。

○奈良政府参考人 お答えいたします。

地方創生関係交付金におけるKPIにつきましては、事業を実施した地方公共団体においてPDCAサイク

ルを回すことによって達成状況を検証し、達成されていなければ、その理由を分析の上、事業について必

要な見直しと改善を図る、これが主な目的として設定していることとしております。

このため、KPIの達成度が極めて低いことを理由として、直ちに交付停止や交付金の返還を求めていくこ

とは想定しておりません。また、翌年度以降の交付金の活用に当たっても、地方公共団体に報告された

KPIの達成状況を機械的に当てはめて交付金の交付に反映させることは想定しておりません。KPIの達

成状況について、その理由を含めて検証した上で判断する、このようにしてございます。

したがいまして、KPIの達成度合いが低い事業であったとしても、その理由に合理性があり、必要な見直

しがなされていれば、直ちに交付金を打ち切る、そういったようなことは想定していないということでござ

います。

○吉田(宣)委員 ありがとうございます。

KPIの達成、未達成で機械的に判断するのではないということです。また、KPIに基づくPDCAサイクル

の実施状況を踏まえて総合的に判断するということが大変に、非常に大切になってくるというふうに思っ

ております。各地域でしっかりと地方創生に向けた取り組みが進めていかれるよう、国において、KPIや

効果検証の仕組みを有効に活用していただくように、強く御要望をさせていただきたいと思います。

さて、昨年度の補正予算に計上された地方創生拠点整備交付金は、現場からのニーズが多かった地方

創生の拠点づくりに効果的な施設整備事業を重点に支援するという点で、非常に特徴的であると理解を

しております。私は、地方創生のさらなる深化に非常に有効であったろうというふうに考えております。

そこで、山本大臣、今回の地方創生拠点整備交付金を活用して実施をされておられる事業のうち、特徴

的で、あと、地方創生の高い効果が期待をできるような取り組み、事例がございましたら、ぜひ御紹介を

賜れればと思います。

○山本(幸)国務大臣 御指摘の地方創生拠点整備交付金は、本格的な事業展開の段階を迎えた

地方創生について、全国知事会等から施設整備事業に対する支援を充実してほしい旨の要望を受

け、平成二十八年度第二次補正予算に九百億円を計上したものであります。

地方創生とは地方の平均所得を上げることであるとの観点から、本交付金は地域の稼ぐ力を引き

出す拠点となる施設の整備等を重点的に支援することとし、本年二月に、八百九十七件、国費で

五百五十六億円、事業費で一千百十三億円の事業を採択したところであります。

特徴的な事例を幾つか申し上げますと、例えば観光振興の分野において、議員の御地元の北九州

市では、遊休資産化していた明治期の邸宅である旧安川邸について本交付金を活用してリノベー

ションし、中国や台湾の人々に人気の孫文が滞在したという歴史を生かし、インバウンド向けの観

光拠点として利活用する取り組みが進められております。

また、ローカルイノベーションの分野では、長野県飯田市ほか十三町村が共同で、従来日本メー

カーが実施できなかった航空機関連部品の環境試験を実施する施設を旧飯田工業高校跡地に整

備する事業が採択され、飯田市、下伊那地域における航空機産業の企業集積をさらに推し進める

取り組みとなっております。

さらに、農林水産業の分野でいえば、秋田県で採択された秋田県立大学木材高度加工研究所に

おける耐火試験施設の整備事業は、試験施設において木質材料や木質構造の試作、実証機能が

強化されることで、木質部材の一層の高付加価値化、ひいては輸出の拡大にもつながるものとなっ

ております。

このように、地方創生拠点整備交付金を活用した特徴的な事例がさまざまな分野、地域で出てきて

いるところでありまして、本年三月に実施した第二回募集を通じて、より多くの特徴的な事例を支援

することにより、地方創生のさらなる深化につなげていきたいと思っております。

 

○吉田(宣)委員 大臣、本当にありがとうございます。

私の地元、また大臣も御地元であられる北九州市の取り組みについて御紹介いただきましたこと、心か

ら感謝を申し上げたいと思います。

聞きたいことが終わりましたので、終わらせていただきますけれども、私は、この北九州の事例、実は、孫

文がこちらに、安川邸にかかわっているということについて非常に関心を高くしております。

と申しますのも、実は私、生まれた土地は熊本県の荒尾市というところなんですけれども、この熊本の荒

尾市というところには、孫文が宮崎滔天の兄弟のもと、かくまわれていた歴史もあるということで、私は個

人的にライフワークとして、この孫文の日中にわたるいわゆる革命の闘争といいますか、そういったもの

についてライフワーク的に研究もさせていただいておりまして、この安川邸が、孫文が宿泊をしたという歴

史的に大変重要な場所であるということも、私は非常にうれしく思ってお聞きをさせていただきました。

また、この施設や土地について、施設については北九州市に無償譲渡していただいているという取り組

みのようでございますし、土地についても無償で貸与していただけるということで、やはり地域の社会的な

実在である大きな会社もこの地方創生の取り組みにしっかり協力をしていただいているところに一つ大き

な特徴もあろうかと思いますし、私は、地域が一体となってこの地方創生を絶対に成功させたいという強

い思い、また熱い思いに、非常にうれしく思うところでございます。

今回御紹介をしていただいたこの事例、各地でさまざまな取り組みが交付金を活用して行われていると

いうことでございますけれども、ぜひとも、今後とも地方創生のさらなる深化に向けて積極的に、大臣、お

取り組みいただきますよう心からお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

 

○木村委員長 次に、武正公一君。

 

○武正委員 民進党の武正公一です。

きょうは、山本大臣そして萩生田官房副長官、御出席をいただきましてありがとうございます。

まず、今回、特区についてお話を伺いたいというふうに思っております。

既に他の委員会でも大臣も答弁をされておりますが、加計学園の獣医学部の設置認可、これは今回の

国家戦略特区、広島県・今治市において、五十年間新設が認められなかった文部科学省の告示が、こと

し一月四日には内閣府文部科学省告示第一号ということで変更されるという規制緩和、規制改革、これ

によって四日から十一日まで公募、加計学園一校のみ手を挙げるということで決定を見たわけでありま

す。加計学園に獣医学部設置を認可するに至った今回の規制改革の見直しのポイント、これを大臣とし

てどのように考えているか、御紹介いただきたいと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 まず、今回の獣医学部新設というのは、長年全く実現できなかった改革を、

慎重派の御意見にも十分に配慮して、まず一校で成功させるべく今治市を選定したということであ

ります。したがって、かつて手を挙げておられた新潟市や最近登場した京都府の提案も、落とした

という認識ではなくて、今後引き続き検討していくということでありまして、その具体化が期待される

ところであります。

そこで、歴史を振り返りますと、この獣医学部新設は、平成十九年から八年近く、今治市が唯一の

提案者として提案を続けてきておりました。これに応えた民主党の鳩山政権時代、従来の対応不

可から、実現に向けた検討に格上げされました。そして、それを受けて安倍政権がさらに前進させ

て、昨年十一月の規制改革の決定、ことし一月の制度化にこぎつけたということであります。そし

て、今治市がこれをいち早く事業化すべく即座に構成員を公募し、区域計画に位置づけて、ことし

一月二十日の計画認定に至ったということであります。

獣医学部新設には、十年間に及ぶ多くの主体の多くの判断、多くの議論、多くの合意が積み重

なっております。また、地域活性化や国際競争力強化のための提案を続けた四国の一地方都市で

あります今治市の熱意が最大の原動力となっているということであります。

事業者であります加計学園について申し上げますと、平成十九年に今治市が初めて構造改革特区

の提案を行ったときの提案書には、市のパートナーである加計学園の名前が明記されております。

その提案を、これまでの歴代政権が実現に向けたステップを一段一段と積み上げてきた結果が現

在の姿であると理解しております。

地域を限る、そしてまた一校に限るということについて申し上げますと、約五十年にわたり定員増

加すらなかった獣医学部の新設に獣医師の方々が大きな不安感を抱くのは当然でありまして、そ

の声に耳を傾けつつ、新たな分野と切迫する需要に対応した獣医学部の新設をいち早く実現する

ために、まずは地域と数を限ったものであります。

この、十年に及ぶ歴史を念頭に置いて、最近の経緯でありますが、制度改正を決めた昨年十一月

の諮問会議取りまとめ、それから、一校に限った昨年十二月の三大臣の合意の確認を初めとする

論点について把握いただければと考えております。

まず、獣医師等の需給の関係でありますが、産業動物獣医師は、地域偏在により現に確保が困難

な地域がある、また、近年、ライフサイエンスなどの分野で具体的な需要が高まっている、このこと

から、地域を限って新設を認めることを基本的な方針といたしました。

次に、調整の経緯でありますが、昨年十月下旬に、私の指示のもとで、内閣府の事務方が取りまと

めの原案を作成いたしました。十月末に、内閣府の事務方が文科省の高等教育局、農水省の消

費・安全局に提示し、省庁間調整を行ったものであります。そして、十一月初めに、特区のワーキン

ググループの委員、そして関係各省間で事務的な調整を終えまして、最終的に私が内容を確認し

て、十一月九日の諮問会議の取りまとめ案としたところであります。

一校に限った経緯について申し上げますと、昨年十二月八日に日本獣医師会から、一校とするよ

う要請がありました。また、十二月十七日に締め切りのパブリックコメントで約八割が慎重な意見

だったことを踏まえ、十二月二十日前後に、私が一校に限ることを最終的に決断して、通常と同様

に事務方に指示しました。十二月二十二日に、事務方の原案に私が目を通し、内閣府から文科省

と農水省に提示いたしまして、十二月二十二日夕刻までに、その調整後の案をそれぞれの大臣に

報告し、異議なしということで、三大臣合意となったものであります。それを受けて、今年一月四日

に、一校に限る旨を明記した告示を制定しました。

その上で、最終的には、京都府よりも今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高い

ということを踏まえて、私の判断で、今治市の区域会議で事業者募集を行うことを決定し、本年一

月四日の公募を開始したものであります。その公募に対して加計学園だけが応募して、最終的に、

一月二十日の区域会議、特区諮問会議で認定を受けたということであります。

 

○武正委員 かなり詳しくお答えをいただいて、今のお話で、なぜ一校に絞ったのか、また、京都からも手

が挙がっていたのにというようなお話もあったわけです。

資料の方は、この間、四国の関係の先生方もいらっしゃいますが、獣医師法に基づく獣医師さんの、偏在

とよく言われるところなんですけれども、四十七都道府県で四国四県の獣医師は千三百四十七名、率で

いくと三・四%ということなんですね。これについては、大体ほかの項目の数字は三%、高いものは六%。

よく言われる、家畜衛生の公務員が足りないということなんですが、実は、これは二百九名で、六%おり

ます。一方、では四国における家畜、家禽飼育頭数はどうなのかというのが二ページでございまして、こ

こでいきますと、やはり、全国的に見ると、乳用牛一・四%、肉用牛二・三%、豚三・二%、鳥五%、ブロイ

ラー五・八。鳥が若干、先ほどの、三・四%の全国的な獣医師の割合からいくと高いということですが、

牛、豚などは低いというようなこともあるわけです。

そしてまた、これもよく取り上げられる鳥インフルエンザ等の発生状況ということで見ますと、四国での発

生はないといったこともこういったところからわかるということであります。

今回、先ほど獣医師会のお話があり、要請があったということで一校に絞ったというふうにされております

が、それまでやはり五十年間獣医学部の設置を認めないということで来た中で、先ほど触れられたパブ

リックコメントも、合計九百七十六件中八割が反対ということでありました。

特に、獣医師会からの意見表明では、二〇一五改訂日本再興戦略の四項目、これでこの間ずっと議論

をしてきたわけですよね。ですから、その四項目については、今治市の提案については必ずしも、地域的

な偏在は見られるものの獣医師総数は不足していないと。また、青森県に所在する北里大学の卒業生も

青森県にはごくわずかしか就職していないというようなこととか、既存の、やはり十六国立、私立獣医系

大学が協力して国際水準の獣医学教育にも取り組んでいるんだということ。それから、危機管理、地の拠

点となるとともに、国際的見地から対応ということについても、これは、獣医系大学が家畜防疫の拠点と

なって危機管理を担うことは今の家畜伝染病予防法では想定されていないんだというようなことと、宮崎

県の口蹄疫などは全国を挙げて取り組んだ。そしてまた、獣医学教育をさらに動物から人へという新しい

パラダイムについては、日本獣医師会では日本医師会との間で協定を結んでやっていますよと。

るる、こういったことで、獣医師会とすれば、やはり獣医学部の新設は認められないということでかねてよ

り来たわけなんですが、これが五十年間のそうした告示を変えてまで決定を見るといったことについて

は、果たして何らかのやはり圧力というか力が加わったのではないかと見る向きが多いところが、巷間言

われるところでございます。

この加計学園、加計孝太郎理事長と総理との関係、非常に親しい、腹心の友と総理が千葉科学大学の

十周年の式典でも述べておられる。あるいはまた、加計学園の附属校である御影インターナショナルこど

も園の名誉園長に安倍昭恵夫人が二〇一五年九月、これは森友学園の予定される小学校の名誉校長

就任と同じとされておりますが、そういった関係もあってというようなことがあって、そんたくという言葉で

はありませんが、やはり何らかの力が働いたのではないかというふうに言われるわけですが、この点、山

本大臣、いかがでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 全くそんなことはございません。

国家戦略特区は、地域を限定することで、長年実現できなかった岩盤規制改革を行って、我が国の

経済社会の構造改革を実現しようとするものであります。

その意味では、長きにわたって、ある意味で既得権益が守られてきた、しかし、そのことによって経

済社会の活力が失われるということは私は望ましくないと考えておりまして、それを打ち破るのが、

特区の責任者であり、規制改革を担当している私の責務であると考えて、この点で、こうした改革を

急がなければいけないと考えたわけであります。

獣医師、地域の偏在等の話は農水大臣ももう言っておられますし、そしてまた、四国においては、

かつての感染症、鳥インフルエンザ等のときに頼るところがなかったということが非常な不安を生じ

たというような意見表明もありました。そういうことを含めて、私は、そうした獣医学部が存在してい

ないところに優先的にまず認めることが適当であると考えたところでございます。

そして、そのことによって、そういう刺激を与えることによって、従来の獣医学部についても、ぜひお

互いに競争して頑張るようにしてもらいたいと思っております。

世界の獣医学部のランキングを見ますと、五十位に入っているのは、東京大学が三十四位に入っ

ているだけであります。その意味では、まだまだ日本の獣医学部も、国際競争力という面について

は、むしろ、余りに長きにわたり競争がないという形で、少し劣っているのではないかというところも

ありまして、そういうことも打ち破る意味で、私は断固改革をやるという気持ちでやっているだけで

ありまして、御懸念のようなことは一切ありません。

 

○武正委員 参議院の予算委員会でもこの件が取り上げられて、特に昨年の十一月九日の国家戦略特

別区域諮問会議で、広域的に獣医師を養成する大学の存在しない地域に限り獣医学部の設置を可能と

するための特例を設けるとされたことが、今回、この今治市そしてまた加計学園というような形に結びつ

いた、それまでこうした地理的条件はなかったと。

当初は、先ほど触れたような四つの、日本再興戦略二〇一五改訂版の条件だったわけですから、なぜこ

こで今のような特例が設けられたのか、再度伺いたいと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 これは最初にもお答えしたところでありますけれども、地域を限るということ

にいたしましたのは、おっしゃるように、昨年十一月、諮問会議の取りまとめで決められたわけであ

りますが、産業動物獣医師が地域偏在により現に確保が困難な地域がある、また、近年、ライフサ

イエンスなどの分野で具体的な需要が高まっている、こういうことから、ワーキンググループの委

員、そして特区の審議委員、有識者等が、地域を限って新設を認めることがよろしいんじゃないか

ということで、最終的には私の判断で、そうした地域で限定していくことを適当と考えるというふうに

決めたわけであります。

 

○武正委員 先ほど触れたように、決して四国だけが偏在ではないというようなことや、また、十六大学

の立地を見ますと、例えば北信越にはありませんし、もちろん沖縄にもありませんから、大学がないからと

いうことだけでは必ずしも、なぜ広島、今治なのかという説明にはやはり当たらないのではないのかとい

うふうに思います。

国際的な五十位以内に入っていないということですが、先ほど触れましたように、既存の十六獣医系大

学は懸命な努力をされているといったところで、先ほどのパブリックコメント、九百七十六件のうち八割の

意見、例えば、今回の獣医学部の設置は獣医師の質の低下につながる、三百二十八件。産業動物獣医

師をふやすのは処遇改善が必要だ、例えば県の職員の方は年俸が四百万円で、獣医系の施設に勤め

られる方が七百万円というようなこと。それから、既存大学助成が先じゃないのか、百六十一件。獣医師

の偏在解消はできません、百二十三件。既存獣医師、獣医学部で可能だ、百十五件。

こういった意見が出ているので、どうも、先ほどの、大臣の判断で一校に絞った、そして地域的な、広域

的に獣医師を養成する大学の存在しない地域に限り獣医学部の設置を可能とするための特例を設ける

といったところが、何らかのやはり力が働いたからこういうふうになったのではないかというふうに思うとこ

ろ、多く指摘をされるわけであります。

そこで、官房副長官もお見えでございます。資料五ページ、六ページ、七ページは、政と官のあり方、平

成二十四年十二月二十六日閣僚懇談会申し合わせでございます。本来であれば官房長官にお聞きをす

るところですが、閣僚懇申し合わせでありますので、改めて、この政と官のあり方について、特に六ペー

ジ、対応方針の(一)、(五)、これが今国会でも大変、森友学園について政治家の関与を特に財務省理

財局長にただすと。

この一番で、大臣に報告がないから政と官の接触はありませんと。これが政治家からの圧力だったり関

与を否定するために、この対応方針の(一)を理由にされる。

本来、この政と官のあり方は、平成二十一年の九月十六日、当時、民主党政権で、やはり政治主導とい

うことでつくったものがひな形になっております。二十四年十二月二十六日には、五ページの上から二行

目、「誤った政治主導を是正し、」、このように書いていただいていますけれども、あとはほとんど変わって

おりません。

ただ、平成二十一年九月十六日には、今申し上げました六ページの(一)と(五)は、別添として別に設け

て、一緒にはなっておりません。それは、「別に定めることとされている事項が定められるまでの間は、以

下の措置をとるものとする。」と、暫定的な措置として、今、現政府、内閣が申し合わせをした、対応方針

(一)、(五)を定めております。

それがそのまま対応方針にされたんですが、今国会では、これをもって、大臣に報告が上がっていない

から政官接触はないんだと。これは極めて、この政と官のあり方の、なぜこうした閣議申し合わせをして

いるのかという本旨からそれているというふうに思うんですが、官房副長官の御所見を伺いたいと思いま

す。

 

○萩生田内閣官房副長官 今先生も御披露いただきました、平成二十年に制定された国家公務員制度

改革基本法においては、いわゆる口ききと言われるような政と官に対する圧力等を排除する趣旨で、職

員が国会議員と接触した場合における記録の作成、保存その他の管理等のための措置を講ずることと

されております。

この点において、国家公務員制度改革基本法の法案質疑におきまして、職員と国会議員との接触を全て

記録することは事務を煩雑化させるのではないか、事務をいたずらに膨大化させないことにも留意する

必要があるといった趣旨の議論がありました。

この趣旨を踏まえ、平成二十四年の閣僚懇談会で「政・官の在り方」の申し合わせが行われ、その際、官

は、国会議員やその秘書からの個別の行政執行に関する要請や働きかけであって、政府の方針と著しく

異なる等のため、施策の推進における公正中立性が担保されないおそれがある、また対応が極めて困

難なものについて、大臣等に報告し、報告を受けた大臣等は、要請、働きかけを行った国会議員に対し、

内容の確認を行うなど、みずからの責任で適切に対処するものとされております。

引き続き、このような基本法の趣旨を踏まえた閣僚懇談会申し合わせにのっとり、各府省において、各大

臣等の指揮監督のもと、記録の作成や管理について適切に実施されるべきものと考えておりまして、今

回、この書類の存在がないということは、特別、政府の方針に大きく反する事案ではなかったという現場

の判断にのっとってのことだというふうに認識をしております。

 

○武正委員 ただ、多くの国民の方が、鴻池参議院議員の会見だったり事務所の関与だったり、あるい

は籠池理事長の証人喚問で国会議員の名前を挙げられたり、あれを見て、なぜ政治家の関与がないと

言い切れるのか。

極めてやはり国民の皆さんも、我々はもちろんですが、理解に苦しむところでありまして、この対応方針の

(一)の、大臣等に報告するものとする、(五)で、日時、経過、内容等、経過を記録し、大臣等の確認を経

た上で保存すると。つまり、文書がないから、大臣に報告が上がっていないから政治家の関与はないん

だと逆論法で位置づけることが、これはやはり、とても説明責任を果たしているとは思えないわけです。い

かがでしょうか。

例えば、これは先ほど触れたように、平成二十一年九月十六日の、当時民主党政権で、「別に定めるこ

ととされている事項が定められるまでの間は、以下の措置をとるものとする。」と、暫定的な措置だったわ

けですから、やはりこの際、この後触れる公文書管理法との関係も含めて問われることなので、国民に対

する説明責任を徹底するためにも、この政と官のあり方について、見直しをするべきではないかと思うん

ですが、御所見を伺いたいと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 国家公務員制度改革基本法は、いわゆる口ききと言われるような、政の官

に対する圧力等を排除することを趣旨とされております。一方で、委員会の審議でも指摘されたわ

けでありますが、事務をいたずらに膨大化させないことなどにも留意する必要がございます。

したがいまして、引き続き、このような国家公務員制度改革基本法の趣旨を踏まえた閣僚懇談会

申し合わせにのっとり、各大臣等の指揮監督のもと、適切に対応すべきものだと考えております。

 

○武正委員 政と官のあり方は閣僚懇談会申し合わせですから、官房副長官、お答えをいただきたいと

思います。

 

○萩生田内閣官房副長官 武正先生は、書類がないことをもって、政府側が、政治的な働きかけがな

かったんじゃないかという言いわけにしているんじゃないかという御指摘がございました。

私どもとしては、いわゆる政治的なやりとりの中に、何か政府の基本方針がゆがめられるようなやりとり

がなかったからこそ書類が残っていなかったんだという説明をさせていただいているつもりなんです。

しかしながら、しかしながらです、結果として、この土地の売買に当たっては、瑕疵担保責任を相手方に

譲るというような、言うならば非常に例外的なやりとりで売買が行われていますから、土地の存在そのも

のについて、国有地であった時代から産業廃棄物が発見をされていたわけです。そうしますと、普通の土

地じゃないという感覚を役人がもし持っていたとすれば、政治家とのやりとりはともかくとして、もう少し詳

しいやりとりが残っていてもよかったんじゃないか、私個人的にはそう感じる部分もございます。

ですから、今回の問題をきっかけに、もしこの閣僚懇の中で申し合わせた事項で網羅ができない部分、あ

るいは国民の皆さんに誤解を与える部分があるとすれば、これは検討に値するというふうに承知をして

おります。

 

○武正委員 ありがとうございます。

ぜひ、前向きに御検討いただきたいというふうに思います。

官房副長官、ここでお引き取りをと思うんですが、せっかくおいでいただいたので、ちょっと一言だけ伺い

たいんです。

官房副長官、プロフィールなんかを見ますと、この加計学園のグループである千葉科学大学の危機管理

学部の客員教授をお務めだった、あるいは、もしかしたら今もお務めなのかもしれませんが、ということで

ありまして、報道では、加計孝太郎理事長とは文部科学大臣政務官であったときに知り合ったので、安倍

さんと親しいということは後になって偶然知りましたということなんですが、今、これも報道ですけれども、

今月二十三日投開票の銚子市長選挙ですか、こちらの方に立候補されている方が、この千葉科学大学

に、やはり国家戦略特区を利用して水産・獣医学部を新設することを掲げている、こういうような報道もあ

るわけなんですけれども、これはまた、今治、この加計、獣医学部と同じじゃないのかというようなことも

報じられているんです。

例えば、加計理事長から、今や内閣のかなめである官房副長官に何らかの、やはり、こうした点につい

て、科学大学について、あるいはまた、今の、これまでの今治について、何らかのそういう働きかけ、こう

いったものはなかったんでしょうか。

 

○萩生田内閣官房副長官 私のことで御質問がございました。

千葉科学大学の客員教授を務めていた事実はそのとおりでございます。また、現在は授業を持っており

ませんけれども、引き続き、毎年四月一日に委嘱を受けて客員教授を続けております、立場上は。

武正先生は御存じないかもしれませんが、私、実は党内では文教政策を中心にやっておりまして、割と教

育関係の皆さんと御縁があって、この学校に限らず、地元の中央大学ですとか、明治大学などでもたび

たび授業を持たせていただく中で、特に、私、議席を失った時期がございまして、このときには、客員講師

等々も他の私学でも務めさせていただいた中の一校が、この学校でございます。

報道にもありますとおり、私は、加計さんとお会いをしたときに、加計理事長と安倍総理が古くからの親し

い仲だというのは全く存じ上げませんでした。私なりに加計さんと真摯なおつき合いをしていく中で、後で

その人間関係がつながったということでございまして、何らやましい点はございません。

加えて、現在の銚子の市長選挙のことはちょっと私よく存じ上げませんし、また、そのような請託や相談

を受けたような事実も全くございません。

 

○武正委員 ありがとうございました。

では、官房副長官、お引き取りください。ありがとうございました。

それでは、もう最後、残された時間はわずかですが、あわせて公文書管理法について伺いたいと思いま

す。今国会で、やはり文書、一年以内の保存期間は、お手元にあるような、一番最後のページにあります

が、公文書管理法のフローチャートでいうと、本来であれば、廃棄について、内閣総理大臣に協議をし

て、そして同意をもらって廃棄するということが八条二項で決められているんですけれども、一年未満は

それが必要ないということで、いろいろな文書が一年未満だから廃棄だ廃棄だと。本当に、これもやはり

極めておかしいなと思うんですね。

私はやはり、もともと公文書管理制度が、歴史的文書の保存に限っていたところが中心だったものですか

ら、この一年未満の扱いとか、そういったところが若干抜けていたのではないかと思います。この点はや

はり見直しが必要ではないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 公文書管理法施行令におきましては、歴史資料として重要な公文書等につ

いては一年以上の保存期間を設定することとされております。一年未満の保存期間文書は、少なく

ともこれには該当しないということになります。

歴史資料として重要な公文書等か否かの判断に関しては、内閣府に置かれた公文書管理委員会

が昨年三月にまとめた、公文書管理法施行五年後見直しに関する検討報告書におきまして、各行

政機関における判断を支援し、その質を向上させる仕組みについて検討すべきとの御指摘をいた

だいているところであります。

私としても、この指摘も受けまして、そしてまた今回の問題も踏まえまして、確かに、どれが歴史的

公文書等に当たるのかというところの規定がちょっと曖昧なところもありますので、そういうことをぜ

ひ改善するようにしたいと思っておりまして、行政文書の管理に関するガイドラインの今年度中の

見直しをしっかりやりたい。それから、各府省の職員の公文書管理に対する意識を高めるための

研修の充実等を着実に進めていきたいと思っております。

 

○武正委員 ありがとうございます。

中間書庫なんかも、各省の、何か、設けられているかどうかもはっきりわからないというようなことを担当

の方に聞いたら言っておりましたので、徹底した取り組みをお願いし、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

 

○木村委員長 次に、宮崎岳志君。

 

○宮崎(岳)委員 宮崎岳志でございます。

まず冒頭、二点申し上げます。

一点は、今委員会が始まる前の理事会において、衆議院事務局より、前、三月三十日開催の当委員会

における向大野事務総長の発言についての訂正がございました。

内容としては、籠池理事長の証人喚問をめぐる、その偽証罪に関する議論の中で、向大野事務総長か

ら、本院において偽証罪で証人を告発し偽証罪のみで起訴された例は昭和五十一年に一件ございます

という発言をされております。それを受けて、質問者である私の方が、たまたまそのうちの一人が偽証罪

のみで起訴されておりますけれども云々という発言をしたということでありますが、衆議院委員部の方よ

り、本日、偽証罪のみで起訴された例は昭和五十一年と五十二年に各一件ございますというふうに内容

を訂正したい、それに合わせて、委員であります私の質問についても、そのうちの一人が偽証罪のみで

云々という部分を、そのうちの二人が偽証罪のみで云々というふうに訂正をしていただきたいというお話

がありました。

内容に大きな変化があるわけではございませんので、その訂正についてはお受けをいたしましたけれど

も、ただ、事実関係でございますし、発言者、答弁者のみならず、議員の発言の方も修正しなければなら

ないということは不体裁なことだというふうに考えておりますので、衆議院事務局においても、今後十分気

をつけられるよう望みたいと思います。

もう一点、厚生労働委員会で、本日、介護保険法の審議が打ち切られ、強行採決が行われました。この

強行採決については、本日の午前中の総理入り質疑の中で我が民進党の議員が森友学園にまつわる

質問をした、それも全編したわけではございませんけれども、そういう発言をして、それが法案の内容と

関係がない、こういうことでは審議を続けられないということで、急遽、本日、強行採決になったというふう

に伺っております。

筆頭間では金曜日に質疑を続けるということで、内々に我が方は金曜日の質問者も人物を特定して内定

をしていたところというふうに伺っておりまして、確かに、審議の法案に関係ある質疑をするというのは前

提でありますが、時と場合により、そこからそれるということも、これはあることであります。

まして、今回の件は、森友学園と天下り問題について集中審議を総理入りで行うべしということをずっと

申し入れていた事実であります。それを応じないでおいて、今度は、総理が出てくればその関連の質問を

するなというのは、まさに、森友関係の疑惑を潰すために強行採決を利用したと言われても仕方がないも

のだというふうに考えております。強く抗議をさせていただきます。

さて、質問の方に入りたいと思います。

国家戦略特区を利用した獣医学部の新設について、いわゆる加計学園問題についてお伺いをいたしま

す。今回の問題の本質は、これまで五十二年間、獣医学部の新設が認められていなかった、その認めら

れていなかった獣医学部を、今回、国家戦略特区を使って認めた。どちらかというと、その獣医学部とい

う、一種、私が思っているわけではありませんけれども、既得権の世界があって、そこに国家戦略特区を

使って風穴をあけたというふうに、やった方々は評価をされたんだと思います。

しかし、内容を見てみますれば、ある特定の、加計学園という、総理が長年、大親友としてつき合ってい

らっしゃる、そこしか落とせないような条件がさまざまつけられて、そしてその学校に新設が認められたと

いうことでありまして、既得権の破壊どころか、新たな利権の獲得であるというふうに感じるところでありま

す。この問題について、既にさまざまな議論が行われておりますが、具体的なお話を伺いたいと思いま

す。十月十七日、昨年です、十月十七日、京都産業大学が、同じく獣医学部をつくりたいということで提案

がありまして、その京都産業大学と京都府からの聞き取りが、ヒアリングが行われております。この時点

ではまだ、全国のどこにできるかわからないという状況だったと思います。

そして、十一月九日、国家戦略特区諮問会議において、空白地縛りと言われる、「現在、広域的に獣医

師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」と。広域的に存在しない地域に

限りという文言が突然出てきて、この京都産業大学の提案は門前払いという格好に、後からなった。門を

たたいて中に入ったと思ったら、入った後から門前払いになった。これがこの経過であります。

十月十七日から十一月九日までの間にいわゆる空白地縛りが設けられたわけですが、この空白地縛り

は、誰によって発案され、どのようなプロセスによって協議され、決定をされ、大臣の決裁が行われたの

か、この点についてお伺いできますでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 十月の下旬ごろに、特区ワーキンググループでの文科省、農水省との議

論、そしてまた、獣医師会などから提出された慎重な意見などの状況を総合的に判断して、私が決

断し、内閣府の事務方に、十一月九日の特区諮問会議取りまとめの原案作成を指示したものであ

ります。

 

○宮崎(岳)委員 ワーキンググループでの議論は、空白地に限るべきだという議論であったんでしょう

か。

 

○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。

ワーキンググループにつきましては、このときは京都府からのヒアリングということでございまして、制度

的な検討については、それ以降の各省からのヒアリング等で始まるところでございます。

 

○宮崎(岳)委員 ちょっと今、大臣のお話とよく合わなかったと思うんですが、十月下旬のワーキンググ

ループで空白地に縛るべきだという議論が出て、それを受けて決断したという最初の御答弁だったと思う

んですが、違うんでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 京都府からのときのワーキンググループは、それは京都府の御意見を聞い

たというワーキンググループであります。

その後、特区諮問会議を準備する上におきまして、ワーキンググループの委員であります先生方と

私は非公式に意見交換をいたしまして、そういう方々も、地域的に限定した方がいいだろうというお

話もございました。

そしてまた、農水省、文科省等の意見、そして慎重派の、獣医師会ですね、意見も配慮した上で、

まず地域を限定することによって何とか、軟着陸といいますか、それぞれの意見を十分配慮した上

で決定することが適当だろうと判断したわけであります。

 

○宮崎(岳)委員 特区諮問会議の委員との非公式な議論をもとに、ここで突然、空白地に限る、事実上

四国に限るという議論が登場した、こういう御答弁であります。

そして、獣医師会とも話したとか、文科省あるいは農水省とも話したとかという話がありました。そもそも、

文科省なり獣医師会は、獣医師学部の新設自体に反対だったと思います。空白地のみというのは、内閣

府から、あるいは大臣から御提案されたことであるはずであります。向こうから、何とか一校に絞って開校

してほしいとか、四国に絞って開校を認めてほしいという意見が、文科省や農水省から出るはずはござい

ません。

これは、大臣なり、あるいは内閣府の側から、四国に縛るということではどうかという御提案を文科省や

農水省に行ったということでしょうか、大臣。

 

○山本(幸)国務大臣 そのとおり、私が指示をいたしまして、内閣府の事務方に取りまとめの原案

を作成させました。その上で、十月末には、内閣府の事務方が文科省の高等教育局、農水省の消

費・安全局に提示し、省庁間調整を行ったところであります。

そして、十一月初めに、ワーキンググループの委員、そして関係省庁の間での最終的な事務的な

調整を終えて、最終的にその内容を私が確認して、そして十一月九日の諮問会議の取りまとめ案

としたわけであります。そしてその上で、諮問会議でそれが了承されたということであります。

 

○宮崎(岳)委員 文科省と農水省に、その空白地縛りについての意向を伝えたのはいつですか、大臣。

 

○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。

空白地縛りといいますか、十一月九日の案文の取りまとめに当たって、文科省並びに農水省と、具体的

に、どういう日付で、どういうやりとりがあったかということでございますけれども、まず、十月の二十八日

に私どもの事務方が文科省の高等教育局、それから農水省の消費・安全局に対しましては十月三十一

日に原案を提示いたしました。

その後、十月三十一日に文科省から内閣府に対しての意見の提出があり、その意見を踏まえて、十一月

一日に内閣府から文科省に対して最終調整案を提示いたしました。なお、農水省からは、原案について

のコメントはなかったところでございます。

十一月二日に文科省から内閣府に意見なしの回答がございまして、関係省庁間で事務的な調整を終

え、最終的に山本大臣に内容を御確認いただき、十一月九日の諮問会議の取りまとめに至った、そうい

う経緯でございます。

 

○宮崎(岳)委員 文科省、お伺いします。

十月三十一日、文科省は回答をしたということですが、この際は、四国地域に縛る、あるいは広域的に空

白の地域に縛るということについて了としたということでしょうか。

 

○義家副大臣 追加規制改革事項案については、昨年十月二十八日に、内閣府より文部科学省に対

し、文案の確認依頼がございました。関係府省による調整を経て、文部科学省からは、十一月二日に、

大臣まで御了承いただいた上で、了承する旨を回答しております。その後、十一月九日の国家戦略諮問

会議において追加規制改革事項が決定されたものと承知をしております。

また、内閣府との調整プロセスの中で文部科学省としての御意見を申し上げ、最終的な案文になったと

ころでございます。

○宮崎(岳)委員 その意見についてお伺いしているんです。

十月三十一日に意見を申し上げたということですが、つまり、四国に縛るという条件で獣医学部の新設を

認めるという意見を出したということでしょうか。

 

○義家副大臣 個々の政策の意思決定過程にかかわるものなので、お答えは差し控えさせていただきま

す。

 

○宮崎(岳)委員 農水省からは意見がなかったという御発言がありました。

農水省は、かねて、大臣答弁でも、獣医師の数は足りている、新たに獣医師をこれ以上ふやす必要はな

い、そのような答弁をされてきたことと思います、少なくとも、この加計学園の件が表に出るまでは。

農水省は、つまり、獣医学部が新設されるということは、これはウエルカムだということで意見を出さな

かったということでよろしいんでしょうか。

 

○齋藤副大臣 十一月九日の諮問会議の開催に当たって、内閣府が作成した、今委員御指摘の、獣医

師系養成大学校等の存在しない地域に限り新設を認める旨の取りまとめ文書、これにつきまして当省に

提示をされたわけです。それが十月三十一日、先ほど参考人からお話があったとおりです。

これは、獣医学部の新設についてはそもそも当省の所管ではないので、いい悪いというようなことをコメ

ントする立場にないので、コメントなしという回答をさせていただいたということでございます。

 

○宮崎(岳)委員 獣医の需給については農水省の所管であるというふうに伺っております。それは違う

んですか。

獣医の需給について農水省の所管であるなら、その供給元である獣医学部の定員については、農水省

として意見を言ってはいけないということにはならないんじゃないでしょうか。

 

○齋藤副大臣 新設そのものについては、我が方がいいとか悪いとか言う話ではないということでありま

すが、今委員御案内のように、獣医師の需給の問題につきましては、我が方も当然、関心がございま

す。ここにつきましては、今回の獣医学部の新設については、先端ライフサイエンス研究の推進等、獣医

師を含む獣医学部卒の知見を有する者が新たに取り組むべき分野における需要を勘案して設定される

というふうに聞いておりました。かつ、そういうこともあったので、獣医師全体の需給に対し大きな影響を

与えるものではないというふうに考えたわけであります。

需給に関しては、そのような判断をさせていただきました。

 

○宮崎(岳)委員 今言われたことが、まさにおかしいところでございます。

京都産業大学の提案は、鳥インフルエンザの研究に関する世界的なセンターを京都産業大学が設けて

いる、これを中心として獣医学部を連携させていこう、こういう御提案であったはずであります。

そもそも、もともと需給が足りていて、人数が十分であって、これ以上ふやすべきではないということを認

めることに至ったのは、鳥インフルエンザや口蹄疫等の、そういう新たな流行病に対する対策が必要だ

からということで行われたにもかかわらず、京都産業大学の提案があった後で、玄関から既に入っている

ものを門前払いにする、そのために新たな空白地縛りという規定をつくったとしか思えませんし、それに

対して、十月十七日にその京都産業大学からヒアリングをやっておいて、わずか十日ほどの間に、京都

にはつくれないという事実上の規定を後からつくり、そして他の省庁に通知をしている。極めて異常な手

続だと言わざるを得ません。

先ほど大臣は、獣医師会との調整の結果、そちらの意見も踏まえてということでありました。その十一月

九日までの間、獣医師会とどのような調整を行ったんでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 調整といいますか、私どもの考えを申し上げ、すぐに、いいですよなどという

話にはなりませんでしたけれども、丁寧に私どもの考えを申し上げた経緯は幾つかございます。

まず、九月七日に、日本獣医師会の酒井副会長、北村顧問が私のところに来られまして、獣医師

会の考え方を述べられまして、私も、私どもの概略の考え方も申し上げました。

それから、十一月十七日、私から、これは次の日からパブリックコメントが始まるということでありま

す、十一月九日に諮問会議が決まりまして、パブリックコメントをやろうということになっておりまし

て、パブリックコメントをやる以上は私も仁義を切らなきゃいかぬと思いまして、前日の十七日に獣

医師会をお訪ねしまして、蔵内会長、酒井副会長、北村顧問等との意見交換を行いました。

その後、十一月二十八日には、日本獣医師会からの要請文書がございました。それから、十二月

八日には、一校に限ってほしいという旨の要請文書もございました。そしてまた、十二月二十一日

には、蔵内会長、北村顧問との意見交換もありました。

それから、北村顧問は私どもの同じ政策グループに属しておりましたので、そのほかのところでも

非公式にいろいろな、お会いをしたり、電話等でお話をしたこともあります。

それから、蔵内会長は御承知のように福岡県の県連会長でもありますので、いろいろな会合でお会

いするたびに、お互いに意見交換をしていったということであります。

 

○宮崎(岳)委員 先ほどの答弁の中で、この空白地縛り、四国縛りというものは、文科省でも農水省でも

なく、山本大臣がみずから発案をされたものだという御答弁でした。

私は、その中で、では、獣医師会との調整というか協議というか話し合い、それはいつ、どういう形で行

われたか、十一月九日までにというふうにお伺いをし、何回かのその機会のお話をいただきましたが、十

一月九日以前というのは、九月七日のみであります。十月二十八日には、既に大臣はこの空白地縛りの

方針を決めていたわけでありますので、この九月七日が唯一の機会だということになりますが、この九月

七日の際には、大臣に対して、獣医師会は、ぜひ地域を限定して獣医学部をつくってください、こういうお

話だったのか、いやいや、そもそも獣医学部をつくることはまかりならぬというお話であったのか、どちら

でしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 獣医師会は獣医学部の新設には反対である、そういうお話を強くしておられ

ました。そしてまた、大臣室に来ていただいたのは九月七日、そのとおりでありますが、そのほかで

も非公式にいろいろな接触がございました。

そういうのを踏まえまして、最終的に私が、これはもう地域で限定してまずやるということから始め

た方がよかろうという決断をしたわけであります。

 

○宮崎(岳)委員 話の筋からいえば、例えば京都産業大学からの提案があって、これは鳥インフルエン

ザ対策等に必要であるし、世界的なセンターであるから、ここに限って認める、そういう考え方だってあっ

たんだろうというふうに思います。別に、四国にぜひつくってくれという話ではなかったという先ほどのお

話でありました。

非公式に何回かお会いをされているという話でしたが、では、空白地に限り、広域的に獣医師系大学等

の存在しない地域に限りという話は、先方からは、その十月二十八日までの間に、獣医師会からはそう

いう御意見とか要望はなかったということでよろしいんですね。

 

○山本(幸)国務大臣 そういうはっきりした形ではありません。

 

○宮崎(岳)委員 つまり、これは、無から有が生まれた。この十月十七日に京都産業大学のはた目に見

てもすばらしい提案が出てきてから、十日のうちに、誰からもそのような要望はないけれども、あるいは、

獣医師会や文科省や農水省を除く誰かから要望があったかどうかは存じ上げませんが、何も外形的に

はそういう御意見、働きかけがなかったときに、大臣の頭の中から、四国に縛る、こういう話が生まれたと

いうことでよろしいんでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 愛媛県今治市からの提案は、もう既に十年にわたってずっとございました。

そして、熱心に取り組んでいることが示されてきたわけであります。

一方で、京都府、京都産業大学からは昨年の三月に提案がございましたが、そのときは要旨のみ

の簡素なものでありまして、その後、十月に詳細な提案をいただいたことを受けて、十月十七日に

特区ワーキンググループでヒアリングを行ったということであります。

ただ、私どもの判断としては、京都府等の提案は必ずしも準備が整って事業が具体化しているとは

言えないという判断でありました。これに比べて、今治市の提案は事業の早期実現性という観点か

ら熟度が高いということを判断し、これを優先するということにしたわけであります。

例えば、今治市の方は、専任教員の確保の面で京都府と比べてすぐれている、既にはっきりとした

人数まで確定して用意をしているということでありましたし、水際対策について、今治市は、四国知

事会等が要望するなど、広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしております。他方で、

京都府等は、獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど、不十分と評価せ

ざるを得ませんでした。

また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要があるということでありまして、京都

府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置づけた上

で、卒業生を地元の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしてい

る。また、京都府等はライフサイエンス研究を提案しているが、水際対策に関する部分が薄い。他

方、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するととも

に、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など、地元固有の資源に着目し

た、より具体的な内容になっていると評価できると考えたわけであります。

このように、今治市の提案が、事業の早期実現が見込まれると判断したわけでありまして、この国

家戦略特区による規制改革の突破口ということで、これを優先するということにしたものでありま

す。なお、京都府等の提案については、当然、十分検討に値するとは考えておりまして、今後その

対象になるものと思います。

 

○宮崎(岳)委員 今、大臣るる御答弁されましたが、全く私の質問へのお答えになっておりません。

今の話は、今治の提案と京都の提案を平等に並べてみて、どちらがすぐれていたかという御判断。今起

こっているのはそうではありません。門前払いにして受験をさせなくした、京都の提案をそもそも審査対象

にできないような基準を後から、提案を受けてからはめた、こういう話であるというふうに思っております。

今、具体的な話も幾つかいただきましたので、今後さらに、私どもも調査の上、この問題の追及を続けさ

せていただきます。

関連して、義家副大臣に来ていただいておりますので、一点だけ、教育勅語の問題についてお伺いした

いと思います。

義家副大臣は、先般の国会質疑において、教育勅語の朗読は特に問題がないというふうに答弁をされ

ました。また、松野文科大臣は、教育勅語等の教材としての利用について、校長や教員の個々の判断に

よるものだ、こういう趣旨の答弁をされております。

教育勅語についてはそういう御判断なんだろうなと思いますが、例えば、私が前回、文科で松野大臣に

質問した、「わが闘争」という国際的にいろいろ物議を醸している本があるが、こういったものは、学校で

朗読をさせるということは可能なのか。

あるいは、戦前の軍人の心構えを記した戦陣訓とか軍人勅諭とか、そういうものもあります。こういったも

のは全て、学校教育で朗読をさせる、あるいは道徳等の、つまり、歴史教育以外の、あるいは公民教育

とか歴史教育以外のところ、道徳等ですね、そういったところに使うことも許されるのか。

この点について御答弁いただけますでしょうか。

 

○義家副大臣 お答えいたします。

まず、誤解のないように申し上げますが、教育勅語が我が国の教育の唯一の根本とすることなく、憲法

や教育基本法、学習指導要領に反しないような適切な配慮が行われている中で、授業において、教科書

に記載されている教育勅語について、これを読んでみろ等の指導をすることは、これは問題ではないと申

し上げた次第であります。

その上で、ただいまの質問である、教育勅語ではなく、「わが闘争」や戦陣訓、軍人勅諭などの朗読につ

いてでありますが、学校での全ての教科等の指導における教科書以外の教材の使用については、学校

教育法三十四条第二項の規定に基づき、教育基本法の趣旨に従った有益適切なものである限り、校長

や設置者の判断と責任で使用できるものであります。

文部科学省においては、これらの教材の適正な取り扱いについて、法令等の趣旨に従っていることなど

の留意点を示した上で、校長、設置者が教材について適切な取り扱いを行うよう指導を行っております

が、まず、学校は自治事務であるとともに、私学については、私立学校法により、建学の精神に基づく指

導が最大限に保障されている等の仕組みとなっておりまして、各学校における個々の教材の具体的な是

非についてあらかじめ判断する立場にはございません。

その上で、御指摘のあった書籍等については、その一部を引用した教材を使用して当時の歴史背景に

ついて考察させる授業が考えられ、また一部にはそのような例があると承知しております。

他方、仮にこれらの書籍等が国民主権や基本的人権の尊重などの原則に反するといった形で使用され

るのであれば、法令等の趣旨に合致せず、不適切であることは明らかであり、万一このような指導がなさ

れた場合には、所轄庁や設置者において厳正に対処すべきであると考えております。

つまり、これは社会科であろうと道徳であろうと、この原則が当てはまるということでございます。

 

○宮崎(岳)委員 時間を少々超過しておりますが、我が党の横山議員の方から少々食い込んでも構わ

ないという御了承をいただきましたので、あと若干ですが続けさせていただきます。

今の御返事は、私の質問の趣旨とはやはり少々違います。

例えば「わが闘争」について、そもそも、それを一部を切り取って道徳教育等に使うことそのものが、学校

教育法の趣旨に反するのではないか。もちろん、歴史背景を学ぶとか、あるいは国民主権について学ぶ

とかという文脈で使えば問題ないのは明らかでありますが、それとは関係ない部分について使っても大丈

夫なのか、いいのか、そこについて質問しているんです。

もちろん、その文章の中に問題点があれば問題ですが、文章そのものには問題がないというものを例え

ば朗読をさせる、毎日朝礼で朗読をさせるとか、あるいは副教材に使うとか、そういったことは許されるん

でしょうか。もう一度、明快に御答弁願います。

 

○義家副大臣 お答えいたします。

まず第一に、「わが闘争」については、一部の教科書にそのまま載っております。その上で、歴史的な背

景について考察させる等の授業があるやに承知しておりますが、国民主権や基本的人権の尊重などの

原則に反する使用は、これは合致せず、不適切であるということは明らかであります。

 

○宮崎(岳)委員 私が言っているのは、そうではありません。

今教科書に載っているものは、それを歴史の一場面として、あるいは批判的に取り扱うという歴史教育

や、国民主権について考える公民教育の中で、まさに批判的な視点から取り扱うということですからいい

というのは、これはほとんどの方が納得されることだと思います。

そうではなくて、その一部分を切り取って、その文章そのものに問題はないから副教材に使うなどし、そ

れを朗読させるということがいいのかどうか。道徳の授業でそういったものを読み上げさせるというのが

いいのかどうか、そういうことを言っておるんです。

 

○義家副大臣 お答えいたします。

批判的に取り扱うことはいいと委員はおっしゃっておりますけれども、一つの事象に対して、とんでもない

悲劇があったという歴史の中で、こういう本が出ているが、しかしながら、このナチス・ドイツが行った過去

に例のないような悲惨なことについて、命について、そして政治について等々を考えさせる授業はあるの

ではないかと思います。実際に教科書に出ているところでございます。

 

○宮崎(岳)委員 まるで私の質問に答えておりません。

そんなのは歴史的なものとして、あるいは批判的な視点から取り扱うのは当たり前のことです。そうじゃな

くて取り扱う場合はどうなんですか。それは許されるんですか、許されないんですか。そこを伺っているん

です。

 

○義家副大臣 だとすれば、どのように取り扱うことというふうに具体的な例示をしていただければいい

のであろうというふうに思いますが、憲法、教育基本法、学習指導要領にのっとって、法令に基づいた指

導が行われていなければ不適切であるというふうに思っております。

 

○宮崎(岳)委員 私はかねて具体的に申し上げております。

「わが闘争」の中の、特にその文章だけでは問題がないような部分、例えば不屈の精神を養うというよう

な文章があるとして、それを道徳の副読本に載せて、そしてそれを朝礼等で毎日暗唱させる。別にその

文章の中には問題点はない。しかし、それを道徳の副読本等に載せて暗唱させるということはどうなんで

すかと具体的にお伺いしているんです。いいんですか、いけないんですか。

 

○義家副大臣 過去の悲惨な歴史の当事者たる人物の著作について、その当事者たる人物を教えずし

て、表面にある文言だけを朗読させながら肯定するというものは適切ではないと思っております。

 

○宮崎(岳)委員 適切ではないというお答えをいただきました。

以上、質問を終わります。

 

○木村委員長 では、速記をとめてください。
〔速記中止〕

 

○木村委員長 では、速記を起こしてください。

次に、横山博幸君。

 

○横山委員 民進党の横山博幸です。

先ほど、質疑が続いておりますけれども、加計学園の獣医学部ができる今治市を選挙区の本拠地として

おります。ちなみに、自民党の衆議院の先生は個性豊かな村上誠一郎先生。この方は、実は加計学園

の開学に反対をしております。明確に反対しております。

昨夜、実は、地元の今治市で市民向けの説明会がございました。公会堂で三百人近く、立ち見も出てい

たそうですが、そこの報告を受けますと、やはり課題は、市民への周知ができていなかったということと、

今治市の財政の悪化の中で、現実に実行してよいのかどうか。もう一つは、経済効果について。今治市

は年間二十億円の経済効果を提示しておりますけれども、その集会の中で、加計学園が千葉県の銚子

市で大学経営を行っておるそうでございますけれども、銚子市の経済効果の期待を裏切って、年間二億

円の赤字が続いている、こういった内容の討論があったそうでございます。

振り返ってみれば、私も県議会議員の時代からこの加計学園についてはずっと携わっておりましたので、

今お聞きすると大変複雑な思いでございます。やはり地方創生というのは、最終的には地域住民のため

になる事業をしていくのが非常に大切ではないかと思います。そういう視点に立って、地方創生推進交付

金の件について質問をさせていただきます。

私は、昨年十二月の本委員会において、地方創生推進交付金は要件が厳しく、使い勝手が悪いため、

要件緩和などの運用の弾力化など、地方からの要望に従って見直しを行う考えがあるのかと質問しまし

た。政府は、現在、地方からの御意見をいただいているところでございますので、それを踏まえて、さらな

る運用の弾力化について検討してまいりますと答弁をいただきました。

平成二十九年度はどのように運用を弾力化するのか、この件についてお伺いしたいと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

地方創生については、自助の精神のもと、地方公共団体の主体性を持った取り組みを実施することによ

り、平均所得の向上等に努めることが重要でございます。

このため、地方創生推進交付金につきましては、こうした基本認識を踏まえつつ、意欲的な地方公共団

体が先導的な取り組みを推進できるよう、地方からの要望等に沿って思い切った弾力化を行う、このよう

にしてございます。

具体的には、交付上限額を大幅に引き上げることに加え、地方の平均所得の向上等の観点から高い効

果が見込まれる場合には上限額を超えて交付可能というふうにしてございますとともに、いわゆるハード

事業につきましても、原則として総事業費の二分の一未満との取り扱いでございましたが、今後は、二分

の一以上である事業も、外部有識者の審査により、地方の平均所得の向上や費用対効果等の観点から

高い効果が見込まれる場合には交付対象として取り扱う、このようにしてございます。

このように、地域の実情を踏まえた弾力的な運用に努めることにより、地方公共団体が自主的、主体的

に実施する先導的な取り組みを安定的かつ継続的に支援し、地方創生のさらなる深化につなげてまいり

たい、このように考えてございます。
〔委員長退席、池田(道)委員長代理着席〕

 

○横山委員 ありがとうございます。

それでは、答えを出しますと、この後に少し質問しますけれども、二十八年度は予算額がなかなか消化し

切れていない。今の答弁ですと、弾力的にしたことによって昨年度のような事態は生じないのかどうか、

お答えを願いたいと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

まず、二十八年度の執行状況についてでございますが、二十八年に計画された地方創生に関する事業

を、地方公共団体の多くが、国の二十七年度補正で措置された地方創生加速化交付金を活用して実施

したということ、あるいはまた、二十八年度は地方創生推進交付金の制度設立の初年度でございました

ので、多くの地方公共団体は制度的な事業設計を行うことに時間がかかってしまっていたこと等の要因

により、採択額がなかなか厳しかったということだと受けとめてございます。

このため、二十九年度の交付金の執行に当たりましては、二十八年度の地方創生加速化交付金を活用

して事業を行った地方公共団体が、二十九年度から地方創生推進交付金を申請することが見込まれる

ことや、制度設立から一年がたちまして、事業設計を行うに当たり参考となる事例が生まれ始めているこ

と、また、二十九年度当初からの執行が可能となるなど、二十八年度に比べ十分な執行期間を確保する

ことができることから、二十八年度以上に多くの申請がなされることが予想されてございます。

さらに、先ほど御答弁を申し上げましたように、運用の弾力化を行うということでございまして、意欲と熱

意のある地方公共団体が地域特性を生かして特徴的な事業を構築することが可能になると考えてござ

います。これまで以上に、質、量ともに充実した申請がなされることを期待しているところでございます。

また、地域の実情を踏まえた運用に取り組むことに加えまして、全国説明会や随時開催している個別相

談の場を通じて、地方創生における先進優良事例の横展開等も積極的に行うことにより、地方創生のさ

らなる深化を促してまいりたい、このように考えてございます。

 

○横山委員 時間の制限はありますけれども、ゆっくり読んでいただいて結構ですから。少し理解しにくい

ところがございました。

それで、少し具体的に数字的なものを見詰めてみますと、平成二十八年度は八月と十一月に交付対象

事業の決定が行われており、地方創生推進交付金については、一回目の申請事業数七百九十件に対し

て、交付対象事業数は七百四十五件でありました。二回目の申請事業数は五百五十一件に対し、交付

決定事業数は四百五十六件でありました。合計すると、申請事業数が千三百四十一件、交付対象事業

数が千二百一件となり、交付対象とされなかった事業が百四十件にも上る状況でございます。

これらの事業はどのような理由で対象事業とならなかったのか、御説明をいただきたいと思います。

 

○奈良政府参考人 地方創生推進交付金については、意欲と熱意のある地方公共団体が、複数年度に

わたり継続的かつ安定的に推進する先導的な事業を支援する目的で創設されたものでございます。交

付対象事業は、外部有識者の審査やそれを参考にした内閣府の事務局での複数かつ複層での審査に

より採択することとしてございます。

このため、例えば、事業の自走化に向けた具体的な仕組みづくりが行われておらず、将来的に国の支援

がなくとも事業を継続することが見込まれない事業、農林水産業や福祉など個別の政策分野でとどまっ

ているため、政策間連携や官民協働が不十分であり、従来型の縦割り構造を持つ事業など、先導性が

不十分な事業については交付金の対象とはならなかったということでございます。

政府としては、今後とも、全国説明会や個別相談の場を通じまして、先進優良事例の横展開を図ることに

よって、意欲と熱意のある地方公共団体が地域特性や地域の固有の課題を踏まえて特色のある事業を

企画、構築できるよう積極的に支援してまいりたい、このように考えてございます。

 

○横山委員 今のスピードでちょうど理解ができるようでございます。

それでは、もう少し具体的にお聞きしたいと思いますけれども、交付対象事業を見ますと、一回目は七百

四十五事業で百八十四億円、二回目は四百五十六事業で五十四億円の事業が決定されましたが、二

回目の交付対象事業数及び交付決定額が一回目に比べ大幅に減少した理由をどのように考えている

のか。また、申請数に対する交付決定数の割合も、一回目の九四・三%から、二回目では八二・八%に

減少しております。その理由は何か。この点についてお聞かせいただきたいと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

地方創生推進交付金につきましては、平成二十八年度におきまして、二十八年六月と九月の二回に募

集を行ったところでございます。

地方公共団体の予算の構造上、主要な事業は当初予算に計上されるため、補正予算計上となる第二回

募集については、第一回募集に比べ事業数は減少しているということが考えられます。

また、執行期間がかなり短くなってしまうことから、一事業当たりの事業規模が相当程度小さくなる傾向

にあり、類似の取り組みであっても交付対象事業費が大幅に縮小する、このような傾向がございます。

採択率の差につきましては、審査自身は同様の水準で行っておりますので、審査の結果として、第二回

募集が第一回を下回ったというふうに受けとめてございます。

こうした点を踏まえまして、平成二十九年度の運用に当たりましては、意欲と熱意のある地方公共団体

が十分な準備期間を確保できるよう、募集時期等を配慮するとともに、全国説明会や個別相談等を通じ

まして、地方公共団体における事業構築に向けた準備や検討を支援してまいりたい、このように考えてご

ざいます。

 

○横山委員 それでは次に、予算額のうちの残額の処理についてお伺いしたいと思います。

平成二十八年度地方創生推進交付金の予算額一千億円のうち、地方創生整備推進交付金分の四百十

六億円分を除く五百八十四億円について、一回目では百八十三・五億円、二回目で五十三・五億円の、

合計二百三十七億円の交付決定が行われております。

つまるところ、残額が三百四十七億円となっておりますが、この半分以上の残額はどのように処理された

のか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

今委員御指摘のとおりの状況が二十八年度で見られましたが、このように二十八年度におきまして交付

決定額が予算額を下回った要因といたしまして、二十八年度に計画された地方創生に関する事業を、地

方公共団体の多くが、国の二十七年度補正予算で措置された地方創生加速化交付金を活用して実施し

たことに加えまして、地方創生推進交付金の制度設立の初年度であって、多くの地方公共団体が先導的

な事業設計を行うことに時間がかかってしまったというようなことが考えられるというふうに認識してござ

います。

こうした点を踏まえまして、平成二十九年度にはこれまで以上に多くの事業が申請されることが予想され

ることから、二十八年度未執行分につきましては、二十九年度に繰り越し、二十九年予算計上分とともに

執行する予定でございます。

また、平成二十九年度からは、地方創生のさらなる深化を推進するため、冒頭、先ほども御答弁申し上

げましたとおり、地方の実情に即して、地方創生推進交付金の運用を弾力化したところであり、二十八年

度以上に質、量ともに充実した申請が行われることを期待しているということでございます。

 

○横山委員 それでは続きまして、関連の質問になりますけれども、平成二十九年度は平成二十八年度

と同額の一千億円を確保できているということでございますけれども、先ほどお話がありましたように、二

十八年度の交付決定額が予算額の半分に満たなかった。

こういう状況を見たときに、今後も地方創生推進交付金の予算額を十分確保できるのか、この点につい

て御答弁いただきたいと思います。

 

○奈良政府参考人 お答えいたします。

地方創生推進交付金については、平成二十八年度当初予算計上額一千億円に対して、地方創生整備

推進交付金も含めた執行額は六百五十二億円となっているところであり、地方創生加速化交付金の存

在など、平成二十八年度に特異な要因はあるものの、予算額に比べ執行額が下回っている状況にあ

る、このように受けとめてございます。

一方、地方創生推進交付金は、地域再生法に基づく法律補助の交付金であり、地方公共団体が地方創

生を目的として取り組む先導的な事業を支援することを目的としていることから、地方公共団体が地域の

特性を生かした先導的な事業の構築が可能となるよう、必要な支援を行うことが重要でございます。

こうした観点を踏まえ、政府といたしましては、平成二十九年度から、地方の実情を踏まえた運用の弾力

化を大胆に行うとともに、引き続き、全国説明会や個別相談を通じて、意欲と熱意のある地方公共団体

の事業構築を支援することにより、地方創生推進交付金のさらなる活用を促し、もって必要な予算額の確

保に努めてまいりたい、このように考えてございます。

 

○横山委員 地方創生は、中央から見たときも非常に重要でありまして、しかしながら、地方自治体が本

当に積極的に取り組めているのかどうかという問題が残っていると思いますし、先ほどから答弁がありま

したように、当初は具体化までに地方自治体もかなり時間がかかっていた、こういったことを踏まえます

と、地方創生の推進のためには地方自治体の積極的な取り組みが必要であります。

推進能力は自治体によってかなりのばらつきがあると考えられますが、そこで、こういう今までやってきた

ことの中で、全国の先進事例の紹介など、先進事例を踏まえて地方自治体などに指導するようなことが

必要ではないかと思いますけれども、この取り組みについてお伺いしたいと思います。
〔池田(道)委員長代理退席、委員長着席〕

 

○奈良政府参考人 地方創生の取り組みは、地域の人口減少と地域経済の縮小といった構造的な課題

に対応するものであり、対症療法的な一過性の政策ではなく、各分野の施策を構造的に組み立て、深み

のある政策パッケージを構築する必要がある、このように考えてございます。

一方、地方創生のさらなる深化を図り、その流れを全国津々浦々に波及させるには、国として、小規模の

地方公共団体を初め、意欲と熱意のある地方公共団体からの相談等にきめ細やかに対応することが重

要だ、このように認識してございます。

地方創生推進交付金を初めとする地方創生関係交付金の募集に当たりましては、全国九ブロック、北海

道、東北、関東、中部、北陸、近畿、四国、中国、九州・沖縄ごとに交付金申請の事前相談を担当する職

員を配置すること、ブロックごとや随時の個別相談等を通じて直接地方公共団体の担当者が事前相談す

る場を設置すること、あるいは、過去の交付金等における特徴的な事例についてはホームページ上で公

開することなどによりまして、交付金の積極的な活用と特徴的な事例の横展開を促してございます。

今後とも、トップセミナーあるいはチャレンジミーティングを初めとして、さまざまな機会を通じまして、地方

創生関係交付金だけでなく、その他の地方創生に向けた支援施策を活用して、先進優良事例の横展開

に積極的に取り組むことにより、裁量性と責任ある地方主導の政策づくりを全力で支援してまいりたい、

このように考えてございます。

 

○横山委員 ありがとうございます。

ぜひ積極的に、具体的に御指導いただきたいと思います。

地方のいわゆる地方創生の事業の計画書などを見てみますと、地方創生どころか、むしろ東京のコンサ

ルが一番利益を上げておるような状況だと思いますので、ぜひ国からの細やかな指導が必要ではない

かというふうに思います。

それでは、あと、制限時間まで、企業版のふるさと納税制度についてお伺いをしたいと思います。

政府は、企業版ふるさと納税制度の対象事業として、平成二十八年八月に百二事業、十一月に五十五

事業を認定しておりますが、申請された事業についてはどのような審査をして認定されておるのか、ま

た、基本的に申請された事業の全てを認定しているのか、この点について御説明をいただきたいと思い

ます。

 

○末宗政府参考人 お答えいたします。

企業版ふるさと納税ですけれども、これは、法律で、地方版総合戦略に定められた事業であって、地方公

共団体が法人からの寄附を受け、その実施状況に関する指標を設定することにより、効率的かつ効果的

に行う事業を対象にしているところでございます。

具体的な基準といたしましては、まず、地方創生の実現という法律の目的を達成するためのアウトカム

ベースのKPI、客観的な数値目標という形で設定をしていただくということが一つ、それから、PDCAサイ

クルが整備されており、事後的に客観的な効果検証を行えるということ、三点目には、少なくとも一社以

上の寄附予定企業を確保していること、この条件を満たしているかどうかを審査しているところでござい

ます。

これまで、御指摘の一回目、二回目につきましては、申請に先立ちまして私どもも事前に丁寧に相談に

応じておりまして、申請事業はいずれも認定をしたところでございます。

 

○横山委員 ありがとうございます。

それでは、あと一点だけ質問をさせていただきたいと思います。

この制度については、地域再生法改正案に関する昨年の国会審議において、地方自治体と企業の癒着

の疑念を招くことが懸念されておりました。公表された対象事業における寄附企業には、企業名があるも

のと匿名のものがありますが、どのような違いによるものか。もう一点、透明性確保に向けてどのように

取り組んでいくのか。この二点についてお聞かせいただきたいと思います。

 

○末宗政府参考人 お答えいたします。

まず一点目でございますが、違いがありますのは、寄附を行った企業が企業名の公表を希望するか否

か、それをもとにしまして、申請する地方公共団体の判断に従って掲載をしているところでございます。

二点目でございますけれども、透明性の確保ということでありますが、企業版ふるさと納税につきまして

は、御指摘のように、地方公共団体と寄附企業との間で癒着が生じることのないように、内閣府令におき

まして、地方公共団体が企業に対して、寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与することを禁止

しております。

具体的には、寄附を行うことの代償として補助金を交付することなど、具体の行為を列挙して、地方公共

団体、企業に対しまして周知をしているところでございます。

また、地方公共団体が事業を予算化する場合には、地方議会の審議も経ているところでございます。

今後とも、制度の運用に当たりましては、寄附の代償としての経済的な利益の供与が伴うことがないよ

う、いろいろな機会を通じまして、地方公共団体に対して十分周知を図っていきたいと考えております。

 

○横山委員 大変ありがとうございました。以上で質問を終わります。

 

○木村委員長 次に、宮本岳志君。

○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

私は、昨年四月二十六日、当委員会で、三重県伊賀市の伊賀市意育教育特区というものを取り上げて

質問いたしました。

この伊賀市意育教育特区は、それまでは禁じられていた株式会社による学校経営を特区にのみ可能と

する二〇〇二年施行の構造改革特区法に基づいて、内閣府及び文部科学省の認定を受けて設立をさ

れました。ここに株式会社立広域通信制高校として二〇〇五年九月に開校したのが、ウィッツ青山学園

高等学校であります。

昨年の質疑でも、この学校が高等学校就学支援金に関する詐欺容疑で東京地検特捜部の捜索を受け

たことを紹介いたしましたけれども、ことし三月十日、東京地裁は、この学校の運営会社ウィッツの元監

査役に対して、懲役二年六カ月、執行猶予五年の有罪判決を言い渡しました。

文部科学省は、これを承知しておりますね。

 

○義家副大臣 承知しております。

 

○宮本(岳)委員 資料一に新聞記事をつけております。

判決では、被告は、学校関係者らと共謀して、二〇一五年一月、高校既卒者など受給資格がない生徒十

四人分の就学支援金約二百五十一万円を国に申請してだまし取ったことが認定されました。東京地裁の

室橋雅仁裁判長は、教育機会の均等を図る制度の趣旨に反する悪質な犯行で責任は重い、こう指摘を

しております。

昨年の私の質問は、山本大臣も委員長としてお聞きになられたと思います。当時の石破大臣は、聞けば

聞くほどひどい話で、委員がおっしゃるように教育はやり直しがきかないので、誰が一番の被害者かとい

えば、それは子供たちが一番の被害者であることは間違いないと述べられるとともに、実態を文科省に

おいてきちんと把握していただき、是正すべき点は是正をしなければならないと答弁をされました。

そこで文科省、その後、この学校はどのようになったか、簡単に御説明いただけますか。

 

○義家副大臣 お答えいたします。

ウィッツ青山高等学校において違法、不適切な学校運営が行われていたことは極めて遺憾でありまし

て、平成二十八年三月以降、伊賀市を通じて、生徒に面接指導を改めて実施することや、違法状態の是

正を累次にわたって指導してきたところでございます。

また、同年八月には、内閣総理大臣及び文部科学大臣の連名で、伊賀市に対して構造改革特区法に基

づく措置要求を行い、学習指導要領に基づく教育の実施等を求めました。また、同年九月には、この措

置要求への対応として、伊賀市から、このまま株式会社ウィッツに学校を継続させることは不適当であ

り、学校法人等の適切な教育を行い得るほかの運営主体により学校教育が継続されるよう検討するとの

報告がございました。

その後、伊賀市において、特区学校審議会の審議を経て、同年十二月、学校法人神村学園が新たな運

営主体として選定されたところでございます。

 

○宮本(岳)委員 私は、昨年八月二十五、二十六の両日、三重県伊賀市のウィッツ青山学園高校の現

地を訪ねて、学校長から説明を受けるとともに、伊賀市教育委員会からもお話を伺い、岡本栄市長ともお

会いをしてまいりました。当時、同校の生徒たちは単位取得のための補習授業に取り組んでおりました。

私からは、学校にも、伊賀市にも、最後の一人まで生徒に責任を果たしてほしいと申し上げたわけであり

ますけれども、これは最終的にどのようになりましたか。

 

○義家副大臣 私も回復措置等に参加し、また教員免許も更新して、私自身も実際に回復措置を行わせ

ていただきましたけれども、数人、本人の希望により回復措置を受けなかった生徒はおりますけれども、

大半の生徒はこの回復措置を受けた上で卒業の資格は得られたものというふうに思っております。

 

○宮本(岳)委員 岡本栄伊賀市長は私との懇談で、国の助言も受けながら、しっかりと所轄庁としても責

任を果たしたいと語っておられました。

このたび、きちんとした学校法人に学校設置者が交代し、神村学園高等部伊賀分校となったことは、ひと

まずよかったと思っております。問題は、この事件からどのような教訓を引き出し、他にもまだ残されてい

る、構造改革特区の学校設置会社による学校設置事業によって開校している学校とその所轄庁に生か

していくかということが大事だと思うんですね。

きょうは、資料二に「株式会社立学校制度の改善について」という概要ペーパーをつけておきましたけれ

ども、内閣府、この事件を受けて制度をどのように改善しましたか。

 

○川上政府参考人 お答え申し上げます。

お尋ねの伊賀市での一連の事案でございますけれども、就学支援金の不正受給の発覚や不適切な教

育活動等、悪質で特殊な事例であるとは承知してございます。

ただ、認定地方公共団体が実態を把握していない等、指導監督体制が脆弱であり、学校評価、情報公開

等の運用も適切に機能していなかったことを踏まえまして、今般、運営改善を行ったところでございます。

具体的には、構造改革特区基本方針の改正を、去る一月の二十七日に閣議決定すること等により実施

したところでございます。

本日、先生の御配付の資料の中身にもあるところでございますけれども、そのポイントは、もともと本特例

措置において機能することが予定されている外部有識者から成る審議会の専門的意見とチェック機能を

最大限活用しつつ、必要に応じて都道府県のサポートも仰ぎつつ、PDCAサイクルに基づく認定地方公

共団体の指導監督体制の整備、特に学校設置会社の役員や経営実態についてのチェック体制を整備す

るものでございます。

加えまして、本年二月、認定地方公共団体を対象とした会議を文部科学省と共催で開催をいたしまして、

今後の運用改善を周知するとともに、適正な指導監督の徹底を求めたところでございます。

今後とも、株式会社立学校制度が円滑かつ適正に実施されるよう、文部科学省と連携し、認定地方公共

団体への助言指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。

 

○宮本(岳)委員 株式会社立の高等学校は、昨年は十九校あったんです。このウィッツ青山学園高校を

含めて二校が学校法人立に移行し、一校は廃校して、ことしは十六校へと減っております。

そこで大臣にお伺いするんですが、大臣は、この間、市場の失敗という言葉も口にされます。そもそも、学

校経営はそんなにはもうからないから、国公立か学校法人立でやっているわけですね。無理にもうけよう

とすればウィッツ青山学園のようなことになりかねないわけでありまして、逆に、真っ当にやれば、もうか

るもんじゃないんですよ、学校なんというのは。株式会社は、もうからなければ、株主を初めとするステー

クホルダーに対する責任が問われることになるんですね。

大臣、これはまさに本質的な矛盾なんですよ。私は市場の失敗だと思うんですね、学校ということにこう

いうものを入れたことが。構造改革特区制度における政策判断の一つ誤りだったのではないかと思うん

ですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

 

○山本(幸)国務大臣 ちょっと、市場の失敗についての理解が少し違うと思いますが。

株式会社立学校制度は、地域の特性を生かした教育の実施や地域産業を担う人材の育成、その

他特別の事情に対応するための教育の実施を狙いとして措置されたものでございます。

株式会社立学校におきましては、英語教育、情報通信技術の活用、不登校の受け入れ等、教育の

多様化、生徒の地域行事への参加や世代間交流による地域活性化、スクーリングで訪れる関係者

による宿泊事業等の増加、地元人材の雇用創出等の効果が報告されているところでございまし

て、株式会社立学校制度には一定の意義もあるものと考えております。

一方で、伊賀市の事案を踏まえまして、認定地方公共団体の指導監督体制の確保等の再発防止

策について、内閣府として、文部科学省と連携し、今般の運用改善策を取りまとめたところであり、

その周知徹底を図り、認定地方公共団体の責任ある対応を確保してまいる所存であります。

しっかりとした監督指導体制のもとでそうした制度を生かすことは可能ではないかと考えておりま

す。また、内閣府として、文部科学省に協力し、広域通信制高校の点検、調査を行っているところで

あり、さらなる実態把握に努めて、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。

 

○宮本(岳)委員 私、実情を聞きましたけれども、要するに、単位取得のためのさまざまな教室を開いた

り講師をお願いしたりした、その分のお金も一旦は伊賀市が立てかえたわけでありますけれども、そのお

金は戻っていないんですね、まだ自治体に返っていないんです。

それで、この学校を経営していた株式会社というのは、そのウィッツという会社自身にはお金は皆無であ

りまして、親会社がありまして、東理ホールディングスというところがありまして、そこがやがて渡すという

んですけれども、それも渡っていない。だから、私はやはり、これは株式会社立ということでやっていると、

もともとウィッツというのは別に子会社だったわけじゃないんだけれども、後に東理ホールディングスの子

会社になっちゃったわけですよ。

内閣府の答弁がちょっと続きましたから、義家副大臣に、義家副大臣のお気持ちもひとつ聞かせていた

だけますか。

 

○義家副大臣 この間、委員におかれましては、さまざまな心配もしていただき、実際に現地にも行って

いただき、市長、教育委員会、さらにはウィッツ青山の学校長を初めとした職員にも実際会ってもらって、

さまざまな御助言もいただいているところでございます。

まず我々がしっかりと認識しなければならないのが、認定地方自治体の監督指導体制が極めて脆弱で

あるという問題点が明らかにあったこと。当時は専任の担当というのがいませんでした。一方で、ウィッツ

青山は全国四十カ所以上の民間施設にほぼ全ての教育を丸投げして実施していて、定員が千名を超え

ていたわけでありまして、その職員が、どこにサポート校があって、何人の生徒がいて、どのような指導

が行われているかということを全く把握できる体制になかったわけでございます。

そういった意味で、このたび、まずは本年一月、構造改革特区基本方針の改正を閣議決定し、基本方針

において、文部科学大臣の同意の要件を新たに追加し、地方公共団体が適切な指導監督体制を確保し

ていることや、学校設置会社が資産及び役員に係る要件を満たしていることなどを文部科学大臣が主体

的に確認できる仕組みとした次第であります。

いずれにしましても、一番被害をこうむるのは子供でございまして、やめましたと言えば、子供の履歴書

に高校名が複数出ていく。その一つ一つの履歴書は子供たち、これからを担っていく若者たちの大きな

荷物になっていくわけですから、学校である以上、しっかりとした責任を果たす体制をつくらねばならない

と思っております。

 

○宮本(岳)委員 私は、残る十六校も学校法人に移行するべきだと考えます。

さて、次に、私は二年前の二〇一五年五月の十五日、当委員会で、当時、大阪都構想をめぐって、大阪

で喧伝されておりました二重行政の無駄というものについて、これも質問いたしました。質問では、大阪

府立大学と大阪市立大学、府立図書館と市立図書館、府立体育館と市立体育館等々について、二重行

政でも何でもないということを明らかにいたしました。

最近大阪で問題になっている住吉市民病院問題というものも、実は大阪府立の急性期・総合医療セン

ターと大阪市立の住吉市民病院が二重行政だ、二重行政の無駄を省くのだ、こういう理屈から始まって

おります。

そこで、まず大臣にお伺いするんですが、大臣の地元福岡県、そして政令指定都市である北九州市に

は、福岡県立精神医療センター太宰府病院と、北九州市立の三つの病院がございます。大臣の地元で、

これが二重行政である、二重なのは無駄だからどちらか一方をなくそう、こういう議論を耳にされたことは

ございますか。

 

○山本(幸)国務大臣 私の地元であります福岡県の北九州市においては、市立病院がありますけ

れども、県立病院は立地しておりません。そういう意味では、そういう問題を聞いたことはございま

せん。いずれにしても、各地方公共団体の判断に基づいて、地域の実情に応じた形で、効率的か

つ効果的に住民サービスが提供されることが最も大事だというように認識しております。

 

○宮本(岳)委員 それぞれに重要な役割があるのは当たり前でありまして、厚生労働省に確認します。

大阪府と大阪市以外に、都道府県立病院と政令市立病院が両方あるのは二重行政で無駄だ、こういう

議論をしている都道府県がありますか。

 

○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

厚労省としては、医療提供体制の観点からは、それぞれの医療機関が担う役割や、それから機能を踏ま

えまして、適切な連携体制を構築していくことが重要だというふうに考えているところでございます。

 

○宮本(岳)委員 当然ですね。

資料三につけておきましたが、「住吉市民病院 やっぱり二重行政ではなかった」と。これは我が党のビラ

ではありません。JiMiNSiMiNという、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団の市政報告であります。

自民党がおっしゃっているわけですから、大臣も御納得いただけると思うんですね。

昨年三月十日の参議院厚生労働委員会で、我が党の辰巳孝太郎参議院議員も質問で取り上げました

けれども、住吉市民病院がある地域は、小児科、産科がもともと不足している地域であり、地域周産期母

子医療センターの認定を受けたこの病院が、小児、周産期医療に中核的な役割を果たしてまいりまし

た。また、未受診や飛び込みによる出産を積極的に受け入れている病院でもあり、二〇一三年は大阪府

下で四番目に多かった病院なんですね。さらには、児童虐待被害児の一時保護の受け入れを積極的に

行ってきた病院でもあります。この病院を廃止するというのは愚の骨頂だと言わなければなりません。

そこで、総務省に確認いたしますが、平成二十七年度の国勢調査によりますと、大阪府の人口はどのよ

うになっておりますか。

 

○千野政府参考人 お答えいたします。

平成二十七年国勢調査による大阪府の人口は八百八十三万九千四百六十九人となってございます。前

回調査の平成二十二年と比べますと、二万五千七百七十六人の減少、〇・三%の減少となってございま

して、戦後初めて人口増加から人口減少へと転じたところでございます。

 

○宮本(岳)委員 三大都市圏では大阪府が真っ先に初の人口減少に転じたことが大きな衝撃を与えて

おります。

松井知事も、インタビューに答えて、施策を集中し、さまざまなことをやって、どこかの時点で人口がふえ

ていく形をつくらなければならない、いかに子育てをしやすい日本をつくっていくかというところになると

語っております。

そのようなときに、まさに子供を産み育てる地域の拠点病院が失われようとしているという問題なんです

ね。厚生労働省に確認いたしますが、大阪市立住吉市民病院廃止に伴う病院(医療機能)再編計画とい

うものはどのようなものか、かいつまんで御説明ください。

 

○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

まず、大阪府の計画でございますけれども、再編前は、大阪府の急性期医療総合センターと大阪市立市

民病院それから民間病院の三者がございましたが、このうち大阪市立市民病院の方、一般病床が百九

十八床ありますが、これを廃止いたしまして、そして、一般病床九十七床を大阪府立急性期・総合医療セ

ンターの方に移管する、また、残りの一般病床百床を民間病院の方に移管する、一床を削減し、そして、

移管する大阪府急性期医療総合センターの方には高度急性期の新生児や周産期の方をやっていただ

きまして、そして民間の方には正常分娩等をやっていただく、そういった分担を図るという計画でございま

した。

 

○宮本(岳)委員 病院の現地存続を求める七万人を超える署名も顧みることなく、二〇一三年三月二十

九日、当時の橋下徹大阪市長が市議会に提出した住吉市民病院の廃止条例案が、本会議で、日本共

産党以外の会派の賛成で可決をされました。市長与党の維新の会だけではなく、当初反対を表明されて

いた公明党や自民党の皆さんも、民間病院の早期誘致実施の附帯決議をつけて賛成に回りました。

今つけた資料の最後に恐らくついている、最後のページになりますが、資料六を少し見ていただきたいと

思うんですね。

左側の三つの箱の真ん中、市立住吉市民病院の百九十八床を廃止し、上の府立急性期・総合医療セン

ターに九十七床、下の民間病院、南港病院に百床を移管し、合計で一床を削減するというものでありま

す。この再編計画は、医療法施行規則第三十条の三十二第二号、複数の病院の再編統合に向けた医

療計画制度の特例に基づき、厚生労働大臣の同意が必要だと思いますけれども、厚労省、この計画に

いつ同意を与えましたか。

 

○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

医療法におきましては、都道府県が、病床過剰地域でありましても特別な事情がある場合には医療機関

の病床数の変更を認めることができることとされておりまして、特例とする病床数につきまして、厚生労働

大臣に協議をし同意を得ることとされているところでございます。

委員御指摘の住吉市民病院に係る再編計画に関しましては、平成二十七年十二月に大阪府より協議の

申請書が提出され、これに対し、平成二十八年二月に厚生労働大臣より同意を行っているところでござ

います。

 

○宮本(岳)委員 辰巳議員がその直後の三月十日、参議院厚生労働委員会で指摘したように、この同

意は極めて異例なものでございました。

この再編計画には大阪府の医療審議会の意見書が付されてありますけれども、賛成した委員が一名、

反対が十二名、賛否を保留した委員が四名となっております。

塩崎厚労大臣も、再編統合による特例の協議は平成十七年の一月以来二十三件あったが、本件以前

に反対多数の意見が付された例はないと答弁しております。

厚生労働大臣は、なぜ反対多数の意見書が付されたような再編計画に同意を与えたんですか。

 

○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

大阪府から提出された申請書を確認したところ、医療法施行令第五条の三第二項の要件に該当すると

認められたことから同意を行ったものでございます。

 

○宮本(岳)委員 塩崎大臣は、大阪府医療審議会の意見書に反対意見が多数を占めている事実も、大

阪市南部医療協議会が反対していることも知っていると言いながら、丁寧な説明を行っていただいて再

編計画が円滑に進むようにしていただきたいと大阪府知事に要請したなどと言うばかりで、この再編計

画がうまくいかない場合でも撤回するとは言いませんでした。

しかし、一年たって、この再編計画は、もはや破綻は明瞭になっております。

資料四を見ていただきたい。

ことし三月二十九日付朝日の記事でありますけれども、そもそも大阪市は、来年三月閉鎖予定の住吉市

民病院の跡地北側に産婦人科と小児科を含む二百九床の民間病院、南港病院をつくる予定でありまし

たけれども、建築計画が建築基準法の日影規制にかかることが判明し、開業を、来年四月から二年延期

せざるを得なくなりました。

これは大阪市も過失を認めておりますけれども、厚生労働省、報告を受けておりますか。

 

○椎葉政府参考人 委員御指摘の件につきましては、四月五日に聞いております。

 

○宮本(岳)委員 その二年の延期のために、先ほどの自民党・市民クラブ市会議員団の市政報告の中

にも出てきますけれども、七千万円の改修費、及び平成三十年度の十一億円の支援スキームそのもの

が住民訴訟の対象となってきていますと述べられております。

大阪市は、住吉市民病院の現地建てかえ案と、府立急性期・総合医療センターに機能統合する今回の

案を比較検討して、現地建てかえより機能がアップする、診療体制の充実による医師等の勤務環境の向

上、イニシャル及びランニングコストの抑制を図ることができるなどのメリットがあると説明してまいりまし

た。しかし、既に、コスト削減どころか、むしろ大変なコストが生じることが明らかになっております。

先ほどの資料四、朝日の記事にあるように、大阪市議会は、三月二十八日、二〇一七年度一般会計当

初予算案から、新病院が開業するまで南港病院が市民病院の施設を暫定利用するための改修費七千

万円を削除し、予算の修正案を可決いたしました。これで市の再編計画は完全に頓挫することになりま

す。厚労省、このことについて、大阪市及び大阪府から四月五日に報告を受けたと聞いておりますけれど

も、どのような報告でございましたか。

 

○椎葉政府参考人 恐縮でございます、先ほど答弁しました四月五日という答弁でございますが、初め

て聞いたのは二十八年の十月でございました。

そして、四月五日ですけれども、大阪府、市の担当職員が厚労省に参りまして、今回の住吉市民病院に

係る再編計画について、新たな病棟建設について計画変更が必要な状況となっているというふうに伺っ

ております。そのため、そのときには、大阪府、市において責任を持って関係者との協議を進め、対応い

ただきたいというふうに助言しているところでございます。

 

○宮本(岳)委員 資料の五というものを見ていただきたい。

三月二十八日付産経の記事であります。「大阪府市 医療再編計画 厚労省、百床廃止検討」という大

見出しが躍っております。

厚労省、これは事実ですか。

 

○椎葉政府参考人 御指摘の記事でございますけれども、厚労省として、こういった事実はございませ

ん。また、取材も受けておりません。

 

○宮本(岳)委員 これは事実ではない、取材も受けていないということでありました。

そうしたら、百床移動の時期を平成三十二年四月にずらすということは可能なのか。また、あわせて、こ

こまで来たら、新たな条例をつくって、府立急性期・総合医療センターに九十七床を移管した上で、住吉

市民病院を百床残して建てかえるということは可能でございましょうか、厚労省。

 

○椎葉政府参考人 再編計画につきましては、計画変更が必要な状況となっているふうに、大阪府、市

から伺っているところでございます。このため、大阪府、市におきまして、責任を持って関係者との協議も

進め、対応していただきたいと考えているところでございます。

厚労省としても、大阪府、市からよく話を伺い、必要に応じて助言等を行ってまいりたいと考えているとこ

ろでございます。

 

○宮本(岳)委員 いずれにせよ、抜本的に見直すべき段階に来ていると思うんですね。

私はやはり、医療審議会も圧倒的に反対するようなものを進めるのではなくて、しっかり住民の皆さんの

声を聞いて、また専門家の声も聞いて、改めて、かけがえのない公的病院を守るという立場で、もう一度

議論をする必要があるというふうに思っております。

最後になるんですけれども、小児、周産期医療の提供の強化や、地域でなお不足する医療機能の充実

を図ることを目的に、この再編計画というものは出されてきたわけでありますけれども、その再編計画が

逆に地域の医療空白を生んだのでは本末転倒も甚だしい、これはもう明らかだと思います。

厚生労働省として、医療空白を生じないようにちゃんとやってくださいと、これをはっきりお伝えいただくこ

とはできますか。

 

○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

厚労省としても、大阪府、市からよく話を伺い、いろいろと助言を行ってまいりたいと考えております。

 

○宮本(岳)委員 しっかりやってくださいよ、本当に。同じ答弁が続きますけれども。

私たちは、広範な市民の皆さんとともに、大阪市に対して、破綻済みの再編計画を撤回し、条例を変えて

住吉市民病院を復活させよう、しっかり残せと要求していく決意であります。

国においても、医療空白など許さないように適切に助言するよう強く求めて、私の質問を終わります。

 

○木村委員長 次に、丸山穂高君。

 

○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

私で本日は最後だと思いますけれども、二十分、おつき合い、よろしくお願い申し上げます。

私の前回の質疑、特に特区法に関係して、外国人の失踪者数がふえているんじゃないか、その問題につ

いて、本日はその続きを伺っていきたいというふうに思います。

前回のをまとめますと、平成二十八年時点、つまり去年一年間まで含めて、去年までの、まず特に技能

実習制度に絞ってお話を聞いてきましたけれども、この技能実習制度自体の総数はまず二十二・八万

人、日本に技能を学ぶためにという形で来られている。そのうち、どこに行ったかわからない、いわゆる

失踪者、何をしているかもわかりません、その方々が年間五千人生まれていて、これまでの総数で二万

人がどこへ行ったかわからへんという状況になっているということです。

つまり、計算しますと、四十五人に一人が毎年失踪しているということになると思うんですけれども、日本

人の方の失踪者数の年間の割合から見ても異常に高い。計算しても、日本人の失踪に比べても二十五

倍以上の割合で、海外の方、技能実習で来られた方に絞っても、これだけいらっしゃる。

ましてや、外国人総数で百万人を超えていらっしゃるということなので、それも入れればもっとだと思うん

ですけれども、割合で今話をしていきたい、そして、この特区の話でしていきたいので、まずは技能実習

制度に限ってお話をしていきたいんですけれども、前回、そういった答弁をいただいて、まずは数字の確

認から始めたんですけれども、去年の法改正をしましたので、この十一月から介護分野にも、この技能実

習制度が広がります。

ますます、恐らく人口も、来られる数もふえる、そうすると恐らく、何の対策もしなければ、この失踪者数も

ふえる。そして、犯罪についても聞きましたけれども、千件近い方が、失踪者だけじゃなくて技能実習生

の方々の中であるという話なので、これもふえる懸念がある。

今これをしっかりやっていかないと、介護もふやすわ、今度、この特区法、次に審議しますけれども、この

特区法で農業従事者の分野の特区をさらにふやすということですから、そういった意味で、非常に私は危

惧しておりますし、しっかりやっていただきたいために、お話を聞いていきたいと思います。

まず、重ねて、この間の調査を踏まえた上でお聞きしていきたいんですけれども、今申し上げたように、

外国人の失踪者数、例えば技能実習ですけれども、この技能実習制度を使って来られる方の総数分の

失踪者の割合、これが明らかに高いという指摘を、今、実際にお聞きしたデータに基づいてお話をしてい

ますし、前回のお話もそうだったというふうに思います。

これについて、なぜこんな高い状況なのかについて、どのように考えていらっしゃるのか、政府として。こ

れは調査されているのかどうか、また、原因についてどう考えていて、それに対してどう対策していくべき

だと今思っていらっしゃるか、お答えいただけますか。

 

○佐々木(聖)政府参考人 お答えいたします。

入国管理局では、平成二十六年三月以降、失踪した技能実習生に関する情報や監理団体の受け入れ

体制等について、監理団体等から聴取をしたり、また、退去強制容疑者として退去強制手続を開始した

場合に、技能実習生本人から失踪に至る経緯を聴取するなどしてございます。

これまで聴取を行った、失踪した技能実習生約六千九百人のうち、六割を超える約四千二百名が、賃金

が安いことを失踪の動機としております。この結果から、実習先から失踪する技能実習生は、技能実習

を、技能等を修得して母国に持ち帰る機会というよりも、出稼ぎ労働の機会として捉え、より賃金の高い

就労先を求めて失踪する者が多いと認識をしております。

また、失踪した技能実習生の中には、いわゆるSNS等を利用して、より賃金の高い就労先の情報を収

集したり、ブローカーによるあっせんを受けたりしていた者も少なくないことが判明をしています。

そこで、現行制度では、失踪者を多数発生させている送り出し機関や監理団体等について厳格に審査を

することはもとより、実習実施者や監理団体に対し、技能修得の意欲が認められる人を選抜するよう指

示するなどしています。

さらに、今後施行されます新制度におきましては、現行制度での対策に加えて、送り出し国との政府間取

り決めにより、送り出し国や送り出し機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めるほ

か、高額な手数料等を徴収する送り出し機関を排除し、加えて、改正入管法では、技能実習生の逃亡に

も対応できる新たな在留資格の取り消し事由を創設しておりまして、引き続き、技能実習生の失踪対策に

努めてまいります。

 

○丸山委員 今、失踪された方を捕まえた、それは入管法違反で捕まえた方だと思います、そういう方に

対して調査をしたところ、六割を超える方が、基本的に、安い賃金やから、もっとええ賃金で働きたいとい

うことで失踪したんだという話でした。恐らくそうなんだろうというふうに思いますし、現場でいろいろな、

雇っていらっしゃる方のお話も聞きましたが、そういう意見が多うございました。

特に、期限が切れる直前に、もう帰らなきゃいけないので、失踪される方も多くて、非常に問題だと思いま

すが、そもそもの根本のたてつけとして、技能を学んでほしいというたてつけで来てもらっているにもかか

わらず、実情は、この国の企業も、農業にしても、労働力不足で労働力が欲しい、同時に、来られる方々

も、賃金、できる限り高いお金で働きたいという部分の、本音と建前のずれが実はここの部分にあらわれ

ていて、これが将来に対して私は禍根が残っていくんじゃないかというふうに思っているんです。

実は、犯罪で千人、この技能実習で捕まったというデータ、お話を聞きましたけれども、そのうち四割が入

管法違反ということなので、年間四百人ずつ、大体、入管法違反で捕まっているという計算だというふう

に思うんです。

そうした失踪者のお話を今少し聞きましたが、その方々が、ビザが切れた後、入管法違反となっている状

態だと思うんですけれども、この方々はどのように、発見されるまでの間、生活されているのか、送ってい

らっしゃるのか、この辺の統計、もしくは実情について、どのように把握されているか、お伺いできます

か。

 

○佐々木(聖)政府参考人 御報告します。

平成二十八年中に退去強制手続をとった失踪技能実習生は三千三百四十三人であり、そのうち九割を

超える者が別の事業所等で稼働をしておりました。

実態の一端ということで申し上げますと、失踪後の就労地域につきましては茨城県が最も多く、全体の約

二七%で、以下、愛知県、千葉県の順となっており、上位三県で全体の約半数を占めています。

また、失踪後に従事していた職種につきましては、農林業従事者が最も多く、全体の約三一%で、以下、

建設作業者、工員の順となっており、上位三職種で全体の約七割を超えているという実態でございまし

た。

 

○丸山委員 つまり、場所といえば、東京近郊でアクセスもよくて、農業関係で人手が不足していると言わ

れている茨城や千葉に多くいらっしゃって、そして、今は男女が分かれていなかったのですけれども、男

女別でいくと、男性は確かに農業従事者、建設の従事者、工員の方をやっていらっしゃるというのが多い

みたいですけれども、女性は、例えば農業の次はいわゆるホステスのような接客業の方が多いとか、そ

ういうデータも聞いているところなんです。

そういった、イメージできるような、まさにイメージどおりの形で、お金、賃金のもっといいもので働きたいと

いうことで不法滞在しているという状況で、極めて、これに対してほっておくと、そもそもの趣旨からずれて

いますし、なおかつ、治安面もそう。もっといけば、欧州の事例を前回出しましたけれども、欧州だって、

移民の問題、そしてそこからくる、労働力の不足と言っていながら、景気の状況が変わったり、邦人との

雇用が重複することで、そこに不満がたまってという形での、それが表面化しているのが欧州だと思うん

ですけれども、それにつながっていきかねないなというふうな危惧があるんです。

そういった意味で、どう食いとめていくかというのが非常に重要で、先ほど少しお話しされていましたけれ

ども、実は私、根本の部分にはなっていないと思っていまして、結局、失踪されるのは来た外国の人たち

であって、事業所の方に対してしっかりやれ、しっかりやれと言っても、例えば期限が来そうなときに逃げ

るのをとめられるかといったら、実質とめられないと思うんですよね。

だから、そういった意味で、まず、やっていく手順としては、優先順位をつけていかなきゃいけない、非常

に難しい問題だと思うんですけれども、一番問題なのは、そもそも失踪を前提で来られるものだと思いま

す。これが、先ほどもお話が少しありましたけれども、いわゆるブローカーという形で、来られる方々の母

国で、その現地のブローカーが、借金させてとか、いろいろな事情があると思うんですけれども、着いたら

失踪させる前提で送り込んでいるというものまであるという話です。

これは報道記者に聞いたんですけれども、事実ですか。こういうのを把握されているかどうか、どうでしょ

うか。政府、お答えいただけますか。

 

○佐々木(聖)政府参考人 今委員御指摘のような報道がなされていることは承知をしてございます。

技能実習制度は、基本的には適正に行われているものと認識しておりますけれども、残念ながら、技能

実習生の母国の送り出し機関が違法な保証金の徴収等を行ったり、いわば今御指摘のブローカー的な

人物なりあるいは組織が暗躍する事例があるのも事実と認識をしてございます。

 

○丸山委員 この対応は、今言ったように、相手の政府側にこういったものの取り締まりをまずは求めて

いくということでいいんでしょうか。

 

○佐々木(聖)政府参考人 御指摘のように、こうした送り出し機関やブローカーが関与する問題は、一

般に来日前に技能実習生の母国で行われるものであることから、技能実習法施行後の新制度では、こ

のような国外で行われる不正な行為に対応するため、各送り出し国との間で速やかに二国間取り決めを

作成し、各送り出し国政府において自国の送り出し機関の適格性を個別に審査し、適正なもののみを認

定する仕組みを設けることとしており、相手国の協力も得ながら、送り出し機関及びその背後で不正を行

うブローカーが介在することのないよう、適正化を図ることとしております。

 

○丸山委員 しっかりお願いするしかないかなというのが正直なところです。例えば日本の捜査機関が

行ってどうこうというのは限界がありますし、そもそも問題、できないという状況だと思いますので。

本当に、海外の、まず来るところの事例からしても限界があって、来られてから日本で活動する中でどこ

かで失踪してしまう状態を食いとめるのも限界があるのはわかっているんです。しかし、そもそもの制度

の趣旨からずれているがゆえにこうなっているんじゃないかという根本の部分にもう少し光を当てて、ある

意味、建前はいいんですけれども、結局、お金を稼ぎたいという方を呼んでくるニーズと、日本国内に労

働者が足らないというニーズに対してのマッチングをしているんじゃないかという部分に、このひずみが出

ているんだというふうに思います。

そういった意味で、私なんかは若い議員なので、もっと日本国民をふやす方にお金を、少子化対策にして

もまだまだ、担当大臣までいるのに予算がほとんどついていない、GDP比で見てもほかの国と比べても

低いみたいな段階で、安易に、労働力が足らないからということですぐとりたいという部分ばかりに注力し

てしまうことを問題視しているところなんです。

ちなみに、この方々は、難民の申請もふえているということなんですけれども、前回、難民申請数をお聞

きしましたが、そのうち技能実習生はどれぐらいで、これはふえているんですよね。どうでしょうか。

 

○佐々木(聖)政府参考人 技能実習の在留資格を有する外国人からの難民認定申請数は年々増加を

してございまして、入国管理局としても大変大きな問題と捉えてございます。

その数、平成二十四年は四十三人、二十五年、百十八人、二十六年、四百十四人、二十七年、七百三

十一人、そして平成二十八年は千百六人となっております。

 

○丸山委員 聞いていただいたら驚きの数字だと思いますよ。五年間で四十三人から千百六人までふえ

ているんですよ。二十倍、三十倍近い数がふえている状況で、しかも、難民申請すると半年後から働ける

ようになって、しかも、この間お話ししたように、延長、延長、不服申請すれば、ずっとできるわけですよ。

しかも、それに対して、どちらかというと、左巻きと言ったら怒られるかもしれませんけれども、それを支援

する方々がいるという状況で、いかんともしがたい難しい状況にならないかということなんですよ。これは

まだまだふえていくと思います。非常に問題だと思いますので、時間も限られていますが、次にこの話も

続けていきたいんです。

農業の今回ふやそうとされている部分を最後、お時間、短うございますが、あと五分ですから、聞いてい

きたいと思います。

今回特区でふやそうとされていますけれども、まず、現在の農業分野で、外国人労働者数とその滞在し

ている内容別、聞いていきたいんですよ。多分、ほぼ技能実習生じゃないかなというふうに思っているん

ですけれども。

さらに、今回特区法で提出されているものですけれども、農業従事者、どれぐらいふやす予定なのか、計

画なのか、お伺いしたいと思います。

ちなみに、今、茨城、千葉の需要があって、恐らく、東京が近いからその辺に働きたいという海外の不法

滞在者が多いんだと思うんですけれども、この特区要請をしている自治体というのは、千葉や茨城、ある

んでしたっけ。たしかなかったような気もするんですが、あるかどうかも含めてお伺いできますか。

 

○橋本政府参考人 お答えいたします。

国家戦略特区に農業分野における就労目的での外国人受け入れについて提案した五つの自治体は、

茨城県、愛知県、長崎県、それから秋田県大潟村、群馬県昭和村ということになっております。五つでご

ざいます。

 

○丸山委員 ありがとうございます。後半、先に答えていただきました。

茨城がまず、これは入っているわけですね。不法滞在をできる限りこの特区でというのはあるかもしれま

せん。

次に、済みません、最初にお聞きした、そもそもの通告では5でお聞きした人数、人数というかふえる予

定、計画も含めてお伺いできますか。

 

○橋本政府参考人 お答えいたします。

厚生労働省が集計しております外国人雇用状況届け出によりますと、農業分野において就労する外国

人労働者数は、平成二十八年十月末時点において二万三千六百八十三人となっております。

それを在留資格別で見ますと、技能実習が二万七百九十四人と最も多くなっておりまして、次いで永住者

等の身分に基づく在留資格が千七百八十四人、専門的、技術的分野の在留資格が六百五十六人、そ

れから資格外活動が三百五十一人、そしてワーキングホリデー等の特定活動が九十八人となっていると

ころでございます。

そして、今回、特区に農業分野における就労目的で外国人の受け入れについて提案した五つの自治体

に聞き取り調査を行いましたところ、初年度は、先ほど申しました五つの自治体全体で、約三百人程度の

外国人材の受け入れを想定しているという回答がございました。

 

○丸山委員 三百人だったらもともとのこの制度で十分賄える部分だと思うんですけれども、何でわざわ

ざ特区でというふうに、非常に気になるところですが、そもそもの部分で、今お話があったように二・三万

人中二万人強がこの技能実習制度ということで、ほとんどの農業従事者は今、技能実習制度な状況なん

ですね。

それで、恐らく、期限が切れる云々、もしくは、もっといいのがあるよという、SNSも含めて情報があったら

失踪されて、それで、そこで就労されている。捕まった場合には強制送還。その場合の人数が、今お話を

聞いて、恐らく、状況を聞いたら、そういう、より高い賃金でという状況があって、今、その人数も年々どれ

もふえているというのが、犯罪部分も難民部分も、そもそもの失踪者の数もというのが今の現状です。

大臣、ずっとお聞きいただいておりましたが、今回、特区法で農業の改正をされます。でも、前回の介護

をふやしたときも、これももう少しちゃんと対策が必要だということで、対策を入れているんですよ。でもこ

れは、まだ施行前で、状況もどうなっていくのかわからなくて、今もう結果は聞きましたけれども、今後、将

来どうなっていくかという部分に関してのまだ見通しが見えない中で、私、この特区の話も慎重にしてい

かなきゃいけないというふうに思っているんですけれども、大臣、どうでしょうか。その辺について見解を

お伺いできますでしょうか。

 

○山本(幸)国務大臣 今お話を伺っておりまして、問題が生じているのは、お互いの考えているとこ

ろ、要求するところが違っていて、それを無理やり技能研修生ということでやっていることによってで

きているんじゃないかと思います。そういう意味では、お互いの事情をはっきりと認め合うという形

でやることの方がデメリットは少ないんじゃないかと思っております。

そういう意味で、経営規模の拡大などによります強い農業を実現するために、一定水準以上の技

能をもう既に有している、そういう農業外国人材の入国、在留を可能とする改正国家戦略特区法案

を、先般、国会に提出しているところでございます。

一方で、先ほども御指摘がありましたような劣悪な労働環境や低賃金等により、技能実習生のよう

な失踪等の問題が生じないような、万全の対策を講ずる必要があります。

このために、今回の制度設計におきましては、国と自治体が合同で協議会を設置して、国、自治体

がみずから受け入れ企業を直接管理することで、労働時間や賃金等の労働条件等を適切に管理

する仕組みを導入する予定であります。

また、仮に問題が生じた場合は、外国人材を適切に保護できるよう、苦情、相談を直接受け入れる

窓口を協議会に設置する予定であり、これらの取り組みにより万全を期してまいりたいと考えるとこ

ろであります。

 

○丸山委員 時間が参りましたので、本日はこれで終わります。ありがとうございました。

 

○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。


平成29年4月10日決算行政監査委員会第一分科会

193-衆-決算行政監視委員会第一…-1号 平成29年04月10日

○後藤田主査 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。

(略)

○後藤田主査 次に、内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。

質疑の申し出がありますので、これを許します。玉木雄一郎君。

 

玉木分科員 玉木雄一郎です。

先ほども同僚議員の今井雅人議員とのやりとりを聞いていまして、今回、学校法人森友学園への国有地

の売却の問題について、なぜこれほど時間がかかって、そして時間をかけてもすっきりしない、国民の多

くも納得しないと言っている一つの理由は、やはり情報が適正に出てこないことではないかと思います。

特に、折衝記録、先ほどもありました政治家等とのそうした折衝記録について、もう破棄されていて、ない

ということが極めて不信感を招いているんだと思っています。

役所の皆さんもそれなりにきちんと説明の努力をされようとしているのはよくわかりますが、ただ、一方

で、例えば籠池前理事長はいろいろな資料を出している、大阪府も調査をして資料を出している、そうい

う中で、国、特に財務省や国土交通省が一切出さないということのこの外形的な事実をもって、何かやは

り国の方がおかしいのではないのかということにある種追い込まれつつあることは、私も非常にこれは残

念なことだと思います。

きょう、決算行政監視委員会ですので、実は、公文書管理委員会の委員長代理の三宅弘先生にお越し

をいただいてお話をしてもらおうということで、これは我が方の野党筆頭理事から後藤田与党筆頭理事に

もお願いして、できるのかなと思ったら、何か大きな力が働いてこれができなくなったやに伺っております。

詳細、背景は知りませんけれども、いずれにしても、きょうお越しをいただくことはできなかった。

実は、この三宅委員長代理については、私、連絡をしてお話をしたら、喜んで行って話をしますと御本人

から快諾も得ていたので、民間人の方ですから、いきなり呼ぶのはどうかと思って内々聞いておったら

、自分としては、長く公文書にかかわってきたので、国会でもしお呼びいただければ、自分の考えはきち

んと述べますということを言って、了解を得ていたのに、きょうそれが実現できなかったことはまず残念で

あります。

最初に伺います。

これは、某テレビ番組のインタビューの中で、三宅代理はこのようにおっしゃっています、今回の件に

て。当然、八億円も下げたら会計検査院の対象になることはもうわかり切っているじゃないですか、最低

五年は保存しなきゃいけないということはみんなわからないといけないですよね、それが一年未満の文書

だから廃棄できましたって国会でしゃあしゃあと言っているというところは、先ほど言ったおごりと欺瞞だと

私は思いましたね、税金の使い道についてはきっちり国民に知らせなきゃいけないという発想が、今の役

人の中に、はっきりした意識がないんじゃないかなと思うんですよね、このようにテレビのインタビューで

おっしゃっています。

テレビのインタビューだけ取り上げるのもなんなので、お越しいただいて直接思いを話していただけませ

んかと言ったら、オーケーをいただいたのに、それが実現できなかったことは非常に残念であります。

そこで、伺います。三宅委員長代理は、今、資料をお手元にも配っていますが、資料の二ページ目のとこ

ろにその文字起こしが書いてありますけれども、このようにいろいろおっしゃっていますが、これは政府と

しても同じような考えでいらっしゃいますか、あるいは、これは三宅代理の勝手な意見だということなの

か、政府としてのお考えをお聞かせください。

 

○田中政府参考人 お答え申し上げます。

三宅氏の御発言については、公文書管理に関する有識者としての御見解であって、公文書管理委員会

を代表して述べられたものではないと認識しており、それに対して内閣府としてコメントすることは差し控

えたいと存じます。

 

○玉木分科員 冷たいですね。皆さんがお願いしている有識者の、しかも委員長代理ですよね。その方

がおっしゃっている言葉はやはりもっと真摯に受けとめるべきだと思いますよ。

こうもおっしゃっていますね。意思形成過程の文書をちゃんと残そうという認識が政府全体で欠けている

と思いますと。私もそう思いますね。その後、厳しいことをおっしゃっていますよ。はっきり言って、理財局

長なんかは首飛ぶ問題だと思いますよ、僕はということもおっしゃっているんですね。

そこで、資料の一をごらんください。これは、先般四月三日の衆議院決算行政監視委員会の議事録であ

りますけれども、この指摘をされた佐川局長がこのようにおっしゃっています。行政文書は、紙もパソコン

上のデータも同様の取り扱いにしてございます。それはそのとおりだと思いますね。次です。このパソコン

上のデータ、短期間でそこは自動的に消去されて復元できないようなシステムになってございますので、

そういう意味では、パソコン上にもそういうやりとりみたいなデータは残っていないと。

これも私、聞いていたんですけれども、衝撃だったのは、財務省では、つくったデータが短期間で自動的

に消去されて復元できないようなシステムになっているんでしょうか。少なくとも私が在籍したときにはそ

のようなシステムはなかったと承知していますが、この事実関係はいかがでしょうか。自動的に消去され

るんでしょうか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

委員お触れになりました四月三日の理財局長の衆議院決算行政監視委員会での答弁でございますけれ

ども、事前の通告がございません中で質問をいただき、紙は不要になれば処理していて、その電子デー

タも文書管理規則にのっとり同様に消去しており、その後、一定期間経過すれば自動的に消去され復元

できなくなるという趣旨を答弁したものでございまして、そういうシステムがあるかというお問い合わせに

つきましては、ないということでございます。

 

○玉木分科員 ちょっとよくわからなかったんですけれども、自動的に消去されるんですか、やはり。

 

○中尾政府参考人 理財局長も私も答弁申し上げている意味をもう一回丁寧に御説明いたしますと、紙

は不要になれば処理をします。それから、電子データも文書管理規則にのっとり同様に消去をいたしてお

ります。その消去いたしましたものを、その後、一定期間経過すれば自動的に消去され復元できなくなる

ということになっております。

 

○玉木分科員 ちょっとよくわからなかったんですが、復元されなくなることが、自動的に復元されなくなる

という趣旨なんですか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

電子データにつきまして、削除、消去を行わないとまず削除、消去はされない。削除、消去されたものに

つきまして、一定期間経過すると自動的に消去されて復元できなくなるという仕組みになっております。

 

○玉木分科員 わかりにくいんですけれども、消さない限り消えないんですね。消したものがある一定期間

が来れば復元できなくなるという意味で、自動的に復元できなくなるということなんですか。私が説明して

もなんなんですけれども、そういうことなんですね。

つまり、自動的には消えないけれども、消したものが復元されなくなるのは、自動的に復元されなくなる、

そういうことですか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

まず、サーバーなりデスクトップで削除いたします。削除いたしまして、パソコン上のものであると、フォル

ダーを空にするかというのを、まずは削除して、削除が行われます。それについては、十四日間程度と承

知しておりますけれども、二週間程度経過した後には復元できない、そういうシステムになっておるという

ことを御説明しております。

 

○玉木分科員 削除した後、逆に言うと、二週間程度は復元可能だけれども、削除した後二週間たったら

自動的に削除が、できなくなるということで答弁されたんですね。私が解説するのも変なんですけれども、

そういうことですね。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

削除を一旦いたします。削除しない限り自動的な削除はございません。削除をいたしまして、それが十四

日間程度経過するとそれを復元できなくなるということでございます。

○玉木分科員 明確な答弁をお願いしたいと思います。

そしたら、一つ明らかになりました。データであっても、意図的に削除しない限りは削除されないわけです

ね。そういうことですね。自動的にどんどんどんどん消えていくわけじゃない。これは当たり前だと思いま

すけれども、そういうことですね。

よく問題になる、平成二十七年九月四日、近畿財務局で近畿財務局、大阪航空局、そしてキアラ設計、

中道組が集まってこの埋設物の除去費用なんかについて議論したということは、これは、佐川局長が委

員長の求めに応じて答える形で国会でもお答えになっておりますが、このやりとりの交渉記録、これを出

してほしいということを何度もお願いしていますけれども、これはもう消去して、紙もデータもないということ

なんでしょうか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

二十七年九月当時につきましては、従前から御説明しておりますとおり、貸付契約上、有益費として償還

することとされておりますものを、近畿財務局、大阪航空局、関係業者との間で会議が行われておったも

のと承知いたしておりますけれども、面会の記録は残っておらないということでございます。

 

 

○玉木分科員 面会の記録が残っていないというのは、何度も申し上げますけれども、にわかには信じが

たいんですね。ただ、もうこれは削除されている、紙はシュレッダーにかけるか燃やしたかということなん

でしょうけれども。

では、逆に伺いますが、先ほど一番最初に聞いた、電子データは意図的に消さない限り消えないというこ

とであれば、この面会記録の電子データはいつ削除しましたか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

保存期間一年未満の文書につきましては、これも何度も御答弁申し上げておりますとおり、廃棄簿も作成

をいたしませんので、具体的な廃棄時期を特定することは困難でございます。

ただ、この件も含めて、この件であれば有益費の支払いということがございますので、そこのいわば有益

費の方のちゃんとした決裁文書とか、そういうところに行政の意思としては集約されておるということでご

ざいます。

 

○玉木分科員 いや、いつ廃棄されたんですか。これは、法律上よりも、今これは非常に問題になってい

ますから、破棄したのであれば、事案終了というのは多分、六月二十日の契約を結んだときだと思いま

すけれども、その後、では速やかに削除したのか、いつ削除したのかということは確認されていますか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

有益費の支払いにつきましては、平成二十八年四月の支払いでございます。

それから、六月二十日の売買契約の終了をもって保存期限終了という扱いにつきまして、具体的にいつ

廃棄したか、事後的に確認はできませんけれども、シュレッダーとか業者による溶解という作業がござい

まして、シュレッダーにつきましては、保存期間終了後速やかに実施をしております。また、業者による溶

解でございますけれども、近畿財務局においては、庁舎内の廃棄庫がいっぱいになった時点で業者に依

頼をしておりまして、二十八年当時で申し上げれば、六月、七月、八月、十月に業者による溶解処理を

行っておるところでございます。

 

○玉木分科員 データの削除をしたら、システム上、いつ削除したかは削除ログが残ります。それを提出

いただけませんか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

ちょっと御質問、御通告もいただいておりませんで即座に即答いたしかねますけれども、いずれにしても、

そういう、行政文書かどうかも含めて、ちょっと自信がないところでございます。

 

○玉木分科員 本来あるべきものだと思うんですね。ただ、それを削除したと言うんだったら、いつ削除し

たのかはきちんとやはり説明する責任があると思いますね。

では、もう一つ伺います。

公文書管理法の八条の二項に、保存期間が満了した行政文書ファイル等を破棄しようとするときは、あ

らかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならないとなっていますね。これは、非常に大

事な文書をいろいろ行政ではつくります。それで破棄をしていきます。ただ、破棄するときには、内閣総理

大臣に事前協議して、その同意を得なければならないとなっていますけれども、この今破棄されたという

文書は内閣総理大臣の協議、同意をとっていますか。

 

○中尾政府参考人 お答えいたします。

いわゆる保存期間一年未満の御指摘の面会記録の類いにつきましては、内閣総理大臣との協議が必

要な歴史的公文書には該当しないということで、協議をいたしておりません。

 

○玉木分科員 これは不思議なんですね。

平成十三年三月三十日の各府省庁文書課長申し合わせというのがありますね。今おっしゃった、歴史資

料として重要な公文書等として適当な文書類型というのが幾つか示されています。その中に、分類区分、

予算・決算関係の(8)国有財産に関する文書ということが、歴史資料として重要な公文書等の例示として

挙げられています。

私、今回、もちろん一年未満であればそういった協議の対象から外れるということも承知をしておるんで

すが、国有財産に関するまさに関連文書について、それを一年未満の保存期間にすることそのものに極

めて行政の恣意性を感じるんです。

お配りしている資料の三ページ、四ページを見ていただきたいんですが、これは財務省の文書管理規則

なんですが、別表第一、行政文書の保存期間基準が定められています。その中の備考というのがあっ

て、ばあっと書いてあって、一番最後の六のところに、本表が適用されない行政文書については、文書管

理者は、本表の規定を参酌し、いろいろ内容等に応じた保存期間基準を定めるものとするとなっています

ね。それに基づいて、次の、財務省文書管理規則細則とありまして、これが定めているわけですけれど

も、第六条で、管理規則別表第一備考第六、保存期間は、三十年、十年、五年、三年、一年、一年未満

のいずれかの期間とする、二項で、前項の場合において、歴史文書等に該当しない行政文書の保存期

間は一年未満とするということで、一年未満にできると確かになっていますが、先ほど申し上げたように、

平成十三年、これはまた平成十七年に改定されていますけれども、歴史文書という中に、まさに国有財

産に関する文書は歴史文書として適当な文書類型に挙げられているんですね。かつ、加えて、財務省の

この文書管理規則の細則のただし書きです。職務遂行上の必要性により一年以上の保存を必要とする

場合は、当該必要性に応じた保存期間とすることができるとなっていますね。これは、今まさにこういう問

題が国有財産の処分に関して言われているわけです。

財政法九条、何度も出しますけれども、国の財産は、適正な対価をもって譲渡または貸し付けなければ

ならない。そのことが疑われているときに、行政として説明ができない事態に陥っていること、こういうこと

を防ぐために、きちんとした保存期間を定めようということなのであります。それが、誰が設定したか知り

ませんけれども、一年未満に指定したことによって、内閣総理大臣との協議や同意の手続からも外れ、

そしてこうして国会で聞かれても、それを合理的に説明することができない。私、このことに非常に問題が

あると思うんですね。

南スーダンの日報もそうでありました。その後、参考でページ五につけていますけれども、同じようなんで

すね。これは防衛省の文書管理規則があって、また備考です。備考の六に、上記以外で、随時発生し、

短期に目的を終えるもの、これは一年未満とするとなっていますね。こう指定すると、先ほど申し上げた

ような、内閣総理大臣協議とか同意の手続からこれも外れていく。

つまり、一年以上になると文書というのはかなり厳格に管理される、簡単に破棄ができないようになるん

ですけれども、一年未満になった瞬間に物すごく簡単に破棄できる。その一年未満にするのを、では誰が

決めるのかというと、各行政のそれぞれの担当者が、ある意味恣意的に決めるということになっているわ

けであります。

山本大臣は公文書管理の担当大臣でもあるので、これは南スーダンのときもいろいろ議論させていただ

きましたけれども、今回の国有財産の処分についても、山本大臣も私もそうですけれども、親元の財務省

の説明は財務省らしくないんですよ。もっとぴしっと何でも説明できるはずです。ただ、それが、文書を破

棄した、ありませんということで、何か回りくどい説明ばかりするから、ある意味、疑念、疑惑ばかりが高

まっていっていると思うんですね。

ですから、この行政文書、とりわけ一年未満の保存期間になっているものについては、各省横断的に一

度しっかり見直して、どのような人が一年未満にできるのかということについては、一度きちんと検証した

上で新しいルールを、私は、これは見直ししていくべきだと思うんですけれども、これは通告がないんです

が、感想はいかがですか。

○山本(幸)国務大臣 公文書管理法施行令におきましては、歴史資料として重要な公文書等につ

いては一年以上の保存期間を設定することとされております。一年未満の保存期間文書は、少なく

ともこれには該当しないということになるわけであります。

歴史資料として重要な公文書等か否かの判断に関しましては、内閣府に置かれた公文書管理委

員会が昨年の三月にまとめた公文書管理法施行五年後見直しに関する検討報告書において、各

行政機関における判断を支援し、その質を向上させる仕組みについて検討すべきとの御指摘をい

ただいているところであります。また、今回の委員の御指摘のようなこともございます。

 したがいまして、私としても、各府省庁における公文書管理の質を高めるための不断の取り組み

を進めていくことが重要であると認識しておりますし、そのため、行政文書の管理に関するガイドラ

インを今年度中に見直すと同時に、各府省の職員の公文書管理に対する意識を高めるための研

修の充実等を着実に進めてまいりたいと思っております。

 

○玉木分科員 ぜひその見直しを行ってもらいたいと思うんですね。

私、この通常国会の一つのある種教訓、これを成果にあえてつなげていくとすれば、この森友学園の問

題についても、こういうものに長く時間をかけてどうだという議論がありますが、南スーダンの問題のとき

も感じたのは、やはりこの公文書管理のあり方について、実は、きちんとしたルールがあれば、これほ

ど、こんな時間をかける必要はなかったと思うんです。

ですから、この通常国会の一つの教訓として、やはり公文書管理のあり方について、今おっしゃったよう

なガイドラインの見直しも含めてやっていただきたいし、先ほど大臣の発言の中にもあった公文書管理委

員会が、まさにこれはいろいろなことを決めていくんですが、その委員長代理が、やはりおかしいんじゃな

いのかということをおっしゃっているので、これはこの場では実現できませんでしたけれども、内閣委員会

かどこかで、一度、三宅委員長代理にお越しいただいて、私は、これは前向きな議論として、別に党派関

係なく、公文書のあり方、歴史に対して我々政治家も行政官もどう真摯に向き合って応えていくのかとい

うことが問われる問題だと思うので、この事案から少し、こういった高いレベルから、山本大臣のリーダー

シップでぜひ、公文書管理の問題については見直し、改善を図っていっていただきたいなと思っておりま

す。

次に、もう一つ、これは特区の話を聞きたいと思います。

山本大臣、まず、何度も同僚議員も質問をしていますが、例の加計学園の問題ですね。愛媛県今治市に

設置されようとしている、獣医学部が新設されるという話でありますけれども、いろいろなことが、プロセス

として見たときに、例えば公募の期間がすごく短い。そういう中で、本当に応募できる人がいたのかとか、

こういうことも、もう何度も他委員会でも議論になっておりますが、私、一つだけ、ちょっと別の観点から問

題提起をしたいのは、資料の中にもお配りしていると思いますけれども、資料の六なんです。これは、第

二十五回の国家戦略特区諮問会議における八田議員の発言であります。

何を言っているかというと、今回、もう獣医というのは基本的に、これは文科省からも農水省からも答えを

もらっていますが、数は足りているんだと。足りているんです。ただ、偏在がある、分野とか地域的な。な

ので、空白地域の四国に、ライフサイエンスとか新しい分野における獣医学部をつくることによって、足り

ているけれども、そこは特区で認める意味があるんだろうということで、この間、進めてきたと思うんです

ね。そこの、新しい分野の先端ライフサイエンス研究のところなんですが、こういうことをおっしゃっていま

すね。獣医学部の新設は、創薬プロセス等の先端ライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大

体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚とかの方が実際は有効なのです、これを扱う

のはやはり獣医学部でなければできない、そういう必要性が非常に高まっています、そういう研究のため

に獣医学部が必要だと。ということで、この新設の必要性を八田議員が言っていますね。

これは、八田議員が言っているだけではなくて、広島県・今治市の国家戦略の分科会への応募者提出資

料、ことしの一月十二日に出した中にも、ライフサイエンス分野の人材育成が必要だということで、豚とか

猿の実験動物を用いた創薬研究ということが書かれています。

これは私、ずっと動物愛護にかかわってきた立場からすると、ちょっと、おやというか、びっくりしたんです

ね。

環境省に伺いたいと思います。

スリーRの原則が動物実験にはあると思います。その一つのリプレースメント、この原則はどのような原

則ですか。

 

○正田政府参考人 お答え申し上げます。

今先生御指摘ございましたリプレースにつきましては、動物を使わない方法の活用という意味でございま

す。

 

○玉木分科員 もっと正確に答えてください。

 

○正田政府参考人 お答え申し上げます。

動物実験につきましては、科学上の必要性等がございますが、その際に、一方で実験動物の福祉という

観点がございます。

その中から、国際的な潮流といたしまして、スリーRの原則というものがございますが、その一つがリプ

レースメントというものでございまして、その実験におきまして、本当に動物を使う必要があるかどうか、こ

れを十分吟味するという意味で、動物を使わない方法の活用というものがうたわれているところでござい

ます。

 

○玉木分科員 あわせて、リプレースメントというのは、代替していく、どのように代替するかというと、動

物を使わないよう

に代替するとあわせて、意識や感覚のない低位の動物種あるいは試験管内の実験へ代替していこうと

いうことで、人に近いところからより遠いところに、実験するにしても、それを移していこうということなんで

す。それが、今回、新設しようとする獣医学部では、豚とか猿とかを実験動物に使う、そのことがライフサ

イエンスの新しい分野に貢献するんだということなんですが、これは今の国際的な動物愛護の流れに全

く逆行するものですよ。

こういうことを、大臣、特区で認める。まさに、豚や猿を実験動物に使うような獣医学部を新設するために

特区をつくるんですか。私はこれは動物愛護の観点からも問題だと思いますが、いかがですか。

○山本(幸)国務大臣  我々人類が生命をつなぐ上で、動物を、植物にすることと同様に、人の健

康や福祉のために動物のとうとい犠牲を求めるのは、まさに人間の生の一面であると認識しており

ます。

 動物の生命はかけがえのないものでありますが、一方で、生命への畏敬の念を持ちつつ、治療

法の確立しない難病患者の方々に新たな医薬品や治療法を届けることができるのは、動物実験の

おかげでもあると思います。特に、再生医療などの先端ライフサイエンス研究には、身体の構造が

人と近似することから、猿や豚などの中型動物を用いた安全性の実証が重要となっております。

 また、今回の獣医学部の新設は、先端ライフサイエンス研究の推進を担う獣医師だけでなく、地

域の水際対策に必要な獣医師の養成も目指すこととしております。こうした新たな分野の思い切っ

た重点化は、カリキュラムや体制が確立した既存の学部では困難であり、学部の新設によることが

必要であると考えております。

 なお、八田議員は、地域からの提案を踏まえて昨年十一月の特区諮問会議で御発言になったも

のと考えております。限られた時間の中では言及できなかったものの、動物愛護の重要性も十分に

御認識であると承知しております。

 また、委員が、かつて特区の法案のときに議論されたことがございまして、そのときの委員の御

指摘を読ませていただきましたけれども、iPS細胞のときに、そういう動物実験をやることが日本で

できなくなって先生が海外に行っちゃうというような話を御指摘されて、特区でそうした革新的な医

療を行うのはまさにふさわしいのではないかというような御指摘をされていることも承知しておりま

す。

 

○玉木分科員 胚の実験のときにそれは申し上げましたけれども、これは動物実験ですよ。しかも、猿も

含めて、明示的に書かれていますね。これは私、やはり問題だと思うんです。

それで、伺いたいのは、非常にスピード感を持ってやったと思いますが、ただ、逆に言うと手続が非常に

粗かったなと思うんですが、このことを決めるときに、環境省と合い議をして、事前協議をしてきちんと決

めていますか。

環境省、この特区、こういう形でやることについて、事前協議を受けていますか。

 

○後藤田主査 申し合わせ時間が経過しております。簡潔にお願いいたします。

 

○正田政府参考人 お答え申し上げます。

本件につきましては、環境省におきましては協議を受けておるところではございません。

 

○玉木分科員 協議がないんですね。

私、大臣、ここは非常に大事な、国際的にも我が国の評価にもかかわるところなので、そういう意味でもこ

こはちょっと、大臣の所管では直接ないかもしれませんが、やはりこういった動物愛護の観点、アニマル

ウエルフェアの観点もしっかり考えた上で慎重に進めていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わ

りたいと思います。

 

○後藤田主査 これにて玉木雄一郎君の質疑は終了いたしました。
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平成29年4月07日 衆議院内閣委員会

平成29年4月07日 衆議院内閣委員会

○緒方委員 それでは、質疑を移していきたいと思いますが、石原大臣と細田政務官、そして武井政務官、もうここで結構でありますので、ありがとうございました。
それでは、公文書管理についてお伺いをいたしたいと思います。
これまでの、さまざま私もいろいろなところで議論させていただいたんですが、財務省の協議の記録、森友学園の関係でですね、あと自衛隊の日報の問題、この二つの問題、それぞれ中身についてはいろいろな議論があると思いますが、きょうは中身の話には余り立ち入りません。
その二つに共通しているものというのは、一年未満の文書ということであります。公文書管理法、さらにはそれの下にぶら下がっているさまざまな規則等々では、そもそも一年未満で廃棄していいものなんというのはどこにも書いていないんですね。
歴史公文書等に当たるのであれば一年以上の保存期間を定めなきゃいけない、そして、それらについては例えば管理簿をつくるとか、廃棄するときは記録しなきゃいけないとか、そういうことが書いてある。それの反対解釈として、歴史公文書等に当たらないのであれば一年未満で廃棄していいという解釈を単に導いているだけなんですね。反対解釈なんです。
そうすると、今度は何が生じるかというと、管理簿も要らない、いつ廃棄したかということについても残らない。なので、論理的に考えれば、防衛省の日報、まあ残っていたということでありますけれども、防衛省の日報であり協議の記録というのは、そもそもそれがどういうものであったかという管理された記録もなければ、いつ廃棄したかということについても検証ができない、そういうものであります。
しかしながら、私が考えるのは、こういう反対解釈から導かれてくる廃棄される文書、もちろん一年未満で廃棄するものはあると思います、物すごく軽微なもの、極めて軽微なものだけがこういうものに該当するというふうに思うわけでありますが、まず、公文書管理法の解釈として、一年未満で廃棄されるものというのは、極めて軽微な文書、軽微な内容の文書であるというふうに、山本大臣、思われますでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 公文書管理法というのは、公文書が国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、現在と将来の国民への説明責任を全うすること等を目的として、行政文書の適切な管理に関するルールを定めているものであります。
 行政文書の保存期間については、例えば法令の制定等全行政機関で共通した保存期間を適用すべきもの以外は、行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて各行政機関が定めることとしております。
 各行政機関においては、先ほど申し上げた法の目的を踏まえつつ、公文書管理法や各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて、保存期間の設定も含めて適切な文書管理を行うことが重要であると考えているところであります。
 公文書管理法上も、七条で、ただし書きのところで、「政令で定める期間未満の保存期間が設定された行政文書ファイル等については、この限りでない。」という書き方をしておりまして、当然、この政令で定めるというのは一年のことでありますが、それ以下の保存期間についてもここで書いてあるということでありまして、単に反対解釈でやっているものではないというふうに私は理解しております。
 つまり、各行政機関において、歴史資料としての重要性を見きわめた上で、日々生ずる歴史公文書等に当たらない行政文書については一年未満の保存期間を設定することは妨げられていないということでありまして、いずれにしても、各行政機関において、公文書管理法、同法施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて、歴史資料としての重要性を適切に見きわめた上で、適切な保存期間の設定を行うことが重要であります。そういうことであります。

○緒方委員 大臣、今、一年未満のものも想定されていると言いましたが、それは管理簿の話でありまして、もちろん想定はされているわけでありますが、別に私は想定されていないとは一言も言っていないです。ただ、保存期間のところで明示的に一年以上なんということはどこにも書いていなくて、今大臣が言われたのは管理簿の話であります。
私の質問はもっと単純でありまして、一年未満というものは、そもそも極めて軽微な内容のものだけが一年未満のものですよねということを聞いております、大臣。

○山本(幸)国務大臣 そこは、各行政機関がその行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じてそれぞれで定めることでありまして、そこは各行政機関の判断ということであります。

○緒方委員 今のは結構すごいと思いますよ。一年未満の保存期間の文書というのが、いや、私は、これはうんと言っていただけると思ったんです、そうですと、極めて軽微な内容のものだと。
例えば防衛省でいうと、随時発生し、短期にその目的を終えるもの、そういう表現ですけれども、それは何かというと、内容が、随時発生して短期に目的も終えるということは、そんなに大したことない文書ということなんですよね。防衛省はそういうふうに表現を使っています。
もう一度、大臣、お伺いをさせてください。一年未満の保存期間というのは、極めて軽微な内容の文書であるというふうに御理解してよろしいですか。

○山本(幸)国務大臣 それは、公文書管理法上、歴史文書に当たらないということでありますから、そういうことだというふうに思います。

○緒方委員 その答弁が欲しかったんですが。
そうすると、防衛省にお伺いをいたしたいと思います。PKOの日報ですけれども、これは前回も安保委員会でも聞きましたが、PKOの業務に関するものというのは三年の保存期間であります。日報がPKOの業務に関する文書でないというその積極的な説明をいただきたいと思います、小林政務官。

○小林大臣政務官 お答えいたします。
まず、今委員御指摘ありましたPKOに関連する文書の保存期間の話でございますけれども、そもそも、各文書管理者が定める標準文書保存期間基準でございますが、行政文書の管理に関するガイドライン、これは平成二十三年四月一日に内閣総理大臣決定がされておりますけれども、この別表第一を踏まえまして防衛省で定めた基準に基づいて、具体的な業務の性質や内容に即して決めております。
しかし、防衛省で定めた基準で示している類型ごとの具体例につきましては、防衛省で行われる全ての業務について網羅的に記載されているわけではございません。該当する具体例がない場合には、各文書管理者におきまして、当該基準の規定を参酌して保存期間を定めることになっております。
それで、今お話ありましたとおり、私たち防衛省・自衛隊におきましては、陸上自衛隊文書管理規則で定めております標準文書保存期間基準におきましては、国際平和協力業務、PKOに関する文書につきましては、保存期間は確かに三年とございますけれども、これは、国際平和協力業務に関する文書が全て三年保存に値することを定めているものではありません。日報につきましては、各文書管理者の判断によりまして、随時発生し、短期に終えるものとして、保存期間は一年未満とこれまでも整理してきております。
したがって、今委員が御指摘されましたように、この文書、日報につきましては、PKOに関連しないものではもちろんないですけれども、PKOに関する文書全てが三年の枠にはまるものではないということは御理解いただければと思います。

○緒方委員 つまり、さじかげん次第ということですよ。つまり、PKOの業務に関するものであって、これは、随時発生し、短期にその目的を終えるものだと俺が決めたらそうなんだということに、そういう答弁だったというふうに思います。
財務省にお伺いいたします。
国有財産を売却するための協議記録が、財務省文書管理規則におけるところの「国有財産の管理及び処分に関する決裁文書又は管理及び処分に関する重要な実績が記録された文書」に当たらないというその理由を説明いただけますでしょうか、財務副大臣。

○木原副大臣 財務省における公文書管理法の運用ということであろうと思いますが、財務省では、もう御承知のとおり、行政文書管理規則、これは訓令で定められたものにのっとって文書管理を行っているところでございまして、内容はもう詳細には申し上げませんが、契約書を含む「国有財産の取得及び処分に関する決裁文書」については三十年の保存期間ということでありまして、面会記録でありますけれども、これについては、今お話が出ておりますように、同規則の施行に関し必要な事項を定めた細則第六条において、歴史公文書等に該当しない行政文書の保存期間は一年未満とされていることから、面会記録については保存期間を一年未満としているというところであります。

○緒方委員 それは単なる規定の読み返しにすぎないわけでありまして、もう一度私申し上げます。
財務省の文書管理規則の中で「国有財産の管理及び処分に関する決裁文書又は管理及び処分に関する重要な実績が記録された文書」という規定がありまして、これは十年であります。国有財産を売却するときの協議記録が、管理及び処分に関する重要な実績を記録した文書に当たらないというその根拠は何ですかということを聞いております、財務省。

○木原副大臣 十年に当たるものということであろうと思いますけれども、先ほど三十年の部分は申し上げたとおりでございますが、十年に当たるものとしては、国有財産の貸し付けの決裁文書の中で、運用期間を超えて保有することが必要な決裁文書について、運用終了の日に係る特定日以後の十年というところであります。

○緒方委員 もっと聞きたいことはあるんですが、質疑時間がだんだんなくなってきたので。
では、会計検査院にお伺いをいたしたいと思います。
こうやって協議の記録が、重要な文書だと私は思いますけれども、これが歴史公文書等に当たらないということでばんばん廃棄されていくわけですよね。これは、会計検査を行う観点から問題だというふうに思いませんか、会計検査院。

○戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
現在検査を実施中の個別の事項に係るお尋ねにつきましては、お答えできないことを御理解いただきたいと思いますが、一般論で申し上げれば、会計経理の裏づけとなる関係書類が廃棄された場合に、その詳細について正確に把握できない場合があることは、委員御指摘のとおりでございます。
いずれにいたしましても、会計検査院といたしましては、確認できる関係資料等に基づき、与えられた権限の中で、引き続き適切に検査を実施してまいりたいというふうに考えております。

○緒方委員 個別の事例はいいです。ただ、一般論として、何らかの国有財産を売却したとか、そういうときの記録が残らないということについて、会計検査院法第十条か十一条で、ちゃんと文書を全部出せという規定があったと思いますけれども、そことの関係でも、会計検査をする観点から、そういう協議の記録がないとかいうことについて、やはり問題意識をお持ちになりませんかということを聞いているんです。
もう一度答弁いただければと思います。

○戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
会計経理が適切に行われているかを確認するために必要な文書が、文書管理規程等に基づいて適切に管理されているかという点も含めまして、適切に検査を実施してまいりたいというふうに考えております。

○緒方委員 そこは結構重要ですね。まさに、そういう文書が残っているか残っていないか、そのことが適当であるかどうかということも含めて、しっかりと会計検査院に会計検査を行っていただきたいと思います。
最後、山本大臣にお伺いします。
一年未満の文書というのは、管理簿のところでそういう規定がある。一年未満のものについては管理簿をつくらなくていいということが書いてある。ただ、保存期間ということについて言うと、そのものの規定からいうと、公文書管理法には、歴史公文書等に当たるものについては一年以上の保存期間を設けるという、それだけなんですね。そこからひっくり返しているだけなんです。
ただ、今、いろいろ、防衛省とか財務省とかそういったところで、一年未満の文書が物すごく注目されています。現在、内閣府の公文書管理担当のところで見ているのはどこまでかというと、各省の管理規則までであります。そこから下の文書は余りチェックをしていない。見ていないからこそ、そういう解釈がどんどんどんどん広がっていって、そこにどんどん押し込んでいくわけですね、いろいろな文書を。
私は、ぜひ内閣府の山本大臣の指示のもと、何が一年未満の文書なのか、先ほど軽微な文書という言い方を私はしましたけれども、そういうものをもう少しブレークダウンして、何が一年未満の文書なのかということについてまで、そこまで、若干、箸の上げ下げみたいなところはあるんですけれども、ここまで踏み込まないと、役所の公文書管理が適切に行えないんじゃないかと思いますので、この一年未満の文書のあり方について、ぜひ検討していただきたいと思います、大臣。

○山本(幸)国務大臣 御指摘のような、歴史資料として重要な公文書、つまり一年以上のものですね、これについて、歴史資料として重要な公文書等か否かの判断に関しては、内閣府に置かれました公文書管理委員会が昨年三月にまとめた、公文書管理法施行五年後見直しに関する検討報告書というのがあります。そこにおきまして、各行政機関における判断を支援し、その質を向上させる仕組みについて検討すべきとの御指摘をいただいているところであります。
 それに基づきまして、私としても、各府省における公文書管理の質を高めるための不断の取り組みを進めていくことが重要であると認識しておりまして、行政文書の管理に関するガイドライン、ここで、どういうものが歴史文書に当たるんだというような基準を示しているわけでありますけれども、この今年度中の見直しや、各府省の職員の公文書管理に関する意識を高めるための研修の充実等を着実に進めてまいりたいと思っております。

○緒方委員 最後の答弁も重要だったと思います。ありがとうございました。

○秋元委員長 次に、高井崇志君。

○高井委員 岡山から参りました高井崇志でございます。
私も、緒方委員に引き続いて、公文書管理の問題、これは、きょう法制局長官にも来ていただきましたけれども、去年、でも、つい最近ですね、集団的自衛権の解釈変更に当たっての想定問答、当初は不開示とずっとしてきた内閣法制局が、一転、開示をすることになった。あるいは、南スーダンの日報の問題、そして、今回の森友問題、いずれも公文書管理の問題が、非常に私は、この法律の趣旨がゆがめられているんじゃないかと。
改めて公文書管理法を見てみると、第一条の目的のところで、公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑みて、現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする、そして第四条で、経緯も含めた意思決定に至る過程を合理的に跡づけ、または検証することができるように文書を作成しなければならない。
これが公文書管理法のまさに根幹でありますが、それが全くなされていないのではないかという観点から、きょうは質問をしたいと思います。
まず、財務省にお聞きをいたしますが、今回の森友問題で佐川理財局長は、この国有地売却に係る面会などの記録の保存期間は一年未満であって、昨年の六月に事案が終了した、売買契約を締結した後に速やかに廃棄をしたという説明をずっとしていますね。
ところが、一方で、内閣府の公文書管理委員会というところがあります。ここの三宅委員長代理、これは弁護士の方ですが、テレビの番組などで、国有地を八億円も値引きして売却したとなれば会計検査院の監査対象となるのは当然で、五年間は文書を保存しなければならず、もし交渉記録を故意に破棄していたならば刑法の公文書等毀棄罪に該当し、故意でないとしても公文書管理法違反になる、テレビでここまで明確におっしゃっている。
では、この公文書管理委員会というのはどういう組織か。
これは公文書管理法で定められていて、公文書の適切な管理に関して専門的、第三者的な見地から調査審議を行うために設置されて、その職務は、政令の制定または改廃、あるいは今問題になっている行政文書管理規則、それから公文書等の管理について改善すべき旨の勧告、こういったことの調査審議を行って、内閣総理大臣等に対し答申を行う、これは内閣府のホームページに書いています。
内閣総理大臣に答申をするというのは、担当しているのは山本大臣ということですから、山本大臣はこの答申をまさに受ける立場にあるわけです。その答申を受ける立場の大臣は、公文書管理委員会の三宅委員長代理が、今言ったように、保存期間が五年だ、こう言っているわけですけれども、山本大臣は、この三宅委員長代理の発言はどのように受けとめておられますか。

○山本(幸)国務大臣 三宅氏の御発言につきましては、公文書管理に関する有識者としての御見解でありまして、公文書管理委員会を代表して述べられたものではないと認識しております。それに対して、内閣府としてコメントすることは差し控えたいと思います。
 なお、個別の行政文書の保存期間につきましては、当該行政文書が当該行政機関におけるどのような業務の中で作成または取得されたものであるか等を踏まえて、公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて各行政機関において判断するものであり、お尋ねの件については、公文書管理法、同施行令及び財務省行政文書管理規則等に基づいて、財務省において適切に判断されたものと考えております。

○高井委員 大臣、公文書管理法を所管されていて、大臣には報告徴収権とか勧告権があるわけですね。やはり公文書管理法、先ほどから大臣は各省に任せているとおっしゃっていますけれども、それであれば、公文書管理担当大臣は要らないわけですよ。そもそも内閣総理大臣がその権限を持って、それを大臣がやっているわけですから、それでは、三宅さんに対してのコメントというよりも、大臣として、今回の件の保存期間については一年未満ということで正しいということでよろしいですか。

○山本(幸)国務大臣 それにつきましては、先ほども申し上げましたように、公文書管理法、施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて、各行政機関がそれぞれの業務の内容等に基づいて判断するものであります。
 したがいまして、それは、管理法、同施行令及び財務省行政文書管理規則等に基づいて、財務省において適切に判断されたものと考えております。

○高井委員 こういう法律の解釈がいろいろある場合には、きょうは法制局長官に来ていただいていますけれども、法令の解釈をするのがお仕事だと思いますけれども、いろいろ見解が違うわけですけれども、法制局としてはこの件はどのように考えていますか。

○横畠政府特別補佐人 私ども法制局といたしましては、関係各省の間で法令の解釈について相違があるというような場合に、どれが相当であるかというようなことの判断を示したりということは間々ございます。
ただ、具体の法令の個別の当てはめという問題につきましては、当局としてお答えする立場にはございません。あくまでも、各法令を所管する行政機関において適切に判断すべきものと考えております。

(略)

○高井委員 山本大臣、公文書管理法を所管する、ある意味、法令解釈をする、有権解釈権のある大臣だと思いますけれども、こういう今私が言っていることと、財務省はほとんど答えになっていない、全く答えていないんです。
これは、物理的に残っている以上、重要な文書の判断というのはもちろん各省でやっているわけですけれども、その判断がやはり恣意的だったり公文書管理法の趣旨から逸脱していたら、それは大臣、勧告権があるわけですから、勧告していただかないといけないんじゃないですか。これはどう考えても、国民の皆さんが聞いていて、いや、あるんだったら当然重要な文書でしょうと。財務省の管理規則の重要な文書に当たると思いますけれども、山本大臣、いかがですか。

○山本(幸)国務大臣 文書の判断につきましては、各行政機関それぞれの業務内容や取り扱う文書の性格、組織体制等が異なっております。それを考慮しますと、文書管理の実効性を確保するためには、各行政機関の業務プロセス等を最もよく理解する当該行政機関が業務プロセス等に応じた適切な文書管理規則を制定して、その文書管理規則に基づいて適切な判断がなされることが重要であります。こうした点を踏まえて、まずは各行政機関において適正に行政文書の管理がなされることが重要であると考えております。
ただ、内閣府としても、先般、公文書管理委員会からの指摘も受けまして、現在、ガイドラインの見直しも進めております。今年度中に何とかやりたいと思っておりますが、そうした形で、各省における公文書管理の質を高めるための不断の取り組みも進めてまいりたいと思っております。

○高井委員 一義的には各省が判断するというか、全部、何でもかんでも山本大臣のところで判断というわけにいかないからいいんですけれども、やはりこれだけ今問題となっていて、国会でも取り上げて、私がこういう主張をしているわけですけれども、この運用のままでいいのか。
今、ガイドラインの見直しを、今年度中ということは、一年かかるということですよね、新年度になったばかりですから。そんな悠長なことは言っていられないので、これはやはり早急に公文書管理法を所管する立場から判断を、本当は今すぐ下していただきたいと思いますけれども、もし今すぐできないというのであれば、近日中に見解を出していただくということはできませんか。

○山本(幸)国務大臣 それは、当該行政機関がまずしっかりやっていただくことだと思います。
ただ、御指摘のように、公文書管理委員会からも指摘がありましたけれども、まさに、歴史文書とは何かということについては、現在のガイドラインでは少し基準がはっきりしないというところもあるというような指摘も受けまして、そういう点についてはこれからしっかりと議論して、そしてガイドラインの見直しにしていきたいと思っております。

○高井委員 法制局長官、もう一度聞きますけれども、今までのやりとりを聞いていただいて、公文書管理法の趣旨からして、やはりこの規則が、今、財務省はそういう運用をしてずっとやっていますけれども、少なくとも今回のこの文書が重要な文書に当たらない、法制局長官もそうお考えですか。

○横畠政府特別補佐人 先ほどお答えしたとおりでございますけれども、当該文書は財務省の文書でございますので、それが公文書管理法上の重要な文書に当たるのかどうかということの判断は財務省においてなされるべきと考えます。

○高井委員 財務省なりが法律の判断を誤った、法令解釈を誤った場合には、内閣法制局として、一般論でいいですよ、意見をするということはありますよね。ありませんか。

○横畠政府特別補佐人 この問題に限らず、一見明白に違法であるというようなことがあれば、何か申し上げるということが全くないとは申し上げませんけれども、内閣法制局が何か申し上げるより以前に、当然、公文書管理法については、また所管の大臣もおられるわけでございますし、内閣において、当然、法律に従って適正な行政を行うというのは当然のことでございますので、全く仮定の問題としてはないわけではないということでございますけれども、実際問題としては、なかなかそういう場面というのは想定しがたいのではないかと思っております。

○高井委員 これはもう一見明白だと思いますけれどもね。
これは本来、法制局長官が言われたように、山本大臣がまずは、その法解釈おかしいんじゃないか、財務省おかしいんじゃないかと言うべきですけれども、山本大臣がそう言わない、同じ考えだとおっしゃるものですから法制局長官にも聞きましたけれども。
やはりこういうことをきちんとそれぞれの所掌する方がやっていっていただかないと、何か答弁を聞いていると、全部財務省が決めればいいんだということであれば、仮に財務省がもし不正であったり法令解釈を誤った場合に、それを誰が正すんだということになりますので、私は、この問題は本当に極めて重要な、公文書管理法そのものがやはりもう限界に来ているんじゃないかなというふうに感じています。
もう一つ、きょう総務省にも来ていただいていますが、情報公開請求があった場合、もう既に何人かの人がやっているんじゃないかと思いますけれども、これは保存期間の有無にかかわらず、行政文書であれば情報公開請求の対象になるという理解でよろしいですか。

○堀江(宏)政府参考人 お答えします。
情報公開法上の行政文書の定義は、先ほど内閣府から御説明のありました、公文書管理法における行政文書の定義と同様でございます。
したがいまして、情報公開法上、開示請求の対象となる行政文書については、保存期間を要件としておりません。したがって、現に当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有している文書であれば、保存期間が満了しているものであっても行政文書に該当し、開示請求の対象となるものでございます。

○高井委員 ですから、これは、私は、情報公開、開示の対象になると思うんですね。ですから、あれは三十日ですか、請求してから三十日後には、私はこれは開示をしていただかなければならないというふうに考えますけれども、財務省、開示はしていただけますか。

○中尾政府参考人 お答えいたします。
まず、情報公開請求という仮定の前提での御質問でございますので、その点については、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、財務省といたしましては、公文書管理法の規定に基づき制定されている財務省行政文書管理規則や同規則細則にのっとり文書管理を行っております。
その上で、仮にでございますけれども、仮に保存期間満了後も文書を廃棄せず保存し続ける場合は、公文書管理法の規定に基づき、保存期間の延長の手続を経ることになります。本件国有地の処分に関する面会の記録については、そのような延長の手続を経ていないために、残されておりません。

○高井委員 私は、これは本当に、公文書管理法、やはりこの法律は、もともとやはり紙を前提にした法律だと思うんですね。確かに、なぜ廃棄するのかといえば、理由は行政の効率化なんですよ。紙で何でもかんでもとっておいたらもう大変な行政管理コストがかかるから、だから廃棄するということにしているわけです。
しかし、だからといって一年未満でどんどんどんどん廃棄するというのは、私は、これはちょっとやはり法の趣旨を逸脱していると思いますし、今はもうデジタルの時代ですから、デジタル化されたら、はっきり言って消去する方が大変なんですよ。事案が終わるたびに消去、消去なんて、多分、現実にはやっていないと思いますよ、みんな。だけれども、法律上は一応そういうことになっている。
これはもう実態と法律が合わなくなっていますから、やはりこれはもう本当に根本的に変えないといけないと思います。
これは、大臣ぜひ、ガイドラインの見直しという話はありましたけれども、ガイドラインだけでは済まない問題じゃないか。もうそもそも、この廃棄というものは、わざわざ書く必要もないんじゃないですかね。何なら、紙の文書は廃棄しなさいとか書いておいたとしても、デジタルデータをどこまで廃棄ということをしなきゃいけないのかと。保存期間というのは残しておいてもいいと思いますよ、情報公開請求に、もう何十年も前のを請求されても困るという観点から。しかし、わざわざ行政の職員に廃棄を義務づける必要は、私はこれはもうないと思いますが、そういう観点から、ぜひこの法改正、検討していただけませんか。

○山本(幸)国務大臣 まず、先ほど申し上げましたガイドラインの見直し等により、各省庁における公文書管理の質の向上を図り、その成果をしっかり見きわめていきたいと考えております。
その上で、さらなる制度の見直しの必要があれば、法改正を含めて検討してまいりたいと思います。

○高井委員 今回、法制局長官、最後に少し時間がありますので法制局の想定問答の話も聞きたいと思いますが、この件や南スーダン、そしてこの森友問題、本当に、この公文書のあり方が根本から揺らいでいると思いますので、これはもうぜひ真摯に検討いただきたいと思います。
きょうは、法制局の、集団的自衛権の想定問答を、不開示だったのを開示したということになりましたけれども、改めて法制局長官、これは今まで、私はこのやりとり、去年も何度もさせていただいて、長官は、いや、もう開示しないんだという御答弁だったのが開示することになりましたけれども、これは、今までの長官の法律の解釈が間違っていた、違っていたと、新聞報道なんかにはもうそういう見出しになっていますけれども、そういうことでよろしいですか。

○横畠政府特別補佐人 御指摘の想定問答と言われるものでございますけれども、これは、平成二十六年七月に作成された全二十三問の国会答弁資料案と言われる、国会答弁資料としては成立しなかった作成途上の案のことでございます。
そもそも国会答弁資料といいますのは、答弁者が国会において答弁するに際し、手元に置いて読み上げる資料であり、その作成途中の案というものは保存しておく必要性が乏しいことから、本件文書については、当局において、既に平成二十六年七月の時点において不要として廃棄することとし、実際に紙の文書は廃棄していたものでございます。いわゆる一年未満の文書という扱いでございます。
その後、これについて平成二十八年二月に開示請求がなされ、その時点において、もちろん紙の文書はないわけでございますけれども、当局のサーバー内の共有フォルダ、すなわち一定の職員がアクセスすることができる状態にあるフォルダでございますけれども、その中に、消去を失念して残存していた電子データがあったわけでございます。
しかし、その利用実績等もないこと、既に本体が廃棄されていることなどから、行政文書性はない、すなわち、その時点において、職員が組織的に用いるものとして保有していた文書には当たらないと考えて、行政文書としては不存在として、不開示決定をしたわけでございます。一行政機関としての決定でございます。
その後、開示請求者から当該不開示決定に対する異議申し立てがなされ、当局においては情報公開法に基づき情報公開・個人情報保護審査会に対し諮問を行い、本年一月十七日、本件文書は同法による行政文書に当たるとして開示すべきとの答申を受けたことから、行政文書性の認識を改めて、開示決定をしたところでございます。


平成29年4月06日 衆議院地方創生に関する特別委員会

平成29年4月06日 衆議院地方創生に関する特別委員会

○山田(賢)委員 おはようございます。私は、自由民主党の山田賢司でございます。
質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。本日は、十分と大変短いので、テンポよく行かせていただきたいと思います。
本法案は、地方への事務、権限の移譲や義務づけ等の見直しを行うというものでございますが、政府が掲げる地方創生において極めて重要なテーマとなっております地方分権改革、従来は政府の委員会勧告方式であったものを、平成二十六年から、個々の地方から要望等を上げてきてこれを審議するという形の提案募集方式に変更されました。
そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、平成二十八年の地方からの提案に関する対応状況について御説明いただきたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。
 地方分権改革の推進は、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生において極めて重要なテーマであります。このため、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指し、平成二十六年から、地方に対する権限移譲や規制緩和に関する提案募集方式を導入しております。
 平成二十八年の提案募集については、平成二十七年とおおむね同じ三百三件の御提案をいただき、私みずからも、閣僚懇談会において、各大臣に対し、検討に当たって強力なリーダーシップを発揮するよう要請するなど、その最大限の実現に向けて努力してまいりました。その結果、ことしの提案に関する対応状況については、提案が実現するなど対応できるものの割合は七六・五%と、四分の三以上となったところであります。
 具体的には、地域資源の利活用等による地方創生や、認定こども園の整備促進、病児保育実施地域の拡大等の子ども・子育て支援に資する提案が多く実現するなど、地方の現場で困っている具体的な支障に対し、きめ細やかに対応することができたと思っております。
 今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、地方分権改革を着実かつ強力に進めてまいりたいと思います。

○山田(賢)委員 ありがとうございます。
今の地方創生の考え方というのは、従来の霞が関や永田町で考えたものを地方にやらせるということではなくて、住民に身近な地方が自分たちのニーズに合ったものを上げていく、これを国が後押しするという形になっている。非常に、大変よい試みだと思っております。
そして、大変すばらしい試みであるんですが、この提案募集方式というのは今年度も続けるのか。もし続けるのであれば、自治体によっては、意識の高い自治体というのはこういうのを上げてくるんですけれども、なかなかまだ消極的な、どうやっていいかわからないといった自治体もあろうかと思います。こういった自治体が提案をするためには、いつごろまでにどんなことをする必要があるのか、この手続の概略を御説明願いたいと思います。

○境政府参考人 お答えいたします。
提案募集方式につきましては、平成二十六年の導入以来、地方の発意に基づきまして、地方創生や住民サービスの向上に資する取り組みを実現してきておりまして、全国知事会や全国市長会などからも、地方分権改革を着実に進めるもの、真の分権型社会の構築に資するものなどの評価をいただいているところでございます。
したがいまして、平成二十九年につきましても、これまで三年間の経験を踏まえまして充実改善を図った上で、引き続きこの提案募集方式に取り組むこととしたいと考えております。
具体的な手続でございますが、ことしの二月に、各地方公共団体に対しまして、積極的な提案をしていただくよう、平成二十九年における実施に向けて呼びかけをしたところでございます。今後、五月の中旬までに地方公共団体から私ども内閣府に事前相談をしていただきまして、論点を補強するなど提案内容を充実させた上で、六月上旬までに正式提案をしていただきたいと考えております。
その後、地方公共団体から提案内容を十分お伺いした上で、地方分権改革の有識者会議、提案募集検討の専門部会における審議を経まして、各省庁と調整を行いまして、年末に対応方針を取りまとめたいと考えているところでございます。

○山田(賢)委員 ありがとうございます。
ここで、時間のない中で、一般質問についても、どうしても地元の事情がございまして、お聞きしたいことがあります。
ローカルアベノミクスということが叫ばれておりまして、この一環としてスポーツを核とした地域活性化というものが一つ挙げられていると思います。先日も、未来投資会議の場で、総理がバスケットボールのBリーグについて触れられております。スタジアム、アリーナというものを後押ししていこうというような議題が出たかと思っております。
私の地元にも西宮ストークスというプロバスケットボールチームがありまして、ただいま競技場の整備というものを検討しているんですが、競技場といっても、体育館の観客席をふやしたというような従来の市民体育館の延長という発想ではなくて、むしろ観客が楽しんでお金を落としていっていただけるプロフィットセンターとしてのスタジアム、アリーナというものができればいいなというふうに考えておるんです。
こういったもの、借金を抱えて税金でやるということではなくて、民間の取り組み、こういったものを取り入れていく必要があるんですが、この民間の取り組みに対して国としてどのような支援策が用意できるのか、御説明を願いたいと思います。

○平井政府参考人 お答えいたします。
スタジアム、アリーナを核とした地域の活性化につきましては、現在スポーツ庁におきましては、経済産業省等関係省庁と連携し、スタジアム・アリーナ推進官民連携協議会を立ち上げまして議論を進めているところでございます。
昨年十一月には、この方向性を示すスタジアム・アリーナ改革指針を公表いたしました。これまでのスポーツ施設に対する固定観念、前例主義等に関するマインドチェンジを図りまして、多目的複合型、町中立地、民間活力の導入などをキーワードとした構想のもと、将来に負担を残さない収益性の高い施設の整備に向けた官民連携の必要性を取りまとめたところでございます。
これらを踏まえまして、スポーツ庁としましては、関係省庁、関係機関と連携し、一つには指針に基づく資金調達や事業手法のガイドラインの策定、また専門家の派遣による整備計画の策定の支援、それからコンセッション方式を初めとしたPFIなど民間活力の導入の促進等を通じまして、全国各地で構想されている先進事例の具体的な案件についての支援を行い、スポーツを通じた地域活性化の実現に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。

○山田(賢)委員 ありがとうございます。
いろいろな制度を用意していただいているんですけれども、どうしてもやはり、地元自治体におきますと、これ以上借金をふやしちゃいけないとか、市民体育館というものはそういうぜいたくなものをしてはいけないという発想、あるいは、昔の箱物行政みたいになってしまって、結局借金を抱えて、誰も使わないものが自治体の財政を、足を引っ張ってしまう、こういうことになってはいけないんですが、その発想を転換して、ここでもうけていただく、こういうことも、もうけることは悪いことではないという自治体のマインドチェンジが大事ではないかということで、国においても、そういったことを国が今考えているんだということをいろいろな場面で普及をさせていただければと思っております。
私の持ち時間はこれで終わりますので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○木村委員長 次に、小川淳也君。

○小川委員 民進党の小川淳也です。
分権一括法に関連してお尋ねをしたいと思います。
まず、先ほども議論のありました手挙げ方式が始まってから、要望件数が初年度に比べますと半分以下、かなり減っているように思います。分権に対する熱が冷めているんじゃないかという気がしますが、大臣、この点いかがですか。

○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。
提案募集方式におきましては、平成二十六年の導入以来、長年、地方からの要望が強かった農地転用許可権限の移譲や地方版ハローワークの創設を初めとする権限移譲等を行い、地方公共団体からも高く評価されているところであります。
一方、規制緩和に関する提案につきましては、横ばい傾向ではありますが、権限移譲に関しては、これまでの取り組みの積み重ねもあり、減少傾向にあります。地方からの提案の掘り起こしのために、提案募集の実践的なノウハウを幅広く掲載した地方分権改革・提案募集方式ハンドブック、過去の提案状況を簡単に検索できる提案募集方式データベース、地方分権改革の経緯や各自治体における取り組みの成果を取りまとめた地方分権改革事例集を作成するとともに、ことしに入ってから二十回以上、地方に出向いて研修を行うなど、研修、説明会を充実強化しております。
今後とも、地方公共団体が住民生活の向上に資する提案を積極的に行うことができるよう支援するとともに、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、地方分権改革を着実かつ強力に進めてまいりたいと思っております。

○小川委員 実績が上がっているから提案件数が減っているという御認識ですか、大臣。

○山本(幸)国務大臣 それもあると思います。同時に、まだまだ市町村のところでは十分にこの方式についての理解が、完全に進んでいないのではないかと思っております。
 といいますのも、全市町村の中で、昨年度は四%ぐらいの市町村しか提案しておりません。過去三年の累計を見てもまだ八%程度でありますので、まだまだ市町村の理解が十分に進んでいないのではないかと思っておりまして、これについて、我々は、各地で研修会を行うなど、あるいは、こういう提案をしたらこんないい事例になりましたよということを見える化していくことが大事だと思っておりまして、先ほど申し上げましたように、データを提供したり、あるいはハンドブックをつくったり、優良事例集をお配りするということで努力をしてまいりたいと思っているところであります。

○小川委員 最初は、書いたものを読まれたからそういう御答弁だったんだと思いますが、やはり、実績が上がっているから提案が減っているという御認識だとすれば、それは甚だ世の中の実感、私ども野党の立場とはいえ、感じている実感と異なるんじゃないかという気がします。
ちょっと確認しておきたいと思いますが、かつて手挙げ方式という思い切った手法を採用されたことは、私は評価されるべきだと思います。初年度は九百五十三件の提案があった。しかし、昨年は三百三件、三分の一ですよね。しかし、三百三件の提案があったにもかかわらず、実現の運びになりそうなのが百十六件ということで、三分の一しか採用されていないわけであります。
こういったところに、もし、自治体の側からすれば、提案したところでそんなにいい答えは返ってこない、簡単じゃないという諦めムードが広がれば、この仕組み、手法そのものが、これから先、十分機能しない。今大臣は周知徹底とおっしゃいましたけれども、それ以上にこの要望をどう実現するかというところにこそ、むしろ注力していただきたいと思いますが、この点、いかがですか。

○山本(幸)国務大臣 それはもう委員御指摘のとおりだと私も思います。したがって、いかに提案を受けて実現を図っていくかということが大変大事になります。
ただ、提案については、実現しなかったものもあるわけですけれども、これにも幾つか理由がございまして、例えば、知事会は反対している、一方で市町村の方からはやってもらいたいというようなことで、意見の相違があって、なかなか結論が得られなかったということもあります。
それから、予算とか、あるいは全体の税財政については、これは総務省等のところで考えていただくというようなこともありまして、そういうものを除いていきまして、そして最終的に提案が実現というのが百十六件ということでありまして、その意味では、可能性のあるものについてはかなり、七六・五%ですから、やっていると思いますけれども、その辺の区分けの認識について、まだ十分理解ができていないということがあるのかと承知しております。
ただ、全国知事会や市長会は、このやり方については大変評価しておりまして、ぜひしっかりやってもらいたいということでありますので、お互いの理解を深めながら実現を図るようにしていきたいと思っております。

○小川委員 まさに、知事会と市長会の意見が合わないようなときこそ、大臣のリーダーシップが問われる、その真価が問われる事案だと思うんですよね。そういう意味で、大臣に期待される力量といいますか、それは非常に大なるものがあろうかと思います。
今回、幾つか複数の改正項目がありますが、目玉の一つは、いわゆる幼稚園型と保育所型のこども園に関する許認可権限を、現在の都道府県から政令市に移すというのが目玉の一つだと理解をしています。
ただ、これも、今まさに、知事会と市長会、あるいは関連の業界団体がいろいろあるでしょう。その兼ね合いがあってこその現在の形かもしれませんが、ちょっと制度論的に理解に苦しむ部分も多いんです。
例えば、幼保連携型、幼保一体型のこども園は、既に中核市まで含めて権限移譲されているわけですよね。幼保連携型ですから、従来にない類型ですよ。新しく設けた類型。したがって、さまざまな複雑な制度運用から、あるいは補助金や許認可を含めた手続から、あるいは子供たちの受け入れ体制から、かなり工夫と苦労がある世界だと思います。これが中核市まで移譲されているのに、なぜ幼保、幼稚園型、保育所型という従来型のシンプルな形態が都道府県でなければならないのか。
今回、政令市に移すことが一つの目玉ですが、なぜ中核市はだめなのか。これはちょっと説明するのは難しいと思いますが、いかがですか。

○中島政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の点については、歴史的経緯がございまして、今、現行法はこうなっているということを今から御説明させていただきます。
認定こども園法ができたのは平成十八年でございまして、そのときに、幼保連携型の認定こども園については、幼稚園と保育所というものの類型を合体させるということで、幼稚園部分については都道府県で認可をしていただく、保育所については、都道府県、政令市、中核市で認可をしていただく、その前提の上に立って、認定こども園として都道府県で認定をしていただくという、ある意味複雑な仕組みになっていたわけです。
それが、平成二十四年に、先生方、民主党政権のときに、総合こども園構想というものを打ち出されまして、保育所といわゆる認定こども園の全類型を総合こども園に一本化しようという形の構想を御提示いただいたわけでございます。
その中では、その総合こども園は、認可、認可、認定、そういう複雑な仕組みじゃなくて、認定という形で手続を一元化し、その認定を行う主体も、都道府県のみならず、政令市さらには中核市まで落とすという中身であったわけです。それがいわゆる総合こども園構想です。
それが、その後の税と社会保障の一体改革の議論の中で、民自公で協議をし、合意をされた結果、総合こども園の一本化というものはとりあえずおいておいて、現行の認定こども園制度というものを基礎づけて、それを改善していこうという形で制度が見直されることになった。ただ、その際、幼保連携型の認定こども園については、従来のような複雑な認可、認可、認定という形ではなくて、認可に一本化し、そしてかつ、認可権者も、都道府県のみならず、政令市、中核市まで落とすという形になっていたわけでございます。それは、衆議院における修正でしていただいたということでございます。
その際、今委員御指摘のその他の類型については特段の手当ては行っておられなかったということで、制度的には若干複雑な仕組みにこれまでのところはなっておったという経緯でございます。

(略)

○小川委員 ということ、一事が万事でありまして、分権という切り口からのお尋ねではありますが、非常に、政策効果の検証また実現に向けた意気込みにおいては極めて道半ばだということは改めて指摘をしたいと思います。
二、三、追加でお尋ねしたいのが、大臣、私ども民主党政権時代、もちろん大きな、いろいろな反省があるわけですけれども、ただ、この分権改革、当時は地域主権改革と言っておりました。目玉の一つは、やはり一括交付金だったんですよね。各省にまたがる補助金を統合して、そして地域のニーズに合わせて、場合によっては予算配分を組み替え、そしてできるだけ手続も簡素にして、自治体の自主性なり自立性を高めたいという文脈での政策でありました。それが廃止されているわけです。
一方、これはちょっと二つの観点から疑問に思うんですが、沖縄に対しては、この交付金は当時のまま残され、あるいはさらに拡充をされ、そしてソフト事業にまで踏み込んでいるわけであります。沖縄で喜ばれる施策であれば、全国四十六、その他の都道府県であっていいと思うんですよ。
今回の提案募集方式、約二百件が未実現、実現不可能ということなんですけれども、よく見ると、例えば、はねられたものの中に、TPP関連対策の補助事業を一元化してほしいという要望とか、それから、まさに、こども園に係る交付金制度がさまざま複雑なので一元化してほしいという、補助金の統合化に関する要望が出ているんですよね。それは、さまざま理屈がついているようですけれども、はねられているわけです。
大臣、これは改めて、どの政権がとか誰が政権を担当しているかにかかわらず、いいものはいい、望まれるものは望まれるで、この補助金の統合、一括交付金とあえて呼ばなくて結構です、各省にまたがった補助金の統合、そして自由度の高い交付金化こそがこの分権改革においては極めて大きな目玉になり得ると思いますけれども、大臣、いかがですか。

○山本(幸)国務大臣 御指摘の趣旨はよくわかりますが、沖縄については、本土復帰、四十七年に成ったわけでありますけれども、累次の沖縄振興法制に基づいてさまざまな振興策を講じるなど、本土とは異なる特殊な諸事情がございます。
 このため、沖縄振興交付金については、沖縄県からの要望を最大限尊重し、沖縄の実情に即してより的確かつ効果的に施策を展開するために、ソフト、ハード両面から措置する必要があることから、沖縄振興特別措置法の改正時、平成二十四年四月施行ですけれども、に新たに規定を設けて創設されたものと承知しております。
 一方、沖縄を除く全国を対象とした地域自主戦略交付金につきましては、地域の自由裁量を拡大するため投資補助金の一括交付金化に取り組むものとして創設される等、その政策的な位置づけが、そもそも成り立ちが異なっているということで、同様に扱うことは適当でないと考えております。そういう問題がございました。
 それから、一括交付金を廃止したということでありますけれども、これは、運用する中で、対象事業が従来の補助金事業に限定されていることや、事業規模の年度間の変動や地域間の偏在を考慮すると、交付対象を一般市町村に拡大することは困難であったこと、それから手続の煩雑さといったさまざまな問題点が地方公共団体から指摘をされまして、平成二十五年度に廃止し、運用改善を行った上で各省庁の交付金等に移行しているものと、そういう意味で改善を図ったというふうに理解しております。

(略)

○渡辺(周)委員 ですので、どうぞ各省庁はそこは連携をしながら、地方の、ぜひともインバウンドに対応したインフラ整備、特に交通機関においては互換性を高めるべくいろいろ取り組んでいただきたい、そのことをぜひ強く申し上げたいと思います。
さて、それでは次の質問に移ります。
やはり、きょうの議題となっております法律、地方の自主性、自立性ということで、いろいろな法律の義務づけ、枠づけの見直しということが、我々も、先ほどの小川委員と同様に、反対するものではございません。むしろ、我々としては物足りないぐらいなんですが。
やはり、そうはいっても、法制度を幾ら任せても、変えていっても、肝心な地域の活性、地方創生ということに関しては、最初に申し上げたような例えば財源、自主財源ね、ふるさと納税はちょっとだけ触れました。それから、もう一つはやはり人ですよね。特に若い人たちの流出というものが今深刻な問題になる中で、きょうはちょっと残り限られた時間ですが、高校と大学について国の考え方を伺いたいと思います。
一つは、大学。最近、地方の私立大学の公立化ということが進んでいます。もうこれまでに大学七つが公立化をして、今後、六つの大学が予定、検討をしているということでございますが、これは、若者の流出、大学の経営が非常に厳しい中で、今、大体、私立大学の四割が定員割れと言われる中で、地方から撤退されると若者もいなくなる。だから、どうしても、公立にしてでも残したい。
反面で、私立の大学にしてみますと、公立化することによって、これは地域活性化の担い手をつくるということも地域にとってはありがたいが、実は、この交付金は国からの交付税で賄われるということになるわけです。
学生にとっては公立化によって学費も下がるし、競争率も上がったし、若者は残ってくれるし、うれしいんですが、ただ、これがずっと続いていくと、私立大学がどんどん公立化をすべく、ある意味では救済をされるということに関して、私立の学校の中でも不公平感が出てくるんじゃないかという指摘もございます。その点について、この私立大学の公立化について、大臣はどうあるべきだとお考えになっているのか。
それともう一つは、高校の、ちょっと時間がありませんので、分けていた質問を一つにしますと、地方への留学制度。
有名なのが、島根県隠岐の島の島前高校というところで、これは、島の外から、島根県はもとより全国から募集をして、今、この方式をまねて沖縄や北海道でも、いわゆる島外からの留学をふやして、若者の移住、定住をしていこうと。そのためには、ICTを導入したさまざまな授業の、先生が足りない部分の穴埋めもします。あるいは地域の人たちが一緒になって進学のための公営塾のようなものをつくったり、あるいは、実学として、地域の方々の協力のもとで、教室の中では学べないことを学ぶことによって、生き生きとした、いろいろな勉強ができて、将来は島の活性化に役立とうと。
何とかその島前高校の場合は、定員割れしていた学校が、何と定員が倍になったというような成功例がよくニュースになるわけですけれども、今申し上げた高校と大学、やはり教育機関がなくなることによって若い人たちがいなくなる。特に深刻なのは、高校がなくなってしまうと、十五歳の子供を持った家庭は、地域になかったらもう家族も一緒になって出ていってしまうんですね、教育機会がないということで。ますます若者の流出、働き盛りの流出に拍車がかかってしまうわけなんです。
まず、私立の大学の公立化について大臣のお考え、そしてまた、この離島留学にかかわらず、過疎地域の、例えば高校が今後そういう県外留学なんかをふやしていくための、どのように援助したり支援をしたらいいか、そんなことでお考えがあったらぜひ伺いたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 委員御指摘のように、少子化が進む中で地方の中小規模の私立大学の経営は大変厳しくなっておりまして、近年、地方公共団体が地域の実情や地域経済への影響などを考えて、大学を地方に残すために公立大学化する事例も見られております。
 私立大学の公立大学化につきましては、第一義的には、地方自治体において、大学で養成される人材の需要や定員の充足、法人経営が見通せるのかを十分検討した上で公立大学としての設置の是非を判断されているものと考えております。
 ただ、こういう問題については我々も大変強い問題意識を持っておりまして、本年二月に、地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議を私のもとに立ち上げまして、地方大学の振興、東京の大学の新増設の抑制及び地方移転の促進、地方における若者雇用機会の創出等について検討を行っていただいているところでございます。
 当有識者会議におきましては、こうした論点も含めて現在さまざまな議論を行っていただいているところでありまして、今後、五月中旬を目途に中間報告を取りまとめていただく予定であり、私としても、地方大学の振興等についてはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 それから、隠岐、島根県海士町の取り組みの、いわゆる島留学制度でございますけれども、私も二度ほど海士町を訪問して、この取り組みについても承知しております。
 同町では、大変教育が大事だという認識のもとに、廃校寸前だった島唯一の隠岐島前高校におきまして、島全体を学校、地域住民を先生、地域課題を教材とするということで魅力化して、全国から意欲ある生徒を募集する島留学が平成二十年度から行われております。私も訪問し、同町で、島前高校を支援するために公立の塾を立ち上げております。隠岐國学習センターを設立して高校の学力を上げ、全国からの進学希望者も増加していると。近年、島外枠が厳しいために中学生の段階から親子で移住してくる例も出てきているなど、地方創生モデルとしては大変すばらしいものだと考えております。
 また、例えば北海道の音威子府村というところでは、村立の美術工芸高校が、地元木材を生かした木工芸の教育で、北海道最北の宗谷管内から鹿児島県まで全国から生徒を集めている。そして、生徒たちが村の運動会など村内行事へ積極的に参加することにより、村の活性化にもつながっていると聞いております。
 このように、地方において高校段階から生徒を集める取り組みにつきましては、地方創生において、新たな人の流れの創出や、生徒や住民に多様な価値観が生まれる、育まれるという観点から大変重要なものと評価し、できるものについては私どもも支援をしていきたいと思っております。

○渡辺(周)委員 ぜひ、これは実は、島のいろいろな、昨年の夏に、私が沖縄の委員長をやったときに、久米島でも、やはり島前高校をまねた久米島高校も、こうして実は島外留学を受け入れています、東京や横浜にも説明会に行ってと。やはり進学に対する例えばインフラがありませんから、進学を考えたときに、どうしてもデメリットということもあります。そこはICTの力で、ほかの学校の共通授業を受けたりしながら、何とかできる部分もあります。やはり、そこはぜひ最大限利用していきたいと思います。
島で成功すれば、実は、私の静岡県の伊豆半島も、この春の高校、二月ごろに募集人員に対する応募人員が、もう定員割れをほとんどしているわけですね。そうしますと、いずれ、地方の、これは離島に限らず、やはり過疎地域と言われるところにある唯一の高校も、将来的にはどんどんどんどん縮小して、最後は廃校になるのではないか。そうすると、まさに十五歳を抱える家庭は出ていっちゃうわけですから、ぜひ、これは一つの例として、離島で成功するものならば、地続きの各地、日本全国の各地でも成功するだろうということで、何とか後押しをしていきたいと思います。
もう時間が来ました。いろいろ、実は、中央省庁の地方移転についてもただす予定だったのですが、時間がなくなりましたので、別の機会に質問をすることとします。答弁を用意された方には、大変御足労いただいて申しわけなかったんですが、時間の決まりがございますので、これで質問を終わらせていただきます。
ありがとうございます。

○木村委員長 次に、坂本祐之輔君。

○坂本(祐)委員 民進党・無所属クラブの坂本祐之輔でございます。
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、第七次地方分権一括法についてお伺いをさせていただきます。
今回の法案について、政府は、地方分権改革に関する提案募集要項において、国、地方の税財源配分や税制改正に関する提案及び国が直接執行する事業の運用改善に関する提案等については、これまでどおり、権限移譲または地方に対する規制緩和に当たらないものとして、提案募集の対象外とされておりますけれども、私は、ここが地方分権改革を推進していく上で最も重要な点であると考えておりまして、この点を排除してしまいますと、地方分権改革は今後も全く進まないと考えております。
ここにこそ政府の地方分権に対する姿勢があらわれているのではないか、本当に分権改革を進めようとしている意思があるのか、まず大臣の見解をお伺いいたします。

○山本(幸)国務大臣 平成二十六年六月に、地方の代表も参画している地方分権改革有識者会議におきまして、権限の移譲及び地方に対する規制緩和について提案募集方式の活用が提言され、政府としては、これに基づいて取り組みを進めているところであります。
こうした中で、税財源配分や税制改正等の財源措置については、国、地方を通じた税財政制度全体を視野に入れ、専門的に検討すべき事項であり、地方の多様性を生かして個別に制度改正の提案を検討する提案募集方式にはなじまないため、対象外としております。また、予算事業の新設や国が直接執行する事業の運用改善については、地方公共団体に対する権限移譲や規制緩和に当たらないと考えられることから、対象外としているところであります。
そういうことでありますけれども、今後とも、地方の意見に耳を傾けて、個別具体の提案に対しては丁寧な対応に努めながら地方分権を推進するように取り組んでまいりたいと思っております。
こうした国、地方の税財源配分や税制改正というような問題は、これもまた大変重要な問題であることは認識しておりますが、これについては、所管である総務省等の所管省庁において別途検討されるべきものだと考えているところであります。

○坂本(祐)委員 今回の分権一括法におきましては、都道府県から指定都市等への事務、権限の移譲といった地方の中での権限の移譲や、国と地方の間での手続方法の見直し等、国から地方への権限の移譲はほとんど行われておらず、地方分権改革とは言っているものの、地方分権を大胆に進めるようになってはいないという印象を受けますが、いかがでしょうか。

○境政府参考人 お答えいたします。
地方分権改革におきまして、住民に身近な行政はできる限り地方に委ねることが重要であると考えておりまして、これまでの地方分権一括法、具体的には第四次の一括法から前回第六次の一括法まででございますが、これらにおきまして、農地転用許可権限の都道府県または指定市町村への移譲を初めまして、国から地方への権限移譲に関しまして五十二法律を改正するなど、着実に推進をしてきているところでございます。
御指摘のとおり、今回の七次一括法におきましては、国から地方への権限移譲に係るものはございませんけれども、例えば、認定こども園の認定の指定都市への移譲など、政府が重要施策として掲げます地方創生あるいは子ども・子育て支援の分野におきまして、地方の現場で困っている具体的な支障に対しましてきめ細やかな対応を図るなど、大きな成果が含まれているものと考えております。
国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指しまして平成二十六年から導入しております提案募集方式は、地方の現場における支障を解決し、地方創生や住民サービスの向上に資するものとして重要な意義があると認識をしておりまして、知事会あるいは市長会などからも、地方分権改革を着実に進める取り組み、真の分権型社会の構築に資するものなどの評価をいただいております。
今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立ちまして、地方分権改革を着実かつ強力に進めてまいりたいと考えております。

(略)

○坂本(祐)委員 地方の時代と言われて久しいわけでございまして、今御指摘をいただきましたけれども、市役所あるいは町、村の役場、職員は常に地域住民と日々接しているわけでございまして、市町村長も市町村議会議員も日々その地域住民の中にあって、地域で何が求められているのか、福祉向上に取り組んでいるわけでございますから、これは、御心配をいただくよりは、地域の声をもっと行政、いわゆる国が吸い上げて、どのような形で応援したら本当に地方分権が推進できるのか、あるいは地方の自主性や自立性を高めることができるのかという、しっかりとしたアンテナを持つことも大切だというふうに考えております。
政府は、これまでの一連の地方分権改革の取り組みが、この地方分権改革の原点であります平成五年の衆参両院の地方分権の推進に関する決議にある、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会の実現、この社会の実現にどの程度寄与したとお考えになっていらっしゃるでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 地方分権改革の起点となりましたのが地方分権の推進に関する決議でありますが、それから二十年以上が経過し、その間、国と地方の関係の、上下主従関係から対等協力の関係への転換、三位一体改革による税源の移譲、地方に対する権限移譲や規制緩和など、地方の自主性、自立性を高めるための改革を積み重ねてまいりました。
 平成二十六年からは、提案募集方式に基づきまして地方の声にきめ細かく対応することにより、地域課題を解決し、住民サービスの向上を図る具体的な取り組みを推進してきたところであります。
 これらの改革によりまして、地域がみずからの発想と創意工夫により地域社会の発展を図るための基盤の構築が進められてきたものと考えております。
 今後とも、地方からの提案の最大限の実現を図ることにより、地域の実情を踏まえた住民サービスの向上、ひいては国民がゆとりと豊かさを実感できる社会の実現に資するよう取り組みを進めてまいりたいと思っております。

○坂本(祐)委員 地方分権改革と地方創生の関係につきましては、まち・ひと・しごと総合戦略において、「地方分権改革の推進は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生において極めて重要なテーマ」としております。「国から地方への権限移譲や規制緩和に関する地方からの提案について最大限の実現を図るなど制度改正を強力に進めていく」とされています。
また、平成二十六年以降の地方からの提案等に関する対応方針におきましても、地方分権改革の推進は、地方創生における極めて重要なテーマと明記をされています。
地方創生の取り組みには、まさに権限、財源が伴わなければならず、権限、財源の移譲が不可欠であります。私は、地方分権改革の推進は地方創生における極めて重要なテーマであることはもちろん、地方創生は地方分権とセットで一緒に進めていかなければならないと考えております。
しかしながら、以前から指摘をさせていただいておりますけれども、現在の政府の地方創生の取り組みは、むしろ地方分権の流れとは逆行して、中央集権体制を強めているのではと感じてなりません。権限も財源も国が握っている状況で、地域が自立をしてみずからの発想と創意工夫を生かして地方創生を果たしてすることができるのか、疑問であります。
ここでお伺いをいたしますが、地方を創生するための今後の地方分権改革のあり方について政府はどのようにお考えか、具体的にお示しをいただきたいと存じます。
〔委員長退席、田中(英)委員長代理着席〕

○山本(幸)国務大臣 私は、昨年の八月に大臣に就任して以来、地方創生とは地方の平均所得を上げることだと定義するとともに、地方の自助の精神が最も重要だと強調して取り組みを進めてきたところでございます。
地方に対する権限移譲や規制緩和を進める地方分権改革の推進は、まさに自助の精神のもと、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものでありまして、地方創生において極めて重要なテーマであると考えております。
平成二十六年からは、国が選ぶのではなくて地方が選ぶことができるという観点から、提案募集方式を導入しているところでありますが、平成二十八年の提案募集においても、政府が重要施策として掲げる地方創生の分野において、地方の現場で困っている具体的な支障に対し、きめ細やかに対応することができました。例えば、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき取得した土地の活用の促進、既存の住宅を寄宿舎に活用する場合の階段基準の合理化、都市公園内に設置できる施設の明確化など、地域資源の利活用に資する提案が実現いたしました。
また、これまでも長年、地方からの要望が非常に強かった農地転用許可権限の権限移譲や、地方版ハローワークの創設など、地方創生に資する取り組みを進めてきたものと認識しております。
今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、地方分権改革を着実かつ強力に推進してまいりたいと思っております。

○坂本(祐)委員 私は、平成六年に埼玉県の九万都市である東松山市の市長に就任をさせていただきまして、平成二十二年までの十六年間、続けさせていただきました。
その間に、第一次地方分権改革、平成の市町村大合併、三位一体の改革、第二次地方分権改革と、国による地方に対するさまざまな取り組みが行われてきました。そして私も、市長在職中は、国の推進をする地方分権改革に大いに期待をしたものであります。
しかしながら、私が期待をいたしました権限、税財源の移譲を伴った大胆な地方分権は一向に進んでおりませんで、進まないどころか、政策的にはどれもが中途半端であったのではないかというふうに考えております。
第一次の地方分権改革以降、さまざまな事務、権限が国から地方に移される中で、例えば、パスポートの申請手続が市町村でできるようになったこともありました。住民サービスの向上や事務の効率化の向上という面はもちろんあったものの、その後の地方の事務負担や財政負担はふえるばかりでございまして、権限、財源があればもっとさまざまな取り組みができたのではないかと考えております。
現在取り組まれている地方創生につきましても、何度も指摘をさせていただいているとおり、旧態依然とした中央集権的な体制でございまして、国から地方へのばらまき政策でしかなくて、真に地方の本来の活性化や将来の発展を見据えての政策であるとは考えられません。
政府は、地方の将来あるべき姿について本当に真剣に考えているのか、少子化、高齢化、そして地方経済の停滞化等多くの問題を抱えている中で、相変わらず中途半端な政策に明け暮れていてはもう手おくれになってしまう、本当に地方の時代、地域の時代というのがやってこないのではないか、このように心配をいたしております。
地方分権改革のあり方や地方創生の取り組みをいま一度見直して、これから日本のあるべき姿、地方のあるべき姿をしっかりと示すとともに、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会の実現のために、税財源と権限を伴った地方分権を推し進めるべきと考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 御指摘はもっともだと思います。
そういう意味では、平成二十六年からやっております地方に対する権限移譲や規制緩和に関する提案募集方式を導入して、地方の創意工夫を生かすという取り組みを進め、地方分権改革を推進しているところでありますが、その際には、移譲された事務、権限に伴う財源措置について、地方税や地方交付税や国庫補助負担金等により、確実な財源措置を講ずることとしております。一方で、全体の地方に対する税財源配分など地方税財政の見直しについては、総務省等の所管府省において別途検討され、しっかりとやっていただきたいというように思っておるところであります。
また、今後政府が目指すものといたしまして、現在、我が国においては成長と分配の好循環を全国津々浦々まで波及させて、人口減少等地域経済の縮小の悪循環の連鎖に歯どめをかけて、将来にわたって豊かな地域社会の発展を図ることが必要だと考えておるところであります。
このために、地域が持つ魅力、知恵、人材、資源、それを最大限引き出して、国及び地方において、官民の総力を挙げて地方創生を本格展開していかなければなりません。そのために、地方が自分たちの未来をみずからの創意工夫と努力で切り開くという自助の精神が最も重要であり、国としても、自主的、主体的な取り組みを行う地方公共団体に対して、地方創生推進交付金等の財政支援、情報支援、人材支援の地方創生版三本の矢で強力に支援しているところでございます。
また、地方分権改革についても、地方の自助の精神を制度面から体現し、地域の実情に応じた住民サービスの向上を進めるための重要な取り組みと考えておりまして、先ほど申し上げました提案募集方式に基づいて地方からの提案にきめ細かく対応することにより、地域がみずから課題解決を図るための基盤の構築を進めてまいりました。
今後とも、地方の未来そして日本の未来をみずからの手で切り開くことができるよう、分権型社会の確立を図りつつ、地方創生に取り組む地方を積極的に支援してまいりたいと思っております。

○坂本(祐)委員 地方の時代と言われて大変久しいわけでございます。しかし、依然として地方の時代は到来しておりません。それはひとえに、政府が、そして省庁が権限を握り締めて、党利党略あるいは官僚の既得権益がそこにあるからではないか、私たちは地方にいたときにそのように感じてなりませんでした。本当に地方分権を推進するのであれば、私は道州制をもっとしっかりと推進するべきだと考えておりますし、また同様に、都道府県のあり方にも問題があるのではないかと思います。
平成の大合併が終わって、本当に地方は豊かになったのでしょうか。都市間競争は激化をして、ふるさと納税のように、真にふるさとを思う、そして地域を思うがゆえに納税を行うのではなくて、個人の利益に走ってしまい、それを、行政が拍車をかけてしまう。本来の地方の豊かさというのは、ふるさとを愛し、そこで生活を営む方々が、ささやかであっても、将来に夢や希望を見出して、そして豊かな生活を続けることができる地域なのではないかと考えております。それは、大都市で暮らしていても、地方で暮らしていても、同じでございます。
国は国で行うこと、地方は地方で行うことをしっかりと分けていく、そして、そこに暮らす方々がその地域や郷土に必要なものを行政を通して実現していく、そういった住民主体のまちづくりを実現させることが国の役割ではないのかということを申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
〔田中(英)委員長代理退席、委員長着席〕

(略)

○田村(貴)委員 やはり、新設を抑制するという方向から脱却していかなければならない、そういう状況に地方が来ているというふうに思います。
ここの項の最後の質問なんですけれども、公営住宅法の改正は、この間、地方分権改革関連の一括法の中で行われてまいりました。二〇一一年の第一次分権一括法では、入居収入基準についての条例委任が行われました。また、同年の第二次一括法では、建てかえ事業を施行する土地の面積、整備すべき公営住宅の構造といった公営住宅建てかえ計画の記載事項について、義務から努力義務にしたわけであります。
これらは、公営住宅の建てかえ事業制度にかかわる重要な改正でありました。しかし、この国交省所管の法改正を審議するのが、この地方創生特別委員会であります。
今申しましたところの改正質疑に立ったのは、議員でたった一人であります。第二次一括法では誰もされなかったわけであります。なぜなのか。第一次は四十一本の法律が束になりました。第二次では、何と百八十八本の法律が一括して出されたために、取り上げたくても取り上げられなかった、こういう状況であります。こういう提案の仕方というのは、やはり国民にもこの内容が十分行き渡らないというふうに考えるものであります。
山本大臣にお伺いします。
今回も、今議論しましたけれども、たくさんの懸念があります。そういう法改正であります。公営住宅入居の収入基準や建てかえ事業について、これだけ重要な案件にもかかわらず、この審議で国土交通大臣は答弁されないんですよね。そして、立法府の役割をこれでは十分果たせないのではないかなというふうに私は考えます。
こうした、一括して提案していく、重要法案を束となって一括提案するというやり方はもう見直さなければいけないというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 今回の法案は、過去六次にわたる一括法と同様に、地方公共団体への事務、権限の移譲、義務づけ、枠づけの見直し等を通じて地域の自主性及び自立性を高め、みずからの判断と責任において行政を実施する仕組みに改めるという同一の趣旨、目的を有するものでありまして、一括法として統一的に見直すことが適当であると考えているところであります。
また、本法案は、提案募集方式という共通の枠組みに基づき措置することとした改正事項を盛り込んでいるところであり、関係する法律を個別に改正するよりも、一括して改正案を取りまとめることにより、改正の趣旨、全体像がわかりやすくなるものと考えております。
今後とも、改正する法律の趣旨、目的及び改正の経緯に鑑み、統一的に見直すことが適当であるかを検討しつつ法案を提出してまいりたいと思います。
なお、公営住宅法の改正についても、提案募集方式による地方からの提案に基づき検討が行われたものであり、現地建てかえ要件の緩和により、円滑な公営住宅の建てかえ、集約の実施が可能となることで、地域の住宅事情を踏まえたより適切な公営住宅の管理運営に資する等、地域の自主性及び自立性を高めるものであると考えております。

○田村(貴)委員 地方自治体からの提案であれば、なおさら重要な案件であります。所管大臣がちゃんと答弁に立てるところ、そうしたところで一本一本やはり法案というのは審議していくべきだというふうに思います。
この辺の改善を求めて、次の質問に移りたいと思います。藤井政務官、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。
続いて、東京圏一極集中の是正について伺います。
総務省から、住民基本台帳人口移動報告、二〇一六年結果が一月に発表されました。この中で、東京圏の転入転出の状況について説明をしていただきたいと思います。

○千野政府参考人 お答えいたします。
二〇一六年の住民基本台帳人口移動報告から東京圏の転入転出超過数を見ますと、十一万七千八百六十八人の転入超過となっております。東京圏の転入超過は、一九九六年以降二十一年連続でございます。また、この転入超過数は、前年に比べますと千四百八十九人の減少となっております。東京圏で転入超過数が減少するのは、二〇一一年以来五年ぶりでございます。

○田村(貴)委員 資料を配付させていただいています。
都道府県別転入転出超過数ということでありますけれども、これはもう一目瞭然であります。東京圏、東京都それから神奈川県、千葉県、埼玉県、群を抜いて転入超過になっている。ほかの県はほとんど転出超過になっているということです。
私は福岡県でありまして、北九州市に暮らしているんですけれども、山本大臣御存じのように、北九州市の転出超過というのは日本で群を抜いているといったところで問題にもなっています。
その福岡県が転入増になっているのは、福岡市を中心とする福岡市都市圏の転入増の話であります。その福岡都市圏をもってしても、東京圏と比較しますと、東京圏との間では転出超過になっているという状況でありまして、やはり東京圏が全国の若者を中心として吸収しているという状況にあるわけであります。
この一極集中が長年にわたって変わっていないということであります。一九九六年といいますから、二十一年連続で東京圏の転入超過が続いているということであります。
こうした状況の中で、お尋ねしていきたいというふうに思いますけれども、政府は、まち・ひと・しごと創生総合戦略、二〇一四年のこの戦略の中で、東京一極集中の是正として、二〇一三年を起点に、東京圏から地方への転出を年間四万人増加させ、地方から東京圏への転入を年間六万人減少させて、二〇二〇年の時点で東京圏から地方への転出転入を均衡させるという方針を閣議決定して打ち出しました。
しかし、現実には、二〇一三年以降、目標と真逆の状況になっていることを、私は昨年、本委員会でもそれから別の委員会でも再三にわたって指摘して、この計画の見直しはしないのですかということをお尋ねしてきました。
当時の石破大臣は、KPIについては見直しをしないというふうに言われたんですけれども、今般、まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一六改訂版については、総合戦略の見直しについても言及しています。ここについて説明をしていただきたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、二〇一六年、五年ぶりに若干は減少したんですけれども、依然として東京一極集中の傾向は続いていると承知しております。
こうした厳しい状況が続いておりますが、国としては、企業の地方拠点強化税制の拡充、政府関係機関の地方移転、プロフェッショナル人材の地方での活用促進、若者の地元就職時の奨学金の返還免除、生涯活躍のまちの実現、地方創生インターンシップ事業等、多岐にわたる施策を推進するとともに、新たに創設した地方創生推進交付金や各府省庁の地方創生関連予算等を通じて、意欲と熱意のある地方公共団体の取り組みを積極的に支援してきたところであります。
さらに、今後は、空き店舗など遊休資産の活用や地域経済を牽引する事業への支援のほか、地方大学の振興、地方における若者雇用、東京における大学の新増設の抑制等についての総合的な対策の検討等を推進することにより、東京一極集中是正の基本目標達成に向けて最大限努力してまいりたいと思っております。
ただ、二〇一七年度は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で五カ年を展望した中間年に当たります。その意味で、総合戦略で設定している基本目標やKPIについても必要な見直しを行い、より効果的な対応を検討することとしているところでありまして、基本目標について必要な見直しを行う中で、その目標を修正する可能性については否定いたしません。

○田村(貴)委員 まさに、ここの一丁目一番地に掲げた目標については、中間年であるので見直しになっていくというふうな理解として受けとめました。
そこで、私は、この東京圏一極集中の是正が地方創生の一丁目一番地だというふうに思って、前の大臣、石破大臣もそのとおりというふうにお答えいただいたんですけれども、その旗印は鮮明であったとしても、その旗印がオール・ジャパンとしての方針になっているのかという疑問があります。
東京圏の一都三県については、転入超過を縮小させる目標を掲げているんでしょうか。(山本(幸)国務大臣「もう一回質問を」と呼ぶ)

○木村委員長 もう一度質問して。ごめんなさい。

○田村(貴)委員 まち・ひと・しごとの一丁目一番の目標は東京圏一極集中の是正なんですけれども、では、その東京圏である一都三県は、転入超過を縮小させるというような人口ビジョンを打ち出しているのでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 地方創生は、地方と東京都がパイを奪い合うゼロサムではなくて、地方と東京都がそれぞれの強みを生かして日本全体を引っ張っていくプラスサムでなければならないと考えております。
 こうした認識のもとで、石破前大臣のときに一都三県との間で地方創生に係る課題についての連絡会議を設けて、連携の方向性について検討したと承知しております。
 地方人口ビジョンは、各地方公共団体において、人口減少をめぐる問題の認識の共有と目指すべき将来の方向性を提示することを目的として策定されているものでありまして、委員御指摘のとおり、一都三県の地方版総合戦略、人口ビジョンでは、東京圏と地方との転出入均衡という国の目標には必ずしも触れられてはおりません。

○田村(貴)委員 そうなんです。そうなっていないんですよね。ここは非常に大事なところであるんですけれども、まち・ひと・しごとの総合戦略の一番中心的な目標が、御本尊の、肝心な一都三県の政策と整合していないという一番の大きい問題があります。
転入超過が桁違いなのは東京であります。その東京は、個々人の意思に反して政策的に誘導することは困難である、人口の流入超過について、これを政策的に動かしていくことは難しいというふうにされています。
去年、石破前大臣は、このくだりにはかなり違和感を持つというふうにおっしゃいました。そして、東京圏の知事と問題意識を共有するところから作業を始めているというふうにお答えになったわけであります。
新しく大臣となられた山本大臣は、この重要問題について、東京都の小池知事あるいは三県の知事と、この問題についての認識を共有する話し合いを持たれておられるでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 直接一都三県の知事と一緒に会合したということはありませんけれども、地方六団体との意見交換会や国と地方の協議の場などについて、東京一極集中の是正を含む地方創生の諸課題については地方公共団体と意見交換しております。
 小池知事とは個人的にもお話をしておりますが、小池知事は、東京をぜひ国際金融都市として引っ張る姿にしたいと言っておられます。
 一方で、私は知事に対しても、やはり東京で余りに人口が集中する、特に若者が進学や就職のときに集中するというのは、これは問題があるという指摘もして、ぜひお互いにウイン・ウインの関係になるようにいきましょうねというような話をしているところであります。
 私のもとで、今、先ほども紹介しましたけれども、地方の大学の振興や若者の地方での就職支援、あるいは東京における大学の新設、増設についての抑制というようなことについての議論を行っていただいているところでありますが、そこで私が指摘したのは、私は経済理論的に物を考える癖があるものですから、もうこれは市場が失敗している、明らかに。東京と地方では与えられた条件が全く違う、それから情報量が違う、そういう意味からいえば、市場の流れに任せていては全く解決できない。
 そういう市場の失敗があるときには行政が介入をすることは可能であるというのがこれまでの私が学んできたことでありまして、そういう意味で、何らかの対策を講じないとこの傾向はなくならないと思いますので、そういうことも含めて今、有識者会議で検討していただいているところであります。

○田村(貴)委員 大臣が小池東京都知事と国際金融都市等についてお話しすることは、いろいろな重要なことがあると思います。
しかし、地方創生担当大臣としては、この問題が一丁目一番地なんですから、国としては、日本全国の人口減少社会に突入している中で、ここをクリアしないと地方創生ができないと言っているわけですから、この問題に限って、東京都、それから神奈川県、埼玉県、千葉県の知事含めてお話をされるのがやはり重要だというふうに考えております。
大臣は、大臣着任以降、六十五市町村を視察されたと。たくさんの地方創生の事業を御視察されたということは、これは非常に有益であるし重要であると思います。しかし、一番大事なところは、私が今申し上げたところだと思うわけなんです。
そもそも、二〇一四年の十一月、まち・ひと・しごと創生法ができたときに、この総則の目的、第一条には、「急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、」つまり、この問題は、人口問題を考えて、そして扱うんだと。そして、東京圏への人口の過度の集積を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保していくという大前提があるわけですね。この旗頭が基本になっているんです。この旗頭があって、この創生委員会も開かれているわけであります。しかし、現実は、閣議決定した目標も全く変わらない。
先ほど、東京圏の転入超過数が少し減ったと言いますけれども、これは少子化が一層進んで、そもそも移動する若者が減っているということのあらわれでもありますから、ここは余り強調をされない方がいいと思います。
こういう状況に変わりはありませんので、やはり原点に戻って、地方創生の一番大事な、東京圏一極集中の是正について全力を挙げていただきたい。必要な協議は直ちに開始していただきたいということを申し上げたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか、最後。

○山本(幸)国務大臣 御指摘のところはおっしゃるとおりだというふうに思います。
 そういう意味で、必要に応じて、そうした会もしっかりやっていきたいと思います。

○田村(貴)委員 転出超過の北九州とかの事象については、今度また機会がありましたら議論させていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。

○木村委員長 次に、丸山穂高君。

○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。
維新の会は、今回の地方分権一括法、はっきり申し上げまして賛成でございます。
私、ちょうど役所にいたときにこの分権一括法、原課で、こういうのを、要は、分権すべきものはありませんか、出してくださいという指示が来まして、こんなものを役所に聞いたらあかんやろと思いながら、しかし仕事ですので、しっかりと、これをやるべきだみたいなものを出しました。
しかし、役所に聞いちゃうとどうしても、そんなものは、権限を地方が譲ってほしいと思っていても、しかし、国の方は譲るべきじゃないと考えてできない、分権ができないというのが基本だったんですけれども、その後、地方にもきっちり要望を聞かれるようになってまいりまして、それに基づいて、ほぼ毎年のようにしっかりと、要望の上がってきたものを検討して、できるものからやっていくということでやっておられますので、非常にすばらしい取り組みだというふうに思います。
そうした中で、ほぼ毎年のように改正されていますので、どうしても、最初の方はばあんと大きな規制緩和が進んでいるんですけれども、最近はどちらかというと、言い方がよくないかもしれませんけれども、小粒な改正も多くなったんじゃないかなというふうに言われているところです。それはそれで、別に、大きさが小さいから大きいから悪いというわけじゃなくて、現場において、地方においてニーズがあるのであれば、しっかりやっていかなきゃいけないというふうに思うんです。
しかし、こんなにいっぱい、いろいろなところで規制緩和をしていくと、一方で、地方の要望として、一度改正した部分でも、実は使い勝手が悪くて、もとに戻してほしいとか、逆に行けば、余りこれは使われていませんよねというような声も出てくるんじゃないかなというふうに思っているんです。
この法案は賛成なのでしっかりやっていただきたいんですけれども、確認だけしておきたくて、そうしたものがあるのかどうか、状況についてお伺いできますでしょうか。

○境政府参考人 お答えいたします。
提案募集方式は、地方の発意に根差した息の長い取り組みを図るものといたしまして、これまでの成果として、地方からの要望が強かった農地転用許可権限の移譲、地方版ハローワークの創設などのほか、本年は地方創生や子ども・子育て支援関係を初めといたします、地方の現場で困っている支障を解決してほしいという切実な提案を数多くいただいて、きめ細かくその実現を図ったところでございます。
御指摘の、過去の一括法の改正につきまして、改正前に戻してほしいといったような声は私ども承知しておりませんが、必ずしも十分に活用されていない事例といたしましては、例えば平成二十三年の第一次分権一括法によります保育所の居室面積の基準の緩和、これにつきましては、大阪市さんが活用されておられる一方で、地域要件を満たすほかの市、区ではまだ活用がされていないといったような事例はございます。

○丸山委員 去年ですかね、幼稚園とか保育園落ちた、日本死ねみたいな、死ねというのはけしからぬと思いますけれども、しかし、そうした声が国民の方から上がっているという話が出ていて、保育所が非常に問題になっているんです。
一方で、この面積の緩和、特に東京都なんて深刻で、東京都の話を中心にあのときされていたと思うんですけれども、私なんかは地方の議員ですので、大阪ですけれども、大阪の南の方で、そういった意味でいえば、やはり地方の話というよりはむしろ、先ほど例の挙がった大阪市内だとか、もしくは東京都だとか、愛知もそうなんでしょうけれども、そうした部分の問題にもかかわらず、問題の声が上がっているにもかかわらず、これを利用できていないということなので、実は我が党もこれを見ていまして、今、標準基準にされているんですけれども、参酌基準にしてほしいという要望もさらにあるんですが、一方でほかの、例えば、東京の話、愛知の話も含めて、どうやればもっと使い勝手がよくなるのか、地方の声は本当のところはどこにあるのかというのをしっかりと聞いていただいて、前に進めていただきたいと思います。
担当の方に聞いたら、早速行ってまいりますという話を聞いておりますが、大臣、この点も含めて、今後、改正方針、どういうふうに進めていかれるのか、もし変更とかもとに戻すというものがあれば柔軟にやられていかれるという理解でよろしいんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 この提案募集方式に基づく分権の取り組みは、地方の現場で困っている支障に基づく提案にきめ細かく対応して、地方創生や住民サービスの向上に資するものとして重要な意義があると認識しておりまして、全国知事会、全国市長会等からも、地方分権改革を着実に進める取り組み、真の分権型社会の構築に資するものとの評価をいただいております。
一方で、御指摘のように、これまでの分権改革の一部には、地方公共団体において十分に活用されていない例があるとは承知しております。ただ、それもいろいろ理由もあるようでありまして、まずはその実態をしっかりと調査、把握して、どうしたら、まさに地方の創意工夫が生かせて、地方公共団体の課題解決を図れるかということは検討していきたいと思います。

○丸山委員 しっかりとよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
この法案に関しては、きょうこの後採決ということでございますので、我が党もしっかり賛成していくということでございますけれども、次に、閣法として今、特区法の改正も予定されております。我が会派は毎回お時間を、もちろん会派ですのでいただけるんですけれども、いつも大体十五分か二十分でございまして、なかなかそれぞれに対してしっかりとした充実した審議がしにくうございますので、ちょっと先回りぎみなんですけれども、この特区法に関しても少しお聞きしていきながら、次の質疑につなげていきたいというふうに思うんです。
私、今回の、きょう採決する地方分権一括法の方はしっかりやっていくべきだと思うんですけれども、この特区の方は、もちろんやっていくべきなんですが、分野によってはしっかりとチェックしていかないと、五十年後、百年後の日本の姿を考えたときに、もうこれは大変なことになる可能性もあるものが含まれているんじゃないかというふうに思うんです。それは、いわゆる農作業に従事する外国人の受け入れ特区という形で、今回、含まれています。
昨年の臨時国会でも、介護分野への労働者の受け入れの話で、いわゆる技能実習制度の拡充という話をされてきました。そうした中で、まずデータからお伺いしたいんですけれども、どれぐらいの方が今日本に労働者として来られているという数をお伺いしていきたいんです。
まず最初に、我が国における外国人労働者の数とその推移、主な国別、どういった方々が来られているのか、割合についてお答えいただけますでしょうか。

○大西政府参考人 日本国内に就労する外国人労働者の数でございますが、外国人雇用状況届け出というのがございまして、これによりますと、平成二十八年十月末時点での集計で約百八万人でございます。
推移ということでございますが、平成二十六年の十月末時点では約七十九万人、平成二十七年の十月末時点では約九十一万人でございました。
また、国別の割合ということでございますが、平成二十八年十月末時点の外国人労働者の数を国籍別で見てまいりますと、先ほども申し上げた全体で約百八万人のうち、中国が最も多くて約三十四万人、続いて、ベトナム約十七万人、フィリピン約十三万人、ブラジル約十一万人という状況でございます。

 


平成29年4月03日 参議院決算委員会

平成29年4月03日 参議院決算委員会

○石上俊雄君 こういう課題も一つあるんですね。施設はあるのは分かる、さらにはその利用状況が少なくて何とかせぬといかぬというか、本当に使うべきものだったらやっぱり残しておかないといけないですから、有効活用するべくいろいろ方策は打つわけでありますが、しかし法的な制約も出てくるという、こういうものがありまして、じゃ、今に始まった話かというと、資料の三の①のところに書いてありますが、平成十七年と平成二十三年、この決算委員会で決議をされた内容を提出させていただいた経緯があるんです。ほとんど同じ内容ですね。有効活用しなさいというんですが、なかなかこの過去に出したものが反映されずに、現在また同じような指摘を受けているというのがこの現状なんです。
そこでお聞きしていきたいというふうに思うんですが、検査院からは、先ほど言った決算報告書には所見が書いてあるんですね、検査院の。その所見が書いてあるにもかかわらず、さらには決算委員会で決議したにもかかわらず、なかなか前に進まない、各府省の保有する研修施設の有効活用が先に進まない。そして、これはいろいろ聞いてみますと、内閣人事局の所管外だというふうな話も聞くわけでございます。
そこで山本大臣にお聞きしたいんですが、政府の中で指摘されたことがなかなか改善されない、先ほどPDCAサイクルと出ましたが、なかなかこのサイクルが回らない、そこの原因というか要因はどこにあるのか、ちょっと御認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(山本幸三君) 内閣人事局は、縦割り行政の弊害を排して、各府省一体となった行政運営を確保するとともに、政府としての総合的人材戦略を確立するために、平成二十六年の国家公務員法等の一部改正により設置されました。
 研修に関しましては、内閣人事局は、各府省等の実施する研修についての総合的企画及び調整を担っておりまして、各府省等において研修が効果的、効率的に実施されるよう、これまでも各府省等に対し研修内容の改善に努めることや相互の連携協力等を求めてきたところでございます。
 ただ、今般の会計検査院の報告書でいろいろ指摘を受けました。そこで、各府省等における効果的な研修の実施がしっかりと図られるように、他府省等への貸出しが可能な研修施設についてどういうものがあるか取りまとめて、それを活用しろというような御指摘もありましたので、先般、これを取りまとめまして、先月の三月三十一日付けで各府省等に対して情報提供したところでございます。そういう意味で、そうした取組によって、是非、効果的、有効な活用がなされてもらうようにお願いしたいところであります。
 今後とも、各府省等における研修が効果的、効率的に実施されるよう、必要な情報提供等に努めてまいりたいと思っております。

○石上俊雄君 是非、効率的な使用というか、環境ができるようにお願いしたいと思うんです。あれば便利というのは分かります。しかし、これもただ単に持っておくだけだとお金掛かっちゃいますので、そこはやっぱりめり張りを付けて、統合できるところは統合するというようなことも視野に入れながら、今後しっかりと検討していただきたいと、そういうふうに思います。
最後のテーマになりますが、三つ目です。昨年四月の随時報告で指摘された原子力災害対策施設の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
ちなみに、四の資料の①のところは、これは、柏崎市の防災ガイドブックということで、自慢じゃないですが、私の実家が柏崎市にありまして、コピーして入れておきました。こういうのが原子力発電所があるところの地域には配られるんです、避難計画ということで。
私の実家は柏崎刈羽原子力発電所から十キロぐらいのところなので、エリア的にいうとUPZというところに入るわけですね。原子力発電所の近くの五キロ圏内、PAZの方々は、何かあったときには即避難する。だから、要配慮者の方はその前段で、みんなが逃げる前に動き出すというような、しっかりとしたこういうものが出されているわけなんですね。
そこで、いろいろちょっとお聞きしていきたいんですが、まず、資料の四の②に記しておきましたけれども、昨年の四月の随時報告書の中で、原発の一時退避所における水、食料、電源用の燃料の備蓄不足、さらにはオフサイトセンターにおける電源用燃料の備蓄不足、おおむね一週間程度稼働するのに、物がなかったということですね。三番の放射線に関する知識の普及啓発のための放射線測定器の未活用問題というのが、三つ指摘されているんです。
これは一年前に指摘されているので、その後どうなっているのか、何でそういうふうな方向になっちゃったのかといったところを、内閣府、御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(平井興宣君) お答えいたします。
平成二十八年度四月の会計検査院の報告書において、平成二十四年、平成二十五年度の原子力災害対策施設整備費補助金により整備された放射線防護対策施設百四十か所のうち、百六か所で水、食料等の備蓄品が整備されておらず、五十九か所で非常用電源装置の連続稼働日数が道府県が設定した屋内退避可能な日数を下回っている、平成二十四年度補正予算の原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器八千六百七十二台のうち、六千七百二十九台が一度も普及啓発に活用されていないという指摘を受けたところでございます。
道府県は、この会計検査院の指摘を踏まえ、まず、水、食料等が未整備の百六か所の施設について、平成二十七年度の原子力災害対策事業費補助金により水、食料費を購入し、必要な日数分を確保しました。また、燃料が不足している五十九か所の施設については、五十五か所の施設において県と県石油組合等との燃料の供給に関する協定等を締結いたしました。また、残りの四か所については、平成二十九年度中に順次締結する予定でございます。
原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器のうち普及等に活用されていないものは、説明会や訓練等で四千百九十八台を住民の普及啓発のために活用いたしました。これらについては、今後も機会を捉えて継続的に活用してまいります。また、現時点で未活用の二千五百三十台についても、平成二十九年度中には説明会や訓練等で住民への普及啓発のために活用することといたしております。
内閣府といたしましては、会計検査院の指摘事項を重く受け止めており、これまで以上に適切に予算を執行するよう道府県に指導していくとともに、引き続き住民の安全、安心を旨として、避難計画を中心とした原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいります。

(略)

○松川るい君 おかしいと思うんですよね。日本中の母親はそれをやっているわけです。日本中の母親が普通にやっていることを業としてやることができないという規制をどうして政府が課す必要があるのか、全く分かりません。常識というものがありまして、それはまあゼロ歳児でふにゃふにゃの赤ちゃんは見守っていないとと、これは分かるんです。五歳児がそこらで宿題をしていて、その横で火を使って調理をしたらそんなに危ないのか。そんなことはないんじゃないでしょうか。これは、時と場合によって、状況、状況に応じてコモンセンスを持って判断すべきことだと私は考えます。
したがいまして、今私は、法律承知しております、見せていただきましたけど、従事すると書いているところをそこまで読み込むのは解釈し過ぎなんだと思うんですね。実際、そうじゃないサービスを既に提供されている方々もおられて大変御好評いただいているわけですから、私はこの、まあ何というんですかね、ちょっとしゃくし定規な余り現実に即さない解釈を是非厚生労働省にやめていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、まだ行きたいんですが、ライフスタイル、大きなポイントになるのが、次は休暇でございます。私は、休暇は単にリフレッシュをするということだけではなくて、消費をしてもらうという意味でも日本経済にも貢献する非常に大事なところではないかと思っております。盆、暮れ、正月とか決まり切った休みだけではなくて、その時期、日本中混み合うわけでございまして、そうじゃなくて、もう自分のタイミングで、一日とかじゃなくて一週間休むことがあってもいいんじゃないのかなと思っております。これも別に今制度上できないわけじゃなくて、皆さん平均的に有給休暇を余らしまくっているわけでございます。
これは、なぜそれが取れないのか。そういう雰囲気じゃないとかいろいろあると思うんですが、ここについては、私は是非、例えばプレミアムフライデーとか、昔は、土曜日も休みじゃなかった時代に、土曜日休んだらもう経済成長しなくなると言われたときもあったけれども、導入をして現在に至っているわけでございまして、政府が、例えばバカンスジャポネとかいってそういうキャンペーンを張って、ちょっと決まり切ったときじゃないタイミングでも少し休む、休んで家族や友達と一緒に時間を過ごして、できれば日本の中でたくさん消費をしてもらって消費も喚起してもらうといったようなキャンペーンを張ってはいかがかと思っております。
まずお伺いしますが、これ簡潔にお願いいたします、日本人の有給休暇取得の現状はいかがでしょうか。

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
年次有給休暇の取得率につきましては、平成二十七年の調査で四八・七%と近年五割を下回る水準で推移をしておりまして、その取得の推進は重大な課題であるというふうに認識をしておるところでございます。
取得をしない理由としては、働く方の約三分の二の方がその取得にためらいを感じていて、そのためらいを感じる理由として、みんなに迷惑が掛かると感じるから、後で多忙になるから、職場の雰囲気で取得しづらいからといった回答が多くなっております。

○松川るい君 ありがとうございます。
まさにみんなで一斉にやらないと変わらないことの典型だと私は思います。是非、まず隗より始めよではございませんが、国家公務員からこういったキャンペーン、名前は私が勝手にバカンスジャポネと言っておりますけど、やっていただいて、特に国家公務員の方々非常に激務でありまして、私もその当時は人のことを言えた義理ではなかったですけど、たくさん休暇を余らせておられます。是非、ふだん激務なのがなかなか変わらない現状はあるかと思いますけど、せめて休みを何でもないときに一週間取ったらどうだというキャンペーンをやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 政府としても、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づきまして、年次休暇の取得促進を推進しているところであります。御指摘のとおり、まとまった形や週末に続ける形で連続休暇を取得することも有意義であると考えております。政府の方の、国家公務員の取得率は六七・五%でちょっと民間よりも高うございます。このため、休暇取得を促進するに当たりまして、各府省とともに、夏季及び年末年始における一週間以上の連続休暇に加えて、一定程度繁忙な時期が継続するプロジェクトの終了後における連続休暇、各職場等の実情に応じた月曜日又は金曜日の休暇等も取得できるよう努めているところであります。
 今後とも、年次休暇の取得促進など、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進に努力してまいりたいと思います。
 ちょっと所管を外れますけれども、御指摘のように、休暇をしっかり取っていくことは、消費も増やすし、観光も進むわけであります。私は、観光関係もちょっとやっていたものですから、そのときの最大のネックは、観光産業が余りに、連休とかそういうときに人が来るんだけど、そのほかのときは人が来ない、そのために正規雇用がなかなかできないという状況があって、これが一つのネックなんですね。その最大の問題は、年休を取ればいいという話があるんですけれども、親が年休を取っても子供が休めないと観光に行けないんです。
 したがいまして、私は、例えば小学校なんかは一週間ごとに各地域ごとに休みをずらしたらいいじゃないかという話をしておりまして、これは、文科省に話をしましたら、その地元の教育委員会がそういうことを認めればできるというような話でありまして、是非、これは今文科省にもお願いしておりますけれども、各地方の教育委員会がそういう考えでやってもらうと平準化していきますので全てにおいて良くなるというようにも思っております。

○松川るい君 大臣、ありがとうございます。
大変いい御示唆というか、私も、小学校の休暇をずらしてくれたら、きっとあちこちに行く人が増えて、消費喚起にもなるし、子供たちもきっと両親と一緒にいろんなところ、日本の中で見られて、教育的にもいいと思います。是非進めていただきたいと思います。
次に、働き方に戻ります。
私、目指すべきライフスタイルの中で、やっぱり仕事って日本人のみならず非常に大きなところだと思いますが、縦にも横にも自由に生きるということをもっと意識したらいいんじゃないのかなと思っております。
縦というのは人生を縦軸に取ってという意味なんですが、特に女性は出産や結婚といったライフステージがありますので、ずっと同じ仕事やずっと同じ働き方でなくてもいいし、出産を機にしばらく休むんだけど、また復帰して、そのときには同じじゃなくて、例えばNPO法人を始めることがあるかもしれない、ある人生の時期には学校に行きたくなるかもしれない、いろんなことが人生の中の縦軸にあっていいと思います。これは、既に働き方改革の中でも、柔軟な働き方であるとかそういったところで御努力いただいていると認識しています。
もう一つは、横にも自由でいいじゃないかと。これは、いわゆるマルチキャリアといいますかパラレルワーク、副業、兼業といったことをもっと普通に、やっているのが当たり前というか、そういうことになったらいいんじゃないのかという話でありまして、これは今回出された働き方改革計画の中でも言及いただいているところなので、政府としても御認識いただいているところだと承知しています。
私は、地元の大阪のリーディングカンパニーでロート製薬というところがあって、これは個別企業名出させていただきますけど、ニュースになったから構わないと思いますが、去年の二月に兼業、副業を解禁して、今、応募が六十人から始まったんですけど、いろいろ進んでいて、地ビールの会社というか起業をする人とか、違うところで働く人とか、いろいろ出てきているそうです。
なぜこれをしようと思ったかといったときに、その社長は、人間の能力というのは一つだけじゃないし、いろんな自分の能力を生かしたいと自分は思うし、きっとみんなそうだろうと。そしてまた、そのいろんなところで培ってきた経験とかというのが本業の方にも、新しい発想であったり、そういったものにつながってくると期待しているということでありました。
私は、付け加えて言うと、これがずっと進んでいくと、実は、今、大企業とか企業側は副業をどこかでやってきてもらって主がこっちだと思っていますけど、これがみんなが進んでいくと、企業の方が副業で来てもらう側になることもあり得ると思うんです。例えば、A企業で勤めている人が副業でB企業でいて、B企業も別にちっちゃなところではなくてというようなことも十分あり得るというふうになっていくんじゃないかと思います。
私は、このマルチキャリア、副業、兼業、いろんな在り方があっていいと思うんですけれども、これが進むことはイノベーションの創出にもつながるし、新しいいろんな働き方を柔軟にするという意味でも意味があるし、会社の多様化にもつながると思っておりますが、この兼業、副業をどのように推進していくという御所見か、大臣の見解をいただければ有り難く存じます。

○国務大臣(加藤勝信君) 私も、今委員が具体的な会社名をおっしゃいましたけれども、ロート製薬にも行かせていただいて、その取組についてお聞かせをいただきました。
実際、兼業、副業を希望する方、近年増加しているんですけれども、これを認める企業は決して多くない、むしろ少ないと言っていいんだろうと思います。当然、兼業することによって長時間労働等になってしまってはこれは何のためかということになりますから、そういった健康確保には留意をしつつ、原則認める方向で兼業、副業の普及促進を図っていきたいと私どもは考えております。
兼業、副業には、今委員御指摘のように、いわゆるオープンイノベーション、あるいは起業ですね、ビジネスを起こす、そして、それのみならず、その働いている人たちの能力のブラッシュアップ、開発にもつながっていく、こういうメリットを示していくと同時に、これまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則などにおいて本業への労務提供や事業運営、会社の信用、評価に支障を生じる場合など以外は合理的な理由がなく副業、兼業を制限できないことをルールとして明確化するために、モデル就業規則というものを改定をしていく。
他方、先ほど申し上げた長時間労働を招いたのでは本末転倒になりますので、労働者が自ら確認するためのツールのひな形、あるいは企業が副業、兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドライン、こういったものを策定することによって、先ほど申し上げた兼業、副業の普及促進を図っていきたいと考えております。

○松川るい君 ありがとうございます。本当にすばらしい取組、進めていただければ有り難いと思います。
そのロートの社長がおっしゃっていたのを、私、印象的だった言葉が、今は日本の中では肩書でみんなそれぞれの個人が認識されることが実態だと、これからは副業、兼業をいろいろ進めていくと、肩書じゃなくて、肩書から個人を認識するんじゃなくて、個人から肩書という逆方向に行くのではないかと言っていました。私は、それはとても生き方の豊かさ、まさにライフスタイルの豊かさというのを一つ担う大きなきっかけになるんじゃないかと思っているところであります。
次に、縦にも横にも自由に生きるという両方に関わって、イノベーションにも関わるし、生き方にも関わるという、それからまた、私は、日本の社会の中でちょっと窮屈だと思っているのが、失敗やリスクに対して不寛容であるという、この三つに関わる点なんですけれども、若者の起こし業、起業というのが私は非常に有意義なんじゃないかと思っています。
例えば、高校生で起こし業というのはすごくいいと思うんですね。そのときであれば失敗しても、まあ普通親御さんおられたりするので、経済的にあしたから困窮するということにはならないし、また立ち直りもできるし、いろんな、そしてまた、そのときの経験、失敗を経験にして将来の更なる起こし業であったり違うビジネスであったりに生かすことができると思うんです。
また、そういう意味では、その縦の生き方でも意味がありますし、また、こういう起こし業というのがいろいろあると、全部が成功するわけではない、若者がやるということなので、失敗するということが必ずしもマイナスではない、もちろん皆さんに余り迷惑掛けちゃいけないんですけれども、より日本社会が失敗であったりリスクに対して寛容になっていくという、そういう契機にもなるんじゃないのかなと思っております。
私、政府の方も若者、女性もですけれども、起こし業、推進していると承知をしておりますが、このお取組について今後更に発展させていただきたいと私思っておりまして、どういうふうに現状お取り組みなのか、これからどうしていきたいのかについて御所見をいただければ有り難く存じます。

○大臣政務官(井原巧君) 簡潔にお答え申し上げます。
もう議員のおっしゃるとおりでありまして、こういう社会風潮が、働き方改革も経済の方も、同じようなベンチャーのことも言えるんだろうと、少し保守的なんだろうと思っております。
私が政務官に就任してから、高校生、大学生、あるいは若者の大会に出たのは、高校生ビジネスプラン・グランプリとか、イノベーションリーダーズサミットとか、大学発ベンチャー表彰式等、経産省としてもかなり頑張っていると思うんですけれども、これが社会に広がらないことがやっぱり一つの大きな課題だというふうに思っておりまして、経産省といたしましても、是非このチャレンジ精神の高揚を図れるように、経産省としての制度設計とか政策支援とか低利融資とか、様々な側面で取り組んでまいりたいと、このように考えております。

○松川るい君 ありがとうございます。
今ちょっと言及していただいたビジネスプラン・グランプリ、これ今年の優勝者は私のまた地元の三国丘高校だということで、大阪の高校だということでございます。引き続き頑張っていただきたいと思います。
最後の質問をさせていただきたいと思います。今言ったちょっと窮屈だというところにも絡んできますが、何かスキャンダルがあるとすぐに萎縮をして全部駄目になってしまうというのが日本のありがちな、いろんなことに関してあると思うんですね。研究開発についてもそうかもしれないし、一回事故が起きたりするとその研究自体駄目になったりする。
今回、文科省の天下り事案がありました。あれは本当けしからないお話でございまして、しっかりと対処しないといけないのは当然です。ただ、大変、国家公務員、優秀な方が多くて、その人材を一億総活躍社会の中で生かせないというのは、非常に私は間違ったことだと思っております。
今回の文科省の天下り事案によって、私は、公務員の再就職であるとか、その能力の活用において萎縮効果が生じてはいけないと思っています。今回、その公務員の再就職というところで、辞めた後に再就職するということもありましょうし、また在任中に、リボルビングドアとは政治任用の国の話なので同じではないと思うんですけれども、民間と交流をしてお互いに刺激をし合うといったようなことも大事だと思っております。
公務員経験者が民間に出て活躍できるように、在職中も、退職というか、その任を終えられた後もやっていくべきだと思っておりますが、大臣の御所見いただきたいと思います。

○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の再就職につきまして、問題なのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。一方で、公務員が法令に違反することなく再就職し、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには極めて大きな意味があると考えております。したがいまして、規制すべき点は規制しながらも、公務員人材の能力や経験が社会において生かされるように政府としても適切に対応してまいりたいと思います。
 現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームで全省庁的な調査を行っているところでありますが、御指摘の点も踏まえて、どのような対策を取れば実効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

○松川るい君 ありがとうございます。
公務員の皆様におかれては、しっかりとそういう意識で意気高く頑張っていただければと思います。
どうもありがとうございました。
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(略)

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
実は、この金曜日に私ども質問通告をしているわけでございますけれども、プレミアムフライデーでございました。大変申し訳ないなと思いながら私も質問を出したところでございましたんですけれども、やはりこのプレミアムフライデー、大変私は面白い試みだと思っております。
世耕大臣、どのような狙いで、本当にこの効果が上がっているのかどうか、教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(世耕弘成君) 確かにこの委員会に対応するに当たってこの間の金曜日は結構大変だったわけでありますが、薬師寺委員は前日に要旨を通告していただいて、午前中にはほぼ内容を確定していただきましたので、うまくテレワークなんかを使って、きちっと職員はそれなりにプレミアムフライデーを楽しむことができたのかなというふうに思っています。
このプレミアムフライデーは狙いが二つありまして、まず一つは、やっぱり停滞する消費を活性化しようということ、そして、三時という決まった時間に月に一回早く帰るということで、働き方改革につなげていこうということが狙いになっております。
先月、二月二十四日に第一回をやりましたけれども、企業によっては売上げが一割から二割、デパートではやっぱり、あるデパートでは一七%対前年同期比で増えたというところがあります。そして、先月は百三十の企業が従業員への早期退社の呼びかけを実施をいたしました。メディアでも相当取り上げていただきまして、この取組に対する理解、参加がだんだん広がってきているというふうに思います。
この間の金曜日がどうだったかというのを取りまとめろというと週末働くことになるので、これはまだやっていませんけれども、現時点で把握できていることとしては、ロゴマークの使用の申請が六千社以上、そして従業員への早期退社を呼びかけた企業は三百十六社というふうに把握をしております。

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
参議院改革協議会も実は第四金曜日に行っていたんですけれども、来月はちゃんと第三にしようということになりまして、なるべく私どもは公務員の皆様方にも御利用いただきたいと思っております。
と申しますのも、皆様方、資料二を御覧いただきたいと思います。国家公務員のこれは超過勤務の時間でございます。これ、一年間でこれだけということで調べが付いているというふうに私報告を受けましたけれども、これ実は厚労委員会でも取り上げまして、これ本当の数字なのかなと疑問に思っております。
資料三に準備いたしましたのが、これは霞が関で働く女性有志の会が作った資料でございます。やはりこのぐらい女性が働きやすい改革をしていかなければ、とてもではないですけど自分たち生活もしていけないという実態の中で、どうもこの数字、そして私どもが帰りに見て官庁の光がこうこうと八時でも九時でも付いているこの現状から見ると、この数字自体が疑わしいのではないかと私は思っております。
山本大臣、もう少し正確にしっかりと、どのぐらいの残業時間があるのかということを私は把握すべきだと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の超過勤務は、公務のために臨時又は緊急の必要がある場合において正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この超過勤務命令に従って行われるものであります。超過勤務の状況については、これに従って各府省において適切に把握されているものと承知しております。
 国家公務員の長時間労働の是正に向けては、平成二十六年十月に取りまとめた国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づいて、政府一丸となって、ゆう活などを通じた超過勤務の縮減、国会関係業務の効率化等に取り組んでいるところであります。
 今後とも、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間等を上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底してまいりたいと思います。

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
省庁を辞められた後の方の暴露本などを見ますと、これは一か月に三百時間働いたぞという記入があったりですとか、本当に激務であるということも私は国民も認知するべきだと思うんです。残業代が出ないから付けなくていいだろうと、そういうことではなく、やはり私ども、これだけブレーンとしていろんなことで協力いただいている皆様方も働きやすい改革というものを行っていかなければならないと思います。
その中で、働き方改革実行計画の中におきましても国家公務員の長時間労働対策というものが盛り込まれていることが分かりまして、私、大変うれしゅうございました。着実に計画を実行して、国家公務員の皆様方がやっぱり国民に対しても率先的にそういう姿勢を見せていくことというものが大事かと思いますけれども、働き方担当大臣として加藤大臣、一言いただけますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘がありましたけれども、長時間労働を前提とした働き方を改めて、限られた時間内で成果を上げ、生産性の高い働き方へ変えていく、これはもう官民共通の重要な課題だというふうに考えております。
国家公務員においては、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針などに基づき、政府として一丸となって業務そのものの削減、合理化、またゆう活の実施など様々な形で働き方改革を推進してきたところでありますし、また、先般決定いたしました働き方改革実行計画においては、国家公務員については、民間の制度改正を踏まえ、適切な公務運営の確保に配慮しつつ、より実効性ある対策を検討する、また、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間などを上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底する、さらに、年次休暇の取得促進に向けた取組を徹底するとされたところであります。
今後、この働き方改革実行計画を踏まえ、国家公務員について、山本国家公務員担当大臣とも連携をしながら、一体となって働き方改革、また長時間労働の是正に取り組んでいきたいと考えております。