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「アベノミクスを成功させる会」提言

消費税率再引き上げ等についての提言

2016年5月20日
「アベノミクスを成功させる会」

1. 現下の日本経済の最大の問題は、消費の低迷にある。消費は2014年4月の消費税率引上げ(5%→8%)で落ち込んで以来、一向に回復の兆しを見せず、2015年10‐12月期にはトレンドから底割れするという事態にまで陥った。消費の底割れが生じたのは、リーマン・ショック直後以来である。

GDPの6割を占める消費の低迷を受けて、実質GDP成長率も2015年10‐12月期に年率▲1.7%とマイナス成長に陥った。2016年1‐3月期には、これが年率+1.7%となったが、「うるう年効果」(プラス1.2%と推定されている。)を勘案すると回復力はまだまだ弱い。しかも、4-6月期には熊本地震の悪影響も顕在化することから、日本経済は依然厳しい状況にある。

こうした状況を放置していると、GDP(名目)600兆円どころか、デフレ経済への後退、アベノミクスの失敗にまで追い込まれてしまうことになりかねない。直ちに思い切った手立てを講ずる必要がある。その中心は、日銀の力強い金融緩和政策と相俟った政府による思い切った財政拡大策であろう。勿論、成長戦略も必要だが、基本的に成長戦略は供給能力拡大策であるので、需要不足でマイナス10兆円近くのGDPギャップが存在する下では、まず財政・金融による需要拡大策によってデフレ圧力を回避することが先決であろう。

2. その一方で、来年(2017年)4月には、消費税率の再引き上げ(8%→10%)が予定されている。現下の経済状況を考えれば、これを再延期すべきだという主張が出てくるのは当然であり、有力な選択肢であることは間違いない。

ただ、単純に延期を表明するだけで経済が好転する訳ではないことは、一昨年の延期決定から今日までの状況を見れば明らかである。恐らくその要因は、当初の引上げ(5%→8%)時の財政出動が十分でなかったこと、年金生活者や低所得者の実質所得が低下したこと、そして「いずれ消費税率は上がるのだから」という予想から消費が抑制された面があること等にあったと考えられる。また、単純延期する場合、前回延期の際に安倍総理が表明した「リーマン・ショックや大震災といった事態が生じない限り、必ず実施する。」との公約との関係が問題となる。更に、「アベノミクスは失敗した。」との野党の批判に上手く反論できるのかどうかも問われることになる。

今一番大事なことは、一日も早くデフレ完全脱却を果たし、GDP600兆円軌道に確実に乗せることである。このためには、各方面の不確実性を出来るだけ取り除き、不足している需要を一気に創出するような方策が必要だ。その意味で、消費税率についての不確実性が今後とも延々と続くのは、経済にとっても政治にとっても好ましいことではない。

3. そこで今回我々は、公約は守りつつ、しかも実質的には引上げ延期と同等になるような措置を含めた財政出動によって経済を必ず好転させるという責任を財政当局に背負ってもらうという選択肢を提案する。具体的には、次のような政策パッケージの提案である。

① 消費税率引上げ(8%→10%)は、予定通り2017年4月から実施し、当面10%で打ち止めと宣言。

② 今年度(2016年度)の補正で、デフレギャップ解消を目指した10兆円の景気対策と5~10兆円(被害状況に応じ)の熊本地震対策基金の創設。

③ 2017年度には10兆円、2018年度は7兆円を通常予算に追加して計上。その内訳は、消費税率引上げ分は全て還元するという意味での給付金等約4兆円強、残りは日本経済の将来の持続的成長、体質改善につながるような公共投資等。

④ 給付金等の基本的考え方は、年金生活者・低所得者・子育て世帯を中心に所得再分配政策としての給付。住宅と自動車の購入者に対しては2%分の還付。

⑤ 財源は、マイナス金利を活用する意味で原則国債発行による。

4. こうした政策の実現に当たって重要な役割を担うのが財務省である。財務省は、本来、予算査定や税制改正を通じて、健全財政を確保することは勿論、景気循環の平準化や、経済成長に資する施策の検討・実行が期待されている。しかしながら、昨今の財務省は、目先の歳出削減・増税に重きを置き過ぎて、マクロ経済の安定という大きな視点を見失なっている。2014年4月の消費税率引上げ時においても、3%引上げで7.5兆円分のネガティブなインパクトが経済に与えられる以上、大規模な経済対策が「真水」で必要であったにも拘らず、5.5兆円の経済対策に数兆円規模で復興予算を紛れこませ、対策の効果を骨抜きにしてしまった。結果、経済が予想以上に落ち込んでしまったのは衆知の事実である。

経済対策の策定は、様々な予算措置の積み上げとなるため、大まかな提案を政治の側で行うことが出来ても、そうした提案が実際に効果を発揮するようになるための詳細な制度設計は、予算策定のスペシャリストである財務省に任せざるを得ない。そこで、今回は、財務省の永年の悲願である「消費税率の引上げ」を認める以上、財務省としても責任を持って「早急なデフレ完全脱却の実現」、「持続的成長と経済体質の改善」、「GDP600兆円目標達成」を確実なものとすることにコミットしてもらう必要がある。そうでなければ、消費税の負担を最終的に負うことになる国民の理解は、到底得られないだろうからである。

(以上)


リベラルタイム「新・観光立国論」

2015年12月3日発売 リベラルタイム

リベラルタイム (1)

リベラルタイム (2)

 

リベラルタイム (3)

(以下、本文)

「人材育成」「財源確保」による生産性向上が急務

外国人観光客は二〇一五年には二千万人となる。
そのため政府は、二〇二〇年までの訪日観光客数の目標を引き上げようとしているが、
日本の観光業界には人材不足や財源不足等といった課題が山積している

 日本経済の最大の問題は、国内消費が落ち込んだまま回復しないことです。消費税率の引き上げをすると、消費は一年程度で戻ってきますが、今回の五%→八%への引き上げでは戻るどころか消費は一年半経過しても、低迷したままです。大きな原因は消費税引き上げに加え、日本銀行が金融緩和をしたことによって起こった、円安による物価の上昇です。特に年金生活者や低所得者は生活が厳しくなってしまっています。ではどうすればいいのか。考えられるのは所得の再配分です。そして、並行して金融緩和もしていく必要があると思っています。 

 一方、中国人観光客の〝爆買い〞効果等で日本経済が少し潤いましたが、その最大の要因はビザの緩和と免税制度です。日本の免税は世界一使いやすい制度で、通常、諸外国では空港で手続きをしなければいけないところ、日本は各免税店で行えます。それによって、ブランド品等を購入したい中国人を中心とした外国人観光客が増加しています。日本経済が落ち込んでいるいま、景気浮揚効果が見込まれる観光分野には、政府はもっと力をいれるべきだと思っています。 

 そこで必要なのが、持続的な観光政策です。リピーターを増やすということです。外国人観光客に買い物だけでなく、文化財や歴史、伝統等、そういったところに興味を持って頂く。 

 訪日観光客の中でも、歴史・文化を尊ぶ人が多いヨーロッパから来る人は、アジア圏からの観光客に比べ圧倒的に少ない。ヨーロッパから人を呼ぶために欠かせないのが、神社仏閣等といった歴史・文化の魅力拡大です。

「人材育成」が急務 

 外国人観光客数三千万人突破に向けて、歴史・文化へのアプローチ等、政府がやらなくてはならないことはたくさんありますが、特に観光産業分野の人材育成は重要です。 

 先日、流通経済大学で行われた日本国際観光学会の全国大会に行き、苦言を呈してきたのですが、日本には四十二の観光学科を有する大学があるにも関わらず、観光業界に合った多数の人材を育成できていません。観光学科を卒業しても、約一七%しか観光産業に就職していないのです。日本の教育はアメリカと比べると実践的でないのがその理由です。米大学の観光学科、ホスピタリティ産業の教育というのはまず、財務諸表をきちんと読めるようにして、統計学を駆使して分析することができるように教育します。 

 そして、マーケティング能力やコミュニケーション能力等を教えた上で、観光学科で教えるような観光分野、ホテル、飲食業の知識等を教えていくわけです。日本の観光学科で統計学を教えている大学がどれほどあるでしょうか。いまでは、日本より後に観光学科をつくった中国や台湾に人材輩出で抜かれてしまいました。 

 中国ではアメリカ資本のホテルができてから観光学教育が変化しました。アメリカ系のホスピタリティ施設と提携した学校が誕生し、全部英語のアメリカ式カリキュラムで取り組んでおり、人材育成に成功しました。観光産業成功の根幹は人材です。なので、しっかりと人材育成をしていかなくては持続的な観光政策は難しいのです。ただし、持続的な人材育成だけで十分かといえばそうではありません。観光産業を拡大するには利益を上げる必要があります。そのためには、ガイドはボランティアでなく有料とし、神社仏閣の入館料も高額にすることが求められてくるのです。日本には、歴史・文化の資源が地方にたくさんあるので、それを活かすことが一番いいと思っています。 

 訪日一回目は東京、大阪、京都といったゴールデンルートに足を運んでもらうことになると思いますが、その後リピーターになって頂き、次に来て頂いた際は地方にも足を運んで頂く。そのためには、地方空港やクルーザーの港湾整備等を進めなくてはなりません。その際、港や空港に着いたが、一度に入国審査ができないので船内や機内で待機していて下さい、といったことではいけません。そのためにCIQ(税関・出入国管理・検疫)を迅速に行えるようにする。大型客船ではあらかじめ船内で済ませておくことが大切になってきます。 

 また、外国人の有料観光地ガイド、通訳案内士の試験には、一般教養等もあります。難しい資格を取得する必要があるのですが、地方の外国人有料ガイドはそこの話ができればいいわけです。なので、〝地方ガイドライセンス〞というような、簡単に取得できる資格を用意し、高齢者等がガイドとなって現地の人ならではの話をしてあげる。そうすることで地方活性化にもつながりますし、ガイド料や入場料も取れるようになるのです。これまで、神社仏閣は無料同然で観覧できる代わりに説明はしない、といった姿勢でしたが、それではいけないのです。 

 また、アクセスやガイドに付随して重要なのが、宿泊先です。いま、大量の外国人ツアー客の訪日によってホテルや旅館が不足しています。私は民泊を推めようとしていますが、旅館業法違反だという旅館業界の反発もありますので、今後も話し合っていく必要があります。規制緩和できるところは緩和していかなくてはならないと思っています。

財源に「宿泊税」 

 観光は伸び代があり、世界レベルでみれば観光収入でGDP(名目国内総生産)比をいまの二倍にすることも可能です。しかし、何をするにも財源が必要になってくる。そこで、外国人限定の宿泊税を取るべきだと思っています。来たいと思っている人は、少しくらい税がかかっても訪日します。アメリカやヨーロッパも宿泊税は取っています。それを地方財源として活用できれば可能性は大きく広がります。 

 都内ではすでに宿泊税を取っていますが、宿泊者全員に対してなので、日本人も含みます。そして、かかる金額は一人一泊あたりの金額で、一万円以下は課税なし、一万円以上〜一万五千円未満で百円、一万五千円以上で二百円です。しかし、外国人観光客に対する宿泊税にしては少なすぎます。例えば「宿泊料の一%」等と基準をつくるだけでも大分違います。観光庁の予算は現状では韓国の十分の一程度。何ができるのかと感じます。財源確保は急務です。 

 他に、「観光産業は伸び代があるから出資してもいい」という投資家の方もいますので、そこで、地方銀行とタイアップして観光業団体等がファンドを立ち上げ、海外の投資家も含めてお金を集めていく、というやり方もあります。そして観光産業やホテル等に投資してもらうことによって、インフラ整備や施設の設備投資ができます。そういった財源を得る仕組みをつくり、整備を進めることが大切です。 

 先日、『新・観光立国論』を出版されたデービット・アトキンソン氏も仰っていますが、日本には一泊四百万円くらいの超高級ホテルがありません。そして、そういった超高級ホテルにIR(統合型リゾート)といった国際レベルのリゾート施設やコンベンションセンターが併設されることによって、世界的な各種イベントを呼び込み易いのです。それが世界のやり方です。法整備等やり方は十分に検討する必要がありますが、IRというのは大きな投資が生まれますし、地域活性化における大きな力になると思っています。

学校休日の変更 

 一方で、日本の観光業界は非正規雇用が多く、持続的な経営ができていないという問題があります。 

 一番は休日時期の絡みで営業の緩急が激しいことです。ゴールデンウィークやシルバーウィークといった大型連休は忙しいけどそれ以外はそうでもない、といったことです。そうすると、安定的な経営ができないために正規雇用の社員を採ることが難しくなる。すると、熟練者が少なくなり生産性の低下に繋がります。なので、例えば地域ごとに大型連休をずらすといったこと等、対策を考えなくてはなりません。 

 旅行は家族皆で行く方がほとんどです。大人は有給休暇を使えますが、子供にはありません。なので、旅行を考える上で一番大事なのは〝子供が休みかどうか〞です。学校の休日を上手にをばらけさせることができれば、観光業界の雇用問題の解消や生産性の向上になるのではないかと思っています。 

 なにより、観光産業において国内旅行は基礎です。二〇一四年度の観光庁の調査(下段グラフ参照)では、「日本人国内宿泊旅行」の消費額は全体の約六四%を占めており、次に「日本人国内日帰り旅行」が約二〇%を占めています。このように、日本人による国内旅行消費が八割以上を占めているので、いかに日本人に国内を旅行してもらうかも大事になってくるわけです。 

 今後、休日の問題についてはしっかりと文部科学省と話をしていきます。人材育成や財源の確保、ファンド、民泊やビザ等の規制緩和について、真摯に取り組んでいきたいと思います。 

 (談・文責編集部)


海外出張報告「アベノミクスは習近平主席をも動かす」

アベノミクスは習近平主席をも動かす

(参考メモ) 

2015.6.24

衆議院議員 山本幸三

 

1、(二階訪中団に同行)

 大型連休でイタリアとアメリカのワシントンを訪問した後、5月23~25日の強行日程で中国の北京と大連を訪ねて参りました。今回の訪中は、二階俊博自民党総務会長率いる3000人の大訪中団の一員としてのものでした。私は、政治家になったばかりの頃、日本に本格的なホテルスクールを作ろうと思い立ち、毎年コーネル大学のホテルスクールの教授たちを招いてセミナーを開いておりましたが、そのころから観光分野の大御所である二階先生と親しくさせて頂いているのです。過去にも2002年の13000人大訪中団にも参加させて頂いたことがあり、二階先生の中国における存在感の大きさを十二分に承知しておりました。今回は、私自身が自民党観光立国調査会長ということもあって、これは何としても参加しなければならないと、企画当初から二階先生にお願いしていたものです。

 元々私は、政治家になった当初から、アメリカと中国には年に1回は訪問し、定点観測を行うとともに人脈を築き上げることを責務として努めて参りました。お蔭で、その時々の日米・日中関係、世界経済の状況等に応じて相手方首脳の言動が微妙に変化してくるのを感じ取ることができるようになりました。

2、(今回訪中の目的)

 今回私は、二階先生に同行することで習近平国家主席とお会いできることを確信していたので、2つの疑問に対する答えを見出すことを主目的としていました。第一は、習近平主席が政治的基盤を確立しているかどうかということ。第二は、習主席が昨秋と今春の二度に渡る日中首脳会談に応じてきた背景には、中国経済が大きな困難に陥っているからではないかという私の仮説の証明です。

3、(習主席の政治基盤)

 5月23日の夜、人民大会堂で3000人(正確には3162名)の大宴会が開かれるということで私共議員団も1時間半程前から出かけて待機していました。当初この会は、「日中観光交流の夕べ」との名目でしたが、直前になって中国側によって「日中友好交流大会」に変更されました。習近平国家主席が自ら出席する前触れだと、胸が高鳴りました。ところが、二階先生外13名の議員団が控室で30分、1時間と待ち続けても一向に中国側からの反応がありません。実はこのとき、中国側では大激論が戦わされていたのです。訪中団が中国に着いたか否かのタイミングで安倍昭恵夫人の靖国参拝が明らかとなり、こういう状況で習主席が二階氏と会うことが適切かどうかということが問題となったのです。しかし、遂に習近平国家主席は現われました。ニコやかに笑顔を浮かべ、我々と写真に収まり握手をしてくれました。何事もなかったかのように。側には汪洋副首相を従えていました。私は、その瞬間確信したのです、習近平主席の政治基盤は完全に確立していると。少々の問題はあっても、異論を抑えてでも自分の外交方針を貫くことができるのですから。この点は、後に木寺駐中国大使にも確認したところ、「その通りです。」とお墨付きを与えてくれました。これで、第一の疑問はクリアです。

 

4、(中国経済の現況)

次に、第二の疑問についてですが、北京では推測するだけでしたが大連に足を伸ばした結果、私の仮説は正しいとの確信を持つに至りました。大連へは、二階先生と私と長崎幸太郎先生の3議員、それに民間人300人が同行致しました。私共議員団と大連市の唐軍党委書記、肖盛峰市長等の幹部と会談を持った際、私から彼らに質問をしました。「中国経済は最近減速しているが、1つは過去の投資過剰によって供給過多の状況になっているからではないか。また、アベノミクスで日本の円が安くなっているが、中国元は基本的に米ドルにペッグしているので影響を受けているのではないか。」と。私の直球の質問に対し少し戸惑っていましたが、唐軍党委書記は驚く程率直に答えてくれました。「経済のスローダウンは、まず世界経済が金融危機から完全に脱却していないことによるが、国内要因もある。中国は輸出偏重の経済構造を転換しなければならない状況にある。産業のグレードアップ、近代産業の発展に力を入れる必要があるが、それには時間がある程度かかる。また、円安は貿易に大きな影響がある。特に大連は造船業や化学工業の基地であり、円安は輸出に大きな打撃を与えている。企業にも、新しくマーケットを開拓するとともに、リスクに対する支払能力を高めるように求めているところだ。」との答えでした。加えて「円安はまだまだ続くのだろうか?」と逆に聞いてきたので、「日銀の金融緩和はまだ当分続くので、少なくともあと2~3年は円安が続くとみておいた方がよい。」と答えておきました。

 やはり、中国経済はかなり深刻な状況にあるようです。そうした中では、やはり、日本の資金・技術・観光客などが中国経済立ち直りの為には是非とも必要不可欠なのです。これが、習近平国家主席をして、日本との関係改善を図らなければならないと決断させた最大の理由だと改めて確信致しました。アベノミクスは習近平主席をも動かしたのです。

 

5、(望ましい対中政策)

 私は、今回の訪中を振り返って、今こそ日中関係改善を実現する絶好の機会だと思いました。その為には、日本と中国の経済関係を揺るぎのないものにするために、「日中FTA交渉を進めよう」と提唱したらどうかと考えます。また、大連市で北九州市が成果を上げている環境技術協力をもっと大規模に進める為に、「日中環境ファンド」を立ち上げ、中国の公害防止事業を支援することが中国側にとっても日本側にとっても意義のある大きな貢献策となるのではないかと考えています。

 経済は政治を動かす。日本が自国の経済をしっかりと立て直すことが、外交面でもいかに大きな役割を果たすことができるかということを実感した訪中でした。やはり、アベノミクスを成功させるしかないのです。

 

(以上)


超人大陸「安倍総理の米国での演説でますます親交が深まった日米関係」

平成27年5月25日配信 超人大陸「安倍総理の米国での演説でますます親交が深まった日米関係」

http://www.choujintairiku.com/yamamotok12.html

≪超人大陸ホームページ≫
http://www.choujintairiku.com/index.html

≪過去の掲載動画≫

「アベノミクス解散に至る経緯」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok11.html

「米国は対日重視に舵を切った」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok10.html

「英語で語るケネディ大統領就任演説」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok9.html

「日本のメディアからでは伝わらないアメリカ議会の内情」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok8.html

「功を奏し1000万人を超えた外国人旅行者」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok7.html

「消費者問題特別委員長に就任 消費者を守る法をつくる」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok6.html

「復興特別法人税を廃止しても全く心配ない」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok5.html

「世界中で今投資に値するのは日本しかない」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok4.html

「世界の目が20年ぶりに日本に注がれている」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok3.html

「だまされるな日銀に、日銀改正の法律は必要だ」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok2.html

「日銀がサボタージュしないよう見極める必要がある」
http://www.choujintairiku.com/yamamotok1.html


海外出張報告(2015年5月12日)

海外出張報告

2015.5.12
衆議院議員 山本幸三

1、(北九州市民オペラ)
 連休を利用して、イタリアと米国ワシントンを訪問してきました。イタリアは、地元北九州市が誇る市民オペラグループによる「蝶々夫人(プッチーニ作曲)」のイタリア公演を激励するためでした。公演はイタリア半島の踵(かかと)の部分に当るレッチェとブリンディジという古い小都市で行われたのですが、日本的な趣向を凝らした演出も上出来で大反響を呼びました。主役の蝶々夫人を演じた白川美雪さんは地元紙でも絶賛され、一躍スターとなりました。
 日本人の姿などほとんど見たことがなかったイタリアの港町で「日本人がやるオペラは素晴らしい。」とイタリア人に感嘆させたのは凄いことです。北九州市民オペラが果たした日伊文化交流の成果は賞賛されるべきでしょう。私も、現地の市長や州知事などと面談し、一層の文化交流・観光交流を進めていくことを確認し合ってきました。

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2、(安倍総理の議会演説) 
 公演終了後、ブリンディジからローマ、パリを経てワシントンへと向かいました。
ワシントンは、毎年恒例の日米国会議員会議(二日目は韓国も合流)に出席することが主目的ですが、今年は安倍総理による米議会上下両院合同会議での日本の首相として初めての演説が行われるということもあり、大変楽しみな訪問でありました。
 当日、私達は演説の一時間程前から議会入りし、安倍総理の登場を、固唾を呑んで待ち受けました。私の席は、日米国会議員会議での永年の友人である長老のジム・センセンブレナー下院議員(共)から頂いたもので、貴賓席のすぐ隣、ケネディ大使や昭恵夫人達と数席隔てただけという最高の場所でした。さて、いよいよ安倍総理が大拍手の中で登壇され、おもむろに演説が始まりました。
まず、「話したいことは沢山あるけれども、フィリバスター(長演説で議事進行を妨げること)で困らせるつもりはありません。」という冗談で議場を笑わせた後、自身とアメリカとの関係、第二次大戦で戦った仲だが、戦後和解し、共に平和と民主主義のために貢献し合っていること、日本は今後とも、女性活用を含む改革を断行するとともに、積極的平和主義の外交を進めていくこと、更に日米同盟をより堅固なものとして希望の同盟に高めていこうではないか、と高らかに謳い上げました。何度も練習したという立派な英語で、尻上がりに調子が出てきて、最後は大きな身振りで聴衆の反応をリードするといった日本人離れした素晴らしいパフォーマンスでした。議場内では、演説の節々で何度もスタンディング・オベーションが起こり、拍手は止まるところを知らず、演説が終わった後には、ウォー!というなんともいえないうなり声まで響きました。
 演説終了後、簡単なレセプションが開かれたのですが、旧知の米議員達に感想を聞いてみたところ、皆さん口々に「見事な出来映えだった」と激賞していました。午後の日米国会議員会議の席では、ジム・マクダーマットという民主党長老議員が、「自分が今までに聞いた各国首脳の演説の中でも、最高に出来が良かった。まず、英語でやってくれたことが一番だし、構成も素晴らしかった。特に硫黄島のスノーデン中将と栗林大将の孫である新藤元総務大臣が握手するところは、日米和解を象徴するものとして米国民の琴線に触れた。
 その中で『深い悔悟(deep repentance)』という言葉を使ったのも、極めて効果的だった。キリスト教の『悔い改める』に通じるものだからだ。歴史認識については、あれで十分だと思う。日米同盟を強化し、未来へ向け一緒に指導力を発揮しようと訴えたことも高く評価できる。多くの米国民に、やはり日本は信頼できると強く感じさせることに成功したのではないか。」と高く評価していました。今更ながらに、トップが自ら明確に直接米国民に訴えかけることがいかに大切であるかということを改めて思い知らされたものです。安倍総理の今回の訪米は、米国民、とくに多くの米連邦議会議員の心をしっかり掴みとることができ、大成功だったと言えるのではないでしょうか。

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3.(TPPとAIIB)
(1) 日米国会議員会議で大きな話題となったのが、TPPとAIIBです。
まず、TPPについてですが、最終局面に近付いてきたTPP交渉を結着させるために必須なのが米国議会におけるTPA(大統領に交渉の一括権限を与える、いわゆるファースト・トラック法)の成立です。しかしながら、2016年の選挙(大統領選及び中間選挙)が意識され始めた中で、オバマ大統領の与党である民主党議員の大半がTPAに反対、逆に両院で過半数を占める野党共和党の多数が賛成するという奇妙な捻れが生じており、予断を許さない状況となっています。
 現時点では、上院はかろうじて通過するとしても、下院では民主党の賛成者は12~20名程度しか見込めず、通過自体が非常に厳しい状況にあります。今後、オバマ大統領が余程の努力をしない限り、事態が好転しそうにありません。また、仮にTPAが通ったとしても、最終結果のTPPの採決では「オバマ大統領の手柄にしてはならない。」ということで、否決されるのではないかという見方も強くあります。共和党議員からすれば、2016年に共和党大統領が誕生すれば、その時に通してやればいいという考え方のようです。日本では、オバマ大統領の実績作りや対中関係という観点からしても最終的には米議会はTPA及びTPPを承認するだろうという見方が強いのではないかと思いますが、「自分の選挙のことが何よりも大事」と考える米議員の本音との間には乖離があり、見込みは決して明るくないということを認識すべきでしょう。
(2) AIIBについては、マクダーマット議員から「米議会として参加するなどという議論はあり得ない。そもそも『AIIBの参加についてどう思うか?』と聞いてみたら、大半の議員は『一体それは、何のことだ?』と聞き直してくるだろう。AIIBが米国の議会で話題になったことはないし、ほとんど誰も知らないのだ。話を聞いたとしても『世銀があるのだからそれで十分だろう。』と答えるのが関の山だろう。」と一刀両断にされて、ちょっと拍子抜けしました。
 この問題を扱う米国財務省も慎重だし、まして国際機関への資金拠出に厳しい米議会がAIIB参加に踏み切ることは120%ないということだけは確かでしょう。
 こうしたことの背景にあるのは、米国の力が落ち中東とくにイラン核問題の処理で手一杯でとてもアジアの問題に目が向かないということにあるようです。日本としては、こうしたことをよく理解した上で慎重に判断していくことが必要でしょう。

4、(イエレンFRB議長との会談)
 昨年に続きイエレンFRB議長と面談することができました。イエレン議長は、私が説明する日本経済の現状分析を楽しみにしているらしく、興味深く聞いて頂きました。
 とくに嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券エコノミスト)の景気循環論によれば、2016年から日米共にゴールデンサイクルが実現しうるという説を紹介したところ、「このような議論は米国で目にしたことはなく、大変興味深い。」と感じ入っていました。
 その後、米国経済について意見交換したのですが、「その詳細は公にしない」との約束の下での議論なので、ここで詳しく述べることは出来ませんが、米国の利上げは6月ではなくまだまだ先になるだろうというのが私の抱いた印象です。いずれにしても、イエレン議長は米国の経済指標を細部にわたって緻密に分析するとともに、自分たちの決定が世界経済にどのような影響を与えるかについても十分に思いを巡らせながら政策決定を行おうという姿勢を示しておられました。その真摯な態度に心から敬意を表しつつ再会を期してお別れしたところです。  

写真 イエレン議長2015

(以上) 

 


金融ファクシミリ新聞「20年には訪日客数3000万人」

2015年4月20日 金融ファクシミリ新聞

https://www.fng-net.co.jp/top_itv/elem/20150420

聞き手 編集局長 島田一

――日本の観光サービス業の現状をどう見ているか…。

山本 日本の大学教育はドイツのシステムを採用したこともあり、哲学的な分野が重要視されている一方、ホテルスクールなど実学的な部分はあまり重んじられていない。結局、日本のホテル関連の教育は、専門学校等での技術的なレベルのものにとどまっている。一方、世界最高水準のホテル教育を行っている米国のコーネル大学では、在庫の効かない財を提供するのがサービス業であり、サービスはタイミングが全てであるということから始まり、テルホスピタリティ業が体系立てた形で教えられている。日本では、客の表情等を見ながらいいサービスを提供している旅館の女将もいるが、それはあくまで個人のレベルにとどまっている。つまりマニュアル化されていないので、その女将がいなくなるとサービスの水準が維持できなくなる。日本のサービス業は「おもてなし」で質が高いと言われているが、今や米国より日本のレベルが低いと言わざるを得ない。一例を挙げれば、日本のホテルやレストラン紹介のホームページにはきれいな料理の写真がたくさん並んでいるが、米国のホテルスクールではそのような写真には価値がないと教えられる。利用者にとっては、そこにどのような服装で行けばいいのかということが最大の関心事だからだ。日本のサービス業はこのようなことがきっちりと出来ていない。

――現在の観光行政の課題は…。

山本 日本の観光行政はまだまだ遅れている。日本の観光庁の予算は年間約100億円だが、韓国の観光予算は約700億円だ。また、現在地方の文化財や社寺観光を推進しようとしているが、日本の文化財保護予算は約80億円しかなく、英国の約500億円と比較すると1ケタ少ない。私が観光立国調査会長になって以降は、とにかく出来ることは全てやろうということで、まずは東南アジア諸国の訪日客のビザ発給要件を緩和し、これは一定の成果を挙げた。また、消費免税の範囲はこれまでカメラや電気製品に限られていたが、訪日客の購入ニーズが強い食料品や化粧品が対象に入っていないのはおかしいと考え、昨年10月には免税範囲を全商品に拡大し、これで一気に訪日客の消費額が増えた。

――中国人観光客による「爆買い」が話題になっている…。

山本 ただ、これに対するデパート業界の取り組みも遅れている。以前、私たちの勉強会にドン・キホーテの中村社長に来て頂いたが、同社ではアジアを中心とする海外からの客を念頭に置いて経営しているという。アジアからの観光客の行動形態を調べると、昼は観光地に行き、夜になるとまず日本食を食べ、その後で買い物に出かけるケースが多い。このため、20時~24時ごろがドル箱の時間なのだが、すでにデパートは閉まっているため、買い物客はまだ店が開いているドン・キホーテに来る流れになっている。例えば、デパートも閉店時間を遅くすれば、夜間に多くの外国人買い物客が来る可能性があるのではないか。

――今後の観光政策で目指していく方向は…。

山本 中国客の「爆買い」だけを当てにしていては、真の意味での観光立国を実現できない。そうではなく、欧州や米国、豪州からの訪日客などお金をたくさん持っていて、かつ長期滞在で地方に行ってくれる層をターゲットにしていく必要がある。観光で一番お金を使うのは豪州からの訪日客だという。米国や欧州からの客も、日本に来ると長期滞在したくさんお金を落としてくれるが、アジアからの客は2~3日の滞在が多く、都会は賑わうが地方まで恩恵は広がらない。とはいえ、現時点では日本の観光名所も、外国人観光客の増加に十分対応は出来ていない。一例を挙げれば、日本の文化財保護に熱心に取り組んでいるデービット・アトキンソンさんという英国人が、オックスフォード大学を卒業後に初めて京都の二条城を訪れた際、説明書きがほとんどなく、各部屋の意味などが全然分からなかったという。つまり二条城でも、英語が出来るガイドを置いて、この部屋で何が行われたと丁寧に説明したり、昔の格好をした人を置いて当時のやりとりを再現したりすれば、観光客の滞在時間も長くなり、たくさんお金を落としてくれるようになる。また宗教界でも、地方の文化財や社寺観光を推進するため、歴史を調べたり、実際に訪れた証拠を御朱印のような形で取得できたりするようなアプリケーションの開発を進めている。

――2020年の訪日客2000万人目標の達成は…。

山本 昨年の訪日外客数は1300万人を達成したほか、今年の訪日客も1500万人くらいまでは増加するのではないか。20年には2000万人どころではなく、3000万人の大台を目指していきたい。ただ、そのためには空港の設備や、税関、出入国、検疫のシステムも整備しないといけない。また、実際に観光客が増加すると空港は相当混雑することが予想されるため、頻繁に日本に来るビジネスマンはさっと入国できるようにするなど、様々な対策を考えなければならない。やるべきことはまだ山ほどある。

――中国からの訪日客が多いが、渡航制限など外交手段に使われる可能性はないか…。

山本 昨年に日中首脳会談が行われ、日中間の緊張関係はやや落ち着いてきた。中国としても、日本との経済的な交流がなければ自らが困ることも理解しているだろう。中国から日本に来てもらえれば、こんなに平和でゆっくり過ごせるような国はないと実感し、日本びいきになって帰国してもらえると思っている。ただ、欧州、米国、豪州等からの訪日客をさらに呼び込み、全体のバランスを取っていく必要はあるだろう。

 

 

――日本の観光地では、景観整備などの課題もあるが…。

山本 景観を整備するためには相応のお金がかかるため、地方税としてホテル・宿泊税を取り、それを観光推進予算として使うべきだと提案している。他所から来た人から税金を取るので地元住民の負担にはならないというメリットがあり、米国もこの仕組みを取っている。また、日本の文化財・国宝管理においても、せっかくの茶室でも火を使わせないなどの厳しい制限がかけられているが、むしろ文化財や国宝を有料で貸すようにすればいい。海外の例で言えば、フランスのヴェルサイユ宮殿は2000万円くらいのお金を払えば結婚式を挙げることができ、それなりに利用されている。日本の文化財・国宝ももっと商業ベースの使い方を考えるべきだ。

――最後に今後の抱負を…。

山本 安倍政権の成長戦略の一つとして、観光分野は今後非常に発展する可能性が高い。日本の良さを世界中の人に知ってもらうことは、日本のプレゼンスを高めていくことにつながり、外交的にも大きな意味がある。訪日客数のさらなる増加に向け、さらに観光政策を強化していきたい