平成29年4月13日参議院内閣委員会

○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。

委員の異動について御報告いたします。

昨日、石井準一君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美さんが選任されました。
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(略)

 

○委員長(難波奨二君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

 

○山本太郎君 おはようございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を

代表し、質問いたします。十五分しかございません。皆様、できれば短い答弁いただけると助かります。

よろしくお願いします。

クールジャパン担当大臣にお聞きいたします。

外国の方々に日本の魅力を知っていただくのに一番効果的なのは、日本を実際に訪れた外国の方々

が、いい国だった、おまえも行ってみろよという口コミ、これが一番大きいんじゃないかなと思うんですけれ

ども、大臣もそう思われませんか。

 

○国務大臣(鶴保庸介君) 同感でございます。

日本を訪れた外国人による口コミを広げるためにも、我が省としても、消費行動などに大きな影響力を持

つブロガーの皆さんやジャーナリストなど、いわゆるインフルエンサーと呼ばれるような方々に、SNSや

ブログ、メディア等を通じて情報発信をしていただくことを旨として大きな広がりを持たせようと努力をして

おるところであります。

このため、ファムトリップやモデルツアーあるいはモニターツアーなどを通じて、外国の方に日本に訪れて

いただいて日本での体験をしていただくということを今内閣府として取り組んでおるところであります。

 

○山本太郎君 鶴保大臣、お忙しい中来ていただきまして、ありがとうございます。この後もあるようなの

で、ここで結構でございます。ありがとうございます。

 

○委員長(難波奨二君) 鶴保大臣、御退席いただいて結構でございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

実際日本を訪れ暮らした人々にとって日本はどんな印象でしょうか。移民政策と誤解されないよう配慮し

つつ、更なる外国人人材の活用の仕組みを検討すると安倍総理御発言のとおり、東京五輪向けの建

設、造船分野での緊急措置、神奈川、大阪、東京、特区での外国人家事労働者導入、在留資格「介護」

の新設、製造業での外国従業員受入れ事業など、着々と進んでいると。さらに、今年三月、農業人材の

就労解禁のため、国家戦略特区法改正案も提出、今年秋には技能実習の介護分野への拡大も予定。こ

ういった方々が母国に帰った際に大いに日本を宣伝してくれる存在になれば、これぞやはり、何といいま

すか、廃りのないといいますか、本物のクールジャパン戦略ではないかという観点で、外国人技能実習生

に国家戦略特区を絡めて質問していきたいと思います。

お聞きします。外国人技能実習生に日本に来てもらう狙いは何でしょうか。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図

り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することによる国際貢献を目的とするものでございま

す。

 

○山本太郎君 技術、技能の移転、つまりは国際貢献だと。日本では、介護分野での労働不足、深刻で

す。この秋、介護分野に実習生が入ってきます。開発途上国では家族介護がほとんどと聞きます。

介護職が職業として定着していない、じゃ、日本で学んだ技術、帰国後にどう生かされるんですかといっ

たら、大いに疑問なんですよね。送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握、厳格にされています

か。技術、技能の移転でなく、日本の介護分野の人手不足、補っているんじゃないですか。客観的に確認

する手続を採用すべき。すなわち、送り出し国にある日本大使館、領事館、ジェトロ、JICAなど在外機関

を通じて送り出し国の社会経済状況等を把握した上で、技能実習ニーズの有無について判断すべきだ

と。これは、国が実際にやっていないことを今お伝えしております。

副大臣、是非、送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握を客観的に確認する手続を採用すべきと

各省庁などに御提言いただきたいんです。よろしくお願いします。副大臣、あっ、ちょっと待ってください、

ここはお答えは結構です。よろしくお願いしますというお願いです。よろしくお願いします。

日本の外国人実習制度については、世界からはクレームの嵐です。国連からは、女性差別撤廃委員会、

人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、

自由権規約委員会からは二度指摘いただき、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状

況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意すると。アメリカ国務省人身売買報告書

では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者

をこれまで一人も認知していないと、二〇〇七年から二〇一六年まで毎年指摘されました。

世界は見ています。そして、世界に完全にばれてしまっているようです。これではさすがにまずいと、外国

人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が成立。運用は今年十一月から。

現在、現場ではどんな問題があるでしょうか。資料の一、冊子になります。外国人技能実習生権利ネット

ワーク発行、「実習生ネット通信」から紹介。ショッキングな写真があります。お気を付けください。

六ページです。二〇一五年冬、中国から来た黄さん、二十四歳。監理団体は岐阜県大垣の商工会、受入

れ企業は大垣市の段ボールの製造、こん包資材の加工業者。黄さんはそこで段ボールを製造していまし

たが、翌年七月、B段繰ロール、機械ですね、七ページの左、のロールに右手を挟まれた。けがは、親指

を除く四本の指のうち、小指は曲がらず、ほかの三本は骨まで砕けるほど。直ちに病院へ搬送、入院。

資料を見れないインターネットの方々にお伝えすると、親指と小指以外は一つになっています。そして、テ

ニスボールのようになっています。

入院治療から二か月、医師の診断書、治療終了までに今後十二か月を要し、皮膚移植手術を二回、指

の分離手術を三回程度予定していると。当時、黄さんのビザの期限、二〇一六年十二月十七日まで。更

新が必要です。日本での治療を強く望んでいた黄さんは、監理団体の商工会及び受入れ企業にビザの

申請を何度もお願い。しかし、商工会は、けがをしたので技能実習一号から在留資格を延長する技能実

習二号へ移行する試験が受けられない、そのため、制度上在留資格がなくなることを理由にビザの申請

を拒否。同時に、資料七ページに書いてあります在留資格変更に係る確認書に署名を求められたといい

ます。要は、監理団体にも受入れ企業にも責任はないという書類です。

黄さん、名古屋入管、大垣労基署を訪ね、監理団体はビザ申請をせず、確認書に署名するよう言われた

が、確認書に同意できない、自分でビザ申請ができないかを相談しました。入管や労基署は、制度上自

分で申請できない、監理団体と話し合うしかないと言われ、行き詰まった黄さん、岐阜一般労働組合第二

外国人支部へ相談。このことが明るみになりました。

業務中けがを負った実習生への対応で特に多いのが、労災休養中の実習生に在留資格延長のための

移行試験が受けられないという理由で帰国を強要すること。このように、実習生が長期の療養を必要とす

る場合などで技能検定試験を受験できず、在留資格の延長ができない場合、一時的に在留資格を特定

活動などに変更することによって治療を受けたり、その後、回復状況により再び技能実習への在留資格

変更を行い、復帰する道が考えられると思います。

お聞きします。例えば、特定活動などに在留資格を変更した状況でも、技能実習生の労働契約は労災休

業時でも解雇はされないということでよろしいでしょうか。つまり、在留資格変更で自動的に労働契約が

終了することはないということでいいですか。また、このような状況で使用者が技能実習生に合意による

退職を迫ることは、法的にどういった問題となりますか。

 

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。

まず、労働災害による休業中の解雇についてでございますけれども、労働基準法におきましては、第十

九条で、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後

三十日間は解雇してはならないことが規定されておりまして、技能実習生は労働基準法上の労働者であ

りますので、この規定が適用されるということでございます。

それから、在留資格の変更と労働契約の終了についてでございますが、技能実習生についても通常の

労働者と同じ労働関係法令が適用されますので、労働契約の終了事由についても同様でございます。具

体的には、その労働契約の終了事由には、一般的に使用者から解約をする解雇、それから労働者から

の解約である辞職、労使の合意による合意解約などがあると解されておりますが、先ほど申し上げまし

たとおり、労働災害による休業中の解雇は禁止をされておりますけれども、仮にそれ以外の場合におい

て在留資格が変更されたことによって解雇をされたというような場合には、労働契約法の規定に基づい

て当該解雇の有効性が司法において判断をされるということになります。

それから、もう一点、合意による退職を迫ることについてお尋ねがございました。これも司法において判

断されるものでございますけれども、最高裁判例でも示されているように、殊更に多数回、長期にわたる

など、自由な意思決定が妨げられている状況での退職勧奨行為は違法な権利侵害となり得るということ

でございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

確かに労働の法律では守られています。でも、言葉がうまく話せない実習生には、日本人と同じルールで

しか守ってもらえないというのはかなりハードル高いと思いませんか。司法の判断と言いました。裁判、こ

れできますかねって。実習生制度としてしっかりとサポートすることを考えるべきだと思うんですけれども、

新しい法律の内容を聞いてもいまいち実効性に欠ける、技能実習生の救済についてはっきりとまだまだ

決まっていないことが多いというのが正直なところじゃないかなと思います。

実習生を受け入れる企業などには、それぞれ受入れの人数枠があるとお聞きしました。そもそも人数枠

を設けた理由、簡単に教えてください。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度の趣旨が、先ほど申し上げましたとおり、技能等の開発

途上国等への移転を目的とするものであることに鑑みまして、受入れ企業の基準として受入れ企業の常

勤職員数に応じた技能実習生の受入れ人数枠を設けておりますのは、受入れ企業における十分な指導

体制を確保するためのものでございます。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

例えばでお聞きします。今、常勤職員の数が五十人の企業は、現在、実習生の受入れ可能人数は九人

です。今年十一月から始まる法律の運用で、受入れ人数は最大で何人まで増やせますか。

 

○政府参考人(佐々木聖子君) 新制度におきましては、通常の受入れ機関の場合は技能実習二号ま

での技能実習生が最大十五人、それから、中でも優良な受入れ機関の場合、これはまさに十分な指導

体制が確保できているものということでございますけれども、技能実習三号までの技能実習生を最大六

十人までそれぞれ受けることが可能になります。

 

○山本太郎君 最大九人だった受入れ枠が最大で六十人、九人が六十人、これすごい拡大ですね。資

料の三、この大幅な受入れ拡大、技能、技術を移転するための実習制度の意義を変えるものじゃないで

すか、空洞化させるんじゃないですか。技術、技能を移転するためにこれ人数ちゃんと制限しなきゃいけ

ないねという話だったのに、九人が六十人というような、例えば五十人の常勤職員がいるところであれ

ば、これぐらいの幅を持って拡大させるって、これ異常じゃないですかねって。

実習生の権利侵害に関わる数々の問題については、はっきりとした解決方法もなく、答えもないまま、

ちゃんとやりますという雰囲気物がほとんど。世界中から人身売買国家認定された反省、反映された制

度にもなっていない。どう実習生を守るか、具体的に決まっているものの方が少ない。一方で、労働者の

数を増やすことだけは、安い賃金で調達するための人数枠拡大だけは、何よりもむちゃくちゃ具体的じゃ

ないですか。受入れ体制もできていないのに、受入れ枠拡大なんて筋が通りますかね。

日本に来た実習生の日本での記憶が、過去に国連などで報告された実習制度そのものであったなら、つ

まりは、長時間労働、超低賃金、暴力、性的虐待、パワハラ、モラハラのオンパレードといった思い出だっ

たとしたら、日本なんて大嫌いだという人々を日本国自ら大量生産しているのと同じことですよ。周辺国

の若者たちから奴隷労働の事実が口コミで広がれば、日本がアジアのリーダーになる日など永遠に来る

こともありません。アメリカからも人身売買国家として認定されるきっかけの実習生制度は、進みながら改

良することなど許されないと考えます。

しっかりと体制ができるまで受入れは中止するべきじゃないですか。副大臣、いかがでしょうか。

 

○副大臣(盛山正仁君) 山本先生の御指摘、我々もそういうような御指摘があるのは承知はしておりま

すけれども、誤解に基づく御指摘も多いのではないかなと、そんなふうに思っております。これまでの法案

審議でもそういうようなやり取りが行われたところであります。

さて、お問合せの件でございますけれども、御指摘のとおり、技能実習法は今年の十一月一日から施行

されるという予定でございます。同法に基づき、法務省として監理団体の許可を厳格に行っていく、それ

とともに、外国人技能実習機構においても、技能実習計画の認定や実習実施者などに対する実地検査

などの管理監督業務を的確に行い、併せて、技能実習生からの相談、申告への対応や援助などの技能

実習生保護業務をきめ細かく行っていくこととしております。

そして、何といいましても、政府間の取決め、相手国との間の取決めによりまして、送り出し国や送り出し

機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めることとしております。こうしたことを通じて

制度の一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。

 

○山本太郎君 国家戦略特区関係も御担当されている山本大臣にお聞きします。

外国人労働者がいないと日本の社会、回っていかないんですかね、もう。いかがお考えですか。

 

○国務大臣(山本幸三君) これは先生先ほど御指摘されましたけれども、日本再興戦略二〇一六

で、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問

題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ政府全体で外国人材の受入れについては検討して

いく必要があると、そういうふうに再興戦略で書かれているわけであります。

一方で、私どもは、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する

専門的、技術的分野の外国人の受入れは重要と認識しているところであります。このため、国家戦

略特区担当大臣としては、日本経済活性化の観点から外国人家事支援人材の受入れ事業を推進

するとともに、現在提出中の改正国家戦略特区法案に盛り込んだ強い農業を実現するための農業

外国人材の受入れや、クールジャパン、インバウンド分野の外国人材の受入れを進めてまいりた

いと思っております。

詳しいことは法案の審議のときにしっかりとやりたいと思いますが、一方で、技能実習制度の問題

については、先生御指摘のようなことは認識しております。劣悪な労働環境や低賃金等により、技

能実習生の失踪も起こっておりまして、そういう問題が生じないような万全の対策を講ずる必要が

あると思っております。

このために、今回の制度設計においては、国と自治体が合同で協議会を設置して、国、自治体が

自ら受入れ企業を直接管理することで、労働時間、賃金等の労働条件等を適切に管理する仕組み

を導入する予定でありますし、また、仮に問題が生じた場合は外国人材を適切に保護できるよう、

苦情相談を直接受け付ける窓口を協議会に設置する予定でありまして、これらの取組により万全を

期してまいりたいと考えております。

 

○山本太郎君 もう終わりなのでまとめます。

受入れ体制ははっきり言ってまだできていないと思います。修正点たくさんあるのに、それもせずに受入

れ枠の拡大、これは余りにもあり得ない。ここをしっかりと体制を整えるまでは、この実習生そして国家戦

略特区で外国人を受け入れるということも一度見合わせるということが必要だと強く申し上げて、質問を

終わります。

ありがとうございました。

 

 

(略)

 

○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。

本日、田村智子さんが委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
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(略)

○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願いいたします。

一連の文科省によります天下りの問題です。

明らかな国家公務員法違反事件、もう違法なことを組織ぐるみで、しかも長い期間にわたって行っていた

ということで、これはもうもちろん許されるべきものではありません。最終調査報告書というのも出されまし

たので、今後しっかりと再発防止策というのを講じていかなきゃいけないわけですけれども、じゃ、本当に

これは文科省だけの問題なのかと、話なのかということで、他省庁も含めた全ての省庁での調査を今進

めているというふうに聞いています。その実施の状況、見通し、どうなっているでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) 安倍内閣総理大臣から指示を受けまして、文部科学省の事案と同様の

事案がないかどうか、全省庁について、現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームに

おきまして全力を挙げて調査を行っている最中であります。調査チームの体制につきましても、当

初の三十人強から、やはりそれじゃ足りないということで、二月末に四十人強に増強したところであ

ります。

調査の状況といたしましては、現行の規制が導入された平成二十年十二月三十一日以降に再就

職情報が公表されました対象国家公務員OBのうち、営利企業などに再就職した約六千四百人に

対する再就職に至る経緯などについての書面調査、それから本省幹部や地方機関を含む現役の

人事担当者に対する早期退職者への対応やOBへの情報提供の実情などについてのヒアリング

調査、それから各府省官房人事担当課に対する職員等への再就職規制の周知のための取組につ

いての書面調査等を鋭意実施しているところでございます。

これらの調査につきましては現在も継続中であることから、更に具体的なことについてはお答えを

差し控えたいと思います。ただし、引き続き徹底的な調査を行い、その結果が出次第、速やかに明

らかにしてまいりたいと考えております。

 

○清水貴之君 この天下りの問題に関しましては、もう十年ほど前にも大きな社会的な問題となりました。

私はまだ議員になって四年目ですから、その当時の国会の状況は分かりませんけれども、皆さん、先輩

議員の皆さんが様々議論をして法改正をしたりということで、何とか国民の皆さんにしっかり理解してもら

えるような制度づくりというのを進めてきたと思うんですが、やはりまた起きてしまっているわけですね。と

なりますと、やはりどこかに問題がある、その認識の甘さなのか制度なのか、問題があるわけですね。

我々維新としましては、大阪でこの天下り規制というのを厳しくやっています。大阪府職員基本条例という

のを作りまして、かなり厳しくやっています。これを基にこの国政の場においても天下り規制法案というの

を今作っておりまして、国民の皆さんが納得できる制度をと思っておりますので、この辺りは是非皆さん共

に、また改めてになりますが、議論をしながら進めていけたらというふうに思います。

そのルールの面、制度上の面というのももちろん天下りの起きている原因にあると思うんですけれども、

じゃ、もう一個戻りまして、そもそもなぜかというところで、私は、国家公務員の皆さんの早期退職の慣行

というのがこれあると思います。官僚の皆さん、これ一般的に言われていることですね、次官レースが

あって、それに乗れなかった場合は定年の年齢に達していなくても早期に職場を離れなければいけない

ような、ある意味の慣行、慣例があるというふうに言われています。

これは、今、日本全体でいいますと、なるべく、もう今高齢化社会が進んでいて、元気な高齢の方が増え

ているわけですから、少しでも長く働いていただこうという流れの中で、その流れに乗れていないといいま

すか逆行しているといいますか、そういった仕組みが生まれていて、辞めなければいけないからどこかに

就職をしなければいけないと。

そうすると、なかなかやはり、ずうっと国家公務員で一つの職場でいらっしゃった皆さんが、じゃ一般企業

とかどこかにというときに、なかなかこれは難しいのは現実だと思うんですね。そうするとOBを頼るとか

どこか知り合いのつてを頼るということになると思うんですが、やっぱりこういう定年まで働けないような状

況が一つの大きな原因ではないかと思います。この辺も、働き方という面からも、山本大臣、考えていか

なければいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) 御指摘のとおりだと認識しております。

定年まで勤務できる環境の整備は大変重要であると考えておりまして、中高年期の職員が長年

培った知識や経験を有効に生かしていけるよう、専門スタッフ職など知識や経験を生かせるポスト

の活用により、職員の多様な分野への積極的な活用を図っていきたいと考えております。引き続

き、このような取組をしっかりと推進してまいりたいと思います。

年功序列人事に関しましては、これまでの国家公務員法の改正におきまして、人事評価に基づく能

力・実績主義による人事管理を導入したところでもあります。また、幹部職員の候補となり得る管理

職員としてその職責を担うにふさわしい能力及び経験を有する職員を総合的かつ計画的に育成す

るための幹部候補育成課程も導入したところであります。こうした制度をしっかりと運用することに

より、能力・実績主義を踏まえた、採用年次等にとらわれない人事を推進し、できるだけ定年まで勤

務できる、そういう環境をつくっていきたいと思っております。

 

○清水貴之君 能力・実績主義も、じゃどういった評価がされているかといいますと、ほとんどが本当にも

うSとかAとか上位の評価のみが付いている状況なわけですね。実際に制度は少しずつ変えようというこ

とで導入はし始めているのかもしれませんが、じゃ本当に適正に運用されているかというと、ここは私も

疑問だと思っておりまして、この辺も大臣には是非見ていっていただきたいと思います。

もう一つ、再就職、これ、もちろん全てが悪いわけではありません。官僚の皆さんの優秀な能力をほかの

一般の民間企業などでどんどんどんどん生かしていただく、これ自体は悪いことではないというふうにも

ちろん思います。ただ、やはりそこに利害関係が生まれたり国民の税金が無駄に使われるような仕組み

になっている、ここには大きな問題があってメスを入れていかなければいけませんけれども、どんどんど

んどん民間と交流をして入っていっていただいてその能力を生かしてもらうような、これも進めていくべき

ではないかというふうに、大臣、思いますが、これについてはいかがでしょうか。

 

○国務大臣(山本幸三君) おっしゃるとおりであります。

国家公務員の再就職について問題がありますのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を

背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。このために、平成十九年の国家公務

員法改正によりまして、再就職規制について、行き先を制限する外形基準から行為規制に転換し、

それまで禁止されていなかった各府省による再就職あっせんの禁止等厳格な規制を導入したとこ

ろであります。

一方で、法令に違反することなく再就職することは問題なく、公務部門で培ってきた能力や経験を

活用して社会に貢献することは大変大きな意味があると考えております。

いずれにしても、現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームにおいて徹底的な調査を

行っているところであり、その結果を踏まえて、御指摘のような点も含めどのような対策を取れば実

効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

 

○清水貴之君 その官民の交流目的でつくられた組織としまして官民人材交流センターというのがありま

す。ただ、これ本当に残念ながらほとんど使われていませんね。

一旦つくられて、機能がストップしていた時期もありますが、平成二十五年にあっせん業務、これ再開をさ

れました。その後、二十七年度末までの数字を見ますと、この交流センターを使って再就職した人、二十

八人です。同じ時期に全体で見ますと三千人以上の方が再就職をしているわけですね。ということは、も

う本当に僅かの人しかこの官民人材交流センターというものを使って再就職をしていないわけです。もう

この組織が使われていないわけですね。何でこんなに使われていないんですか。

 

○政府参考人(岡本義朗君) お答えいたします。

官民人材交流センターにおきましては、平成二十五年十月以降、早期退職募集による退職者のうち、希

望する者に対しまして民間の再就職支援会社を活用した再就職支援を実施しております。

先ほど先生がおっしゃいました平成二十五年度から二十八年度までの各年度における再就職支援の利

用者数は、それぞれ、平成二十五年度が二十一名、二十六年度三十五名、二十七年度四十四名、二十

八年度五十三名になっているところでございます。

これまでのところ、平成二十五年十月以降におきまして、官民人材交流センターにおける再就職支援の

利用者数は若干ではございますが毎年増加してきておりますが、その仕組みが職員にはまだ十分に浸

透していないと考えております。官民人材交流センターが実施する再就職支援制度の周知につきまして

は、これまでにも各府省の人事担当者などへの説明を実施してまいりましたところでございますけれど

も、本制度の利用のメリット等について一層の周知を図りまして、利用者数が増えるようにしてまいりたい

と存じております。

 

○清水貴之君 今、その利用者が少ない理由として周知の話が出ましたけれども、僕は周知よりももう制

度に問題があるんじゃないかなと思っておりまして、これ使えるのが早期退職制度に応募した人のみとい

うふうになっています。制度を使わずに自主的に早期退職をしたりとか定年退職する方もいっぱいいらっ

しゃいます。そういう方は利用できないという仕組みになっているわけですね。これはなぜこういう制度に

なっているんですか。

 

○政府参考人(三輪和夫君) お答えを申し上げます。

平成十九年の国家公務員法の改正によりまして、各府省による再就職あっせんは禁止をされまして、内

閣府に設置をする官民人材交流センターに一元化をされました。発足当初、官民人材交流センターにお

いては、退職を勧奨された者及び組織の改廃等による分限免職者等を対象として再就職支援、いわゆ

る直接あっせんでございますけれども、これを行っておりました。しかし、平成二十一年九月に当時の鳩

山総理から、官民人材交流センターによるあっせんも組織の改廃等により離職せざるを得ない場合を除

き今後は一切行わないと、こういう旨の発言がなされ、現在に至っているところでございます。その後、平

成二十五年の早期退職募集制度の導入に伴いまして、この制度を利用した応募認定退職者等のうち、

利用を希望する者に民間の再就職支援会社を活用した再就職支援を実施をしているということでござい

ます。

いずれにいたしましても、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、現在内閣人事局において全省庁

の調査を行っている最中でございます。その結果も踏まえまして、どういった対策を取れば実効が上がる

のか、御指摘の点も含めてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 

○清水貴之君 このセンターの、どんな活動をしているかというこの報告書を見ますと、就職をあっせんす

るというのも一つの業務なのかもしれませんけれども、でも官民の交流ということにかなり重きを置いてい

るなと、民間企業とか団体を呼んで説明会などを開いているというのが、これも一つの大きな目的、仕事

になっているなというふうには読み取れます。

でも、これ、開いているだけではなかなかやはり再就職につながっていかないわけですね。お互い話して

いるだけでは、そこはもう一歩進まないとやはりなかなか使い勝手が悪い。今おっしゃったとおり、過去の

この歴史的な流れがあって今の仕組みになっているというのは非常によく分かりますけれども、こういう

組織がありながら使われていないところにやはり天下りが今回起きてしまった大きな、もう組織あるのに、

要は使い勝手が悪いわけですね。ここを使うぐらいだったら、もう知り合いのOBに頼むとか、それこそ文

科省の場合は中でそういった話をしたら通してくれたりしてもいたわけですが、そこを使った方がいいです

し、条件も良かったり絶対するわけですね、ということも一つ大きな原因になっていると思いますので、

せっかくある組織です、我々出している法案では、ちょっとこの官民人材交流センターというのはもう不必

要ではないかというふうに思っていますけれども、でも、今ある組織ですから、これはもう積極的に活用で

きるように、大臣、これも是非前向きに考えていただきたいなというふうに思います。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。

 

(略)

 

○委員長(難波奨二君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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○委員長(難波奨二君) 次に、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関

係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

政府から趣旨説明を聴取いたします。山本内閣府特命担当大臣。

 

○国務大臣(山本幸三君) 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関

係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げま

す。地方分権改革は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるもの

であり、地方創生における極めて重要なテーマです。

本法案は、昨年十二月に閣議決定した平成二十八年の地方からの提案等に関する対応方針を踏

まえ、都道府県から指定都市等への事務・権限の移譲、義務付け・枠付けの見直し等を行うもので

あります。

次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

第一に、住民に身近な行政主体である指定都市等が地域における行政の自主的かつ総合的な実

施の役割を担えるようにするため、都道府県から指定都市等への事務・権限の移譲を行うことと

し、関係法律の改正を行うこととしております。

第二に、地方が自らの発想でそれぞれの地域に合った行政を行うことができるようにするため、地

方公共団体に対する義務付け・枠付けの見直し等を行うこととし、関係法律の改正を行うこととして

おります。

このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係

法律について必要な規定の整備を行うこととしております。

以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 

○委員長(難波奨二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。