平成29年3月01日 参議院予算委員会

平成29年3月01日 参議院予算委員会

○長峯誠君 ありがとうございます。
私が懇意にしていました制服組幹部の方がこのようにおっしゃっていました。基地を支える三種の神器は人員、装備、地元の理解であると。地元の理解がなければ、人員や装備がないのと同じぐらい基地は機能しなくなると。大臣には、基地と住民の関係を良好に保つべく、誠実に対応していただきますようお願い申し上げます。
続きまして、地方創生についてお伺いいたします。
先日、本委員会の委員派遣で山形県の東北芸術工科大学を視察いたしました。この大学は日本初の公設民営型大学であり、芸術学部とデザイン工学部を擁する芸術系の大学であります。山形市ののどかな郊外に立地しておりますが、何と全国の芸術系大学で唯一志願者を増加させている大学であります。
その要因は徹底した実学志向にありまして、デザインを通じて企業や産業の課題を解決する大変実践的な取組をされております。例えば、農産加工品のパッケージを学生がデザインしてPRビジネスを実践したり、旅館をシェアハウスにリノベーションするプランを資金計画から立てまして中心市街地対策として実施したりしております。学生も将来の仕事に直結する実践的な学びを得ることができ、また、地元企業にとっても具体的な課題解決になるということで高い評価を受け、それが志願者数の増加につながっています。まさに地方創生のトップランナーたる大学と言えると思います。
しかし、地方の大学でこのように志願者数を増やしている大学は例外的でございます。私大、短大、大学院の学生数は一都三県に四七%が集中をいたしておりまして、三大都市圏で見ますと七五%に達します。いわゆる地方大学には学生の四分の一しか行っていないということなんですね。しかも、この偏在傾向は年々大きくなっております。地方大学は経営的にも困難な状況を抱えておりますし、地方に若者が定着しない大きな要因ともなっております。
そこで、まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして大都市圏への学生集中の是正がうたわれ、三つの具体策が取られました。一つは、定員オーバーしている大学は新学部などの設置がしにくくなる。二つ目に、定員オーバーしている国立大学は教育費相当額を国庫返納させる。三つ目は、定員オーバーしている私大は私学助成が減額されるというものです。
しかし、これによって何が起こったかといいますと、定員自体を大幅に増やしてしまおうということで、駆け込み申請が多発したんですね。したがって、この三つの施策による効果は極めて限定的になってしまいました。具体的な学生数の推移については本年の六月頃にまとまるということでございますが、国勢調査や人口移動報告においても東京圏への人口集中は全くとどまるところを知りませんので、更なる対策が求められることは言をまちません。
この議論になると必ず、では地方大学の魅力を向上させるいろんな取組をやっていきましょうという答えが返ってくるんですが、そもそも大学の魅力の一つが立地でございます。東京圏の大学が更に都心に回帰しているというのもそれが現れております。
そこで、更に踏み込んだ対策として、東京圏の大学や学部の新増設を制限するとか、あるいは定員を削減するとか、あるいは東京圏の大学が地方に移転する促進策を実施するといった施策を進めるお考えはないか、山本幸三地方創生担当大臣にお伺いします。

○国務大臣(山本幸三君) 地方から東京圏への人口流出に歯止めを掛けて東京一極集中を是正するためには、地方に仕事を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立して、地方の平均所得の向上を実現することが重要だと考えております。
 このため、多岐にわたる施策を推進してまいりましたが、特に東京圏在住の地方出身学生等の地方還流や地元在学生の地方定着を促進するため、産学官で推進する地元企業でのインターンシップ実施の取組への支援、地方自治体と産業界が連携して行う奨学金返還免除等の仕組みへの支援などの措置を講ずるとともに、地方創生推進交付金等により、意欲と熱意のある地方公共団体の取組を積極的に支援してきたところであります。
 さらに、全国知事会から地方大学の振興や東京二十三区から地方への大学の移転促進等の要望があることなどを踏まえて、昨年十二月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一六改訂版において、地方大学の振興や地方における雇用創出と若者の就業支援とともに、東京における大学の新増設の抑制や地方移転の促進等について総合的に検討することとされたところであります。
 本総合戦略を踏まえまして、私の下に有識者会議、座長は坂根コマツ相談役でありますが、を立ち上げたところであり、現在、地方自治体、産業界、大学関係者などの意見を伺いつつ検討を進めているところであります。
 これらの対策について、文部科学省を始め関係省庁とも連携し、本年夏めどに方向性を取りまとめることとしております。その結論を踏まえて、東京一極集中是正に資する地方創生の深化に向けた取組をより一層強化してまいりたいと思います。

○長峯誠君 諸外国では、もう皆さん御承知と思いますが、地方都市に立派な大学がございまして、広々としたキャンパスと自然豊かな生活環境で勉学や研究に取り組んでいます。なぜ日本だけが狭い敷地にオフィスビルのような大学ができるのか、とても不思議に思います。
予算委員会の視察では、同じく山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所を視察をいたしました。見渡す限りの水田地帯の中で、最先端のバイオ研究が進められ、そこから大学発ベンチャーが生まれています。
鉄よりも強く、ゴムよりも柔らかいクモの糸を人工的に合成するスパイバー株式会社は、三百兆円のマーケットを目指し、百五十億円の投資を集めています。弱冠三十五歳の関山和秀社長は、平日仕事が終わってからスキーに行ける、こんなすばらしい環境はないというふうにおっしゃっておりました。
地方創生というテーマは日本人が真に豊かに生きるための取組であると、こういう理念でもって大臣の御尽力をお願いしたいと存じます。
次に、同じく地方創生の施策ですが、生涯活躍のまちについて伺います。
この生涯活躍のまちは、当初、日本版CCRCと呼ばれていたものですが、主にリタイア後の中高年齢層の地方移住を進めるための受皿づくりを目指したものでございます。様々キャリアを持った人材が地域住民と交流をしながらアクティブな生活を送るというととても理想的なんですが、一つ大きな課題があります。
それは、元気なうちに移住して、移住した後に健康を壊してしまって医療や介護のお世話になるというふうになると、医療保険や介護保険の給付と負担のバランスが崩れてしまうという点なんですね。国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険は地域保険になっていますから、この保険料を納める自治体と保険給付を受ける自治体とが違うということになってしまうわけであります。かつて宮崎県でもニューシルバー構想という高齢者移住の政策を進めようとしたんですけれども、この保険財政の問題で頓挫をいたしました。恐らく同じようなケースはもう全国にあると思います。
そこで、今回、生涯活躍のまちを推進するに当たっても一番の肝になるのがこの問題だということをあらゆる場で指摘させていただきました。保険料を納めた自治体から保険給付を行う自治体へ財源を調整する機能を構築できるかどうかが成否を左右するということで、検討会の座長だった増田寛也元総務大臣にも直訴をいたしました。その結果、介護保険調整交付金を見直すという結論になりました。
介護保険財政は保険料と公費で半分ずつ賄われています。公費分の方は、市町村が一二・五%、都道府県が一二・五%、国費が二〇%、そして調整交付金というのが五%あるんですね。この調整交付金を自治体の高齢化率や所得階層でちょっと増減をさせるということで保険料負担に跳ね返らないように調整するという仕組みであります。
今回の見直しでは後期高齢者の割合で更に重みを付けましょうということになりました。確かに、年齢が上がるほど要介護度率は当然上がりますので、合理的な改正ではあります。しかし、生涯活躍のまちで定住した移住者の人数によって金額が増減するわけではありませんので、本質的な問題の解決になっているとは思えません。地方移住をもっとスムーズに進めるためにも踏み込んだ対策が必要と考えます。
地域保険には住所地特例というのがあります。これは、施設介護を受けている利用者の住所が変わる場合には元々住んでいた自治体が保険給付を負担するという仕組みです。これによって高齢者施設が少ない都市部の高齢者が地方の高齢者施設にスムーズに移動することができるという仕組みになっております。この住所地特例を拡大するなどすれば、地方も安心して中高齢移住者を受け入れることができるようになるのではないでしょうか。塩崎厚生労働大臣に御見解をお伺いいたします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 都城市長を三期御経験の長峯委員から御質問をいただきました。
今のお話でございますが、介護保険あるいは国民健康保険は住民票のある市町村が保険者になるということで、これが原則であります。ただ、この原則のみでいきますと介護保険の施設が所在をする市町村に負担が偏るということから、施設に入所する場合には住民票を移す前の市町村、これが引き続き保険者になるという特例、いわゆる住所地特例、この仕組みを設けているわけであります。今御説明のとおりです。
この住所地特例を施設のみならず一般住宅などに移住するケースにまで拡大をするという御提案でございますけれども、移住前の遠距離の市町村が保険者となるために、保険者が自立支援や重度化防止に取り組むことがなかなか難しいということから慎重な検討が求められるのではないかということ、それはやはり負担が必ずしもフェアにいかないかも分からない。
移住先となる市町村の保険財政の安定につきましては、住所地特例のみならず、保険料負担の保険者間の格差を是正するための、先ほどお話が出ました調整交付金、この財政調整の仕組みがございますので、これを活用することで、厚労省としても、冒頭おっしゃいました生涯活躍のまち、かつて日本版CCRCと言っていましたが、この構想の推進に省としても貢献をしてまいりたいと考えているところでございます。

(略)

○魚住裕一郎君 この天下り規制、今までは営利企業への天下りは駄目よみたいな、そうじゃなくて今回は非営利。そうすると、文科省関係というのは非営利の、大学も含めてです、多いからそういう枠組みをつくったのかなみたいなですね、思ったわけでございますが、全省庁しっかり取り組むということでございますが、いつ頃までに全省庁のこの調査というのは上がるんでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 今般の文部科学省事案で生じました国民の疑念を払拭するために、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事案がないかどうか全省庁について徹底的な調査を行うよう指示がございました。調査は各省任せではなく内閣人事局が直接実施するものであり、外部の弁護士を含む再就職徹底調査チームを立ち上げ、現在鋭意調査を進めているところであります。
 大事なことはしっかりとした調査を厳正に行うことでありまして、最初からスケジュールありきというわけにはなかなかいきません。ちょっとまだスケジュール感もできていないところでありますけれども、徹底的に調査を行って国民の信頼を回復したいと思っております。
 一方で、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにすることは大変大事でありますので、私の指揮の下、スピード感を持って進めてまいりたいと思います。

○魚住裕一郎君 大臣の決意は分かりましたけれども、その文科省の調査の班についても外部の弁護士入れる、また調査班の中にその弁護士入れてやる、そういうような取組をされていたわけでありますが、本当に人事局の陣容で膨大な公務員のことを調べ上げることができるのかという疑問なしとしないわけでございまして、そんなところも含めて御検討をいただきたいと思っております。
それで、総理、今回の文科省の事案については、特定のOBが関わってそういうルートができているというのが明らかになったわけでございまして、そこの、OBとのそういうものをつくったこと自体への規制が必要ではないのか。また、今回、再就職等監視委員会、機能したとも言えるわけでございますが、しかし、委員長と、それから職員も少ないわけでございまして、もっと体制強化すべきではないのか。さらに、そもそも人材群ですよ、日本の貴重な人材群が、やはり役所を退職した後、官民人材交流センターというのがあるんですが、これ実際には交流になっていないといいますか、活用されてももっといいんではないのかなという、抜本的な取組をしていく必要があるんじゃないかなと思っているわけでございますが、総理の御判断をお示しをしていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるこの天下りとは何かといえば、まさに予算や権限を背景とした民間に押し付ける人事でありまして、これがいわゆる、これは公務員OBによる口利きなど官民癒着の温床となってきたわけでありまして、そこで、第一次安倍政権のときに、それ以前は各府省において組織の新陳代謝のために人事当局による勧奨退職、いわゆる肩たたきを行い、その一方、あっせんをするという人事がこれは行われていたことは事実でございます。そこで、今申し上げましたように公務員制度改革を行い、このような官民癒着の温床を根源から排除するために、営利企業はもとより、非営利法人への再就職についても、これは大変な実は、事実大きな抵抗があったんですが、官庁によるあっせんを一律に禁止することとしたわけでございます。しかし同時に、それをしっかりと見ていかなければいけませんから、今委員が御紹介いただいたような再就職等監視委員会を設置をして厳しく監視をした、その結果、今回の発覚につながったわけでございます。
そこで、この体制が十分か、あるいは、そもそも役所の人事がかつては行っていたけれども、そうではなくてOBが人事とつながりながらやっているということについてはどうなのかという御指摘もございました。それはまさに今回の文科省における調査、そして山本大臣の下に行われている調査の結果を十分に踏まえながら、何が必要かということも山本大臣の下で検討していくことになるだろうと、このように思います。