山本幸三地方創生探訪記録@香川(2017.2.26)

 

先週末2月26日は、香川県の高松市、直島町を訪問してまいりました。

一部抜粋し、本HPで報告したいと思います。

 

ー 高松市 ー 

 

高校生花いけバトル

まず高松空港へ到着後はサンメッセ香川で、「高校生花いけバトル」のリハーサルの様子を見させ

ていただきました。当大会は制限時間5分間で、出場者が観客の目の前で花を生け、作品の美しさに

加え、花を生けるプロセスや所作、表現力を観客とプロの審査員が判定するもので、昨年全国で初

めて開催されたようです。もともと香川県は花き産業が盛んであるとの事でしたが、周辺道路が混

雑するほどの盛況だそうで、香川県の知名度の向上や誘客につながっているようです。

写真は昨年の大会の様子です。

(↑写真は昨年の様子です。学生の身長より大きいようです)

 

 

(浜田香川県知事と出場者の皆様と)

 

 

②高松市丸亀商店街

 

     (商店街の道幅も広く、天井も約25mと開放感があります)

高松市丸亀商店街は地元商店振興組合が中心となって、中心市街地再開発事業が積極的に展開され

ている2.7kmの商店街で、通常の、個々の商店が連なる商店街ではなく、市街地再開発ビルが

並んでいます。中には商店だけではなく、マンションや介護施設、医療施設も一つの建物の中に入

っており、100年を見据えた「一生」ここで暮らせるような新しいまちづくりに取り組んでいる

とのこと。

上図のように大きく7ブロックに分かれており、スポーツジムやホームセンター、介護施設等まだ

まだ開発の途中であるとの事。

 

そして、何よりも本商店街のポイントは、定期借地権を利用し、土地の所有権と利用権を分離した

再開発であるというところでしょう。長期の60年の定期借地権を設定することにより、

土地の所有と分離を計り、そのことによって利用権をまとめて、テナントミックス、つまりベスト

なテナントの組み合わせを考えるのです。そして、住宅整備、病院の開設、市場の開設、広場の整

備、商業のゾーニングなど、一つの商店街としてベストミックスを追い求め、ダウンタウンのライ

フインフラの再整備をすることによりいっさい車に依存しない、すべて歩いて事足りる、高齢化社

会に対応した安全安心な街を形成し、中心部にもう一度居住者を取り戻すことで、コンパクトシテ

ィの具現化をはかっていくというのがこの商店街の再開発事業なのです。そういう意味で、商店街

では車や自転車を一切入れないようにしているようです。高松市は人口42万人ですが、それ以上

ある政令市でもこれほど活気のある商店街は中々ないでしょう。再開発前は平日の方が人出が多か

ったようですが、2012年には自転車の完全通行止めを行うなど、今では休日の方が圧倒的に多

いようで(平日も回復中)、店舗数とともに売り上げも右肩上がりのようです。

(商店街では丸亀うどんをご馳走になりました)

こういう形で、商店街の関係者が利害調整をしてしっかりやっていけば、必ず商店街も大規模店舗

に負けないようなことができ、それは全国の商店街のモデルになるのではないかと感じました。

 

ー  直島町  ー

 

直島町へは、高松港から香川県の漁業指導船「ことぶき」に乗船し、向かいます。(本村港へ)

直島町は、香川県高松市の北約13km、岡山県玉野市の南約3kmに位置し、瀬戸内海に浮かぶ周

囲の27の島々とあわせた直島諸島がそのまま香川県直島町となっています。

ご存知のように、この島では、アートによる島(まち)づくりがなされています。

直島女文楽をはじめ多くの貴重な文化財が残り、世界へ向けて現代美術の情報を発信するなど、文

化の薫り高い町であり、島の南側が芸術ゾーンとなっています。その中で、平成元年には、福武書

店(現株式会社ベネッセホールディングス)が直島文化村構想の一環として「ベネッセアートサイ

直島」※なるアート活動を展開し、国際キャンプ場をオープン、また、その3年後には「ベネッセ

ハウス」を開設するなど、島に密接に関係し、文化性の高い島としても発展してきています。(

島町HP

また、瀬戸内国際芸術祭の会場の一つであり、昨年2016年は、12島で開催され、総来場者は

104万人を数えたといいます。

※「ベネッセアートサイト直島」とは・・・直島、豊島、犬島を舞台に、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称。瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に、時間をかけてアートをつくりあげていくこと―各島の自然や、地域固有の文化の中に、現代アートや建築を置くことによって、どこにもない特別な場所を生み出していくことが「ベネッセアートサイト直島」の基本方針。各島でのアート作品との出会い、日本の原風景ともいえる瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通して、訪れてくださる方がベネッセグループの企業理念である「ベネッセ―よく生きる」とは何かについて考えてくださることを願っています。そして、活動を継続することによって地域の環境・文化・経済すべての面において社会貢献できるよう、現代アートとそれを包含する場である地域がともに成長し続ける関係を築いていきたいと考えています。(ベネッセアートサイト直島HPより)

以上のように、今回の直島町では、「ベネッセアートサイト直島」の活動に関係した場所

を中心に視察いたしました。

 

①家プロジェクト

ベネッセが取り組む「家プロジェクト」は、古民家を改修し、作品化しているものになります。

家プロジェクトとは、直島・本村地区において展開する、直島特有の家屋や神社などを改修し空間

そのものを作品化したアートプロジェクトです。「角屋」(1998年)に始まったこのプロジェクト

は、現在、「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開

されています。点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みなが

ら、空間そのものをアーティストが作品化しています。

都市と地方、若者とお年寄り、住む人と訪れる人とが交流していく中で生まれる新たなコミュニテ

ィの在り方を提起する契機になったこの有機的な取り組みは、日々変化しながら進化を続けていま

す。今回はその中で、「角屋」と「護王神社」を視察いたしました。

「角屋」は家プロジェクトの第1弾として完成したもので、200年前の古民家をデジタル表示のイ

ルミネーションでアート化したものです。↓

 

 

そして、護王神社は、江戸時代から祀られている神社の改築にあわせ杉本博司氏が設計し、石室と

本殿とはガラスの階段で結ばれていて、地下と地上とが一つの世界を形成しています。写真はHP

より↓。当初神社の改修には寄付を募ったそうですが、寄付をする代わりに自分の好きなように改

修し、その中に近代アートを持ち込んだという革新的なエピソードがあるようです。

 

 

 

 

・直島ホール

 

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島ホールは、町立のコミュニティ施設であり、ホールには空調がなく、自然エネルギーを活用し

た建物です。建築家の建築家の三分一博志氏が周辺の風や水、太陽の動きなどを約2年半にわたり綿

密にリサーチし、直島の地勢や特性をイメージした外観と、「環境のまち・直島」にふさわしい、

自然エネルギーを積極的に活用した、最適な建物を設計されました。こちらは、地域住民のスポー

ツや文化、芸能活動などの活動拠点であり、レクリエーションや葬儀にも使われているようで、町

民には無料で貸しているとの事。

DSC00861

 

そして、このホールは、なんと日本の公共建築で初めて、英国のデザイン誌「ウォールペーパー」

が主催するデザインアワード2017で公共建築部門の最優秀賞に輝いたそうです。

 

・ベネッセハウス

 

ベネッセハウスは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、1992年に美術館とホテルが一

体となった施設「ミュージアム」を開館しました。以降、「オーバル」(1995年)、「パーク」

「ビーチ」(いずれも2006年)の宿泊棟4棟と、一般の方も利用できるレストランやカフェ、ス

パ・ショップも併設されています。経年とともに瀬戸内公園の環境と溶け込むように構成された建

築はすべて安藤忠雄氏が設計をされたそうです。施設内外には至る所に現代アートを設置してお

り、作品と対峙し、客室で反芻し、そしてまた作品を見て思いをはせる、というようにアートと自

然、建築、自分自身を多層的に、そして反復して考えを巡らすことができるように考えられて作ら

れたそうです。

そして、この3月はつつじの季節であり、韓国の国花でもあるので韓国人が、4月には桜を見に、

イスラエル人が多く来るなど、外国人の観光客も多いようです。ただ、そうした宿泊者のホテル代

の最高価格が10万円との事ですが、観光税をとるなどしながら、もう少し値上げをしてもよいの

ではないかとも感じました。やはり、地方が稼げるようにならなくてはいけません。

 

 

・地中美術館

 

 

地中美術館は、「自然と人間を考える場所」として、2004年に設立されました。瀬戸内の美しい景

観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設され、館内には、クロード・モネ、ジェームズ・タレ

ル、ウォルター・デ・マリアのわずか3人の作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。

ハコをつくって美術作品を入れるのではなく、ハコそのものが美術作品であり、展示物に合わせて

ハコをつくったとのこと。地下でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して

作品や空間の表情が刻々と変わります。アーティストと建築家とが互いに構想をぶつけ合いながら

つくり上げたこの美術館は、建物全体が巨大なサイトスペシフィック・ワークといえるでしょう。

個人的に長年訪問したかった場所であり、館内にはSNS等の口コミで多くの外国人観光客がいら

っしゃいました。この直島自体がその豊かな自然と芸術の面で世界でも注目されている場所のよう

で、ケネディ前米国大使も日本の中でおすすめの場所のようです。館内は、撮影禁止でしたので一

部作品をHPより引用し掲載いたします。

(ウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノー・タイム」)

 

  (モネの5点の睡蓮・「睡蓮の池」/「睡蓮-草の茂み」/「睡蓮」/「睡蓮の池」/「睡蓮-柳の反映」)

 

 

 

以上、今回は香川県を訪問いたしましたが、これで就任後60市町村、140ヶ所以上の取り組み

をみてまいりました。今回も、自ら工夫して地域資源を活用している現場の取り組みを直接見るこ

とができ、大いに刺激を受けました。特に「丸亀商店街」の主体的・自主的な取り組みは、全国の

悩める商店街のモデルとなる取り組みであると感じました。こうした頑張る地域には、国として

も、財政、人材、情報の面から最大限の支援を行うつもりです。