山本幸三地方創生探訪記録@福岡 (2017.3.19-20)

 

先週末3月19、20日は、福岡県の築上町、豊前町、田川郡を訪問してまいりました。

一部抜粋し、本HPで報告したいと思います。

 

ー 築上町 ー

・旧藏内邸

旧藏内邸は大正8年に全国6位の産出高をほこった藏内次郎作、保房、次郎兵衛の三代の住宅で、

明治30年代~大正時代に出生地の築上町上深野に建てられました。庭園とともに現在も当時の状

態をよく残しており、近代和風建築、近代庭園として極めて重要な歴史遺産です。

建物から臨む庭園は増築する前の明治38年ころに造られた回遊式庭園です。池は深く、石組の護岸

には突出する影石があり、北側には荒々しい二つの枯滝石組を並列させて、主庭の最も重要な景と

なっています。

写真は茶室ですが、庭園を一望できる開放的なつくりであり、竹の落とし掛けや俵絞りの床柱、廊

下天井の丸太など数寄屋風のつくりであるとのこと。

 

・古民家食庵 伝法寺庄

また、この藏内邸のそばにあります「古民家食庵 伝法寺庄」にもよらせていただきました。こち

らは、藏内邸に訪れる観光客から周囲に「食事処がない」との指摘を受けてから、地方創生先行型

交付金と加速化交付金を活用して、豊前宇都宮氏のゆかりの地の古民家を整備をしたもので、地元

食材をつかった昔ながらのお食事を味わうことのできる食事処です。

(新川築上町長や担当者と店内で意見交換をします)

今年の3月10日にオープンをしたとのことですが、店内はかなり綺麗です。

また、この町には「メタセの杜」という築上町物産館があります。ここで地元産の農産物を購入し

てもらうことで、築城町産農産物の品質の良さや新鮮さをPRするとともに農家の収益アップを図っ

ています。以上のように、旧藏内邸、伝法寺庄という観光ルート構築により、観光→食事→買い物

といった、町内の滞在時間の延長や地元経済への相乗効果を図っています。

 

ー 豊前町 ー

・うみてらす豊前

「うみてらす豊前」は昨年の6月にオープンし、地元漁協の未利用地に整備した、漁港にある県内

最大規模となる水産の加工、販売施設です。1階には、豊築漁協の直売所「四季旬海」が開設さ

れ、水揚げされたばかりの活魚や加工品などを購入できます。

そして、2階には、豊築漁協直営の漁師食堂「うのしま豊築丸(写真下)」が移転リニューアル

し、四季折々の豊前海の恵みが堪能できます。

(食堂の皆様と)

 

このように、「うみてらす豊前」では、加工・直売・食堂を一元化することで、安定的かつ高付加

価値の水産品販売が可能になっています。この施設ができたことで、近隣地域だけではなく福岡都

市圏からも人が豊前市を訪れるようになり、逆に漁業者も赤潮の時、今までであれば漁をあきらめ

ていたところですが、赤潮がない沖まで漁に出かけるようになったとの事です。このように、空き

家等の十分に利用されていない地域資源を活用して、地域の稼ぐ力の向上につなげようとする取組

は、地方創生の観点から非常に重要な事例であると感じます。担当大臣として今後の施策を検討す

るにあたりぜひ参考にさせていただきたく思います。

 

ー 田川郡福智町 ー

 ・ふくちのち

(町民待望の図書館には、多くの地元中高生や家族連れが来られていました。)

「ふくちのち」は福智町赤池支所(旧赤池町役場)をリノベーションしたもので、図書館機能や歴

史資料館機能、ものづくり工房やカフェ、キッチンスタジオなどの多機能を備えています。この取

組は町合併によってできた遊休スペースをまちの交流拠点として活用した良い例だと感じます。起

業及び製造業分野の産業活性化と、学力向上に結び付ける創造力と技能の向上を図る施設として期

待されています。

上部写真の「上野焼展」は、産地の自治体間連携をはじめ、400年を超える上野焼の歴史と伝統

に迫る資料展示です。豊前小倉藩主・細川忠興公が創始した上野焼は、藩窯・御用窯として400

年以上の伝統を誇る国焼茶陶で、国(経済産業大臣)の伝統的工芸品に指定され、町内に20窯元

が点在しています。(組合は13窯元)

(この日はちょうど、「ふくちのち」の開館記念式典がありましたので一言ご挨拶を申し述べさせていただきました)

 

今回は、このほかにも同市内の「上野焼陶芸館(写真)「上野焼窯 熊谷無造窯」にもお邪魔

をさせていただきました。特に上野焼陶芸館では、まちを代表する地域資源である「上野焼」の価

値とブランド力を高めるために、上野焼の若手作家5人が博多の一流シェフ集団「博多ミラベル2

1」と連携し、フレンチにも彩を添えるグローバルな器を創作しています。料理のスタイルに合わ

せて、器も進化をさせていくことで、視覚でも楽しみながらより美味しく食べることができるはず

です。

 

 

ー みやこ町 ー

 

みやこ町では、「第3回みやこジビエSAI」「みやこ町豊津物産直売所 国府の郷」へ訪問いた

しました。「みやこジビエSAI」は、福岡県でのジビエ先駆者であるみやこ町をPRし、更なる販売

促進を図るイベントで、みやこ肉(みやこ産の猪・鹿)を使ったオリジナルメニューをPRできる出

店者による販売が行われています。同イベントには、フードイベントである「大人のジビエ」にお

いて、みやこ町及び福岡県下から17店舗が出店し、ジビエ料理を提供しています。

(生憎の雨模様でしたが、多くのお客さんがいらっしゃっていました)

 

(直売所では、スーパーのように野菜、果物、魚肉類、パンや惣菜、花など何でも揃います)

また、「みやこ町豊津物産直売所 国府の郷」は、平成15年にオープンした農産物直売所で、第

3セクターの「豊津まちづくり有限会社」が運営(町60%、JA19%、商工会21%が出資)し

ており、平成27年度は5億6800万円という売り上げ実績を残しています。

同直売所は、「常連客をつくるためにはどうしたらよいのか」、という問題意識のもと、「利益の

還元と循環の仕組みづくり」をつくるために様々な取組を行っています。例えば、生産者へは手数

料をJAより安くすることで選択肢を増やし、従業員には売り上げ達成による「ボーナス」還元、そ

して出資者である町、JA、 商工会へは1割配当を続けています。

そして、新たな魅力づくりとして、九州の甘味が集まる「スイーツのみやこ」として売り出してい

くべく、直売所の隣に、カフェと加工場を併設したジャムとドレッシングのアンテナショップ、

「みやこの甘味舎」が今年の2月にオープンしています。自助の精神のもと、独自の施策で稼いで

いくという素晴らしい好例であると感じます。こうした取り組みが全国津々浦々に広がっていけば

地方創生は必ずや達成されるでしょう。