山本幸三地方創生探訪記録@愛知(2017.3.4)

 

先週末3月4日は、愛知県の名古屋市、長久手市、豊田市を訪問してまいりました。

一部抜粋し、本HPで報告したいと思います。

 

ー 名古屋市 ー

・地方創生チャレンジミーティング

(今回も250名以上の方々にご参加を頂きました)

昨月より、福岡、宮城で行ってまいりました地方創生チャレンジミーティングですが、今回の愛知

開催が最後となりました。意見交換の中では、多くの意見を頂き、地方自治体の職員だけではな

く、一般の方々からも地方創生に関する様々な質問を頂きました。前回同様に私の講演とともに、

今回は有識者として映画監督の秦建日子氏、実践事例発表の中では、(社福)佛子園理事長 雄谷良

成氏、豊岡市長 中貝宗治氏、(株)飯田まちづくりカンパニー取締役 三石秀樹氏をお招きしお

話を伺いました。

特に、映画監督の秦建日子氏には、『映画製作は地方創生のツールとなり得るか?』をテーマに、

昨年三重県桑名市を舞台にした映画「クハナ」を製作した、映画をきっかけにした「まちおこし」

の可能性についてお話をいただきました。この映画は、桑名市から市の地方創生のために作成を依

頼されたとのことですが、その予算は破格の2,000万円というような話ではじまったといいい

ます。子供達が「この街に生まれてよかった」、大人達が「この街で自分の子供を育てたい」。そ

のように思える街にしたいという想いに心打たれたのがきっかけで始まったプロジェクトだそうで

す。金額ではなく「まちを想う気持ち」で素晴らしい映画ができるというお話に感動的に聞き入

ってしましました。

 

・トヨタ産業技術記念館

トヨタ産業技術記念館は豊田佐吉氏が明治44年に織機の研究開発のために創設した試験工場の場

所と建物を利用し、平成6年に建設されたレンガ造りの施設で、23歳で最初に発明した人力織機

から、57歳で究極の目標であった「完全なる自動織機」を完成させるまでの研究と創造の生涯の

歴史とともに、近代日本の発展を支えた基幹産業の一つである繊維機械と、現代を開拓し続ける自

動車の技術の変遷を通して、日本の産業技術史について次代を担う人たちへ系統的に紹介するため

の施設です。施設には、経産省の「近代化産業遺産」にも指定されている紡織関連の機械類が収蔵

されておりました。(下図は豊田式汽力織機(1896)です)

 

現在、『豊田佐吉生誕150周年特別企画第二弾「研究と創造の生涯 ~佐吉の志と、それを支え

た人々~」』と題して特別展が開かれており、その中で『西国立志論』の実物をみさせていただき

ました。この『西国立志論』はサミュエル・スマイルズの「Self-Help」を日本の中村正直氏が訳し

たもので、その本を豊田佐吉さんが座右の書として持っていたといいます。私は、これまで、地方

創生には「自助の精神」が必要であると訴えてまいりましたが、その考えもここから引用したもの

です。こちらがその実物です。

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彼が明治維新の時以来、その本を寄りどころにして、様々な苦労、試練を乗り越えて、自分の力で

技術開発をしてトヨタ織機を、イギリスの会社が特許を買いたいというほど世界最先端のものにも

っていったといいます。今回は念願がかない実物を見させていただきました。

明治時代の先人を鼓舞した「自助の精神」は、現代においても全く色褪せてないと改めて感じました。

 

 

ー 長久手市 ー

・愛知たいようの杜 ゴジカラ村

「愛知たいようの杜 ゴジカラ村」は、特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイ、幼

稚園等が同じ敷地内に混在立地する複合施設で、名前の通りゴジカラ村は「五時から」の意味をこ

めています。仕事の世界で蔓延する効率主義を離れ、アフターファイブを過ごすように時間に縛ら

れずゆっくり過ごそうとのメッセージが込められているそうです。こちらは現在の吉田市長が30

年ほど前に設立した団体で、「様々な世代の人々が共に暮らし生きる、雑木林のようなコミュニテ

ィ」を目指して事業を行っています。(敷地内には豊かな自然が広がります↓)

 

・古民家「ほとぎの家」

古民家「ほとぎの家」は、ゴジカラ村の中にあり、築200年の愛知県豊田市足助町から移築した

古民家で、通常は、ボランティアが地域の子供たちを預かり、子育ての支援を行う「どんぐりの

杜」の拠点となっています。

(「どんぐりの杜」はまさに全世代型です)

 

ここでは、住民の方々も中に入って、職員の方々と一緒に子供たちの世話をするかたちで、それを

高齢者の方々が見守り、見守っているうちに施設に入っている高齢者も手伝う方もでてくる、とい

うような全世代ごちゃまぜのスタイルです。世話をする側の方々が、逆に子供たちの世話をするこ

とで、生き生きとしてきて生きがいになってくるという話を伺いました。このスタイルは、職員の

方々が元気に飛び回る子供たちの面倒を見切れずに、困っていた時に生まれたものだそうです。本

当に素晴らしい取り組みだと思います。

 

・西小校区共生ステーション

(施設の皆様と)

西小校区共生ステーションは、Aコープが撤退した空き店舗を活用し、平成25年11月に開設し

ました。建物の改修が始まる前から住民が集まってワークショップを重ね、施設のコンセプトやレ

イアウト、運営体制などを細かに議論して枠組みがつくられているようです。

「誰でも気軽に立ち寄ることができ、一人ひとりが役割をもって活躍できる場所」というコンセプ

トに表れているように行政主体ではなく、あくまで住民組織が主体となり運営しており、そこに社

会福祉協議会から保健士がきて、よろず相談を受け付けるような試みも行われています。

 

ー 豊田市 ー

・とよたエコフルタウン

 

豊田市は平成20年度に「環境モデル都市」の取組がはじまった当初から対象都市となっており、

様々な施策を進めています。パビリオン、立ち乗り型乗り物、水素ステーション、スマートハウ

ス、地産地消レストラン等8施設で構成され、そうした取り組みをわかりやすく伝えるための拠点

として誕生したのが「とよたエコフルタウン」です。低炭素な暮らしや交通、産業など各分野の先

端環境技術が体験できるほか、新たな産業振興の拠点としても活用されています。現在自動車メー

カーやライフライン企業、住宅メーカーなど19社が出展しており、先端環境技術の体験や新たな

産業振興の拠点として活用されています。施設は、都市と中山間の特性の併せ持つ豊田市の特性を

コンパクトに再現しており、「都市部」、「中山間地」、「山間地」へと展開する次世代のスマー

トシティを提案しています。市がフィールドとインフラを、企業が先進的環境技術を提供すること

で整備を推進しています。

 

(超小型電気自動車「COMS」を間近で見せていただきました)

 

豊田市は平成23年に「次世代エネルギー・モビリティ創造特区(地域活性化総合)」に指定され

ており、トヨタ自動車だけではなく他の様々なメーカーと協力し、新たな環境・エネルギー技術と

次世代交通の技術を実用化・普及することで、低炭素な都市環境の実現と新たな産業の創出、市民

の暮らしの質の向上を目指しているとのことです。こうした日本の先端技術が新たな収益産業とし

て発展していくことを期待しております。地方が稼いでいけなければ地方創生は実現いたしませ

ん。

(特別に「立ち乗り型乗り物 Winglet」に試乗させていただきました)