アベノミクス議員応援団本格化 超党派や若手積極参加へ インフレ、給与上昇期待

2013年2月4日 金融経済新聞

 自民党は1月31日に議員連盟「デフレ・円高解消を確実にする会」(会長=山本幸三・衆院議員)を議員本人40人の参加で発足させ、岩田規久男・学習院大教授から意見を聴取した。超党派で安倍政権が進める金融政策を支援する。自民党ではまた、1月29日に若手議員による「すべてやる。デフレ脱却、雇用を増やして給与アップ」議員連盟(会長=松島みどり・衆院議員)を議員本人37人(うち1年生22人)、代理22人の参加でスタート。両議連はともに「アベノミクスの成功を議員側から支える仕組み」だ。

山本氏の『デフレ解消議連』は自民党が野党当時、安倍晋三氏を会長に「日銀法改正でデフレ・円高を解消する会」の超党派議連を開き「この勉強会の成果がアベノミクスに結実した」としている。「しかし、1月22日の共同声明では日銀の協力姿勢はまだ十分でなく、このままではアベノミクスが失速する恐れがある」として、議連を改称して、再スタートした。政府からの正面切った日銀との交渉に限界があると見た安倍首相の意向が強く働いていると見られる。松島氏の「給与アップ」議連は設立趣意書で「(政府と日銀は)『物価上昇率の目標2%』をめざす金融政策を骨子とする共同声明を発表、あらゆる政策を総動員し、20年に及ぶデフレ経済脱却に乗り出した。これは国民に約束した『日本を取り戻す1丁目1番地』」だと指摘。

 大学生の新卒就職率は4人に1人が未就、この10年間にサラリーマンの平均給与は10%下がった」。

「安倍首相が日銀に求めた断固たる対応を支持、そして政府が規制緩和を進め、日本か『世界で一番、企業活動がしやすい国』によみがえることを求める」とした。

 会合後の記者会見で松島氏は「難しい経済用語ではなく、街頭演説でしゃべれるような、地元で語りかけられる取りまとめにしたい」と述べた。

 「給与アップ議連」には西村康稔・内閣府副大臣(前・党財務金融部会長・当選4回)が出席して講演、別表にはこの会合に出されたインフレターゲットの資料を掲載した。西村氏はとくにスイス国立銀行のバランスシート拡大について「2011年9月6日にはスイスフラン高が経済の失速やデフレリスクをもたらす恐れかあることから、1ユーロ=1.2スイスフランの上限を設け、無制限の為替介入を行うと表明」「一時はマイナス金利までつけた」とした。

 この関連資料で、米国の金融政策は「FRBは12年1月に、長期的なインフレ率の目標(ゴール)として、個人消費支出(PCE)デフレーター前年比でみて2%とすることを決定。12年1月より、政策金利の予測(0~0.25%)を公表」。その際に「適切とする期間を『今のところ少なくとも2015年半ば』との時間軸表現を、現時点で次の3要件を全て満たす場合と変更」した。「①失業率が6・5%を上回り続ける②1年から2年先のインフレ率が2・5%以内である③長期的なインフレ期待が十分抑制されている」ことだと示した。西村氏は「金融政策は日本銀行にまかされていることで、独立性は担保されている」と説明した。

 1月22日の経済財政諮問会議の今後の検討課題には、具体的検討事項で中期課題ながら「縮小均衡から拡大均衡への転換。所得増、雇用増に結びつく姿を経て、GNI(国民総所得)の拡大をもたらす自律的成長」と表現している。

 会合は規制改革が重要で「医療や農業分野の壁を突破しなければならない」「国宝と重要文化財では英訳は全く違うイメージになる」「健保の会社負担の重みがある限り非正規雇用の問題は解決しない」「国民公庫や中小公庫がなくなって不便だ」「ヤマダ電機より地元の家電業者に発注する仕組みがいる」といった発言が相次いだ。