自民・山本幸三議員、「アベノミクス」を語る 第2回 「日経」はここを読め

2013年1月29日 NET IB NEWS

2013年1月29日NET IB NEWS

<マネタリーベースを増やさないと意味がない>
 もう1つのポイント。今度は、日銀も金融緩和をやるだろうけど、国債などを買い入れる資産買入基金の額を10兆円増やしますとか、そんなやり方をするんだな。それでまた騙されるわけだ。「基金を増やしているんだ」、「金融緩和しているんだな」と。基金を増やしても他で減らせば意味がない。それが今までの例ですからね。基金が増えたら金融緩和したという錯覚に騙される。これではダメ。
 要するに、日銀全体のバランスシートが大きくならないとダメなんだ。マネタリーベース(現金と日銀当座預金)が増えるかどうかがポイントなんであって、我々が言う金融緩和というのは、マネタリーベースの金額がどんどん増えていくことであって、それが増えたり減ったりするというのが日銀がやるべきことで、「グロスの基金の金額を増やしますよ」と。だけど、買った国債はどんどん償還されていけば終わりだからね。そんなのみんな見ていないんだから、基金のグロスの金額が上がっていれば、いかにも金融緩和したかのような錯覚に陥る。というのは、基金で国債を買っても、残存期間3年以下のものしか買わないんですから。3年したらすぐ償還されちゃうけど、そんなのはみんな知らない。手が込んでいますよ、日銀のやることは。もっと長いやつを買えっていうの、僕は、10年近いやつをどんどん買えと。そうしないと意味がない。

 それから、要するに差し引きして、ネットでマネタリーベースというのは増えないと意味がない。リーマンショック以降のデータを使ってシミュレーションしますと、その前に、日経新聞のどこを見ないといけないか教えておこう。
日経新聞で読む意味があるのは、1面の記事は日銀にやられている記事だから読む意味がない。金融データのところの「短期金融市場」に、日銀当座預金とある。ここに意味がある。ここが1番基本的で大事。毎日しっかり見て、日銀が本当に金融緩和しているのか、格好だけなのかどうかを見極めていかないといけませんね。

<「期待インフレ率」を上げる>
 マネタリーベースというのは、市中にあるキャッシュと、日銀がコントロールできる日銀当座預金の金額を足したやつを言うんですけど、通常、日本では、キャッシュが85兆円くらいあるんです。それは人々の好みで決まってくるんで、日銀はコントロールできない。日銀がコントロールできるのは、国債を買ったときに銀行にお金を渡す日銀当座預金だけど、この金額を増やすことによって、金融を緩和していくんですね。この日銀当座預金がいくらになるかが大事であって、それをキャッシュと足していくらになるかが大事なんであって、今、日銀当座預金が大体40兆円くらい。これが、昨年末総選挙の前は、38兆円くらいに落ちていたんですよ。今は、40兆ちょっと超えただろう、だから最近ちょっと金融緩和したことになる。40兆円超えると、キャッシュとの合計が120兆から130兆円の間くらい、124兆か125兆円といったところかな。実は、2%にするためには、これを160兆円にすればいいんですよ。データで出ている。160兆円にすると、半年後にインフレ期待という「期待インフレ率」が2%くらいに上がってきまして、1年くらいすると、実際のインフレ率もそれに近づいてくるというのが、従来の動き方なんです。まず「期待インフレ率」を上げなければならない。ずっとマイナスだったんだけど、去年の暮れから上がってきて、今0.7~0.8%くらい。これをまず2%に上げないといけない。マネタリーベースを増やすと、それができる。「期待インフレ率」が増えると、まだ期待の段階だけど、それがずーっと続いていくように、160兆円を維持していけば、実際のインフレ率も1年か1年半後には2%になる。こういう経路なんです。だから、マネタリーベースを160兆円にしない限り意味がない。金融緩和なんてしたことにならない。それを僕が毎月チェックする。

(つづく)

【山本 弘之】