財政及び金融に関する件(2011.7.13) 財務金融委員会 質問議事録

財務金融委員会 質問議事録
(平成23年7月13日 午前の部)

答弁者:財務大臣・日本銀行(白井早由里審議委員・石田浩二審議委員)


山本(幸)委員  自由民主党の山本幸三でございます。
 きょうは日本銀行から、白井、石田両審議委員にわざわざおいでいただきまして、ありがとうございました。大変楽しみにしておりまして、じっくり議論をさせていただきたいと思います。
 その前に、財務大臣にまずお伺いいたしますが、去る七月五日に、閣議後の記者会見で、赤字国債発行法案が成立しないと九月以降予算執行に支障が出るというような会見をなされましたけれども、これはどういう意図なり、何を目指しているのか。
野田国務大臣  山本委員御指摘の七月五日の記者会見でございますけれども、四月から六月までの予算の執行実績が出ました。加えて、七月から九月までの各省の要求というものが出てまいりました。こうした数字的な背景を踏まえまして、建設公債を財源とする事業等の執行分を除いた累積支出額が九月末で四十二・二兆円になるという見込みで、一方で、財源のある歳出許容額が四十八・四兆円でございますので、このままいきますと、早ければ十月、遅くても十一月中には歳出許容額に到達をするという状況になるという客観的な事実関係を会見でお示しさせていただきました。
 すなわち、今国会の会期末、八月三十一日でございますけれども、この会期末までに特例公債法案が成立をしない場合には、九月以降、予算の執行に支障が出る、そういう御説明をさせていただいたという次第でございます。
 今国会中に何としても成立をさせていただきたい。そのためには、四月二十九日の三党合意等もございますので、そういう協議をしながらでありますが、特に与党の方は腹をくくってこの法案の成立を期して全力を尽くさなければいけない、そういう覚悟も込めての御説明をしたということでございます。
山本(幸)委員  客観的なとは言いますが、新聞報道等から見ると、野党の協力が得られないからこの法案が成立していないんだというようなニュアンスが伝わっていますよね。大体、この法案が通らない責任はだれにあるんですか。
野田国務大臣  野党の協力が得られないからということを強調した会見は、したつもりは全くございません。この法案が通らない場合の現実的な対応をどうしなければいけないかということを危機感を持ってお話をしたわけでございまして、与野党の協議が大事であることは間違いありませんけれども、特に政府・与党の方がしっかり野党の皆様に御説明をし、御理解をいただく、そのことが基本だというふうに思います。
山本(幸)委員  こういう会見をすればそんな話になるんですよ。だれの責任なんですか、これがおくれているのは。
野田国務大臣  一義的には、政府・与党がしっかり御説明をして野党の御理解をいただくというその努力をこれからもさせていただくということで、責任は政府・与党だというふうに思います。
山本(幸)委員  政府・与党のだれですか。
野田国務大臣  政府では、特例公債法案を担当する私でございます。
山本(幸)委員  そのとおりですよ。予算の歳出が通って、歳入法案が一緒に通らないんだなんというのは、その責任者たる財務大臣、あなたの責任なんだ。私の責任でできませんから、私は責任とりますというような話ならわかるよ。
 あなたは、この法案が通るためにどんな努力をしているんですか。
野田国務大臣  きちっと説明責任を果たしていきたいと思いますし、これは政党間協議にゆだねている部分もありますので、特に与党側の交渉当事者とはしっかり緊密に連携をとっていきたいというふうに思います。
山本(幸)委員  三党協議ということになっている。しかし、そのためには与党側が譲歩しなきゃいけないでしょうね。そうしないと通らないんだから。
 では、譲歩するために、あなたは与党内で努力しているんですか。例えば子ども手当、所得制限をなくすようにしましょうなんて、そんな、説得して回っていますか。
野田国務大臣  例えば子ども手当ですと、御党、そして公明党さん、私ども、私どもは城島政調会長代理でございますが、城島政調会長代理とは意見交換をしっかりさせていただいております。
山本(幸)委員  政調会長代理と意見交換しているだけで、あなた、努力していることになるんですか。私は、そういう努力をしているという姿が見えないから、おかしいと思うんですよ。それで、こんな会見をするんだから。
 財務大臣というのはそんな生易しい職務じゃないんだよ。私は今まで随分大蔵大臣に仕えましたけれども、竹下大蔵大臣のときなんて、周到な根回しをしていますよ。必死で努力している。歳出法案と一緒に歳入法案が通らないなんというのは、財務大臣は首ですよ、自民党だったら。それぐらいの気持ちがあるんですかということですよ。どうなんだ。
野田国務大臣  背水の陣の覚悟を持って臨んでいきたいというふうに思います。
山本(幸)委員  背水の陣。法案を通すときにどういう努力をしなきゃいけないか。私は野党筆頭理事になったけれども、一度も大臣から頼まれたことはないよ。かつて、亀井さんなんというのは、平の理事でも頼みに来ていた、法案を通すためにはね。そういうものですよ、法案を抱えた大臣というのは。
 これからそういう努力を必死でやるという、与党内を早く譲歩するようにまとめるという覚悟のほどを示してください。
野田国務大臣  そういう覚悟で頑張っていきたいというふうに思います。
山本(幸)委員  財務大臣ならそれぐらい腹をくくってやらなきゃだめなんだ。通らなかったら責任をとりますと言うのが筋ですよ。本来、こんな記者会見をするんだったら、それぐらいのことを言うのが普通ですね。まあ、腹をくくってやるということですから少し見たいと思いますが、しっかり頑張ってくださいよ。
 次に、お待たせいたしましたが、両審議委員にお伺いいたします。
 私は、両審議委員は信任していないんだ、本当はね。石田さんの場合は、全会一致で反対のしようがなかったんだけれども、白井審議委員のときは、私は席を立ちませんでした。自民党の中ではもう一人立たなかった人がいる。河野太郎さんが立たなかった。普通は彼とは意見は余り合わないんだけれども、今回どういうわけか合いましてね。
 そこで、少しお伺いいたしますが、記者会見で述べられたことを中心に、そして、先ほど最初の小山さんが聞いた話が中心です。
 まず、石田審議委員。日銀の国債引き受けについて、あなたは、就任の記者会見のときには、日銀引き受けというのは今までやっていなかった、今までやっていなかった日銀引き受けをした場合に、マーケットがどうとらえるだろうかという話から始まっているんです。先ほどの小山さんに対する答弁のときには、借換債というのを除いてというふうにつけ加えられましたが、あなたは就任のときには、借換債で日銀引き受けをやっているということは知っていましたか。
石田参考人  詳しくは存じませんでした。
山本(幸)委員  つまり、日銀引き受けというのは、今までやっていなかったと言ったけれども、やっていたんですよ。それでマーケットが何かおかしいことを反応しましたか。
石田参考人  特にございません。
山本(幸)委員  それなら全然問題ないじゃない。
 借換債だったらいいんですか。
石田参考人  お聞きしましたところ、この借換債は、保有している利付国債、長期債の期日が来た場合に、短期国債で一時的に借りかえるということでございますので、全体的な資金需給の調整のためであるというふうに私は理解しております。
山本(幸)委員  借換債というのは、本来、償還しなきゃいけないんですよ。償還して、そしてまた新しく発行したのと同じことですよ。だけれども、償還をしないで借りかえしていけば、新しく発行したものを、今度は短期になるかもしれないけれども、持つわけでしょう。そんなの日銀引き受けそのものじゃないか、つまり市場を通さないんだから。
 常時やっているんですよ。去年は十一兆円ぐらいやったんだ。何の問題があったんですか。
石田参考人  借換債につきましては、一たん日銀が通貨発行等の関係から資金を保有して、その金を長期国債に投入する。自己責任で、単に直接引き受けをして何もないところから国債を引き受けるというのではなくて、全体の金融政策の上で一たん引き受けたものでございますので、その期日の資金の処理については短期債で調整するということについては、私は問題のないことだと理解いたしました。
山本(幸)委員  一たん買ったものを短期債で乗りかえる、それが財政法五条の「特別の事由」に当たるんですか。
石田参考人  今ちょっと聞き取れない部分があったんですが、申しわけございません。
山本(幸)委員  国債の引き受けは財政法五条で一応禁止している、それは御存じですね。
 「但し、」ということでただし書きがありまして、特別の事由がある場合には、国会の議決の範囲内でこれはできるということになっている、その限りではないとなっている。つまり、このただし書きの規定によって、日銀引き受けというのはできるわけですね。
 借換債というのは「特別の事由」に当たるんですか。
石田参考人  借換債についても特別な議決が出ているわけでございますけれども、それは、いわゆる直接引き受けに実質的に当たらないという観点から行われていると聞いております。
山本(幸)委員  ちょっと待って。直接引き受けに当たらないって、どうしてですか。直接引き受けそのものじゃないですか。どう違うんですか。
石田参考人  一たん通貨発行等によって得たお金で長期国債を買っているわけでございますので、これ自身は日本銀行が資金調達の一環としてやったことでございまして、その期日が来たときの資金の短期間における期日の変更ということについては、特に財政法で禁止されている趣旨に反しないというような理解があって、かつてから行われているというふうに私は聞いております。また、そのように理解しております。
山本(幸)委員  だから、一たん買ったものを短期に買いかえるのが財政法で禁止している趣旨に反しない。なぜ反しないんですか。
石田参考人  私もまだ勉強途中で、間違っていたら申しわけないのでございますけれども、財政法で禁止しておる直接引き受けというのは、日銀のお金が直接政府に行く。だから、それと同時に、日銀から政府へのいわゆる貸し付けも禁止されているように記憶しております。
 ですけれども、今回の場合は、当初の長期国債の保有自体が日銀の金融調節の目的として行われたものの最後の処分でございますので、それについては直接当たらないというふうに理解しているわけでございます。
山本(幸)委員  借りかえというのは、本来は償還しなきゃいけないんですよ。償還されるのが筋なんですよ。だから、借換債というのは、償還されてそれをまた新しく買っただけの話ですよ。それを引き受けでやったんだよ。そうでしょう。違いますか。
 では、借りかえだったら、ずっと何だって日銀引き受けでいいという話になっちゃうよ。
石田参考人  そういうことから、法律では、特別の事情のある場合を法律で認められた場合はよろしいということで、法律で認められたと理解しております。
山本(幸)委員  だから、借換債が何で特別の事由なんだと。借換債というのは、一たん償還されてそれで新しくまた買うのと同じことですよ。それは面倒くさいからそのまま引き継いでいるだけでしょう。
 だけれども、理念的には、償還されて、ところがまた新しく買うんですよ。そのときは引き受けで買うんだよ、直接。それをやっているだけの話でしょう。それはまさに、その部分について日銀が自分で判断するとか云々じゃなくて、市場を通さないで直接買っているのと同じことじゃないですか。それがほかの引き受けとどう違うんですか。理念的には一緒ですよ。
石田参考人  借換債の場合は、新たに日本銀行からの資金の供給が生じないというふうに思っておりますし、また、それを行った理由については、私もまだ二週間で細かいことはわかりませんけれども、いろいろな事務的な都合もあるように思います。というのは、日本銀行と大蔵省との間では日々大変多額の資金のやりとりがございますので、そういう範疇の中に、ある程度、借換債をやっていくという事情があったのかな、これは私の推測でございます。
 ただし、聞いておりますところでは、その借換債は短期の国債でございますので、期日になったら必ず返還を受けているそうでございますので、そこについては技術的な要因で行っているように私は理解いたしました。
山本(幸)委員  もう一回、ちょっと聞き方を変えますが、借換債といっているんだけれども、これは原理的には、満期が明けたら、政府は、持っている日銀に対して一たん償還するんですよ。そして、新しく短期国債を直接買うんですよ。それが行われているわけでしょう、経済理論的には。そうじゃありませんか、それはお認めになりませんか。
石田参考人  日本銀行として、多分、長期の国債を保有して、期日が来て、それをまた全体的な資金の調節を行う場合に一たん返却を行って、また買うということになれば、いろいろと手数もかかるでしょうし、その限りでは、私は技術的な要因ではなかったかなと思っております。
 ただ、一たん返却をしてまた市中から買うということでも、現実の手続の煩雑さはありますけれども、実際に行われることは同じでございます、経済的には同じでございます。
山本(幸)委員  それは違いますよ。
 もう一回確認しますが、経済理論的には、借換債というのは、一たん償還したものを、今度は短期だけれども、日銀は買うわけですね、短期債を。それは市場を通さないで直接買うわけだよ。そういうことをやっているということでしょう、それは確認されますかと言っているんです。
石田参考人  先生のおっしゃるとおりでございます。
山本(幸)委員  そんなの当たり前ですよ。だから早く認めてくださいよ。
 であれば、その借換債は、一たん償還した後にまた今度は短期を買うんだけれども、それは日銀が金を出しているんじゃないか、金を出して買っているんでしょう。そういう形になっているんですよ。だけれども、面倒くさいから、途中を省略してやっているんだけれども、理念的にはそういうことを行っているんですよ。明らかな日銀引き受けですよ。そうじゃありませんか。
石田参考人  引き受けという行為自体は行っているわけでございますし、だからこそ、法律上明確に、借換債の引き受けをやるということを認めていただきまして、我々の中の業務もそれに基づいて整々とやっている。ただ、もとになるお金が既に銀行券の発行から出た原資でございますので、それによって新たに新発の国債を引き受けたのとは違うのではなかろうかというふうに、金融的には考えているわけでございます。
山本(幸)委員  いや、それはさっきの答えと違うんだよ。理論的には、一たん償還した、しかし、また、今度は短期債だけれども、新たに金を出して買ったんですよ、日銀は。そうでしょう。それは市場を通さないで引き受けで買ったんです。全く日銀引き受けをやっているんですよ。
 借換債については、財政法第五条の「特別の事由」。では、復興財源については、こんな大震災が起こって、特別の事由じゃないんですか。
石田参考人  復興債といっても、結局は国債でございます。ですから、新発債ということで、全体の債券の、国債の発行の中で、枠組みの中で考えられる。ただ、それについてどのような返済の形をつくるのかというのは、ただいま、これから国会と政府とで議論されることだと聞いておりますので、私はコメントする立場にはございません。
山本(幸)委員  何を言っているんだ。あなたは金融政策を決める重要な立場にいるんだよ。その人が、この大震災という事象を特別な事由と思わないんですか。
石田参考人  もともと、復興債が幾ら出るのか、それからいつ出るのか、まだわからない状況でございますが、それは、市中消化ができないということを前提に日銀が引き受けるということになりますと、私は、それは避けるべきだと。もともと市中消化ができるのであれば、日銀消化、日銀引き受けはするべきではないというのが先ほどの私の見当でございます。
山本(幸)委員  では、ちょっと話をかえますが、市中消化ができればそんなものをしなくていいという議論をしているわけですか。では、あなたは、デフレをどうしたら解消できると思うんですか。
石田参考人  デフレについては、やはり私個人としては、雇用がふえていかないとなかなか難しいのかなという気がいたします。まず、需要がある程度の復活をして、一方で投資も出てこないと、全体としての経済活動の勢いが出てこない。現在は、私思いますに、やはり将来に対してそれほど大きな希望を持てない、あるいはプロジェクションが持ちにくいという方がいらっしゃいますと、どうしても手前で支出をしたり投資をしたりということが滞るわけでございます。
 そのあたりにつきましては、やはり、新しい雇用を創生するような、あるいは今の仕事からもう少し違う仕事にかえるようないろいろな施策が必要なんだろう、そういうふうに思っております。
山本(幸)委員  雇用がないとデフレは直らないか。
 あなたはフィリップス・カーブというのは御存じですか。
石田参考人  余り得意ではないんですけれども、デフレと失業率との関係を示したものだと思います。
山本(幸)委員  そのとおり。つまり、雇用が出てからって、デフレが進んでいたら雇用は出てきませんよ。日本では大体二・二五%、コアCPIがそれより低くなったら失業率ががあんと上がるんだよ。
 それから、投資あるいはその需要がどうして出てこないか。日銀の失敗でデフレ期待が起きているからですよ。金融政策が失敗しているからですよ。デフレ期待が変われば、投資も出てくるし、消費もふえますよ。そして雇用も、デフレがなくなって雇用もふえていくんだ。
 それをやらなきゃいけない。その課題とこの復興ということを一緒にやらなきゃいけないんですよ。そのときに、市場で消化できればいいというんですか。お金を出さないで、市場でやっていればいいというんですか。金利が上がって円高になって、いよいよ悪くなりますよ。そう思いませんか。
石田参考人  直接の引き受けということではございませんけれども、日本銀行としては、デフレ脱却のために包括的な金融緩和を強力に進めているところでございます。実際に現在、十年債で一・一%程度という、先進国でも、後進国も含めまして、世界的にも最も低いレートが出ているわけでございまして、私どもは、この方針を、実際のインフレ率が適正な水準に達するまで強力に進めていくということをコミットしているわけでございます。
山本(幸)委員  国債の金利が一・一と低いのは、デフレ期待が蔓延しているからですよ。つまり、日銀の金融政策が足らないからですよ。それで、適切なインフレ率に達するまでやりますなんて、いつまで待つんですか。今やりなさいよ。この震災と同時にお金を一斉に出せばいいんですよ。それが直接できるのは日銀引き受けだ。そう思いませんか。
石田参考人  日銀引き受けについては、冒頭、最初の御質問で申し上げましたように、非常に副作用が強いわけでございます。ちょっと申し上げますと、今、一・一という利付国債十年物のレートができているわけでございますが、実際の公的な債務はGDPの二倍、二〇〇%前後ということかと思います。
 今、海外でいろいろな問題が起きている国がございますけれども、押しなべて、彼らの数字は我が国よりもはるかに少ないところにあるわけでございます。それなのに、なぜ我が国がこういうような低いレートであるのかということについては、それは、ある意味でいいますと、国債のマーケットが、国債のマーケットというのは我々の国としてのライフラインだと思います。極めて貴重なインフラストラクチャーだと思いますが、そこが吸収する形に今なっているということでございまして、ここを万一にも傷つけることがあるというのは、私は避けるべきではないかと。
 そういう観点から、非常に危険な一つの、直ちにインフレが起こるということではございませんけれども、原理原則の非常にかたいかぎをあけるのはいかがなものかなと思っておるところでございます。
山本(幸)委員  副作用があるとおっしゃいましたが、どういう副作用があるんですか、日銀引き受けをしたら。国債のマーケットが吸収する形になっているからそれでいいか。日銀が吸収しちゃえば一番いいじゃないですか、マーケットに影響しないんだから。
石田参考人  日銀というよりも、マーケットがどういう影響があるかというと、多分、今ありますのは、なぜこれだけの低いレートができているか、そういう非常に強固な国債のマーケットができているのか。それは一つは、我が国の経常収支黒字に見える貯蓄の超過。それからもう一つは、やはり、政府なり国会なりが財政規律についてどこかでしっかりとした対応をとってくれるという信頼、あるいは、人によってはどうとられるかわかりませんが、日本銀行の金融政策に対する信頼感。もう一つは、これは非常に、人によって違うかもしれませんが、今まで長い間にわたって低位安定してきたという国債のレートの推移の事実をとらえて、これからもレートは低いだろうという期待の醸成。
 こういうようなものは、今はあるんですけれども、これが何らかのきっかけで変化してきた場合には、我々は国債マーケットの悪化、状況の変化については非常に失うものが多いんだと思います。そういう観点から申し上げているわけでございます。
山本(幸)委員  全く説得力を感じないんですがね。
 国債マーケット、何でレートが安いんだ。それはデフレ期待があるから安いんですよ。
 それで、国債マーケットは今はいいけれども、日銀引き受けをしたらどうして国債マーケットは壊れるんですか。
石田参考人  直接引き受けをすると、それは日銀が財政のファイナンスを直接やるというふうに見られますから、それによって財政規律が緩むというふうに見られて、金利が上昇の圧力を受けてくる。直ちに受けるかどうかは別にして、基本的に今マーケットを構成している一つのコンフィデンスが壊れてくるというふうに思います。
山本(幸)委員  そういうでたらめな、日銀が言っているような言葉で毒されてはだめですよ。
 財政規律が緩む。では、財政規律というのは何ですか。財政規律というのが問題だというのは、公債の対GDP比率が拡散することが問題なんでしょう。それを確認してください。
石田参考人  先ほども申し上げましたように、どこかでこの増勢がとまるような規律が生じるであろうというマーケットの期待があると申し上げましたけれども、そういう意味では、拡散していかないことが問題なわけでございます。先生のおっしゃるとおりでございます。
山本(幸)委員  そうしたら、分子が公債発行残高だ、分母が名目GDPですよ、どうしてこれはどんどん上がっていったんだ。
 それは、デフレで名目GDPが下がって、税収が下がったから国債を発行せざるを得なくなって分子が上がり、それで分母の名目GDPが、九二年から変わっていないんだから、デフレで。そうでしょう。
 これを直すためには、まず、名目GDPを上げればいいんですよ、財政規律を確立するというのは。名目GDPを上げるためにどうしたらいいですか、デフレをなくせばいいんですよ。デフレをなくすための仕事は日銀しかできませんよ。政府が幾らやったって、政府は規制緩和とかなんとかで実質成長率の部分は直せるかもしらぬけれども、物価の部分は日銀しかできないんだから。その名目GDPを上げるという、つまりデフレをなくすという仕事を、やらなきゃいけないのはあなたの仕事なんですよ。
 それについて、復興と一緒にやるのは、一番いいのは、お金を出してデフレ期待を反転させるということが一番いいんでしょうと私は言っているんだよ。それがむしろ財政の規律を確立することになるんでしょうと。どこが日銀引き受けをやったら財政の規律がおかしくなるんだ、逆でしょう。デフレが解消して名目GDPは上がるんだから。違いますか。
石田参考人  資金の供給については、日銀としてはとり得る限りの量を投入しているというふうに思いますし、先般の大震災発生の直後から、大変多量な資金をマーケットに出しているところでございまして、その辺については十分理解しているつもりでございます。
山本(幸)委員  これは結果で判断されるんだ。デフレ期待がなくなっていなきゃ、十分にしていないということですよ。一時的にばっと出したって、また引っ込めちゃったんだから。しかも、リーマン・ショックの後は世界各国が物すごく出したのに、日銀はほとんど何もしなかったんだから。だから円高になっているんですよ。
 今度、どんどん円高になりますよ。復興財政で財政出動を拡大していけば円高要因になるんだから。それでお金を出さなかったらいよいよ円高になりますよ、きのうは七十九円になったと言っているけれども。それをどこがやっているんですか、やっていないよ。それをあなたは変えてやらせるようにしますかというその覚悟のほどを聞いているんだよ。
石田参考人  ただいま、日銀の調節におきましては、短期を非常に潤沢に、じゃぶじゃぶにしております関係で、通常の入札については札割れが続いている状況でございます。札割れというのは、日銀が出すという金額に対して応札する人たちの金額が足りないということでございますけれども、そういうように私どもも精いっぱいの努力を今後とも続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
山本(幸)委員  札割れをしないようなものを買えばいいじゃないですか。長期国債は本当の長期国債を買えば、買えますよ。金融機関はどんどん、あなたも金融機関にいたけれども、たくさん持ち過ぎているんだから。札割れするようなものを買うからそうなるんだ。だから、そういうこと。札割れしないような長期国債を買ってどんどん金を出すということを約束しますか。
石田参考人  個別の品目はわかりませんが、マーケットが必要とする、日本国が必要とする資金を供給するのは私どもの責任でございますので、精いっぱい供給していく所存でございます。
山本(幸)委員  石田さんにはもうこれぐらいでやめますが、しっかりしてもらいたい。日銀の、当局の話だけ聞いて、それにコントロールされるようじゃだめですよ。どうも、今のを聞いているとその心配がある。それでは審議委員としての仕事は果たせないんだ。腹をくくってデフレを脱却するという覚悟がなきゃ、やめてもらいたいんだ、私は。
 そのことを白井さんにもお聞きしなきゃいけないので、ちょっとストップしておきます。
 白井審議委員は、日銀引き受けについて、国際コンセンサスがEUであるというような話で、否定的だというようにおっしゃいましたが、国際コンセンサスというのは一体何なんですか。
白井参考人  御質問にお答えします。
 国際コンセンサスというのは、私、かつてIMFに勤めておりまして、それ以降もさまざまな国際会議で、いろいろな政策担当者の方、もちろんアカデミアの方とも議論いたしますが、そこでのコンセンサスというのは、これはもう先進国で明らかだと思いますけれども、やはり中央銀行の役割というのは、その国で発行される銀行券の信認を確保すること、それから物価の安定を維持すること、物価の安定を維持することから国民の生活も安定してきますので、それが大事だということが認識されていると思います。
 そこで、それを確保するためには、例えば政治側の方で、景気循環の局面において、例えばもっと金融緩和をという声があったときに、そういうのとは別に、やはり第一義的な目的である物価安定と通貨の信認を維持しようということで、多くの国が、先進国はほとんどだと思いますが、中央銀行の独立性を維持してきているということで、それを私はコンセンサスというふうに呼んでおります。
山本(幸)委員  物価の安定を維持する、そのために中央銀行の独立性がある、これは結構だと思いますよ。だけれども、そのときに、物価の安定の目標というのは政府が決めるんだ。それが国際的なコンセンサスじゃないですか。
白井参考人  物価の安定を政府が決めるということの意味がちょっとよくわからないのですが、私たち日本銀行では、中長期の物価安定の理解というものをお示ししておりまして、四月には、中心値としては一%というものを示しております。
 もちろんそれ以外に政府の御見解があるのかもしれませんが、日銀としては、一%というのはどのようにしてつくられているかと申しますと、一つは、CPI等の物価指標が持っている上方バイアスの部分、それから、やはりデフレスパイラルが起こってしまうかもしれないということで少しのり代をあげようということ、それから、日本の場合ですと、過去の消費者の皆様それからマーケットの皆様の物価観、そういったものを参考にして、私たちでそれぞれの数値を出し、その中心値を一%というふうにしております。
 私たちの目標は、その中長期の物価安定の理解に基づき、そこに到達するように、そして、かつ、インフレ率が低い水準で安定するとともに、経済、景気も安定させるということを目的にして、常に必要な政策を考えております。
山本(幸)委員  私が言っているのは、いわゆるインフレ目標政策というのは国際的なコンセンサスだよと。国際的なコンセンサスというのは、インフレ目標政策をほとんどの国が採用している、先進国。変動相場制で採用していないのは、日本とアメリカぐらいなものですね。だけれども、アメリカだってもう二%と言っていますよ、バーナンキは、議会証言で。
 それは、アメリカと日本はのけて、ほかの国は、インフレ目標政策の採用国は、目標については政府が決めているんですよ。そして、その達成手段については中央銀行の独立性でやっていただきましょうというスキームになっておる。それが国際的なコンセンサスじゃないんですか。
白井参考人  御質問にお答えします。
 例えば私の理解ですと、ECBはECBが決めております。それから、FRBはFRBが数値を出していると思います。政府が決めているというのは、私の理解の中では、ございません。
山本(幸)委員  では、ほかの国はどうですか。ほかのインフレ目標政策の国はどうですか。
白井参考人  少なくともイングランド銀行はしていないと思いますし、先進国は基本的には、インフレーションターゲティングをとっている国ととっていない国がありますが、それぞれの目安、あるいは国によってはインフレーションターゲティングですけれども、それは中央銀行が決定していると理解しております。
山本(幸)委員  違いますよ。イングランド銀行なんて政府が決めていますよ。インフレ目標政策はほとんど政府が決めているんだよ、目標は。政府と中央銀行が相談するところもある。しかし、最終的には政府が決めているんだよ。達成手段は、中央銀行の独立性で、尊重してやりましょう、それが国際的コンセンサスですよ。
 ECBとアメリカは、おっしゃったようにアメリカは難しいんだ。物価と雇用、二つ目標が課されているからね。物価だけになかなかできない。だけれども、それはFRBがはっきりと、バーナンキが、二%を下がったら危ないとしょっちゅう言っているんだから。そういう国際的コンセンサスがある。だから、大体二%前後の国際的なコンセンサスですよ。
 それに対して日銀は、中心値が一%、わけのわからぬ、中期的な理解だと言ってごまかしているわけですよ。つまり、目標じゃないから責任を逃れられるわけだ。責任逃ればかりやっているんだ、日銀は。あなたはどうしようと思っていますか。
白井参考人  先ほどの発言に誤りがありましたので、訂正いたします。
 イングランド銀行に関しましては、政府と中央銀行の合意に基づいて行われているということです。ただ、それにいたしましても、それは、中央銀行もさまざまな要因を検討した上で、その上でのインフレの目標の設定だというふうに理解しております。
 今の御質問は、済みません。(発言する者あり)インフレーションターゲティングについてどう思うかと。
 日本銀行は……(山本(幸)委員「二%ぐらい」と呼ぶ)はい、二%ですね。二%というのは、例えばECBの例で申しますと、やはりそれは、国あるいは地域、社会によって違うと思うんですね。例えば欧州大陸の場合は、過去の趨勢を見ましても、インフレというのは非常に、どちらかというと高目に来ています。大体平均で二%前後です。
 ですから、やはりインフレの目標、目安として決めるときには、過去の消費者の皆様、あるいは企業それからマーケットの皆様が持ってきたインフレ観、物価観というものを参考にする必要があって、我が国の場合は、過去十年等を見ますと、やはり低目ですので、必ずしもアメリカやヨーロッパが二%だから我が国が二%にする必要はないと思っています。
山本(幸)委員  過去十年低かったって、当たり前でしょう、日銀が失敗してデフレにしているんだから。
 それを国民が望んでいると思うんですか。あなたは、デフレでどれだけ国民が苦しんでいるかという気持ちがないんですか。失業者はふえているんだ、倒産もふえているんだ。これが、実質成長率が二%で名目成長率が四%成長していたら、九二年から四%成長していたら、今GDPは倍になっていますよ。失業者も半分以下だ。倒産も減っている。円高もない。そういうことについて、過去の日銀が失敗したもので、それでいいと言うんですか。
白井参考人  日本が長い間デフレに苦しんできたこと、それは、山本先生と同じく、私も常に考えておりました。
 日銀の失敗によってデフレが起きたのかどうかということなんですけれども、私自身としては、では、なぜ日本がこれだけ、GDPデフレーターで見ると長い間デフレが続いてきたのかというふうに考えますと、これは、例えば今は、震災がありましてGDPギャップが大きくマイナスになっていますから、瞬間的に非常に需要が落ちているという面がありますが、それよりもやはり重要なのは、構造的に日本の場合は成長が期待できない。企業の皆様と話しても、金融機関の皆様と話しても、何を金融機関の方がおっしゃるかというと、やはり投資先がないと言うんですね。
 やはりそこは、もし企業が、あしたがよくなる、二年後にはよくなると思えば設備投資を国内でやっていきますし、家計の皆様も、安心して使える社会である、収入が上がっていくという期待があれば消費をしていくわけですが、残念ながら我が国の場合には、そういう先行きに対して期待が持てない、そういうところで来てしまっている。つまり、専門的に言ってしまいますと、先生が御承知のように、潜在成長率が非常に低いという状況で来ているということだと思うんです。
 ですから、だからこそ日本銀行は、過去にも、現在もそうですが、大量なベースマネーを供給しております。しかし、それは貸し出しの方に回っていかないわけですね。
 やはりこの現実というのを考えますと、もちろん、日本銀行がやるべきことというのは私自身も審議委員として常に考えてまいりますが、やはりそこには構造的に、みんなであしたがよくなるというふうな気持ちを持てるような、そういう社会をつくっていかないと、デフレの脱却というのは難しいというふうに見ております。
山本(幸)委員  その点は午後に総裁とゆっくりやりますが、潜在成長率が低いからと。潜在成長率なんというのは日銀が決められるんですか。決められませんよ、そんなものは。日銀ができるのは物価を上げるか下げるかですよ。それは、物価といっても、単純な、量をふやした、そのままずばっというんじゃなくて、予想物価上昇率。これはベースマネーをふやせば上がっていきますよ。後で、午後に証拠を示してやるけれども。
 そのときに、今まで日銀がやってきたことは、せっかくよくなりかけたときにすぐやめるんだよ。二〇〇〇年の八月、速水さん、ゼロ金利解除。私は大反対した。声明文まで持っていった。やめて半年もしないうちに、量的緩和解除とか、大失敗だったでしょう。その後、福井さんになって量的緩和をやって、もっとやっておけばいいのに、二〇〇六年の三月にまたやめちゃったんだよ。
 つまり、物価がゼロを超えてくるとすぐやめるんですよ、ベースマネーの拡大を。だからデフレ期待が一向に直らない。その結果、それでまた金を出すんですよ。金を出したって何の効果もないんだよ。
 それは、ちゃんとベースマネーを上げていくということについて市場がまさに信認をして、デフレ期待がインフレ期待に直るという信認を得られない限り変わりませんよ。今は、信認されていると言うけれども、日銀はデフレ目標をしているということについて信認しているんだよ。
 マーケットの期待を、緩やかなインフレ期待、つまり二%ぐらいのものについて、どうしたら変えられると思いますか。
白井参考人  先生の御質問にお答えします。
 最近の例で申しますと、私は四月に日本銀行に勤めるようになりましたが、それ以前から見ておりまして、やはり日本銀行は、私の率直な意見としては、かなりほかの先進国と比べてもいろいろな手段をとって、踏み込んでやっていると思うんですね。日本銀行はすごくデフレのことを、山本幸三先生と同じぐらい懸念しております。ですから、普通の中央銀行ではやらないところまで踏み込んでいるということをぜひ御理解いただきたいんです。
 例えば、昨年の六月には成長基盤強化のためのオペレーションというのをやっています。これはもう非常に踏み込んだやり方なんですね。それを承知の上で、やはり私たちはデフレをすごく懸念しております。ですから、本来は中央銀行がやることではないかもしれませんが、それを一歩踏み込んで、やはり少しでも金融機関の皆様に新しい、そして成長力のある企業を見つけてほしい。私たちは直接企業に融資するわけではないですから、金融機関に融資をするわけですから、金融機関の皆様に成長という意識を持って開拓してほしい、そういう呼び水になりたいということで、一兆円の枠を設定し、ほぼ使い切りました。
 それで、四月に、さらに踏み込んで、日本の場合には担保がないとなかなか企業がお金を借りられません。ですから、ABLとか担保のない形での金融支援を支援しよう。そこには、新興企業や新しい企業の方に担保がなくてお金を借りられない人たちがいる。ですから、そこに何とか日銀が呼び水になりたいという気持ちでやっておりますので、私どももできる限り、日銀としてできること、つまりデフレ克服というのを常に考えておりますので、御信頼いただければと思います。
山本(幸)委員  全く信頼できないから言っているんですよ。いつから日銀は政策金融公庫になったんだよ。そんなものはやらなくていいよ。
 本当に潜在成長率を上げるような産業がわかるんだったら、日本でデフレも起こらないし、成長していますよ。そんなものは、石田さんじゃないけれども、銀行だって本当はわからないんだよ。わかるのは、企業経営者しかわかりませんよ。必死で金を借りて、コストをかけて、命をかけて仕事をしている人しか、そんなものはわかりませんよ。高給取りで、いいオフィスを持って、車もついて、そんなものわかるわけないじゃないですか。そんなことは、そんな、何かやっていますからと言いわけになるようなことはやらなくていい。
 そうじゃなくて、ちゃんとデフレ期待をなくすように、お金をふやせばいいんですよ、お金を。それしか変わらないんだから。それを、いろいろやっていますとか、言いわけするようなことばかり日銀に吹き込まれて、そればかり繰り返すようだったら、あなたはもうまさに仕事なんかできませんよ。どうですか。
白井参考人  先ほどちょっと言い間違えてしまいましたので、訂正いたします。
 成長基盤強化支援資金供給における新たな貸付枠は三兆円でした。訂正いたします。
 御質問は、済みません。(発言する者あり)日銀に毒されるなと。
 全く毒されていません。私は今も、日銀のMPM、金融政策決定会合で、納得のいかないことはもうびしばしと発言しておりますし、全くそういうことはありません。もし自分が納得がいかなければ、それは伝えております。
 私の正直な、審議委員に就任して三カ月ちょっとになりますけれども、私が今実感していることを申し上げます。
 一つは、金融政策というのを考えるときは、大学で私は教えていましたけれども、大学のマクロ経済でいうシンプルな金融政策とはちょっと違うということですね。金融政策を判断していくには、大量な情報、それからヒアリング、そして日々のマーケットの動きというものを見て、非常に大変な時間がかかるんですが、そういったところで理解をしてやっているということです。ですから、そこにはやはり相当な情報を受けて、その上で判断しているということを申し上げたいんです。
 ですから、私は日銀に感化されたわけでもなく、常に私自身として最適と思うことを発言してきております。
山本(幸)委員  そう思えない。だって、あなたが説明したことは日銀と一緒で、成長基盤拡大融資を一生懸命やっています、中期的なインフレ期待というのはこうです、日銀が言っていることを繰り返しただけじゃないですか、今までに発言したことは。
 そうじゃなくて、じゃ、デフレ期待を一掃するために何をやるんですかと。日銀引き受けをやると覚悟するのならいいよ。
白井参考人  先ほどから申し上げていますように、デフレに関しては、私自身も個人的に、そして日本銀行でもみんな真剣に考えて取り組んでおります。
 そして、私たちは、その一環もありまして、昨年の十月に包括的金融緩和というものを導入し、中長期的に見通している物価安定の理解、つまり一%というところですが、そこに到達するまで事実上のゼロ金利を維持するということを伝えておりますし、私たちはそういうものを見通せるまでずっとやるというふうに伝えているわけですね。
 ですから、私たちは、それ以外に、今も申しましたように、一歩踏み込んで、成長のための資金というものも供給しているわけですから、それに関しては私は日銀は一生懸命取り組んでいると思います。
 ただ、なお、今後、やはり今いろいろな問題が起きています。ですので、常に私たちも誠心誠意取り組んでまいりますので、必要に応じて必要な対策をとっていきたいと思います。
 日銀の引き受けに関しては、やはり、私はどっちかというと海外が長いんですけれども、その引き受けをするということ自体、私たちはマーケットから基本的には買っております。先ほどの乗りかえの話はまた別のルールがありますけれども、基本的には私たちはマーケットで買っています。
 やはり、私たちが国債をマーケットで買うときに一番気をつけなければならないのは、マーケットによってその国債を買うということが財政ファイナンスと思われてしまったとき、それはもう信認を失っていくわけですね。そのときに何が起きるかというと、それはマーケットがいつ信認を崩すかにもよりますけれども、それはリスクプレミアムというものにはね返ってき、それは長期金利の上昇ということになる。
 マーケットの皆様が国債の利回りの動きを見るときに何を重視しているのかというものの二つ目に入るのが、財政要因ですね。ですから、ギリシャの危機の経験もあってわかりますように、やはり今、非常に、新興諸国よりも先進国の方が財政状況が悪いわけですね。今、世界は、かつてと違って、情報が非常に簡単に入ります。格付会社も、世界の三大、四大格付会社がありますけれども、常にそういう格付というもので判定します。
 そういう時代において、やはり国際的なコンセンサスというのはありますので、そのもとで、私たちは日銀として、やはり銀行券の信認を失わないこと、そして、財政規律の喪失とみなされないように、我々としてできる限りのことをやっていくというのが大事だというふうに思っております。
山本(幸)委員  財政規律の話というのはさっき私が話しましたので、もう一回よく考えておいてください。むしろ、デフレをなくさなきゃ財政規律なんてよくならないんだ。
 それから、国際的コンセンサスと言っているけれども、国際的コンセンサスでもっと大事なのはインフレ目標政策でしょうと私は言っているんだよ。そっちの方がコンセンサスですよ。そして、それに近づけるような金融政策をやれと。そのための手段をいろいろ新しく考えてほしい。
 だけれども、あなたの説明は、ほとんど日銀が言っていることをそのまま繰り返していただけで大変危惧を感じますが、今回だけじゃなくてまた来ていただきますから、よろしく。
 質問を終わります。