CO2 二五%削減について質す!(2010.3.17)財務金融委員会 質問議事録

CO2 二五%削減について質す!

衆議院財務金融委員会 議事録

開催日:平成22年3月17日

○山本(幸)委員 同じ山本でありますけれども、私は幸三の方であります。

私は、質問するときは必ず日銀総裁に大体来てもらうんですけれども、きょうはちょっと時間が短いのと、政策委員会が開かれているということでちょっと遠慮いたしました。そこはちゃんとやってもらうという期待と、やってもらうという前提で呼ばなかったわけでありますから、しっかりやってもらわなきゃいかぬ。

その意味で、最初に、これはもう予算委員会、前回の委員会の繰り返しになりますけれども、菅大臣の決意をもう一度確認しておきたいわけであります。

要するに、大臣がはっきりと、こういう目標だからしろ、その一言だけ言っておけばいいんですよ。あとの手段とかいろいろな議論というのは勝手にやらせておけばいいわけで、要するに政府としての目標は、デフレを克服すると。その具体的な中身は、先般菅大臣が言われましたけれども、CPIで、本当はGDPデフレーターじゃないとだめなんですよ、そうじゃないと名目成長率三%になりませんからね。そうすると、とりあえずはCPIでもいいですよ、それを一%強にしてもらわなきゃいかぬ。これは何年もかかってやったって意味がないので、せいぜい一年か一年半、最大限二年以内でしょうね。

当初は、ことしじゅうにプラスにしてもらって、来年半ばまでには一%強ということが目標だよと。したがって、それをちゃんと日銀にやってもらう、そこだけ言っておけばいいんですよ。そしてあとは、手段は、独立ですからお任せしますよということでおっしゃっていただければ結構だと思いますし、あと何か、言いわけみたいなことを日銀が言うんだったら、私が全部論破してやりますから。

ぜひ、大臣は、その目標をしっかりとやってもらうということの決意をもう一度お伺いさせてもらいたいと思います。

○菅国務大臣 せんだって来、山本幸三先生の方からこの問題の指摘を、この場でも何度もいただきましたし、また、ほかの委員の方の質疑でも、日銀総裁が同席のもとで同じような議論がありました。

私もその国会の場、同席をしている場において、前回山本先生がおられた場でも申し上げたわけですが、政府としては、やはり日銀の言うプラス〇から二%、一%程度が目安だ、そういうことで、私たちもその一%、あるいは私個人的にはもうちょっと高目もあっていいと思っているということも申し添えて、そういうものを目指していくという共通の目標を日銀も理解されていると思うということを申し上げ、また、今一年半あるいは二年ということを言っていただきましたが、見通しでも二年ぐらいはまだ、なかなか物価はプラスに移らない見通しではありますが、できることならば、年内にもそういうものをプラスになるように、政府としては政府としての努力をするので日銀としてもぜひ努力をしてほしい、そういうことを、そういう場も含めて十分に意思は伝えているつもりであります。

きのうきょうと決定会議が行われておりますので、余り言い過ぎると逆に、日銀法等のことでまたいろいろ逆の意味でのリアクションもあり得るという指摘もありますので、私としては、そういう国会の場などを通して十分に意思は伝わっている、伝えているということで、それに向かって今後も、政府の努力も含めて全力を挙げていきたい、このように思っております。

○山本(幸)委員 大変結構だと思いますので、ぜひしっかりとやってもらうように、今後も日銀に対して申し入れてもらいたいと思います。

それから、日銀の独立性、国会から独立なんて何もないんですからね。国会ではがんがんやりますから、その点はお任せをいただきたいというふうに思います。

それからもう一つ、ちょっと注意しておいてもらいたいのは、さっきもちょっと申し上げましたけれども、本当は、一%というのはGDPデフレーターじゃないとだめなんですね。実質で二%、GDPデフレーターで一%で成長戦略の名目三%成長というのが実現できるわけで、問題は、GDPデフレーターとCPIはちょっと乖離するんですね。

大体、今までの平均からいうと、CPIの方がGDPデフレーターより〇・八上じゃないと、GDPデフレーターは一にならない。つまり、CPIでいうと一・八ぐらいにならないとGDPデフレーターは一にならないというのが大体今までの経験則ですから、その点も頭に入れておかないと、菅さんのおっしゃる名目成長三%というのは実現できないんだということをぜひ留意しておいていただきたいと思います。

それでは次に移りますが、ちょっと用意していなかったんですが、先ほど山本有二先生の方から沖縄の返還に絡む秘密預金の話がありまして、私も大変懐かしく思い出していたんですが、私は役所に入って最初にその問題を担当していたんですね、一年生で。すぐスミソニアンというのがありまして、一九七一年の十二月に三百六十円から三百八円に切り上げさせられたわけですね、スミソニアン合意で。その翌年に沖縄返還ということがあるわけで、返還の日は五月十五日だったと思いますが、それに向けて全省を挙げてやっていたわけですね。

私は大蔵省の文書課というところで国際金融局担当の法律、政省令をやっていましたので、そのときに、どういう形で沖縄にあるドルを円に交換するか、それを担当していたわけでありますが、一番問題になったのは当時の変換レートなんですね。スミソニアンがありまして三百八円になったんですけれども、そこはやはり沖縄の方々に対する今までの御労苦に報いるためということで、実はあのとき、旧平価の三百六十円で変換してあげたんですね。

そのために大量の円札を船で運びまして、しかも、海賊に襲われるかもしれないというのでダミーの船まで出して大輸送作戦をやった。

しかも、沖縄国会をやっているときに、実は返還の日に交換するということだったんだけれども、それでは間に合わないということで、急遽変換の日にちを一週間ぐらい早めたんですね。ところが、法律では返還の期日は十五日になっているのに、告示の段階で変換の日にちを早めちゃったので、これはある意味でいうと法律違反を事実上やっちゃったんですね。当時、沖縄国会をやっているその審議中に大臣の決裁をもらいに行って、そして告示を出して三百六十円で大変換をやったんですね。

そういう意味で、そういえば、そのときにかえたドルはどこに行ったんだろうかなと思いましたけれども、今振り返ってみるとそういうことになっていたんですね。それは私は全く知りませんでしたが、財務官クラスの決断でやったんだと思います。

ちょっとお伺いしたいのは、その九百万ドルというのは外為特会の勘定ではないんですか、別の特別な勘定でやっているんですか。わかりますか。

○中尾政府参考人 お答えいたします。

山本先生がおっしゃるように、一億三百万ドル、沖縄で現金が流通しておりましたが、それを円に交換いたしました。その一億三百万ドルというものを、実際流通していたものを無利子預金にするということをアメリカと約束しておりましたので、合計一億三百万ドルをアメリカに預金したわけですけれども、外為特会として五千三百万ドル、それから日銀のバランスシートにおいて五千万ドル預金してまいったわけですが、お答えとしては、財務省の分は外為特会でございます。

○山本(幸)委員 そうすると、外為特会の金利収入とかいうところに、それがゼロだから上がっていなかったということになるわけですね。では、もうちょっと外為特会の余裕金が出てきて、場合によっては埋蔵金として使われたかもしれないということなんですね。わかりました。それは、いずれまた別途の機会でやりたいと思います。

そこで、本題の方に移りますが、本題の政投銀の関係する話については、有二先生が私の問題意識についてはほとんどやられましたので、ちょっとその前提となるCOP15のことについて関連して聞きたいんです。

私の理解では、COP15というのは失敗したんだ、つまり合意に達することができなかったと。日本は鳩山イニシアチブということで、二五%削減ということで意気込んで行ったんだけれども、しかし、それは前提条件が当然あったわけで、主要排出国がしっかりとその合意に入らなければ、それを前提にやるんだということでやっていたわけですね。ところが、これは合意に達しませんでした。合意を留意するというわけのわからない表現になって、失敗したんだけれどもそれを何とか取り繕う表現にした、テークノート。テークノートというのは何も拘束力はありませんよね。

ところが、COP15全体は合意にも達しないそういうものなのに、資金拠出についてはやるんですか。全体は合意にもなっていないものなのに、金を出すということだけは、そういうことは関係なしにやろうというふうに思っているんですか。その点、いかがでしょうか。

○田島副大臣 お答えを申し上げます。

COP15におきましてのコペンハーゲン合意につきましては、委員御指摘のとおり、合意ではなくテークノート、留意するという形にとどまりました。これについては先生がおっしゃるとおりでございます。

しかしながら、このコペンハーゲン合意につきましては、最大排出国と言われております中国やアメリカなどの主要国が参加をし、また、我が国を初め既に百カ国以上が賛同をしておりまして、そのうち削減目標や行動を提示している七十三カ国の排出量を合計いたしますと世界全体の約八一%に相当しておりまして、これ自体は重要な進展だというふうに私どもは評価をしているところでございます。

コペンハーゲン合意につきましては、直ちにこれを実施することが規定をされておりまして、我が国といたしましては、この資金支援も含めて、同合意の実施に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

○山本(幸)委員 そこが私は納得できないんですね。

こういう国際交渉というのは、金を出すというのは、全体が合意して動き出すときに初めて金を出すということをしなければ、ただ出しただけでほかは何も動かないといったら全く意味がないし、それは国民の税金の無駄遣いじゃないですか。

私はかつていろいろな国際金融機関の増資交渉とかをやったこともありますけれども、やはり国益とそれから全体の合意とのぎりぎりのせめぎ合いをやるわけですよ。そして、最後にまとまって、ほかの国も義務をちゃんと履行するという枠組みができたときに初めて、日本もそれじゃこれだけの金を出しましょうという約束をするわけで、テークノートとか拘束力のないようなものに終わっているもので金だけ出しますというばかげたことを何で日本がやるんですか。私はそれは全く理解できませんね。

その前提が成り立つと、では今後も、中国も入らない、アメリカも入らない、今度COP16がどこで決まるのか知らないけれども、そういう中でも金だけは出しますということをやるんですか。

○田島副大臣 お答え申し上げます。

我が国は、排出削減等の気候変動対策に取り組んできた途上国、また気候変動の悪影響に対して脆弱な途上国を広く対象といたしまして、二〇一二年の末までに、約三年間で官民合わせて約一兆七千五百億円、このうち公的資金は一兆三千億円になりますけれども、この規模の支援を実施するということをCOP15で表明してきたところでございます。

今御指摘いただきましたけれども、コペンハーゲン合意には資金支援だけではなく途上国の削減行動等も盛り込まれておりまして、全体のパッケージとして合意されているところでございます。したがって、一方的に途上国に対して資金支援をするといったような性格のものではございません。

支援の実施に当たっては、国際交渉の進捗状況等々をしっかりと注視して行っていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

○山本(幸)委員 もう一回確認しますよ。

つまり、こういう合意の大事なことは、はっきり言えば、中国とアメリカがしっかり入って、排出についての責任ある義務を自分たちも履行しますよという合意がある程度納得できる形で取りつけられたら、それは結構ですよ。それだったら世界全体のためになるし、日本もそれに貢献しましょうというのは当然だけれども。

中国がちゃんと入って義務を履行するという、それが満たされない限りは金は出さない、それぐらいの決意をちゃんと持っているんだということをもう一回確認してください。

○田島副大臣 先ほども申し上げたとおり、このコペンハーゲン合意にはアメリカそしてまた中国の主要国も参加をし、それぞれ削減目標、行動を提出しているところでございます。そういった意味で、重要な進展だというふうに評価をしていると申し上げたとおりでございますので、先生が御心配いただいている点も、今回のコペンハーゲン合意についてはクリアをしているのではないかというふうに私は承知をしているところでございます。

○山本(幸)委員 ちょっと待ってください。全然なっていないんだけれども。

中国はどれだけ削減すると約束しているんですか。事務方だって何だっていいよ。

○田島副大臣 失礼をいたしました。

中国につきましては、二〇〇九年の十一月に発表された目標値としては、GDP当たりの排出量を二〇〇五年比で四〇から四五%削減するということを目標として表明しております。

○山本(幸)委員 それで、日本としてはこのレベルで満足するんですか。日本は九〇年比で二五%削減ですよ。それを二〇〇五年比で、GDP比でやるなんて、そういう約束だったら日本だって下げればいいじゃないですか。日本と同じように、日本がやるようなことに対するぐらい、最大排出量なんだから、そういうことを要求しないんですか。

ただ中国がこれだけやりますと言って表明したら、はい、わかりましたと、それで納得するという交渉をやっているんですか。

○田島副大臣 委員御指摘のこの中国の目標、数値だけ見れば確かに、二五%削減目標の前提条件を現時点で満たしているとは言いがたい状況にございます。

しかしながら、次期枠組みにどのような形で参加するのかといったこと、また、その取り組みの透明性の確保といったような点も含めて総合的に判断をしていくことが必要ではないかと考えております。

我が国二五%の削減目標は、これをてこにして、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築、また意欲的な目標を掲げていくように働きかけを行っていく性格のものと認識をしております。したがって、この目標を直ちに見直していくということは考えておりません。

前提条件が満たされたかどうかは、次期枠組みに関する法的な文書の採択の時点で最終的に判断することになると考えております。

○山本(幸)委員 全然わからないんだけれども、では、まず聞きましょう。

鳩山イニシアチブが、日本としては二五%削減というのを約束するけれども、それには、その前提条件として主要排出国云々の話があるわけですね。中国が一番ですよ。その中国がどういうところまで約束したら前提条件が満たされると判断するんですか。

○田島副大臣 今のお尋ねにつきましては、それこそ、国際合意に向けての取り組みの交渉中の段階でございますので、現段階では、先生に御答弁させていただくことは控えさせていただきたいと思います。

○山本(幸)委員 そんなのは全く納得できませんよ。

前提条件はこうだと言って、日本はこれだけやりますよと約束するわけでしょう。その前提条件がはっきりしなかったら何だってできるじゃないか。そんなばかな話がありますか。国際交渉も何も始まりませんよ、スタートラインが。

そして、金だけ出すということをやって、金を出すための法律改正を今やるんですか。財務省も、そんないいかげんなことで認めるんですか。だめですよ、そんなのは。中国がここまで最低限やるということがない限り、こんな資金拠出はしませんとどうして言えないんですか。

○田島副大臣 鳩山イニシアチブとして、我が国の資金支援につきましては、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意が前提であることは、先生も御承知のとおりだと思います。しかしながら、この前提条件が満たされなければ全く支援を行わないという趣旨のものではございません。

我が国では、このコペンハーゲン合意を支持しておりまして、世界全体の温室効果ガスの削減、また、二〇一三年以降の気候変動対策に係る新たな枠組みへのスムーズな移行、また、新たな国際枠組みへの途上国の野心的な参加の促進などの観点から、必要な途上国支援は引き続き積極的に行っていきたいと考えております。

○山本(幸)委員 前提条件が満たされなくてもやりますなんて、そんなばかな話がありますか。では、前提条件って何なんだ。

そんないいかげんなことで税金を使ってもらっては困りますよ。そう思いませんか。与党の皆さん、それでいいんですか、そんなことで。だめですよ、そんなの。前提条件が満たされなければ日本はやらないという覚悟を示さない限り、国際社会からばかにされるだけですよ、あんなのは金を出させればいいんだと。国際交渉になんかなりませんよ、そんなのじゃ。財務省はそんなので金を出すんですか。

○野田副大臣 今回の二〇一二年度までの資金の提供、拠出というのは、これは前政権下で、二〇〇八年から五年間で一兆二千五百億円、いわゆるクールアース・パートナーシップで国際公約になっていました。それを鳩山イニシアチブで、二〇一二年まで、本来は、二五%削減は主要国の参加が前提でありますが、そのプロセスの過程で少し拡充をした金額になっているということで御理解ください。

○山本(幸)委員 だって、前政権のときは二五%削減なんて言っていないんだから。ちゃんとできるところの、無理のないところでこれだけやりますよと、最大限できると判断したもので、一九九〇年比八%、それから二〇〇五年比一五%、それで言っていたわけですからね。

それを、前提の二五%削減というのを変えてこれでまた広げるというときには、当然、その二五%の前提条件となる主要排出国が、つまり中国、アメリカもそうです、本当に有効な形でこれに参加するということが満たされなければ、こんなお金出してはだめですよ。そんないいかげんなことで税金を使ってもらっては困る。

これはぜひ真剣に与党の皆さん方も考えてもらいたい。そのことをお願いして、質問を終わります。