農業政策に直接所得補償制度の導入を!(2002)

日本の農業を守るために

 私は、日本の農業を守る唯一の手立ては、直接所得補償政策を徹底することだと一貫して訴えてきています。農業は、他の産業と違って、外国に持っていくという訳にはいきません。しかも、美しい国土を保全する機能や、安全な食を確保するという重要な機能を果たしています。農業をつぶしてしまったら、日本という国は成り立ちません。私共は、そのことをはっきりと認識し、そのための応分のコスト負担を覚悟すべきであります。その上で、最も有効な方策はというと、農家の所得を直接に補償することです。これだと、農産品の市場メカニズムを一切ゆがめることなしに、農家の存続を図ることができるからです。それ以外の価格保証や減反政策などは、市場メカニズムをゆがめるため、一時的に農家の利益になるように見えますが、消費者の反発を買い、需要量が減ってしまって、元も子もなくなってしまうのです。

 新しい農業基本法の下で、中山間地向けに、この政策が採られるようになりましたが、私に言わせれば、まだまだ不十分で、もっと本格的に、全面的にやらなければなりません。むしろ、農業政策は、これ一本でいくというようにすべきであります。

 次に最近、中国からネギなどの輸入が急増し、セーフ・ガード発動をと騒がれています。しかし、本格的セーフ・ガードの実施は、WTO規約上、そう簡単なことではありません。

 実は、最も簡単でWTOなど気にせずにできるセーフ・ガードがあるのです。それは、円を安くすることです。円を安くすると、外国からの輸入品が一勢に値上がりし、その分輸入がストップします。

 この円安にするための方策が、日銀による通貨の量的緩和であります。私は、今、舛添要一氏らと、日銀法改正案を作り、日銀に「物価安定目標」を持ってもらって、量的緩和をするように迫っています。これはデフレ解消を目指したものなのですが、その過程で、円安をもたらすという一石二鳥の政策なのです。つまり、日本の農業を守るためにも、日銀法改正を訴えているということです。

 農業の分野では、まだまだ課題が山積しています。今後とも、皆様の御意見を拝聴し、微力ながら、誠心誠意頑張って参りたいと存じますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。