調整インフレ政策について(2001.9.21)財務金融委員会 質問議事録

平成13年9月21日       

財務金融委員会

●山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三です。

 私は一年前、ゼロ金利解除などとばかなことはやめろと主張して、そんなことをやれば必ず株は下がって景気が腰折れすると言っておりましたが、速水総裁は、いや、デフレ懸念は払拭されたんだと強弁して断行いたしまして、その結果が今日の状況であります。

 そういうことを含めて、日本銀行の政策というのはおかしい、しかもいつも手おくれ、小出しで、何をやっておるかわけがわからぬという問題意識を持っておりまして、これでは日本銀行の本来の使命を果たすことができないと思うので、私は、あるいは仲間と、海外の例とかを見て、物価安定目標を持ってもらって、そして金融政策をやってもらうのが一番いいと考えて、党内で日銀法改正研究会というものを立ち上げたわけであります。それに対して総裁が我々を侮辱するような発言をされまして、そんなことを言うのなら公開討論に出てきてじっくり議論しようじゃないかということを申し入れたわけでありますが、逃げられました。それは国会で答弁しているからということでありますので、きょうはぜひ逃げないで、ちゃんと答えていただきたいというように思うわけであります。

 そのときに総裁が弁明されたのは、自分が批判したのはインフレ目標政策ではない、批判したのは調整インフレ政策であるということで弁明をされました。それでは、調整インフレ政策とは何なのか、きちんと定義してください。

 

 

●速水参考人 山本先生には、いつもいろいろ忌憚のないアドバイスや御意見を賜って、感謝いたしております。

 調整インフレの定義とは何かという御質問かと思いますが、調整インフレ政策というのは、私どもは、高目のインフレ率の目標を設定して、その目標の実現のためにあらゆる手段を動員する方法と考えております。

 これに対して、海外の一部の中央銀行で採用されておりますインフレターゲティングというのは、物価安定の目標を数値で示した上で先行きの物価や経済成長率の見通しを公表して、何らかの事情によりその目標を達成することが困難であったり、あるいは適当でないと判断する場合には、その理由を説明する仕組みを整備するというものであると思います。その意味で、インフレターゲティングとは、基本的には金融政策運営の透明性を高める手段であるに違いないと思います。

 したがいまして、両者の違いを考える上で、目標が何%以上なら、あるいはこうした手段を使えと、使えば調整インフレ政策になるんだと機械的に割り切ることは適当でないと思います。両者の違いは、つまるところ、経済の健全な発展と整合的な、持続的な物価の安定を目指すのか、それとも、副作用やリスクに目をつぶってどんな手段を使ってでも物価を上げようとするのかということではないかと思います。

 将来の成長期待や生産性を高める努力がないまま物価を上げようとすることは、経済の健全な発展という観点からして極めて危険な方法であり、日本銀行としてそうした政策をとるつもりはございません。

 

●山本(幸)委員 全然定義になっていない。ぐずぐずインフレターゲット政策はこうだという説明をされましたが、調整インフレは、高目のインフレ率を目指して、そしてそのためにはあらゆる手段を動員するものだ、これは非常に危険だという価値判断まで入れて言われた。この高目のインフレ率というのは何%ですか。

 

 

●速水参考人 それは別に数字では決まっていないと思います。

先ほども、七〇年代でしたか、八〇年代ですか、調整インフレという言葉が日本で随分はやったことを私もきのうのことのように覚えております。このときはやはり、円高を回避していくために国内の物価を上げていった方がいいといったようなことからそういう言葉が出たのだと思います。クルーグマンという方が三、四年前においでになって、やはりこれと同じような趣旨のことをおっしゃったことを私も記憶しております。

 そういうことでいえば、今イギリスなどで採用されている二%とかいったようなことでなくて、もっと高い率を言っておられるのではないかと推測いたします。

 

●山本(幸)委員 あなたは、調整インフレはいけないと言って、それはばかな政策だと言って、はっきり切って捨てたのですよ。そのときに、その対象になっているものが、何を批判したかというのをしっかり定義できないで、そんな議論ができるのですか。これは大変危険だ、これはばかな政策だと。物事の、経済の議論というのは、きちっとした定義から始まるのですよ。定義もしないで議論なんかできない。定義しないでいれば、人によって何だって含み得るのだ。その結果、調整インフレに、ある新聞なんかは、調整インフレとインフレターゲット、あなたが説明したようなインフレターゲットはもう同じようなものだというようなことまで書かれている。そういう議論を惹起するようなことでは、生産的な論議にならない。

 それで、今、二%ぐらいだったらまあいいかもしれないと言われた。では、何%以上が高目の成長率で、それからもう一つ、ありとあらゆる手段を使っちゃいかぬということですから、どういう手段が日本銀行として認められて、どういう手段がいけないと思っておられるのか。きちっとそれを定義してください。

 

 

●山口参考人 私からお答えさせていただきます。

 

 後者の、どういう手段なら認められ、どういう手段は認められないかということにつきましては、先ほどもちょっと御質問がありましたのでお答えを申し上げましたけれども、現在、日本銀行法の中で、日本銀行が買い入れることが認められている資産というのが日銀法三十三条の中で列挙されております。私の解釈では、それは健全な資産ということを一つの共通項に持っているものではないかと思いますので、例えば、時々世上言われておりますような不良資産を日本銀行が買い上げるというようなことは、政策の手段としては是認されないのではないかというふうに思います。一例を申し上げました。

 

 

●山本(幸)委員 では、手段として認められるのは、日銀法三十三条に書いているやつは手段として認められる、それ以外は認められない。まあ今、一応はそうですね。

 

 では、もう一つ。高目の成長率というのは何%ですか。

 

 

●山口参考人 高目の成長率についての御質問ですか。(山本(幸)委員「失礼、高目のインフレ率」と呼ぶ)インフレ率の方でございますか。これは、総裁が先ほどお答えを申し上げましたけれども、何%までなら是認され、何%以上なら是認されないというくっきりとした一線を描くことは、なかなか難しいと思います。

 一つには、そういう一線を設けて、そこまでなら許されるというような政策を仮にとった場合、現実にインフレ率に弾みがつき、そういう一線に到達した場合にそこで食いとめるということがなかなか難しいという、一つの歴史的な経験が踏まえられているというふうに思います。

 それから、国によってインフレの経験というのは、それぞれの長い歴史的な経験というのがございまして、恐らく国民がこの程度までならというふうに是認する限界というのも違うのではないかというふうにも思っております。

 

 

●山本(幸)委員 今、最後におっしゃったように、私は人によっていろいろ違うと思うのですよ。違うと思うのだけれども、日本銀行総裁が調整インフレ政策はばかな政策だと言ったのだから、あなたにはこの対象となったものをきちっと定義する責任があるのですよ。

 これは人によって違うから、そういうつまらぬことで決めつけられると議論が進まないよと、そうであれば、日本銀行総裁は、何%以上が調整インフレだと、これはきちっとしなくてもいいよ、少しぐらい幅があってもいいのだけれども、それが対象がなければ批判しちゃいけないのですよ。でも批判したのでしょう、ばかな政策だと。何%ですか。

 

 

●速水参考人 両者の違いを考える上で、目標が何%以上なら、あるいはこうした手段を使えば調整インフレ政策になるといったような機械的に割り切ることは、これは適当でないと思います。

 両者の違いは、つまるところ、経済の健全な発展と整合的な、持続的な物価の安定とを目指すのか、それとも、副作用やリスクに目をつぶって、どんな手段でも使って物価を上げようとするというのか、ここにあるのじゃないかというふうに思います。

 

 

●山本(幸)委員 定義になっていないというのですよ。

 

 経済の成長とか整合的じゃないようなやつはだめだと思う、副作用やそういうリスクに目を向けないのはおかしいと思うと。では、それはどういうインフレ率を考えたらそういうことになるのだという判断がなければおかしいじゃないですか。それは定義できないのですか。どっちなんですか。

 

 

●山口参考人 恐縮ですが、私から再度お答えをさせていただきます。 日本銀行の政策委員会が、昨年かなり時間をかけまして物価の安定という状態を数字でもって定義できるかどうかという議論をいたしました。そのときの私どもの理解では、現在のように構造変化がかなり急速に進んでいると思われるような時期には、数字でもって明確に物価の安定ということを定義づけることは極めて難しいという判断がございました。

 

 これは一例を申し上げたわけですけれども、実際の例を見てみましても、例えば昨年中も、消費者物価は前年比若干の下落という状態になりましたけれども、そういう物価情勢のもとでも企業収益は顕著な改善を示す、賃金は安定傾向をたどる、それから経済成長もプラスになるというようなことが起きました。ところが、ことし、外的環境ががらっと変わってきますと、似たような物価の変動のもとで、経済情勢そのものも大きく変わってきたというようなことがございます。

 

 そういうことをとりましても、単一の数字でもって物価の安定を定義する、これは言ってみれば許容できる物価の安定の議論につながっていくと思いますけれども、そういうことがいかに難しいかということを御理解いただけるのではないかと思います。

 

 

●山本(幸)委員 要するに、日本銀行総裁は調整インフレはばかな政策だと批判したのだけれども、自分の批判した対象が何なのかわかっていない。何を批判したのかわかっていないで、ばかな政策と言い続けているのですよ。そういうことでしょう。もうちょっと時間を上げるから、今度しっかり定義してきてください。

 

 もう一つ、最近日本銀行はまたおもしろいことを言い出している。資金をじゃぶじゃぶ供給していますと。じゃぶじゃぶの定義。

 

 

●山口参考人 金融市場の中では、短期の金利がほぼ軒並みゼロになるというような超緩和の状態が実現してきております。じゃぶじゃぶということをもって、これも量的に幾らあればじゃぶじゃぶというような一線を画すことはできませんけれども、短期金利がほぼ全面的にゼロに張りつくという状態、それから金融機関自身が、これ以上の流動性の供給をされても、それに対してはなかなか需要が追いついてこないような状態、それがとりもなおさず金利ほぼゼロというところに反映されているわけですが、そういう状態をわかりやすく説明する言葉として用いております。

 

 

●山本(幸)委員 短期の金利が全面的にゼロになるような状況、これは名目金利ですね。実質金利は高いですよ、デフレだから。あなた方は、では実質金利のことは全然気にしないで、デフレがどんどん進んでいるという状況には関係しないで、短期の金利が全面的にゼロになっていれば、ああ、もうじゃぶじゃぶでいいんだ、そういうことを言っているのですか。 さっきもお話があったように、金融機関からお金なんて外に出ていないじゃないですか。じゃぶじゃぶというのは、資金市場でじゃぶじゃぶと言っているだけであって、実体経済にないですよね。その短期金利がどうのこうのというのは、そんなものはあなた方が勝手に決めた基準であって、私は日本銀行法を読む限りは、基準は物価がどうなるかですよ。物価の安定が日本銀行の使命でしょう。物価の安定というのは、別に四、五%のインフレなんて言いませんよ、昔に戻してくれと。九四年ぐらいのレベルでもいいや、少なくともデフレをなくしてもとに戻してほしい、デフレをなくしてほしい。それが日本銀行の使命であり、それが基準であるべきじゃないのですか。それからいえば、デフレの状況が続いているというのは、私の定義からいえばじゃぶじゃぶじ?ありませんよ。あなた方の話を聞いていると、一九三〇年代のアメリカの恐慌とそっくりだね。三〇年代アメリカの、よく経済学者が議論する、名目GDPに対してお金の多い、マーシャルのkがすごく上がっちゃった、これはじゃぶじゃぶだといって、金融をそれ以上緩めなかったのだね。そして恐慌になっちゃった。恐慌状態になっている、私は日本経済は今恐慌に入りつつあると思っているのだ。恐慌になりつつある、デフレがどんどん進んでいるというデフレスパイラルの状況の中で、何がじゃぶじゃぶなんですか。物価が全然安定していないじゃないですか。それは、あなた方の思考が、過去の日銀的な感覚と、こういう恐慌の教訓を全然学ぼうとしない立場における単なる表現であって、しかし日本銀行法を読む限りは、物価の安定という点からいえば、その最終目標を達成していない以上はじゃぶじゃぶでも何でもありませんよ。 もし銀行が不良債権で困っているのなら、それをどうするかというのを日本銀行総裁は考えるべきじゃないですか。そういう異常事態の中で、どうしたら使命を果たせるのかと。自分たちはこれだけ出しているから後は知ったことじゃないという感覚でいいのですか。恐慌に陥るという危機?は全然ないのですか。じゃぶじゃぶというのも、さっきの調整インフレというのも、さっき話があったように相対的議論。だけれども、日本銀行が責任を持って、総裁がそういう発言をする以上は、きちんと定義してもらわなきゃ困るのだ。これはいずれ、さっきの調整インフレと高目のインフレ率、それからじゃぶじゃぶの定義について、私が言ったことを含めてきちっと再定義し直してもらいたい。次に、山口さんにお聞きしますが、あなた、調整インフレのときに、三十三条で認められる手段はまあいいと。これはそうでしょうな。しかし、それ以上はだめだと言われましたね。では、四十三条はどういう意味を持っているのですか。四十三条は、財務大臣が認可すれば何でもできるのですよ。

 

 

●山口参考人 四十三条の第一項の後段の方には、「ただし、この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない。」と規定しております。

 

 

●山本(幸)委員 だから、財務大臣の認可を受ければ何でも売買できますね。それは恐らく異常事態になったときでしょう。私は、今日の日本経済は恐慌に入りつつある、しかも不良債権問題で銀行機能がちっとも機能しない、異常事態だと思いますよ。そう思いませんか。そうしたら、財務大臣と相談して、日本銀行として、物価の安定、デフレを解消するために、そういう不良債権を持って銀行がシステム不全に陥っているときにはどうしたらいいかということを考えてやるべきじゃないのですか。

 

 

●山口参考人 二つのことをお答え申し上げたいと思います。

 

 第一は、日本銀行が先ほどじゃぶじゃぶという表現で申し上げた状態、これは、金融市場の中における流動性の状態と、それと裏腹にある低金利の状態を指しております。先ほど来の御議論にもございますように、残念ながら、金融システムから金融システムの外側にある企業、個人のところに、信用供与、金の流れというのが順調になっていないという状態が続いております。

 

 それに対して、日本銀行として何が追加的にできるのかという問題を提起しておられるのだろうというふうに理解いたしますけれども、金融システムの問題を流動性対策のみで解決するということは、これはしょせん困難だというふうに思います。

 

 私どもが例えば法三十三条によって健全資産の買い入れに通常の業務を限定されているということは、もう少し広く考えますと、日本銀行のなし得る仕事の範囲というのが基本的には流動性の供給であるというふうに定義づけられているということであろうと思います。

 

 そういう範囲を超えまして、金融機関のバランスシート問題そのものに日銀のオペレーションでもって対処していく、バランスシートの改善を図っていくということが、果たして、この法律を仮に使いましても適切と認められるのかどうかというようなことにつきましては、私はかなり慎重な検討を要するように思います。これが申し上げたい第一点でございます。

 

 それから、山本委員の御指摘の中でもう一つ、第二点、物価の問題を、物価が下落傾向をたどっているときに、その状態のもとで流動性が幾ら潤沢に供給されても、それはじゃぶじゃぶとは言えないという御指摘がございました。これは、現下の情勢の中で、物価の下落を金融政策だけでとめることができるのかどうかという問題を提起されたのだろうと思います。

 

 私どもは、短期的には、というのは金融政策の効果が及ぶ射程距離というような時間的な観念で今一応申し上げておきますけれども、そういう短期的な時間の幅の中では、物価は、需給ギャップを初めとして、例えば輸入物価、例えば構造変化、輸入物価ということは為替の影響をそこに含むわけですけれども、あるいは原油価格の突然の変化といったことも含めていいと思いますけれども、そういうもろもろの影響を受けて物価の動きというのが決まってくるというふうに考えております。

 

 したがいまして、金融政策だけではなくて、もっと需要供給全般に働きかけるような総合的な施策が必要ではないかというふうに思っております。

 

 

●山本(幸)委員 最初のバランスシート問題、日本銀行がやれというのは私も賛成しません。そんなことをやれとは決して申しません、不良債権問題、買い取るとか。私は、やるなら、それはあくまでも市場ができている資産でやるべきだというように思いますから、その心配は要りません。

 

 それから二番目は、それはそうかもしれない、いろいろな要素があるかもしれませんね。しかし、輸入物価、ユニクロなんというのは相対価格の話であって、経済全体の、一般物価水準をどうするかというのは、それは日本銀行の大きな責任ですよ。その中で、物価の観点からすれば、全然じゃぶじゃぶじゃないんだから、もっと出せば為替レートだって円安になりますよ、もっといい効果が出る。

 それで、個別の需要、供給の話をしているんじゃないんだから、総需要と総供給の話をしているんだから、総需要曲線、お金の量を出せば総需要曲線は上にシフトするなんて経済学の教科書に書いてあるじゃないですか。

 

 最大の需要拡大策ですよ、金融政策は。だから、そういう意味で、物価が安定、少なくともデフレがなくなるという方向にするまで、足りないじゃぶじゃぶだ、これは。もっとやらなければ、日本経済は確実に恐慌に陥りますよ。

 

 僕は、小泉さんの構造改革は大事だと思うけれども、デフレ下で構造改革をやって恐慌に陥ったのが過去の歴史じゃないですか。デフレをとめなきゃ。それは政府とも本当に政策協調は要るけれども、しかし、今与えられた条件と、限られた時間的な制約と、不良債権処理が一瞬にしてできますか、そんなこと。そうであれば、デフレが続く限りは不良債権はどんどんふえるんだから、日本銀行は、その機能が不全だということを前提にして、おれができることをやりますと。そう言わないと、日本銀行は平成恐慌をもたらした最大の元凶者といって将来歴史に悲しい名を残すことになりますよ。

 

 恐慌に対して、そんな心配はない、恐慌のときにインフレの心配はしなくてもいいんだからと、ピントがずれているけれども、あなた方は恐慌になりつつあるという認識はないんですか。

 

 

●山口参考人 まず、はっきり申し上げたいと思いますけれども、日本銀行も、経済のデフレ的な傾向を阻止したいというふうに考え、そのように努力しているということでは人後に落ちないつもりであります。だからこそ、私どもは、現在のような政策を、消費者物価の上昇率が最低でもゼロになるまでは継続するというようなかなり強いコミットメントを発しているつもりでございます。

 

 その上ででございますけれども、それだったらもうちょっと総需要がふえるような金融政策をとってはどうかという御指摘がございました。

 

 それに対して申し上げたいわけですけれども、金融政策でもって総需要を刺激するためには、やはり金利がさらに低下するというようなことが基本的に必要ではないかというふうに思います。現在の日本の金融の状況というのは、残念ながら、金融システムが御指摘のような問題を抱えております上に、いわゆる教科書的に言う流動性のわなというのに近い状態に陥っているのではないかと思います。

 

 そういう次第でございますから、私どもは、金融政策だけでもってできることにはかなり限界があるというようなことを申しておるわけでございますが、なお引き続き、そういう限界の中でどういうことをできるのかということは懸命に考え続けてまいりたいと思っております。

●山本(幸)委員 最後に一言。

 

 いや、全く危機意識が足りない。大変な事態になりつつあるという問題意識をもっともっと持ってもらいたい。それから、金融政策だけでといいますが、消費者物価をゼロにするのに、我々の持っているシミュレーションでは、マネタリーベースを、今八%、九%ぐらいだけれども、これを一五%伸ばしても二年かかりますよ、ゼロにするのに。そういう状況だと私は認識している。もっと危機感を持ってしっかりやってもらいたい。