財政政策と金融政策の整合性を(2001.2.20) (マネー&マネー)

平成13年2月20日 (火曜日)

「財政政策と金融政策の整合性を」

――日銀法改正求める山本幸三代議士にきく――

 株価や物価が低迷し、政府、自民党内においてもデフレへの危機感から日銀の金融政策に対する議論が高まっている。そのようななか自民党・山本幸三代議士は、「何を基準に金融政策を決定しているのかわからない」「”日銀理論”は間違っている」などとして日銀法の改正を求めている。同氏によると今回の改正案の狙いは「財政政策と金融政策との整合性をはかる」、「日銀の金融政策決定の基準を明確にし、透明性を求める」ことであるとし、物価安定目標水準の公表や、政府側出席者の議決延期権などを求めた。以下その要旨。

 

金融政策決定基準を明確化=物価安定目標水準の公表

 

(日銀の金融政策について)

「十分な資金供給が行われているとは思わない。景気が緩やかに回復しているという”日銀理論”は間違っている。そもそも金融政策は、実質金利を基準に運営されるべきもの。名目金利を基準にする今のやり方はおかしい」。

「日銀理論に基づいて行われた昨年8月のゼロ金利政策解除は明らかに失敗だ。政府が景気のエンジンを噴かそうとしているときに、森首相をはじめ、政府の延期要請まで振り切って、日銀は景気に対して逆噴射するようなことをしてしまった。結果的にみてゼロ金利政策が解除された7-9月期GDP成長率はマイナスだったのであり、何を基準にゼロ金利を解除したのかわからない」。

 

(日銀法改正案のねらい)

「今回、日銀法改正案を提出したのはまさにそのところの問題を解決したかったため。改正案のポイントは、

①政府の財政政策と日銀の金融政策にきちんとした整合性をとれるようにする、

②そのための手段として政府側出席者に議決延期権を付与する、

③日銀が何を基準に金融政策を行っているのか明確にするため、”物価目標安定水準”をはっきりと打ち出させる

――などであるが、これらのことをシステムとして機能させるための法改正案だ」。

「まずでは、現在でも日銀法第4条において政府と日銀との政策の整合性を採られるようにうたってはある。しかし8月のゼロ金利解除にみられたようにそれは十分なものとはいえない。今回の改正案はそれを強化し、政府と日銀のあいだの意思疎通がしっかりできるよう、制度上の担保を与えるためのもの。ただ、だからといって日銀の独立性をおかすようなことはしてはならない。日銀に対してチェック機能がきちんとはたらくようにしたものだ」。

「独立性といっても、グリーンスパン米FRB議長のような優れた識見の持ち主であれば大いに主張すべきであるが、そうでない人たちに何のチェックもないというのは問題だ。そのためにシステムがしっかりしていなければならない」。

「次にだが、ドイツ連邦銀行では「中央銀行理事会に参加する政府代表の要求があった場合、(理事会の)決定は2週間延期される」などとある。今回の改正案では、これを参考に、日銀の金融政策と政府の経済政策とのより一層の整合性を確保するためのものだ」。

については日銀の金融政策運営に対してアカウンタビリティ(説明責任)を求めるもの。ゼロ金利政策の解除の条件についても、”デフレ懸念払拭”など当局にしかわからないような言葉を使っていた。何を基準に政策運営しているのか明確にするため、はっきりとした数字で物価安定目標水準を示す必要がある」。

「現在の日銀法では、「通貨及び金融の調節」に関する一定の事項について、その具体的な議決内容として、「物価水準の目標や通貨の供給の見通し」などは明記されていない。政策委員会の議決事項のひとつとして明確にしていこうというものだ。政策委員会が決めることなので、日銀の独立性を侵すことにはならない。」。

「これは、インフレターゲティングではなく物価安定目標水準だ。きちんとした人が独立性を持ってきちんとした政策を執り行えば、実行することは可能。英中銀の成功例は良い例だ」。

 

「公定歩合下げなど目くらまし」

(景気の現状について)

 「今回の日銀公定歩合の下げ、新貸出制度の創設は「目くらまし」にすぎない。ゼロ金利政策の復活、さらには量的緩和などもっとまともな政策が必要だ。一方ミクロ面でも金融機関を中心に不良債権処理を早く進める必要がある。最近ではようやく金融庁も直接償却を積極的にするよう金融機関に対して求めているようだが、債権放棄も含めて最終処理を進めていくべきだ。銀行の経営者たちはとにかくマイナスになるようなことをしたくないとの考え方を持っているようだが、積極的に、迅速に解決策を進めていくべきであろう。政治についても、リーダーシップをきちんと持った人物がならないといけない」。