第38話:交通体系の整備 ~JR日豊線上に東九州総貫道を建設~

 

幸ちゃん物語 第38話 (北九州地域再活性化私案編)

交通体系の整備

~JR日豊本線上に東九州縦貫道を建設~

 新北九州空港が完成し、国際貨物重点空港としての役割を十分果たすためには空港への物流機能、つまり交通網が整備されていることが必要である。米国では、空港と生産基地を往復6時間以内―トラックの運転手の1日の労働時間―で結ぶハイウェイ(高速道路)が、網目のように張り巡らされている。新北九州空港が国際産業空港として機能するには、このようなハイウェイが必要である。

 九州の西側はこの3月末、九州縦貫道の小倉東―八幡間が開通して一応の形が整ったが、東側の東九州縦貫道は全く手つかずで、全国で最後に取り残されている。これを是正するため、関係市町村の結束、中央官庁への働きかけ、その支援体制づくりを急がねばならない。中央との太いパイプと強力なリーダーシップがぜひとも必要である。ここでも私の経験を生かしてお手伝いしたい。
 
 空港を核として、九州縦貫道と東九州縦貫道で九州の各地域に網の目を伸ばしていく。各市町村とは、これに連なる国道やバイパスで結ぶ。そして、北九州市、京築・田川地区をつなぐトライアングルの形成を図る。さらに、それぞれの地域では個性を生かした物づくり、街づくりを行なう。全体として、かつての”豊の国”としてのまとまり、地域文化というものが形づくられていく。これこそが私の目指す、ローカル・ホロニックス、生きた地域システムの姿だ。
 
 一方、東九州縦貫道の推進と並行して、まず国道10号線のバイパス整備を進める必要がある。いわゆる北大道路(北九州市―大分市、125キロ)と呼ばれるもので、行橋バイパス、椎田バイパス、豊前バイパスの3つに分けて着工されている。しかし、これらの施工区間では、いたるところで埋蔵文化財が出ており、調査に伴う遅れで見通しが立てにくいということだが、70年代前半には福岡県側47キロの全面開通が見込まれている。

 東九州縦貫道の建設においても、文化財の存在や用地取得の困難さが、最大の問題になると思われる。この問題の解決として、コストとの兼ね合いがあるが、JR日豊本線上に建設することも検討してみたらどうかと思う。JR関係者は、九州の地価からみたら割高になるであろうができないわけではない。また、JR日豊線を2階建てして、ミニ新幹線やリニア・モーターカーを走らせるということも考えられる、との意見であった。おおいに検討すべき課題である。

 さて、東九州縦貫道と北大道路が完成すれば、京築地域の足の便は飛躍的に向上する。田川地区は、国道201号線かそのバイパスで東九州縦貫道と結ばれることになる。同時に田川地区は、飯塚まで来ている201号線バイパス(八木山バイパス)と田川バイパスを直結させ、福岡市内まで1時間以内の通勤距離にしたいと考えている。これにより、田川地区の人口減少に歯止めがかかることは確かである。このため、庄内―糸田間の鳥尾峠にトンネルを開通させる必要性がある。これについても関係者間の意見調整を進め、早急に取り組みたいと考えている。

 そのほかの道路網の整備、インターチェンジなどの設置に当たっては、各地域の実情に沿った形で取り組んでいきたいと思う。

 なお、九州縦貫道の新門司インターチェンジについては地元の体制さえ整えば、NTT株売却益を利用した無利子融資制度により実現することで、大蔵省と建設省の担当者の内諾を得ている。

 今後とも、この地域でもっとも遅れている空と陸の高速交通体系の整備に全力をそそぐことが、政治家を志した私の大きな使命であると考えている。