平成29年2月08日 衆議院予算委員会

 

平成29年2月08日 衆議院予算委員会

○星野委員 ありがとうございます。
これまで、今大臣が御答弁いただきましたように、ややもすると、地方の経済、そこを回していく、ローカルアベノミクスを回していく核が少し決まってこなかった、なかなか散漫になっていた。
よくよく調べてみると、今お話がありました中堅企業、資本金一億円から十億円までの中堅企業、全国に二万五千社あるんですね、ここをしっかりと支援していく。設備投資減税をしていく、金融の支援も、それぞれの地域の金融機関がしっかりとサポートに回ってもらいたいというふうに思っていますし、さまざまなアドバイスもしていく。ありとあらゆる支援策を動員して、そこの中核企業をしっかり地域地域で回すことによってローカルアベノミクスの進展が図られる、このように考えておりますので、ぜひ、最も力を入れていただきたい点でございますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
次の質問に移りますが、このように、第四次産業革命、ローカルアベノミクス、そして地域未来投資政策などを進めていく際に、安倍政権の成長戦略の一つである国家戦略特区を最大限活用することが極めて大事だというふうに思っております。
実は、私の地元の藤沢市では、特区制度を通じた大胆な規制改革によりまして、全国に先駆けた二つの先進的な取り組みを行っているので、簡単に紹介をしたいというふうに思います。
一つは自動走行でございまして、昨年の二月から二週間、全国で初めて、一般の買い物客約五十名を試乗させた自動運転タクシーの実証実験を藤沢市で行いました。乗っていただいた藤沢市民は大変勇気があるなと思うんですが、二十名募集したら五十二名集まった。最高齢の女性の方の乗り終わった後のコメントが、うちのお父さんの運転よりもよっぽど安心して乗れましたというしゃれたコメントを発していただきまして、ネット上で大変大受けでございました。
もう一つが農家レストランでございます。これまで自分の農家で生産されたものしか加工、販売が認められておりませんでしたけれども、特区制度の国家戦略特区を利用して、全国初の都市型の農家レストランがこの秋にもオープンをいたしますし、それ以外にも、やりたいと言ってきてくださっている農家が三軒ぐらいあります。
そこが全部うまく機能するようになると、そこを農業ツーリズム、農業体験をしながら半日、一日過ごしていただけるすばらしいスポットになるのではないのかなというふうに思っておりますので、オープンしたら御紹介いたしますので、ぜひ一度ごらんいただきたいなというふうに思います。
このような先進的な取り組み、すなわち、全国でもオンリーワンの取り組みを特区を中心に全国各地で推進していくためには、大胆な規制改革の実施にあわせて、地方創生交付金などの支援策も組み合わせていくことが必要だと考えます。
この点について、規制改革と地方創生の双方を全般的に担当されている山本大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 議員御指摘のとおり、藤沢市そして神奈川県では、国家戦略特区の仕組みを活用していただいて、幾つもの全国初の事業が行われております。これが第四次産業革命やローカルアベノミクスの推進に大いに寄与しているものと認識しておるところであります。
 特に藤沢市におきましては、今御紹介ありましたように、昨年二月から、一般の買い物客約五十名をモニターとして参加させた全国初の住民参加型の取り組みとして、自動走行の実証を行ったところであります。
 こうした実証実験を行う中で、既存の制度のもとではまだまだ多方面との事前協議や手続が必要であることが判明したところでありまして、それを踏まえて、事後チェックルールを徹底したいわゆるサンドボックス特区の仕組みについて、今国会に提出予定の改正特区法案にも盛り込んでいきたいと考えておるところであります。
 また、農家レストラン、地元野菜を中心とした創作料理をつくられるということでありまして、できたらすぐにも伺わせていただきたいと思っております。
 また、規制改革と資金支援策との連携につきましては、昨年十二月に閣議決定した、まち・ひと・しごと創生総合戦略にも記載したとおり、特区において規制改革を大胆に行う事業については、地方創生交付金等も含めて総合的、重点的に支援していく所存であります。
 既に、一例として、北九州市では、広いスペースでロボットを活用した介護が可能となる規制改革を伴う事業に対して、地方創生交付金で支援を行っているところであります。これにより、より効果的、効率的な介護作業が可能となるものと考えております。
 このような大胆な規制改革を行う自治体に対して資金支援をパッケージとして提供するような好事例を全国各地の特区に広げてまいりたいと思っております。

○星野委員 山本大臣、まことにありがとうございました。
農家レストランの例でいいますと、実は、都市部で農家レストランをやるのはこの藤沢市の例が初めてだったわけでありまして、実際やりますと、特区で認められているといいながらも、それぞれ、市町村、藤沢市、また神奈川県、さまざま認可を出していく。いずれにしても建物は農家に建てるわけですから、そうなりますと建築確認が必要だ、だとしたら県の建築確認審査を通らなきゃいけない、でもその審査会は年に四回しかやらないので、四カ月待ってくれ、こういうことで、だんだんだんだん後ずれをしていきます。事業者の皆さんも大変だったというふうに思います。
こうした、特区だからあとは市町村に任せておけば何とかやってくれる、やってはくれるんですけれども時間がかかる、ここを短縮することも極めて大事だと思っておりますので、ぜひ、法改正も含めて今後の進展を図っていただきたいと心からお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問ですが、地域社会で輝く光の話を最後に少しさせていただきたいというふうに思います。
福島県田村市で昨年春に開業した「みやこじスイーツゆい」があります。田村市は東日本大震災で甚大な被害を受けた自治体で、復興に向けた取り組みを進めております。都路特産の卵をふんだんに使ったケーキを販売している「ゆい」は、開業前から実際に、当時経産省の政務官を務めさせていただいておりましたので、足を運ばせていただき、可能な支援を続けさせていただいてきたお店であります。
トレーラーハウス二台を使った店の中で、経営者の都路町商工会長の渡辺辰夫さんという方がいらっしゃいます。私が質問をしたわけです。従業員の多くが若い女性で、みんな生き生きとしていますね、こういう質問に対して、この渡辺さんは、若い女性がたくさんこの都路で働いてくれれば、つられて若い男の子たちも残ってくれるでしょう、結婚して家族になり、元気な子供たちもふえるでしょう、町の復興とはそうした息の長いものなのではないでしょうかというお話をいただきました。
地域社会には、未来を見据えた光がたくさんあります。政府と与党には、あらゆる政策資源を使って、こうした地域の光とともに汗を流していく責任があるというふうに思います。
今お二人の大臣からもお話をしていただきました、地域未来投資、そしてもう一つは国家戦略特区を中心とした特区制度。地域経済を牽引する取り組みが全国津々浦々で生まれていくようにするために、経産省でやっているこの政策、そして地方創生、私は、経産省とか内閣府が連携して、一緒になって、ある地域のある事業をしっかり応援していく、この連携協力の体制が一番重要だというふうに思っておりますが、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、そういう意味で、経産省と今回、地域経済牽引事業、それに地方創生交付金をあわせてやっていくような仕組みもつくりました。
 また、今、私のもとで、商工会とJAとか、一緒に連携して地方創生に取り組もう、これは漁協も森林組合も入ってもらっているんですけれども、そういう意味で、まさに全省横断的に、一緒に地方創生に取り組むという姿勢が大変大事だと思って、委員御指摘のことを十分踏まえてしっかりとやっていきたいと思います。

○星野委員 それでは、時間は多少残っておりますが、最後に一言だけ付言をさせていただき、私の質問を終わりたいと思います。
大臣、本当にありがとうございました。また、世耕大臣、ぜひ、地域には可能性がたくさん秘められております、そこにしっかりとスポットライトを当てて、後押しをすることによって花開く、そして、そこが中心となって回っていくことによって、例えば地域地域にはクラスターができてくる、またそこを目指してさまざまな発注も出てくるという好循環の輪をローカルアベノミクスにおいても回していくことが極めて大事だというふうに思っておりますので、両大臣におかれましては、また政府全体の大きな課題として取り組んでいただくことを心から期待いたしまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。
ありがとうございました。

(略)

○山下政府参考人 先生御指摘の偽造医薬品につきましては、国民の健康被害の発生を招くおそれのある重大な問題であると認識をしております。
警察では、厚生労働省や都道府県の薬事担当部局等の関係機関と連携をし、偽造医薬品の販売等について厳正な取り締まりを行っているほか、偽造医薬品等を広告している国内外の違法なサイトにつきましては、プロバイダー等に要請して、その削除に努めているところでございます。
また、国際的な連携にも努めており、毎年、ICPO等国際機関の調整のもとで、インターネット上の偽造医薬品等の取り締まりを同一期間に集中して行うオペレーションパンゲアに参加しているところでございます。
警察といたしましては、今後とも、国内外の関係機関との連携を強化し、この種事犯の取り締まりにしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

○國重委員 これについてもぜひよろしくお願いいたします。
これまで、経済また健康という観点から質問をしてまいりました。最後に、人権の問題、性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する理解促進等についてお伺いをいたします。
今般、人事院は、省庁でのセクハラ防止に関する規則の運用通知を改めました。具体的には、同性愛者は気持ち悪い、こういった性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する偏見に基づいた言動やからかいといったものもセクハラに当たると明記をして、これまでも解釈によって認められておりましたが、これをより明確化しました。当事者団体からもこれを高く評価する声が上がっております。
これも質問しようと思いましたが、一問飛ばしまして、まず、今般の改正を受けて、公務におけるセクハラ防止規則を所管する人事院として、相談体制の強化等をしっかりやっていくということを聞いておりますので、これについてはぜひしっかりやっていただきたいというふうに思います。
その上で、これまでは性的マイノリティーに関する研修というのは各省庁任せで、温度差があったというふうに聞いております。しかし、今般の改正を受けまして、各省庁におきましても性的マイノリティーに関する研修の実施がいわば必修科目になりました。この研修をいかに充実したものにしていくか、これが極めて重要でございます。
私の地元の事務所は、大阪の玄関口である新大阪駅がある大阪市の淀川区というところにありますけれども、事務所のすぐ近くにある淀川区役所では、平成二十五年九月一日に全国の行政機関で初となるLGBT支援宣言を打ち出しました。そして、まずは職員の理解向上のために、性的マイノリティーの当事者で講師経験豊富な方を講師に招いて、過去の体験談を中心に、行政機関の役割、意義等についても勉強をしたようでございます。
支援宣言を打ち出した平成二十五年には、全職員約二百八十名が計六回にわたる研修を受けました。いろいろな施策に共通する横軸の問題であることがわかった、こういった感想が寄せられて、三年目には、その研修を受けた職員が講師を務めるまでになりました。また、この研修以外にも本当にさまざまな取り組みをしておりまして、民間企業の方からも視察等が相次いでおります。
そこで、山本国家公務員制度担当大臣にお伺いをいたします。
今後、淀川区など先駆的な取り組みをしている自治体を参考にしながら、政府全体として性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する理解を促進するための研修をより一層充実させていくべきと考えますが、これについての今後の取り組みをお伺いいたします。
〔武藤(容)委員長代理退席、委員長着席〕

○山本(幸)国務大臣 国家公務員の性的指向、性自認に関する理解の促進は、多様な人材を生かすダイバーシティーの推進やハラスメントの防止の観点から必要な取り組みであります。
 このため、内閣人事局においては、昨年七月に各府省の人事担当者を対象として性的指向、性自認に関する勉強会を開催し、性的指向、性自認に関する基本的な知識、ふだんの言動等で気をつけるべきこと、当事者等から相談を受けた場合に人事担当者として認識が必要な事項等について共有し、理解の促進を図ったところでございます。
 今般、人事院規則の運用通知の改正によりまして、性的指向や性自認をからかいの対象とする言動等もセクハラに当たり許されないことが明確化されたことを踏まえ、今後、各府省の人事担当者向けの勉強会の開催、内閣人事局が実施する研修等において性的指向、性自認に関する内容を追加する等により、国家公務員の性的指向、性自認についての理解の促進やハラスメントの防止を一層積極的に図ってまいりたいと思います。

○國重委員 ぜひ、この研修につきましても、形式的なものではなくて、実質的な、本当に意味のある、そういったものにしていただきたいというふうに思います。
性同一性障害を含めて、性的マイノリティー、本当にこの社会の中で生きづらさを感じている、苦しんでいる、こういった方たちは多くいらっしゃいます。そういった方たちがありのままに生きられる社会、多様性が尊重される社会、こういったものを築くために、私も引き続きこのテーマにつきましてもしっかりと取り組んでまいる決意でございます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。

(略)

○吉田(豊)委員 日本維新の会の吉田豊史です。
富山県富山市出身、また、予算委員会は初質問になりますので、大変緊張いたしております。委員長初め委員の諸先輩方には大変忍耐力の要る時間になるかもしれませんけれども、一生懸命頑張りますので。また、両大臣には御指導いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
きょうは、地方の自立、自立ということでテーマを持ってまいりました。
自立というのは非常に重い言葉ですし、政治家としては常に、私も一歩でも自立したい、その思いで毎日活動しておりますが、たまたまではございませんが、日本維新の会も、党としてのテーマは自立ということを掲げております。そして、今回は憲法改正、我が党は三本柱を出しております。一つ目が教育の無償化、また二つ目が国と地方の統治機構の改革、ここが今回のテーマになる自立ということですが、それに合わせての憲法裁判所の設置、こういうことでございます。非常に難しいテーマを自分で選んでしまって、ここからどうスタートしていくかなというところでございますけれども。
今、麻生大臣がちょっと私を見て笑ってくださっておるんですが、本当にうれしいのは、私は議員になりましてから財務金融委員会の方に所属いたしまして、いきなり質問が大臣に対してだったんです。とにかく何をすればいいかわからなかったもので、名前だけでも覚えていただこうと思って、一生懸命、前の晩、寝ずに共通点を考えて、それが、私の商売が豆腐屋でございまして、大臣はセメント屋で、お互い固め物屋ですからよろしくお願いします、こう申し上げたところ、大臣が本当に椅子から転げ落ちるぐらいに笑ってくださいまして、それをもって私はすぐ富山で自分の速報をつくった、こういう華々しいデビューを飾ったんですが、その後、鳴かず飛ばずでございます。
きょうは、麻生大臣また山本大臣にお越しいただいておりますので、僣越ながら、三人の共通点ということで、きょうも探してまいりました。共通点は、漢字の豊という字でございます。両先輩、両大臣とも筑豊という広くの意味での御出身でございますし、私は名前は豊史といいまして、豊かな歴史と。見ていただくと、全然豊かな歴史ではなくて、何か肉の歴史みたいな、体だけが豊かだという状況でございます。
済みません、前振りばかり言っておりますが、本題に入らせていただきます。
地方の自立ということで一番大切なことは、いかにして地方を自立させていくのか。そのことについて、政府は今、まち・ひと・しごとを創生する、そして地方創生という言葉をお選びになって、その政策を進めていらっしゃるわけです。
改めて、私は、富山県に住んでおりますと、新幹線も通していただいた、それは、富山の人も一生懸命頑張りました、北陸の皆さんも頑張って、そして得た成果だと思うので、これは非常に大きな、みずからで道を切り開くといういい例じゃないかなと思ってはおりますけれども、これから先が勝負でして、実際に、北陸においては人口減少がまだまだとまっていないというところも事実ですし、また、その北陸の中でも、地域の中に、自立の可能性があるところと、そうではなくて、そういうものがあっても衰退していく可能性があるという、大きく分かれていく部分だと思っています。
改めて、この地方創生という考え方が、まち・ひと・しごと創生法をつくってから二年たっておるわけですけれども、どのような展開をしていて、これが今どのように機能していると分析なさっているか、山本大臣にお聞きします。

○山本(幸)国務大臣 地方創生をめぐる現状としては、東京一極集中につきましては、二〇一二年以降四年連続で転入超過数が増加しておりまして、二〇一五年には約十二万人の転入超過となっております。二〇一六年には五年ぶりに若干減少したんですけれども、依然として一極集中の傾向は続いていると承知しております。
 そのような状況の中で、二〇一四年十一月に成立したまち・ひと・しごと創生法に基づき、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するとともに、昨年度までに地方版総合戦略の策定がほぼ完了したところであり、今年度から本格的な事業展開に取り組む段階に入っております。
 昨年八月の大臣着任以来、私は全国の五十四市町村百二十六施設の様子を視察いたしましたが、先駆的な取り組みをやっている自治体も多く、手応えも感じているところでございます。
 例えば、島根県隠岐諸島の海士町では、地域の農産物や海産物を付加価値の高い商品にして島の外に売り出す取り組みにより、新たな雇用の創出や地域の収入増大に成功しております。
 また、宮崎県日南市油津商店街では、公募された民間人材のリーダーシップのもと、多くの店舗やIT企業を誘致してにぎわいを取り戻し、新たな雇用の創出を実現しているところであります。
 この例のように、地方創生においては、各地方公共団体が自助の精神のもと、地方の平均所得の向上のための取り組みを進めることが重要であると考えております。
 そのような意欲を持った地方公共団体を支援するために、平成二十九年度予算案においては、厳しい財政事情のもと、地方創生推進交付金一千億円及び総合戦略等を踏まえた個別施策六千五百三十六億円等を計上しております。さらに、地方財政計画の歳出に、まち・ひと・しごと創生事業費一兆円を計上しているところであります。
 これらの財政支援に加え、情報支援、人材支援の地方創生版三本の矢で、意欲と熱意のある地方公共団体を強力に支援してまいりたいと思います。
 私、富山県富山市も行ってまいりましたけれども、大変頑張っていただいて、魅力的な取り組みを熱心にやっていただいております。交付金等でできるだけの支援をしたい、そういう頑張るところにはやっていきたいと思っております。

○吉田(豊)委員 今大臣に御説明いただいた考え方、それに従って既に計画が三年目に入るというところだと思いますけれども、日本全体の中でも、おっしゃったように、東京一極集中、それは二〇二〇年のオリンピックがあるということでより明らかになってきておりますし、実際のところさまざまな、アルバイト一つをとっても、どこで働くとどれだけの賃金が出てくるかということも、やはり東京が一番いいということもわかりやすい状況になっているわけです。
その中にあって、我が国の東京以外を全て地方と呼んでいいかどうかという問題もありますが、地方創生の考え方というものは、私は、地域地域をどのような大きさで捉えて、そしてそれに合わせた自立あるいは自分たちの道というものがあると思うんですけれども、この地方創生の考え方に、その枠といえばいいか、それが地域の広さなのか、あるいは都道府県なのか、市町村なのかという、このことがもし根本としてあるのであればお聞きしたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

○山本(幸)国務大臣 それは、それぞれの地方ごとに違うと思っております。中核的な大きな都市もあるし、本当に消滅寸前のような都市もあります。
 しかし、大事なことは、それぞれの地域で、自分のところの地域資源、持っている強みは何なのか、あるいは弱みは何なのかというようなことをしっかりと分析した上で、そのそれぞれの地域の規模なり環境に合った施策を考えていただく、そのために私どもは情報支援ということで今RESASという分析システムを提供しておりまして、そういうものを活用していただいて、それぞれに合った施策を考えていただく。
 我々も、個別の事情に応じた形で、どうすれば少しでも所得が上がっていけるような、あるいは持続的な取り組みができるかということをお手伝いし、場合によっては人的支援もやって支援をしていきたいと考えているところであります。

○吉田(豊)委員 私、先月ですけれども、勝手ながら北九州市の方に行きました。それは、党の方で北九州市議会議員選挙があって、そこの方に応援ということで伺ったんですけれども。
私からすれば本当に大きな市だなというか、そして、それぞれの区に特徴があるところですので、これを一つにまとめていらっしゃっている。だけれども、北九州でも実は人口が減ってきているという問題があって、それは、福岡は県でいえば五百万ですか、大きな県だと思います。富山県の五倍もある県ですけれども、それでもその中では福岡の方に一極集中が進んでいて、第二の政令指定都市である北九州でさえ今そんなことで人口問題を抱えているという、地域地域でやはり大きな構造的な違いがあるわけですね。
実際のところ、私は地方創生という大きなくくりで話をしていますけれども、大臣がおっしゃったように地域地域で、何をもって一体化して、自分たちの地域だから自分たちでやっていこうというふうに考えるのかという、この根本のことを共有していくということが私は自立のベースではないかなと思うわけです。
改めて振り返ってみますと、まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則というものが提示されております。申し上げますと、一番から五番まであって、自立性、将来性、地域性、直接性、そして結果重視ということがあるんですが、改めて大臣に、この五つがなぜここで五原則として出てきているのかというところを確認させていただきたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 今、北九州市の御指摘をいただきましたけれども、私も北九州なんですけれども、麻生副総理もその近くで、緒方先生もそうですが、全体として見れば北九州です。大都市なんですね。ところが、かつては人口が百三十万あったのが今は九十六万ぐらいに減っていて、大変だ大変だと言っておりましてね。私は、各地方を見て回って、例えば海士町に比べれば、海士町は二千四百人しかいないんですから、そこに比べれば何の不足があるんだというようなことを地元に帰って申し上げて、恵まれているところをしっかり見据えた上でどうしたら生き生きとできるかということを、むしろ嘆くことだけじゃなくてしっかり前向きに取り組むということが大事だということを、最近は強調してお願いしているところであります。
 その上で、本題ですが、御指摘のように、地方創生においては、従来の政策の弊害を排除して、人口減少の克服と地方創生を確実に実現するために、自立性を初めとするまち・ひと・しごと創生に係る政策五原則、自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視のもと、地方公共団体にみずから地域で何が課題になっているのかを考えていただき、その解決のための取り組みを進めているところであります。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略や、平成二十九年度予算案に計上された事業についても、こうした自立性等の地方創生に係る基本的な考え方に照らし盛り込んだものであります。
 これは、要するに、今までの取り組みが、ともすれば画一的な、自立性、持続性につながらないような取り組みがあったという反省のもとに、お金を使うにしても、ばらまきといいますか、そういうことじゃなくて、本当に自立性あるいは特徴を持った取り組み、そういうものをしっかりやってもらおうということでつくり上げた原則であります。
 これに基づいて、私どもとしては、今後とも、自助の精神を重視して、意欲と熱意がある地方公共団体に対する支援に取り組んでまいりたいと思っております。

○吉田(豊)委員 もう少し、原則のところ、私は、五番目の結果重視ということが出ているというのは非常に大胆といえばいいか、そのとおりであるべきなんですが、なかなかそれは書けないところだろうとも思っているんです。
これは今、二年、三年目に入っていて、結果重視という姿勢がより強く出てきていいかなとも思うんですけれども、山本大臣はどのようにお考えかということを改めてお聞きしたいと思います。

○山本(幸)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、これまでは、やるんだけれども、結果がどうなったかという検証が行われないで尻すぼみというようなことがあったという反省のもとに、この点をしっかり打ち出しました。
 したがいまして、地方創生推進交付金等を交付するに当たりましては、必ず、KPIといいますか、重要なパフォーマンスの指標をみずからつくっていただいて、それに対してPDCAサイクルというチェックをやって、ちゃんと結果について見ていくんだということを明確にして取り組んでおります。
 このことによって、地方公共団体による自主的、主体的な取り組みを安定的かつ継続的に支援しようということで、平成二十八年度、まさに石破大臣のときに創設されたものでありまして、これはしっかりとやっていきたいと思いますし、そうでなければ本当の地方創生の実が上がらないというふうに思っております。

○吉田(豊)委員 今ほど山本大臣から答弁いただきましたが、私の浅い勉強の中での理解では、最終的にやはり、そういうさまざまなチャレンジについても実際にそれでは予算をどうつけていくかということを、私は麻生大臣が最終的に責任を持ってなさっているだろうと思っているわけです。
そのことからすると、結果重視という言葉は、これも実はわかりにくい言葉で、挑戦するということは、よりハードルが高い、難易度が高いことをするときは結果も出にくいけれども、でもそこに大きな可能性があるということも当たり前のことだと思うんです。
ですから、ここで言っている結果重視というのは、目の前に解決しやすいことについて簡単なことを提案して、そしてそこに結果が出る、そういう意味でのチャレンジのみならず、より難易度が高いこと、あるいは大きな変革の可能性があることにも取り組むという、そのことについても私はしっかりとした予算づけをなさっているだろうと思うんですが、改めて私は、財務大臣の予算づけの考え方、結果重視という言葉をどう受けとめてそれをなさっているかということをお聞きしたいと思います。

○麻生国務大臣 これは、吉田さん、昔の話ですけれども、竹下登大蔵大臣、今の竹下亘国対委員長のあれですけれども、このときに一自治体に一億円配ったんですよ。当時、三千七百市町村ぐらいだったと思うな。だから、三千七百億配った。どうなった、あの金。あの金、どうなったよ、各自治体は何に使った。これは調べてみるとおもしろいよ。もう本当にてんでんばらばら、実にいろいろやった。当たったところと全くどこかへ消えたところの差は何だろうといえば、それは首長の能力ですよ。はっきりしていると思うね。
今、北九州の例が出たけれども、北九州には緒方林太郎とか山本幸三とか、ほかにも何人もいますよ。同じ県の中に政令都市が二つある、うちは。もう一個は福岡よ。福岡一区の方は、後ろの椅子にいる井上貴博とか、鬼木とかがいますよ。二者を比べてどっちが品がいいか悪いかとか、能力があるか高いかとか、そんなのは関係なく、言っておくけれども、北九州も新幹線がとまるよ、国際空港もあるよ、港は全部一番深いのがあるよ。工業はどう。新日鉄発祥の地、東洋陶器の本社があって、安川電機もある。福岡は何がある。ないよ、そんな会社。それにもかかわらず、そもそも最初にスタートしたときは、ほぼ百万前後でスタートして、途中まで北九州は百三十万まで行ったよ。あるときからどんと落ち目の三太郎で、今は九十五万。違うかな、そんなものだろう。違うか、緒方さん、九十五万ぐらいだろう。まあ、見え張って九十六万ぐらいだな。傍ら、百五十二万に行ったんですよ。
何が違うんだね、この差はといえば、僕はもうこのところははっきりしているね。やはりこの四、五年の間で、とにかく市の税収の伸び率は日本一。政令都市が二十一あるけれども、日本一。間違い、人口の伸び率が日本一。
腕や。僕は市長さんの腕だと思うね。この二つ、同じところにあるから物すごくわかりやすいんだけれども、傍ら、地元の人じゃないから、福岡の方は。地元の人じゃないのよ。それでも関係なくそれだけ伸びたという例を見てもわかるように、首長さんは当選したのが三十六歳だからね。時の現職の民主党の市長と戦って勝って、それで、彼は三十六から、今は二期目で四十一歳かな。圧倒的に市長さんの中で最も能力が高いといったら、多分例外なく、みんなこれを認めざるを得ないと思うぐらい。
やはりそういった意味では、いい首長さんを探してきて、それをみんなでバックアップするというシステムができ上がらない限りは、今回、一千億ついてみたり、また政府全体として六千五百三十六億円も確かに創生に関する予算としてついていますけれども、どういう答えが出てくるかというのは、その答えはもうはっきり出ちゃうから。だから、そういった意味では、首長さんというのはいい人だなじゃとてもじゃない、そういう時代じゃなくなってきているというのが正直な実感です。