平成29年2月28日 参議院予算委員会

 

○小川勝也君 私のところには、トンピンの日本部隊宿営地の上空を戦車の砲が飛び交ったという情報が来ています。もし私がそういう情報に接したとするならば、上司であります北澤大臣に撤収、撤退を考えるべきではないでしょうかと進言するところでありましたけれども、うちの大臣もインタビューに答えて、撤収すべきだという記事を残してくださっています。
このPKO問題はまだ別な場面で議論することになろうかと思います。
次、天下りの資料を出してください。
山本大臣、この委員会での補正予算の審議からいろいろとお付き合いをいただいてまいりました。全省庁に対する審査状況の進捗をまずはお知らせいただきたいと存じます。

○国務大臣(山本幸三君) 今般の文部科学省事案で生じた国民の疑念を払拭するため、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事案がないかどうか全省庁について徹底的な調査を行うよう指示がございました。
 調査は各省任せではなく、内閣人事局に外部の弁護士を含む再就職徹底調査チームを立ち上げ、直接実施しているところでございます。現在、鋭意調査を行っております。大事なのはしっかりとした調査を厳正に行うことであり、最初からスケジュールありきではなく、徹底的に調査を行ってまいりたいと思います。
 一方、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくことも重要であり、私の指揮の下、スピード感を持って進めてまいりたいと思います。

○小川勝也君 続いて、後にまた新しい案件が出ました文部科学省はいかがでしょうか。現在までの状況をお知らせください。

○国務大臣(松野博一君) まず、教育をつかさどり法を遵守する立場にある文部科学省の職員が国家公務員法に違反する行為を行ったことは、国民の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねるものであり、省を挙げて猛省をし、文部科学省の責任者として心よりおわびを申し上げる次第であります。
本事案につきましては、一月十九日に再就職等監視委員会から指摘を受けて以降、文部科学省に設置をした再就職等問題調査班において調査を進め、まず二月六日に、国会における御審議にも資するよう、組織的な再就職あっせん構造について、その時点で把握できた事実を公表させていただきました。
その後引き続き調査を進め、二月二十一日に、組織的な再就職あっせん構造や三十七件の個別事案について、その時点で把握できた事実関係を整理した中間取りまとめを公表させていただいているところであります。
今後、中間取りまとめで十分に確認できなかった事案を含め、全職員や退職者を含む徹底的な調査を進めて全容を解明し、厳正な処分を行うとともに、実務的な研修の実施など再発防止を着実に実行することで、一刻も早く文部科学行政への国民の信頼を取り戻すことができるよう、省を挙げて取り組んでまいります。

(略)

○小川勝也君 今日、参考資料の中に、週刊現代に記載されておりました天下り一覧というのと国家公務員の再就職に関する規制等についてという資料を付けさせていただきました。
前川参考人にお伺いをしたいと思います。
この再就職に関する規制については当然御存じだったと思いますけれども、いかがでしょうか。

○参考人(前川喜平君) 再就職規制については承知しておりました。

○小川勝也君 この規制に反しない形で文科省出身の官僚の皆さんが就職することは難しいことだとお考えですか。

○参考人(前川喜平君) 規制に違反しない形であれば、再就職は可能だというふうに考えております。

○小川勝也君 なぜこの程度のことを守れなかったのか、非常に残念であります。
この規制自体は厳しいものかどうか、前川参考人、いかがお考えでしょうか。

○参考人(前川喜平君) これは法律でございますから、そのとおり守らなければならないものであるというふうに承知しております。

○小川勝也君 この規制に抵触しない形で再就職をすることは難しいことだとお考えでしょうか。

○参考人(前川喜平君) 再就職規制違反にならない形での再就職は十分可能であるというふうに考えております。

○小川勝也君 週刊誌のネタであるのでパネルにはしませんでした。
天下りというふうに書いていますけれども、山本大臣、これは実は天下りではないということを述べてください。

○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の再就職について問題なのは、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口利きや、予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。一方で、法令に違反することなく再就職して、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには大変意味があると考えております。このために、密接な関係のある営利企業への離職後二年間の再就職の原則禁止に代えて、平成十九年の国家公務員法改正によりまして、それまで禁止されていなかった各府省による再就職あっせんの禁止等厳格な規制を導入するとともに、監視体制として再就職等監視委員会を設置したところであります。
 今回の事案は、この再就職等監視委員会の監視が機能したからこそ明らかになったということであります。その意味で、私どもとしては、こういうことが決して起こってはいけないと思っておりまして、総理からの指示を受けて、今、全省庁についての、そのようなことがないかどうか全力を挙げて調査をしているところでございます。

○小川勝也君 私は、しっかりルールつくって、この天下りではないのを天下りだと書いた週刊誌を訴えるぐらいじゃないといけないと思いますよ。そこはもう、読者の皆さんには文科省の事例とその他の事例の区別が付かないわけです。ですから、もっとしっかりとしたルールをつくるべきだと存じます。
そんな中で、昨年の決算委員会でも取り上げました、今、顧問と同時に社外取締役というのが大変増えているようであります。特に経産省や財務省に多いわけでありますけれども、特に経産大臣から、これはやっぱり厳格に見守っていかなきゃならないのに、これからどういうことを役所のトップとしてしなけりゃならないのか、もし決意があればお伺いをしたいと思います。

(略)

○国務大臣(松野博一君) 今回の再就職等規制違反に関しまして、大変な文部科学省に対する信頼を損ねたことに関して猛省をしております。
その上において、今しっかりと事実、全容解明すべく調査を進めているところでありますが、委員の方からお尋ねの罰則規定を新たにということでございますけれども、現状において文部科学省は、現在の法律に違反をして、そして調査をしているところでございますので、まずその違反に関する調査を徹底をしてまいりたい、そして再発防止に努めたいと思っております。
全体としての法律の議論に関しましては、もしそういった方向の御議論があるとすれば、山本大臣を中心に関係省庁との間、また立法府の中において御議論があり、文部科学省としてももちろんこれは協力をさせていただきたいと考えております。

○藤末健三君 我々民進党は、その辞めたOB、そして辞めた職員に対しても罰則を作るということを今検討して、法律を準備しています。
ちょっと登録はしていませんけれども、山本大臣、いかがですか、これについて。

○国務大臣(山本幸三君) 現在の体系では国家公務員法上の懲戒処分というのがございますが、これは国家公務員の秩序を守るという観点から行われている処分であります。したがいまして、国家公務員の身分を失うと対象にならないということになります。ただ、一方で刑事罰がございまして、これはまさに禁錮刑や懲戒処分の対象となったような場合には辞めた場合でも刑事罰としては掛かるということになっております。
 いずれにしても、そういうことについて、今回の事案がありまして、今全省庁、徹底的な調査をやっておりますので、その結果を見て、どういうことが実効性が上がるかということについてはその結果を見て考えたいと思っております。

○藤末健三君 山本大臣にもう一つお聞きしたいんですけれど、今日の予算の問題にも関連しますが、受け入れた側の罰則はいかがお考えでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 先ほども申し上げましたように、国家公務員法は国家公務員の制度の中で国家公務員の秩序維持という観点から作られているわけであります。したがいまして、これを部外の対象者に適用するということはなかなか非常に難しいし、これはよほど慎重な検討をしなければいけないと思っております。

○藤末健三君 これは文部科学省にお聞きしたいんですが、中間報告の中で違法なあっせんだと指摘された人を受け入れた法人、来年度予算が渡される可能性がある法人は幾つありますでしょうか。その金額もまた教えてください。

○国務大臣(松野博一君) 再就職等監視委員会からの指摘及び中間まとめにおいて再就職等規制に違反するとされた二十七の案件において、指摘された文科省OBが実際に当該法人に再就職していた事例は十三件であり、法人数としては十三法人であります。これら十三法人のうち過去二年間に文部科学省から支出実績があるのは八法人であり、その金額は平成二十七年度実績で百二十億五千六百万円です。
再就職あっせん問題はあくまで国家公務員法に抵触した文部科学省側の問題であり、これらの法人に違法行為が認められたわけではないことから、これらの法人に対して二十九年度予算を配分、執行することに問題はないと考えているところでございます。