政策レポート

『ゼロ金利解除』に反対した理由(2000.8.11)

山本幸三が『ゼロ金利解除』に反対した理由!

 1 ゼロ金利解除は金融引締めで、折角景気が回復しかけているのに、水を差すことになるからです。(この為、緊急提言を発表しましたが、日銀は聞く耳を持たず、811日に解除を強行致しました。)

 2   よく、「年金生活者は、預金金利が上がると、消費を増やす。」と言われますが、日本人全体の個人所得の内、利子所得の占める割合は4.3%にしか過ぎません。74.4%は雇用者所得(サラリー)です。金利が上がって、企業経営が厳しくなり、賃金カットやリストラが行われる影響の方が圧倒的に大きいのです。経済は一部だけを見ていると全体の姿を見失うのです。

 3   今回、日銀が金利を上げたので、政府は補正予算の編成を余儀なくされました。日銀と政府の政策の方向が真反対を向いており、本末転倒です。しかも、今回のように、一国の総理大臣がこれほど馬鹿にされた政策決定はなかったと思います。 こんな経済政策の運営はあってはなりません。 (以上)