政策レポート

日銀法再改正し政府の意見反映すべし(2001.4.25)

平成13425日(水曜日)

日銀法再改正し政府の意見反映すべし

 

 基本的に日銀の理論は間違っている。金利は名目ではなく、実質ベースで見るべきだ。実質金利でいくには「量」で政策運営するしかなく、もっと早く方向転換するべきだった。また、過去の指標、足元しか見ていない。フォワード・ルッキングの政策が不可欠で、それには将来の物価目標を持つべきだ。 

 3月19日の金融政策変更は、単にゼロ金利政策に戻っただけの目くらまし。ゼロ金利政策と何が違うのか。日銀当座預金残高の1兆円程度の積み増しも、ゼロ金利同様、余剰資金が市場に向かわず、当座預金の中で滞留してしまう。「量的緩和」という名前を変えただけで実態は同じだ。速見優総裁の責任逃れではないか。

 こんなことではどうしようもない。だからこそ、日銀法の再改正を訴えている。まず、日銀の金融政策と政府の経済政策との一層の整合性を確保するため、政府の意見を反映させる機会を確保すべきだ。このため、政府が議決の延期を求めた場合、政策委員会は1回に限り議決を延期するべきだ。ブンデスバンクも「政府代表の要求があった場合、決定は2週間延期される」制度を設けている。

  また、第15条の政策委員会の「通貨および金融の調節に関し議決すべき事項」に、「物価水準の目標および通貨の供給見通し」を加えるべきだ。金融政策決定の透明性を確保し、説明責任を高めるのが狙いだ。