日銀に国債購入倍増要求へ(2005.11.30)(時事通信)

時事通信記事(平成17年11月30日)掲載記事

日銀に国債購入倍増要求へ

日銀に国債購入倍増要求へ=長期金利の上昇抑制-自民小委員長
 自民党金融調査会・金融政策小委員会の山本幸三委員長は、景気回復局面で長期金利が過度に上昇するのを抑制するため、日銀に対して長期国債買い入れ額を現行の月1兆2000億円からほぼ倍増の2兆円規模に引き上げるよう求める意向を表明した。時事通信が11月29日に行ったインタビューで明らかにした。
 量的金融緩和政策の解除をめぐって政府・与党と日銀の溝が深まる中、山本氏は「デフレ脱却の定義について、政府と日銀で共通認識を持ちたい」と強調。その上で、「日本経済はまだデフレを脱却していない。日銀にきちんと金融政策をかじ取りしてもらわないと、デフレ脱却が遅れ、(景気が)後戻りするリスクが高い」と述べ、金融政策の変更は時期尚早だとの認識を示した。
 山本氏はマクロ経済政策の目標を「名目成長率3.5~4%、消費者物価上昇率1.5~2%」とした上で、「長期国債購入を通じて名目(長期)金利を抑制できる。日銀にぜひ聞きたいが、財政再建に反対なのか」と語り、国債利払い費の増大につながる長期金利上昇を抑えるため、日銀に協力を求めた。
 山本氏はインフレターゲット(物価目標)論者として知られるが、中川秀直自民党政調会長の指示に基づき、金融政策小委では目標導入のための日銀法改正は見送る考えを明らかにした。ただ、「(政府に協力しなければ)法改正の議論まで誘発してしまう。真剣に考えてもらいたい」と日銀に警告を発した。(了)