EPA実現へ共同研究(2007.5.19)(読売新聞)

EPA実現へ共同研究 ~来月スタート~
(アジア経済人会議)

 アジア経済の将来を討議する第17回アジア経済人会議(アジア・ソサエティー主催、読売新聞社など後援)は18日、3日間の日程を終えて閉幕した。期間中、アジアの経済連携などについて活発な議論が行われ、18日に講演した山本幸三経済産業副大臣は東アジアEPA(経済連携協定)構想の実現に向けて、「来月から民間研究を始める」と述べ、民間専門家による共同研究会の初会合をスタートさせる意向を示した。東アジアEPA構想は、ASEAN10カ国に日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドを加えた16カ国で自由貿易協定(FTA)を柱とするEPAを締結する構想で、日本が提唱している。
 民間レベルの研究は政府間交渉の前段階という位置づけで、協定締結の効果や交渉の枠組みを具体的に分析、研究する。来年1月に開かれる東アジア・サミットで共同研究の成果が報告される見通しだ。
 一方、FTAの締結と同時に、世界貿易機構(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の妥結を急ぐべきだとの意見も相次いだ。日本貿易機構(ジェトロ)の林康夫理事長は「(EPAは)いずれも次善の策。より広い統合こそ望ましい」と述べ、自由貿易の体制はWTOを基本にすべきとの考えを示した。マイクロ・ブリリアント米商工会議所会頭も「ドーハ・ラウンドを進展させなければ、先進国がFTAばかり途上国と結んでしまい、WTO交渉が形骸化する」との懸念を示した。