自民党内に利下げ論(2007.10.18)(日経金融新聞)

日経金融新聞

自民党内に利下げ論

山本氏、小委員会に再登板

「日銀の金融政策が間違っていることを実証する方向で議論する」。福田康夫政権の発足に伴い、自民党金融政策小委員会の委員長に復帰した山本幸三衆院議員が、有識者を講師に招いて精力的に勉強会を重ねている。衆院予算委員会理事を務める山本氏は、国会の場でも日銀の福井俊彦総裁に論戦を挑む構えだ。

▼・・・インフレターゲット(目標)導入論者である山本氏は「現在の経済・物価情勢は利上げではなく、利下げするべき局面にある」と主張する。十七日の会合では外資系証券の担当者から米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の状況について聴取。今月四日、初回の講師として招いたのはリフレ派の中心的存在である岩田規久男学習院大教授だった。これまで「日銀抜き」で議論してきたが、来週は日銀にも出席を求める方針だ。

▼・・・山本氏は昨春、金融政策小委委員長として物価安定の数値目標導入を求める提言をまとめた。経済産業副大臣に就任して委員長職を離れたが、本人の強い希望で再登板した。日銀は二月の利上げ以降、サブプライム問題の余波などを受けて金融政策の現状維持を続けているが、なお利上げ時期を探る姿勢を崩してない。山本氏についても「敬して遠ざける」といった風情だが、物価はいまだ上昇基調に入らず、金融市場の混乱が実体経済にどう影響するかも見えない。「山本小委」という火種に再び火がつく可能性は、皆無というわけではない。